アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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第二十話 私と白銀君と神宮寺教官と

 こんにちは 沙霧真由です。

 何やってんですか、あのバカ兄貴は―――――――――――――――――!!!

 何が『国民の皆様にはご迷惑をおかけします。(キリッ)』ですか! 閣僚みんな殺しちゃってご迷惑どころか日本中混乱しまくりですよ! 何『夜中に道路工事します。皆様にはご迷惑をおかけします。(ペコリ)』みたいなレベルで言ってんですか――――――! 今すぐこの熱く燃える炎の拳でヤツのメガネが吹き飛ぶほどに殴りたい! ポコンッて感じのパンチにしかならないんですけどね。

 鎧衣さんが前に来たとき『戦略研究会』が出来たことも言ってたのに、何もしなかった自分が悔やまれます。オルタは何度もやったけどその辺り、動きがなさ過ぎてつい飛ばしちゃうんですよ。

 

 

 

 さて、ピアティフさんは夕呼さんに呼ばれて行きました。私は待っているように言われましたが、やっぱり二〇七訓練小隊の皆さんが気になりましてブリーフィングルームへ向かいました。で、その途中白銀君とバッタリ出会ったのです。

 

 「真由。あれ、お前の兄貴なのか?」

 

 「ハイ、お兄ちゃんが千鶴さんのお父さんを……。千鶴さんは?」

 

 「やっぱ落ち込んでるよ。あいつには今、会わないでおけ」

 

 するとそこへ神宮寺教官も通りかかりました。事件のせいでしょうが完全軍人モードです。

 

 「白銀……その娘もか。ピアティフ中尉は?」

 

 「あ、いえ千鶴さんにあやまりたくって抜け出してきてしまいました」

 

 「あやまって済む様なことでもあるまい。君も大変な立場になったな」

 

 やっぱりそうですよね。これからどうしよう。

 

 「それにしても真由の兄貴、どうしてこんなことを! 妹もここにいるってのに!」

 

 白銀君は悔しそうに言いました。

 

 「我が国は国土を半分BETAに奪われ追い詰められつつある。彼らは出口を探して迷い、間違った答えを出してしまったのだろう」

 

 「いったい………BETAって何なんです!? 何でこの世界にはあんなものがいるんですか!?」

 

 白銀君!? 向こうの世界の人間の発言ですよ!

 

 「『BETAは何なのか』か………世界中の人間が一度は問いかける問題だな。」

 

 え、これって普通なの?でもよかった。神宮寺教官、上手くスルーしてくれた。

 

 「”何故BETAなんてこの世にいる!? 何故奴らに大切な人を殺されなければならない!? 何故故郷を失わなければならない!?”……とな。だがそんな問いに答えられる者などどこにもいない。神も沈黙したままだ」

 

 いえ、アホ毛の女神の答えが私なんですけどね。言えませんけど。

 

「研究ではBETAは我々人類を”生命体”と認識していないそうだ。だが間違いなく私達は生きている」

 

 アレ?なんか原作にはない名シーンの予感?

 

 「この世界に生きる以上我々は訓練を積み、闘っていかなければならない。BETAに我々が生きていることを示すために、人類に残された『息苦しい世界』を守るために」

 

 神宮寺教官は白銀君を強く見つめます。

 

 「衛士は出撃するとき多くの人の運命、そして己が運命を機体に乗せていく。貴様のその迷い、決して機体に乗せていくな」

 

 白銀君、ずいぶんとまどってます。自分の世界のまりもちゃんと違いすぎますからね。

 でも私も神宮寺教官の話を聞いて思うところがあります。私もどこかこの世界の人達を生きていない、ゲーム上の存在と思っていたのかもしれません。だから”フラグを一つ折ればイベントは発生しない”なんて考えでこんな失敗を許してしまったのでしょう。でも神宮寺教官の話で”間違いなくこの世界の人達は生きている。生きてBETAに苦しめられている”って思いました。

 さて、改めてこれからの対策を考えますか。

 

 

 「ここにいたのね。まったく待ってろと言ったのに」

 

 おっとピアティフさん登場。私を探しにきたようです。

 

 「神宮寺教官と白銀訓練兵もここにいましたか。全員副司令がお呼びです。先導しますのでついてきて下さい」

 

 

 

 

 

 

 ………というわけでみんなで夕呼さんの部屋に来ました。夕呼さんはぐったりしています。

 

 「全員来たのね。じゃ、まずはまりもからいくわ」

 

 「はあ……。ですが香月副司令、出来れば”神宮寺軍曹”とお呼び下さい」

 

 「今、余裕ないの。鬱陶しいネチネチした連中と交渉やってきたし、これからも予定満載だし。アンタにまで形式こだわってらんないわよ。ハイこれ。すぐ読んで」

 

 夕呼さんは神宮寺教官にバサッと書類の束を渡しました。

 

 「司令部に近い現在の状況とこっちの沙霧に関する情報よ。全部じゃないけど無論機密だから読んだ後は注意してね」

 

 「それは……いいのですか? 自分ごときが」

 

 「必要だからよ。悪いけどあんたも巻き込ませてもらうわ。いいからさっさと読みなさい」

 

 神宮寺教官は書類を読み進め……驚いた顔になっていきます。やはり帝都の状況は驚くべきほど悪くなってきているのでしょう。

 

 「それじゃこの娘は……。この娘の後背組織というのは……。」

 

 え、私?何か驚くような事ってありましたっけ?

 

 「そ、全部あっちのカン違い。でも説明するわけにはいかないの。できる限りでいいから何とか帝国の隔意を和らげるよう考えてちょうだい。あたしじゃ信用させるのは無理だし、それどころじゃないしね」

 

 「わかりました。ご用は以上ですか?」

 

 「ええ。じゃ、頼んだわよ、まりも」

 

 「……神宮寺軍曹です。では失礼します」

 

  バタンッと扉を閉めて出て行きました。なんか友達言葉で話して軍人言葉で返すってそのままギャグですね。BETA世界ならではの掛け合い漫才!

 

 「じゃ、白銀。次はあんたよ」

 

 今度は夕呼さん、白銀君に向きました。




 クーデター書くため沙霧尚哉調べたら爆死!
 なんと榊是親は彩峰萩閣に処刑されてくれと土下座していた!!!
 知らずに四話書いちまった!
 恥ずかしィィィィィ! このままでは失踪しかないィィィィ!!!
 白銀ェェェェェ!
 お前だけが頼りだァァァァァ!
 何とか時間稼いでくれェェェェェ!
 
 その間に上手い詐欺考えるからァァァァァァァァ!!!

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