こんにちは 沙霧真由です。
皆さんは自分がバカだって思ったことはありますか?私にはあります。
いえね、横浜基地と帝国の仲が原作にはないくらいとんでもなく悪くなっているんですよ。
『まったくしょうがないなぁ白銀君は。いきなり強くなったんで調子に乗っちゃったんだね。白銀君のためにも少しこらしめてやる。
”凶悪BETAシミュレーション!” ピシャピシャピシャーン!』
なんて思っていたんですが検証してみると『アレ?なんか私の責任も半分くらいあるぞ?』ってわかったんですよ。後の半分は白銀君が一日で最強衛士にメタモルフォーゼなんかしちゃって帝国の皆さんをビビらせたせいですね。
まったくしょうがないなぁ白銀君は。………はい、全部私のせいです。
自分ではドラえもんキャラになるつもりがのび太君までも兼ね備えるとは正にチート!!!
ゴッド純夏さん欲張りすぎですよ。これじゃ私ひとりでBETA全滅できちゃうじゃないですか。ハハハハハ!
皆さんが活躍出来るよう少しは手を抜くつもりですが、でもおかしいんですよね。私は頭脳系チートで記憶力は普通よりかなりいいはずなんですよ。なのに恐怖体験、失敗体験なんかはいつの間にかスッパリ忘れちゃっているんです。で、思い出したのがもうひとつのチート。
”女神の加護”
簡単に死んだり壊れたりしないよう運が良くなるというやつです。
私は精神力を普通より下げちゃってビビリ体質になってしまいました。 それで心を守るために恐怖体験や失敗体験が忘れやすくなり、プレッシャーにも鈍くなったのです。
加護を与えた相手をおバカキャラにしてしまうとは!女神になってもさすがは鑑純夏さん!実にグレートすぎです!巨大アホ毛はダテじゃない!これじゃ私ひとりでBETA全滅できちゃうじゃないですか。フハハハハハ!
…………”女神の加護”が強力に働いているのを感じます。きっと死ぬほど落ち込むのを防いでくれているんですね。
さて、今日は二〇七訓練小隊の皆さんが天元山で災害救助活動に出発する日です。この災害救助は行かないと別に行った部隊が無茶な行為をします。それに反発してお兄ちゃんのクーデター部隊が決起してしまうので二〇七訓練小隊の皆さんには是非行ってもらわねばなりません。
「それじゃ、皆さんいってらっしゃい。」
「ああ、行ってくる。」
「が、がんばります!」
「ボク、こういうのは得意なんだ。」
「ちびっ娘。おみやげ買ってくる。」
「買えるわけないでしょ!ちゃんと任務に向き合いなさい!……それじゃあね。」
「………………。」
最後のは冥夜さんです。彼女は私に話しかけられず、私も彼女と話せません。 帝国との関係がこれに表されています。
え?冥夜さん?
カッカッカッカッ ザザッ
冥夜さんが私の前に立ちました!? 立っちゃった!?
「御剣訓練兵!?どういうつもりです!?あなたは彼女に話しかけてはいけません!」
ピアティフさんが私の前に立ちガッチリガード。
「聞いている。しかし私はどうしても沙霧と話し、真意を質さねばならんのだ。」
「なっ……!」
「今、帝国と国連はギクシャクしている。横浜が正体不明の輩と手を組んだというのだ。そして沙霧がその手先だとな。」
世界征服企む謎組織とか信じちゃってんですか!? 帝国の皆さん!
「ゆえに私は沙霧を直接問い質す。ピアティフ中尉、そこをどいてくれ。」
ピアティフさんはあわてています。そこまで言うなら話くらい、いいじゃないですか。
「いけません!彼女の答えは真実であれウソであれ最悪の事態を引き起こします!」
「失礼な!そんなとんでもないこといったいいつ引き起こしましたか!冥夜さん、上等です! この沙霧真由、何でもドーンと答えてみせましょう!」
「あなたは黙ってなさい!」
ピアティフさんは私を羽交い締めにし、口をガッチリ両手で塞ぎました。ぐえぇ、以外と力が強い……。何でこんなに必死!?
「お願いします! ピアティフ中尉!!」
白銀君が進み出てガバッ!と直角おじぎ。
「真由は本当にそんな奴じゃないんです!帝国の誤解を解くためにも是非!」
前に冥夜さんに『真の武人は土下座をしても向かい手を圧する者』と教えてもらいましたが最強衛士の白銀君は正にそれ。後ろのピアティフさんがたじろぐのを感じました。私は”女神の加護”で大丈夫です。
「ちびっ娘はただの小物。私の手先がせいぜい。」 ガバッ!
慧さんまで直角おじぎ!?長いつき合いだけど15度すら見たことありませんよ!”女神の加護”があるにもかかわらずクラッときました。
「お願いします!こんなの間違っています!沙霧さんと御剣を話をさせてあげて下さい!」
千鶴さんも続いてガバッ!と直角おじぎ。
「ボクからもお願いします!真由ちゃんはいい娘なんです!」 ガバッ! 美琴さん。
「お、お願いします!」 ガバッ! 壬姫さん。
………え?冥夜さんが腕を下ろした? まさか!?
「私も真心を持ってお頼みしよう。…このとおりだ。」
他の人とは違ってゆっくりと。でも見たことないくらい綺麗な直角おじぎ。
……立場的にいいの!?
熱血ハーレム野郎 白銀武!
奴が叫べば仲間も応える!
青春っぽいドラマも始まる!
そうともこれがマブラヴだ!!!