アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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第十四話 炎のライバル宣言!月詠真那

 こんにちは 沙霧真由です。

 見習いの私に秘書がつきました!なんとピアティフさんです!これだけでいかに私が夕呼さんに期待されているかお分かりでしょう。

 さらに帝国斯衛軍の月詠さんは私につなぎを取ろうと毎日面会を求めますが、ピアティフさんに追い払われてばかり。

 いや~エリートコースってこういうのをいうんですね!

 

  ……ウソです。いえ、こうだったらいいなーという夢ですか。

 鎧衣さんとの一件で帝国との雲行きが怪しくなりました。

 まったく夕呼さんも私に任せてくれればこんなことにはならなかったのに。ま、彼女の見る目のなさを嘆いてもはじまりませんね。今度ぬらりひょん親父が来たら私のチートなウソでペッチャンコにしてやりますよ。

 さて、三バカ……いえ帝国斯衛三人衆のチームプレーでピアティフさんと引き離されてしまいました。実際見てみると凄い連携ですね。

 そして私の前に立つは赤い帝国斯衛軍有力武家の制服纏う帝国の恐い人。

 

 月詠真那中尉!! バアーン! ゴゴゴゴゴ……

 

 うん、この人とタイマンなんてありえないんですが……そうなっちゃってます。

 

 「ようやく会えたな。まず死人について話してもらおう。貴様が用意したあの死人……シロガネタケルを騙る男のことをな。」

 

 「白銀君は白銀君。騙ってもいないし死んでもいません。ただのそっちの勘違いですよ。」

 

 「フン、雑魚とカス訓練兵。それだけなら監視にとどめてやった。

 だがあの男……一晩で化けた。この私すら覚悟せねばならんほどにな!」

 

 「いやー白銀君がんばっていましたからね。特訓の成果が一日で一気に花開いちゃったんですね。いつまでも雑魚な私が恥ずかしいです。」

 

 月詠さんはニヤリと笑いました。肉食獣っぽくてイヤですね。

 

 「謙遜するな。白銀君強化計画に新型OS開発。さらにあのお方の犬を丸裸にしたそうじゃないか。これで貴様を雑魚呼ばわりするならそいつこそ雑魚と言わざるをえんだろう。」

 

 犬を丸裸?犬って普通は裸ですよね?

 

 「犬はかつてないほどに勤勉に働いている。覚悟しておくことだな。」

 

 犬が働いて覚悟?どういう状況でしょう?

 

 「奴の手が回る前にこれだけは聞いておかねばならん。貴様、死人に何をした!?

 白銀君強化計画とはいったい何だ!?」

 

 「あれですか……。そんなに気になりますか?」

 

 白銀君の因果導体体質を利用した方法だから他の人には使えないし、話せないんですよね。

 

 「個人的にも興味はある。奴の気迫、あれは幾たびも死線をくぐり抜け何十、何百とBETAを狩り続けたにも似たものだ。それをたった一晩で得る方法などぜひご教授願いたいものだな。」

 

 ピコーン! 閃めいちゃいました!

 だったら幾たびも死線をくぐり抜けて何十、何百とBETAを狩ればいいじゃないですか!

 

 精巧なバーチャルリアリティーで!

 

 現実そのものの対BETA戦闘シミュレーションなど科学力チートの私にとってはあやとりで『踊る蝶々』を作るようなもの……いえ、こっちは出来ませんでした。指が小っちゃすぎて。でもシミュレーションの方は楽勝です!

 PTSD(外因的ストレス)対策は恐怖記憶が脳の海馬にあるうちに記憶抹消。肉体が恐怖に耐性がつくまで行います。後はショック死対策さえすれば完璧ですね!

 いやー、こんなに簡単に歴戦の衛士とか作れていいんでしょうか!

 

 「………貴様、いったい何を笑っている。」

 

 あれ?いつの間にか月詠さんが後ずさって手刀を刀の様に構えています。こんな貧弱小娘に何大げさな構えしてんですか。

 

 「いえね、来週にでも月詠さんの言うことに答えようかと思いまして。」

 

 「何?」

 

 「お望み通り!二〇七訓練小隊の皆さんあたりを全員歴戦の衛士に変えてみせましょう!」

 

 「貴様……冥夜さまに何をするつもりだ?」

 

 あれ……? 殺気がハンパない?

 

 

 

 「やめなさい! 月詠中尉!」

 

 あ、ピアティフさんが戻ってきました。ハァハァ息を切らせていますね。

 

「月詠中尉、この娘との接触は禁じられているはずですが。」

 

 「フン、そんなことを言える立場か?こちらの機密を此奴に知られたそうじゃないか。横浜の女狐もヤキがまわったな。」

 

 「……副司令は現在計画の追い込みに入っています。妨害派の脅威がある中、我々が争っては彼の連中を利するだけだと思いますが?」

 

 「完全には信じることは出来んな。少し前までは最悪の用意を打診してきた。それが一転成功の準備をしろだ。

 横浜で何が起こっている!?まさか此奴が関係しているのか!?」

 

 巧みなウソで回避!

 

 「そんな……ムググ!」

 

 「あなたは黙っていなさい!」

 

 ピアティフさん、胸で口を塞ぐなんて情熱的すぎですよ。

 

 「……成る程、犬が言った通りのようだな。

 来週の予定を言ったな?だが貴様に来週があればいいな。

 その頃には貴様の背後は全て暴いてやる!」

 

 月詠さんは去っていきました。背後ってなんでしょうね?

 

 

 「暴けたらたいしたものだわ。ウチの諜報部の徒労を帝国も味わうのね……」

 

 ピアティフさんはポツリといいました。ずいぶん疲れていますね。

 

 「ピアティフさん、こういう時は私に任せて下さい。スパーンと誤魔化してみせますよ!」

 

 「任せられるわけないでしょ!お願いだから出来るだけ移動しないでちょうだい。あれの完成までは副司令は動けないんだから。」

 

 「わかっています。でも昨日届いた大きい方の起動実験だけはやらせて下さい。約束ですし河崎重工さんにデータも送らなきゃだし。」

 

 

――――実験戦術機。名は『流星』―――




 またしても強敵!
 月詠真那の炎の様な宣言に
真由の心もまた炎の様に燃え上がる!
 
 あとオリジナル戦術機始めます

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