ついに第二のライバル登場!
こんにちは 沙霧真由です。
ついに新型OSが完成しました!後のXM3……を遙かに超えた奴です。白銀君が超一流衛士になったお陰で一気に完成です!
で、オルタ原作通りに白銀君、慧さん、千鶴さんの吹雪に搭載して三対三の模擬戦に出してみたら……三機とも白銀君が撃墜判定しちゃいました。一分で。
うん、あれはない。三機が隠れている場所をあっさり見破り一瞬で接近! 一射、もしくは一刀であっという間に終わらせる神業! 『何で訓練兵やってるの?』とか一瞬本気で疑問に思っちゃいました。私のせいなのにね。
これじゃ白銀君が旧型OS。他のみんなが新型OSの一対五でもないと勝負になりません。しかもみんなが新型OSに習熟するまでは白銀君の一方的撃墜カーニバルでしょう。
「いや~すごい! 白銀君ってばこんなに戦術機の才能があったんですね!」
私は隣の夕呼さんに巧みなウソで思考誘導。戦闘指揮車両を運転している夕呼さんは憮然と言いました。
「沙霧、今夜白銀と二人であたしの部屋に来なさい。いろいろ聞きたいことがあるわ」
ヤバイ! さすがに無理があったか!?
…………いや、私のチートなウソならば神をも欺けるはず!
私は白銀君の才能を思いっきりアピール! 若干夕呼さんの目が冷たい気がしますが……まあ、これだけチートなウソを連発すれば大丈夫でしょう。手応えアリです。
そして夜。私は白銀君と二人で特別任務の名目で夕呼さんの私室へ向かいます。ケンシロウにチョコチョコついて行くリンになった気分です。
昼間さんざん巧みなウソで思考誘導したので大丈夫と思いますが………気合いを入れてダメ押し!チートなウソで夕呼さんを翻弄してやりますか。
夕呼さんの部屋の前には霞ちゃんがいました。声をかけようとしたら、黙って部屋に入って……ありゃ真っ暗。夕呼さんもいません。
「こんばんわ」
いきなり誰かから挨拶。この声ってもしかして……。
「誰だ?」と白銀君。
「私は微妙に怪しい者だ」
目深にかぶった帽子に生地のいいスーツ。そしてのらくらしゃべるつかみ所のない親父。
鎧衣課長!? アンリミテッドなのに!?
なぜアンリミでは彼は出ず、オルタでは出たのか。それはアンリミの事件は基地外から見て不思議はありません。ですがオルタの事件は不可解な事であったため、鍵を握ると思われる白銀君に接触した為です。今の横浜基地に不思議なんてないと思いますが……。
白銀君、いきなり顔を引っ張ったり、論点をずらしまくったりする親父にすっかり翻弄されています。それにしても本当にのらくらしゃべる親父ですね。それが手口だとわかっててもイラッときます。まさにリアルぬらりひょん!
「騒がしいわよ。人の部屋で何やってるわけ?」
パチッと電灯をつけて夕呼さん登場。
「あ、博士。帝国情報省の鎧衣さんが来てます。いきましょ白銀君。あ、モアイ像のキーホルダーなんかはもらっといて下さいね」
と、さっさと逃げようとしたが
「まあまあ、沙霧真由ちゃん……だったね。自己紹介の手間を省いてくれるとはなんといい娘だ。どこから私の事を聞いたのかな?」」
「鎧衣? 美琴の親父なのか? なんでそんなこと知っているんだ、真由」
あ、ヤバイ。初対面でした。ゲームでお馴染みすぎる人だったんですっかり忘れてましたよ。仕方ない、得意のウソで切り抜けますか。
「いえいえ、簡単な推理ですよ。目元口元が美琴さんに似ているでしょう。これに人の話を聞かないことを併せると美琴さんのお父様だということは簡単に導きだされます。
そしてこの姿!スパイ映画ドラマの典型的すぎるスパイの姿そのものです!以上から帝国情報省外務二課の鎧衣左近課長だという方程式が成り立つわけです。基礎的な推理、というやつですね。ご静聴ありがとうございました!」
パチパチパチパチパチパチパチ!
夕呼さん、鎧衣さんから絶讃の拍手が飛び交います。あ、霞ちゃんも無表情で叩いてくれます!
いや~気持ちいい!まるで金田一君にでもなった気分です。さすがに私のウソはよく嵌まりますねえ!
でも白銀君だけはとまどい顔。
「似ているかあ?それに百歩譲ってスパイだってわかっても、部署や課長だってことまでわかるものなのか?」
「わ……わかりますよ!私くらいになると細かく観察してそこまでわかるものなのです!」
ヤバイ! 雰囲気が変わった!?
「へ~、ホント凄いわねえ。そんなことまでわかっちゃうんだ~。不思議ねえ」
「いやはや、会って数十分でそこまで丸裸にされるとは。凄い名探偵がいたものだ」
ああもう! 白銀君のせいで!
息づまる攻防!
互いの知力を尽くして闘う頭脳戦!
真由の叡智はこの老獪なる強敵を打ち破れるか!?
初戦の決着が次回に!