アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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第十話 BAD END

 私は白銀君の強化装備に平行世界移動マシーンの外付け機能を取り付けました。

 マシーン自体は夕呼さんが毎日チェックしているので細工不可能ですが、白銀君の強化装備にはやりたい放題です。対衝撃機能の強化の名目がありますから!

 非常停止ボタンは実験開始前のチェックでちょこっと細工。

 

 私は霞ちゃんに駆け寄りコ〇ン君的腕時計の麻酔針でおやすみなさい。白銀君は強化装備の機能で守られていますが霞ちゃんは危険ですからね。

 

 さて、細工した強化装備の機能ですが不確定存在になった白銀君。彼を元のラブコメマヴラブ世界へ送るというのではなく、オルタ始め彼が最強衛士になったであろうBETA世界へ二十ほど移動させるというものです。

 その世界の白銀武と融合、分離をくり返した結果、一度もBETAと戦ってないにもかかわらず歴戦のBETA殺し、おいしい白銀君の誕生です。

 私の科学力(物理)チートは実際に実験しなくても実験結果がほぼ完璧にわかるので、こんな危険かつ不確定な実験もスイスイできちゃうのです。

 

 

 

 「実験は失敗ね……」

 

 自動的に止まったマシーンの前で夕呼さんはポツリと言いました。

 携帯(基地内用)を取り出しピアティフさんを呼びます。白銀君を夕呼さんピアティフさんの二人で、霞ちゃんを私が待機室に運びました。ここで医療班を待ちます。

 

 「副司令、こんな時になんですが先に預けられたレポートのコピー、ご自身のものとお間違えではないでしょうか。」

 

 「え?どういうこと?」

 

 ヤバい!ピアティフさんやめて!

 

 「手書きでしたし、筆跡その他も香月副司令ご自身のものでした。」

 

 しばらくじっと考える夕呼さん。やがて、

 

 「ウ……ウフフ。アハハハハハハ……」

 

 よかった。楽しそうに笑ってる。

 

 「ねえ、沙霧。」

 

 「はい、何か楽しいことでも?」

 

 チャキッ

 

 笑いながら私に銃を向ける夕呼さん。カッコイイ…て何で!?

 

 「この一件、あなたのレポートから始まったわよね?」

 

 「は、はい!こんな結果になるなんて責任で押し潰されそうです!」

 

 「同じ内容でも素人の白銀じゃあなたのレポートでは何もわからなかったわよね?」

 

 「え、ええ!尊敬する香月博士の流麗かつ美しい文章を勉強させていただこうとするあまり似すぎてしまったようです。こんな偶然があるなんて世の中はなんて不思議なんでしょう!」

 

 「あたしも不思議だわ。ここまで嘘の下手な奴にしてやられるなんて。レポートを見たとき不自然さに何も気がつかなかったなんて。」 

 

 「誤解です!私は……」

 

 「黙りなさい!ここは世界最高機密を扱っている場所なの!

 疑わしき者は生かしておけないわ!」

 

 夕呼さんは銃の引き金の指に力をこめます。

 

 

 ――――ごめんゴッド純夏! 科学力チート(物理)はバットエンドよ!――――

 

 

 

           ~BAD END~                   

                                

         

 

 

ウソです

 

    


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