神遁?統遁?斂遁?輳遁?創遁?輪遁?
pipipipi...
端末の呼び出し音に、魔法図書館にいたクラムベリーは反応した。
クラムベリー「ファヴ...何か用ですか?」
フゥヴ「大変だpon!ねむりんがまだ生きていたpon!忍術を使っていて前よりもずっと強くなってるpon!そして、1番驚いたことは写輪眼になっていたpon!」
クラムベリー「...そうですか。ねむりんが生きているのかもしれないと思い、人を欺く忍術について記述された本を探していたのですが...悪用されることを防ぐためか全く見つかりませんでしたよ。ファヴが気づいてくれなければ、さらに騙されたままでした。写輪眼ということは、死んだマダラから奪ったということでしょうか。」
フゥヴ「分からないpon。とにかく...今すぐ帰るpon!」
クラムベリー「やることを終えたら、帰りますよ...」
(私を欺いたこと...後悔させてあげます。)
クラムベリーは妖しげな笑みを浮かべて、図書館を後にした。
水曜日の午前5時のことである。
その頃マダラ達は、全員が魔法を使ってもいいという条件で、2つのグループに分けて修行をしていた。
Aのグループはたまとルーラとユナエルの3人で、40人のマダラを相手に、主に身体強化を鍛えるというものだった。
ルーラ「体が軽い...!力がみなぎる...‼︎」ブン
分身マダラ「柱間細胞が馴染んだみたいだな!」パシッ ドカッ
ルーラ「ぐっ...」
(蹴られても前より痛くない...!)
たま「大丈夫⁉︎ルーラちゃん!」
分身マダラ「よそ見するな。」ブン
たま「負けない!」ズバッ
分身マダラ「遅い。」サッ
たま「避けられたぁ...」
分身マダラ「‼︎」
(これは...⁉︎)
分身マダラの万華鏡写輪眼は何かを捉えていた。
分身マダラ「風遁・真空刃‼︎」
ズガガン‼︎
分身の放った風遁は高速で動く何かにぶつかった。
たま「え?」キョトン
分身マダラ「魔法が強化されたみたいだな。もっとも...お前自身は気づいていないみたいだが。」
たま「⁉︎」
分身マダラ「だが、良くやったな。」
たま「ありがとうございますっ♪」
分身マダラとたまのやり取りを見て、2人が集まってきた。
ルーラ「どうしたの?」
幼女ユナエル「どうしたんですか?」
分身マダラ「たまの魔法が強化された。空間を切り裂き穴を開けて、真空の刃を飛ばす能力を得た。」
幼女ユナエル「たま!すごいね!!」
たま「偶然、空振りしただけだよぉ〜」
ルーラ「カマイタチってことね。」
分身マダラ「あぁ。しかも、本人が発動したことに気づかないほどに速い。味方に当たってしまう危険性があるから、コントロールする技術と目視できる動体視力を身につけさせる。たま、ついて来い。」
たま「はい!」
分身マダラ10人はたまの個人修行をするために、奥の方に移動した。
ルーラ「私だって強化してみせるわよ!」
分身マダラ「あぁ。その意気だ。」
一方、Bのグループのミナエルとスイムスイムは、マダラの本体による座学を受けていた。
マダラ「お前達は能力的に体術に特化していなくても問題ないだろう。だから、他の3人よりも身体能力を鍛えずとも魔法を応用してもらう。ミナエルは液体の劇薬に変身すれば攻守ともに完璧だが、遠距離における攻撃手段は皆無である。よってミナエルには魔力を変換し、体内から放出するコントロール技術を身につけてもらう。例えば、手を部分的に射出口に変化させ、魔力をミサイルに変換すれば遠く離れた敵にも攻撃できるだろう。」
ミナエル「なるほど!優奈がやってることの武器バージョンってことか!」
マダラ「あぁ、こんな風にな。修羅道!」
マダラの右手からカラクリのミサイルが生み出された。
幼女スイム「...⁉︎」
ミナエル「まだこんな能力があったのかよ⁉︎」
マダラ「お前もこんなことができるように強くなれ。次はスイムスイムだな...。」
幼女スイム「はい。」
マダラ「お前は水遁が使いたいと言っていたが、できるかもしれん。水化の術という全身を水に変える術だが、お前は魔法によって既にそれができていると言ってもいい。水化の術が出来るならば、精度の高い水分身ができるかもしれない。お前もユナエルと同じで魔力を分割するというイメージを持ちながら、修行をしろ。」
幼女スイム「はい。わかりました。」
…………………………………
それぞれの修行は熾烈を極めたが、学校の支度をする時間を告げるアラームが鳴り響いた。
ミナエル「いいところだったのに〜!」
たま「学校かぁ〜...」
幼女スイム「なんとかできた...」
水分身スイム「...」
ルーラ「! スイムスイム、これは...?」
幼女スイム「水でできた分身。チャクラじゃないから喋ることは出来ないけど、敵を錯乱できる。」
幼女ユナエル「スイムちゃん、すごい!」
そこにマダラが現れた。
マダラ「さすがだ...スイム。さて、みんな支度しろ。」
ルーラ以外「「はーい。」」
シャワーを浴びて体の汚れを落とす者、髪を結ってオシャレをする者、朝食を作るマダラの手伝いをする者...
こうした光景は父親と娘達の日常そのものだった。
珠「行ってきまーす!」
優奈「行ってきます!」
美奈「行ってくる!」
綾名「いってきます。」
ルーラ「行ってらっしゃい!」
マダラ「...行ってらっしゃい。」
(何とも可愛らしいものだな...柱間よ。)
その頃、山奥の小屋には魔法の国から戻ってきたクラムベリーがいた。
ファヴ「まさか、人工チャクラの実を口にするとは思わなかったpon...!多くの魔法使い達が力に耐えきれずに死んでしまって計画は凍結されたpon!どうして許可が下りたpon?」
クラムベリー「魔法忍者量産計画のことですか...?何故許可が下りたのかは、私の魔力の強さを見れば分かるでしょう?それに加えてマダラを倒して写輪眼を持ってくると伝えれば、魔法の国が許可しない訳が無い。ただし、万人に対して安全に使えるように、魔法少女になったマダラの写輪眼を渡せというのが条件でしたが。」
ファヴ「マダラが魔法少女になっても、クラムベリーの強さなら問題ないpon!たしか...人工チャクラの実は5種類あって、5大性質変化のそれぞれの力が使えるようになるpon?2つ以上食べると食べた属性どうしを簡単に合わせることができるけど、今まで2つ以上食べて生存できた魔法使いはいないpon。マスターはいくつ食べたpon?」
クラムベリー「火遁の果実、土遁の果実、風遁の果実の3つですよ...」
ファヴ「3つも食べて何ともないpon⁉︎」
クラムベリー「ええ...ですが、4つ目は肉体的に無理そうです。」
ファヴ「今の段階でも熔遁、爆遁、晶遁、灼遁が使えるから十分pon!マスターは誰にも負けないpon!」
クラムベリー「ええ...これも有りますし。」
キュイイイイイィィィィィィィィィィィィン‼︎
クラムベリーの手には白い立方体が浮かんでいた。
ファヴ「これは何pon⁉︎」
クラムベリー「塵遁っていうんですよ。私が意味もなく忍界の歴史について調べていたと思わないでください。かつて二代目土影・無は、血継淘汰と呼ばれる3つの性質変化を組み合わせていたことが分かったんです。」
ファヴ「魔法の国も知らないことだpon...!」
クラムベリー「果実を2つ食べて死ぬ人が続出し、凍結になった以上...3つ組み合わせるなんて発想は、無かったんでしょうね。」
ファヴ「塵遁っていうのは、どんな特性なんだpon?」
クラムベリー「一言で表すなら“分解”です。こんな風にね...」
そう言うとクラムベリーは、テーブルの上の要らない紙に塵遁の光を当てた。
ファヴ「紙が無くなったpon⁉︎」
クラムベリー「あらゆる物質を分子レベルまで分解するのがこの能力です。さて、次はこれからの運営について話しましょうか...」
………………………………
それから数時間が経過し、時刻は午後10時になっていた。
トップスピード「今日もたくさんキャンディ集めたよなー!」
リップル「ちっ...」
トップスピード「相変わらずツンデレだなー!」
ファヴ「お知らせだpon!」
リップル「⁉︎」
トップスピード「‼︎」
ファヴ「驚かせて申し訳ないpon!アップデートのお知らせメールを午前0時に送るから、ちゃんと見て欲しいpon!」
リップル「ちっ。」
トップスピード「わかった!わざわざサンキューな!」
一方、ここは廃寺地下牢
ファヴ「スノーホワイト!」
スノーホワイト「らぴゅせる〜♪」
ファヴ「やっぱり話が通じないpon...もういいpon。」
一方、ここは廃ビル
メアリ「お知らせだと?後2時間もあるのかよ!」パリン!
ファヴ「相変わらず血の気が多いpon...」
(ハードゴア・アリスの端末は壊れてて、携帯に連絡しても反応がない...やっぱりねむりんに捕まってるpon。次はルーラ達pon。)
pipipipipipipipipipi...
マダラ「ん?携帯が鳴ってるな...ルーラのか。」
ルーラ「ええ、見てみるわ。」ポチッ
ファヴ[マダラが生きてることは知ってるpon!だから、隠し事ももう無いpon?端末を起動して欲しいpon。]
ルーラ「これ...どうしたらいい?」
マダラ「今週、1週間は気づかれずに居たかったが...仕方ない。了承しろ。」
ルーラ「ええ、分かったわ。」カチッ
ファヴ「みんな、久しぶりだpon。」
幼女スイム「何の用?」
幼女ユナエル「何故マダラさんが生きていると知っていた?」
ファヴ「まぁまぁ落ち着くpon。それにしても面白い格好だpon...魔法幼女なんて」ケラケラ
幼女スイム「...」イライラ
マダラ「質問に答えろ。」
ルーラ「早くしてくれる?」
ファヴ「分かったpon。カラミティ・メアリからルーラ達が強くなりすぎていると聞いたことと、クラムベリーとの戦いの最中にルーラ達が乱入したことを結びつければ、マダラは生きてると断定できたpon。あれ?マダラの眼はちゃんと2つあるpon?」
マダラ「ねむりんは自力で写輪眼となった。」
ファヴ「でも、今はいないpon?マダラも狡猾な男だpon。ルーラ達をねむりんの代わりにしてるpon。」ケラケラ
マダラ「そんなイヤミを言いに来たわけじゃないだろう?」
ファヴ「そうpon。今から約2時間後の午前0時に、アップデートのお知らせをするpon!必ず見るpon」
ミナエル「なんでそんなに遅いの?今でいいじゃん!」
たま「うん!」
ファヴ「どうせ修行は遅くまで続くんだから、文句言うなpon。」ブツ...
ファヴは消えていた。
ルーラ「くそっ...カラミティ・メアリ...!」
マダラ「もう隠し事は出来ないのかもな。とりあえず、午前0時の報告を待つか...」
幼女ユナエル「はい!」
そして修行を終えたマダラ達は、午前0時に端末を起動させた。
たま「あれ?」
ミナエル「サーバーが混雑してますって出てる!」
幼女スイム「私のも。」
ルーラ「おかしいわね...こんなことは今まで無かった。」
マダラ「少し時間を置くしかないな。」
幼女ユナエル「はい...」
それから20分もの間、サーバーは混雑していた。
ルーラ「あ、やっと起動できたわ。どれどれ...」
・キャンディ集めの最中に何らかの理由で脱落した者を、その日のうちにお知らせするようにしたよ。
・何らかの理由で魔法少女が脱落したら、その週はキャンディの数が最下位でも脱落しないよ。
・倒した魔法少女の能力を奪うことができるよ。
・身を守ることができて役立つアイテムを用意したよ。次のページで購入できるよ。
・ねむりんとうちはマダラが生きていたよ。だから、キャンディ集めの免除は取り消して、今後はその2人を倒しても免除はされないよ。
Q.キャンディが最下位だとどうなりますか?
A.死んじゃうよ。
現在残っている魔法少女を記載するよ。
☆スノーホワイト
☆カラミティ・メアリ
☆クラムベリー
☆ハードゴア・アリス
☆トップスピード
☆リップル
☆ルーラ
☆スイムスイム
☆ミナエル
☆ユナエル
☆たま
☆ねむりん
☆うちはマダラ
もう今週は木曜日だから、キャンディ集めは来週からにするよ。それじゃ、頑張ってね。
アイテムを購入する方はこちら>>> 次へ
マダラ「やはり、最下位は死ぬか...。そして何故俺が魔法少女...?まぁいい、アイテムを購入する画面を開いてくれるか?」
ルーラ「ええ...。」
・透明外套 そーるどあうと
・元気が出る薬 そーるどあうと
・武器 そーるどあうと
・四次元袋 そーるどあうと
・兎の足 そーるどあうと
・ラピュセルの魔法 そーるどあうと
・ヴェス・ウィンタープリズンの魔法 そーるどあうと
・シスターナナの魔法 そーるどあうと
・人工チャクラの実(2種類しか購入できないよ) そーるどあうと
幼女ユナエル「...全部売り切れ。」
たま「そんな...」
マダラ「サーバーが混雑してると言って起動できなくなったのは、俺たちに武器を買わせない為か。この人工チャクラの実というのは...ねむりんが言ってた、魔法の国がチャクラについて研究した成果だろうな。」
ファヴ「その通りだpon。ルーラ達にはマダラという強力な武器があるから、武器を入手したら不公平だpon。」
マダラ「俺の名が魔法少女のリストに書いてあったのは何故だ?」
ファヴ「魔法少女たちのキャンディ集めの中に、部外者が介入するのは禁止だから、魔法少女達に命を狙わせて処理しようとしたけどうまくいかなかったpon。」
マダラ「あぁ、そうだったな。」
ファヴ「ファヴはマダラのその強さと、5人の魔法少女を従えるカリスマ性を高く評価して魔法少女にしてあげるpon。これならマダラは部外者じゃなくなり、マダラも堂々と他の魔法少女と接触できるpon。」
マダラ「よくわかっているな。俺の目的は...魔法少女の兵を率いることだ。でも、いいのか...?俺が魔法少女になれば、クラムベリーに攻撃が通るかもしれんぞ?」
(クラムベリーを倒し元の世界へ帰るのが目的なのは、隠しておいた方が良さそうだな。)
ファヴ「別に問題ないpon。ファヴは魔法少女が8人になればそれで満足pon。もちろん平和的にだpon。」
ルーラ「あんな書き方をしておいて、よくそんな嘘が言えるわね。あれは戦いを助長してる!」
ファヴ「ラピュセルを殺したルーラ達にそのことを語る資格は無いpon☆」
ルーラ「みんなの生きていたいという気持ちを利用して、あなたは殺し合いを望んでいるんでしょ?」
黒ファヴ「何度も言わせるな。俺は8人になればそれで十分なんだよ。お前達が殺し合いを始めたから、身を守るアイテムを与えてやっただけ...むしろ感謝して欲しいね。」
マダラ「!」
(凄い気迫だな...)
ルーラ「‼︎」ゾクッ
幼女スイム「...」
たま「」ガタガタ
マダラ「あぁ、感謝してるぞ。こいつは8人に減らすためなら何をしても許してくれるんだから気が楽だ。まぁ、俺たち7人が生き残るから、他の魔法少女は大変だな。」
ファヴ「さすがマダラだpon!端末を起動させれば、変身できるようにしたpon☆それじゃ、頑張るpon。」
ファヴは黒い笑みを浮かべて消えていった。
マダラ「馬鹿げている...。俺たちで一刻も早くクラムベリーを討たねばならんな。」
ミナエル「うん!」
ルーラ「ええ。」
幼女ユナエル「はい!」
たま「はい!」
幼女スイム「はい。」
続く
読んでくださりありがとうございます。
他の魔法少女達も大幅に強化されました。
それにしても、ファヴは憎たらしい。笑