時刻は午後7時。とても深い森の中にねむりんはいた。
木遁・四柱家の術!
ねむりん(見張りもつけるか...)
木分身の術!
ねむりん「この湧き上がる力...素晴らしいな。マダラ...私がお前を屈服させてやるよ...」ツカツカ
六道仙人から授けられたうちはの体は、あまりにも強烈に体内のチャクラと結びつき、ねむりんの人格は別人のようになっていた。
ねむりん「そしてお前の全てを喰らい...我の力としよう。マダラァァ....」フルフルニィィィィ‼︎
マダラのチャクラを基にしただけあってか、ねむりんの思考回路はかつての彼と同じであった。
ねむりん(だが、奴の輪廻眼は驚異だ...。今戦ってもこちらが負けるのは必至だろう。あれを習得するしかないな。)
影分身の術‼︎
ボボボボボボボボボボ.......ン‼︎
数千人を超える影分身がそこにいた。
ねむりん「一体あたりの戦闘能力は0に近いが、これなら数十年の修行を数日に短縮できるな...」
ギュイイイイイイィィィィィン... ドカン! バキバキバキ.......
派手な忍術を好むマダラから忍術の基礎を教わったねむりんは、忍ぶということを知らないのである。
当然、森からは凄まじい音が響いていたが、クラムベリーは魔法の国にいるので気づかれずに済んだようだ。
その頃、廃寺地下空間ではチーム・ルーラが話をしていた。
ルーラ「マダラ、落ち込んでるわね。」
たま「うん...」
幼女スイム「今のうちにルーラの配下にするの?」
ルーラ「...しないわ。私は彼と本当の仲間になりたいと思い始めたの。私たちがこんなに結束できたのは、お互いの思いを打ち明けて対等な関係になれたからだと思うの。」
ミナエル「確かにルーラが変わって、私達も変わろうと思った。」
幼女スイム「うん。」
ルーラ「マダラが落ち込んでいるからこそ、支えてあげるべきだと思わないかしら。」
幼女ユナエル「ルーラ...‼︎」
ミナエル「ほんと、ルーラは変わったよ〜。私は賛成!」
たま「私も賛成!」
(マダラさんともっと仲良くなりたいな...。マダラさんは私のことを期待してくれてて嬉しかったもん。)
幼女スイム「私も賛成。」
(彼といる間は、強くなれて死ぬこともない...。)
ルーラ「みんな賛成してくれてよかったわ。今日は私たちが夕食をご馳走して彼を休ませましょう!」
一同「「うん!」」
それからルーラ達はみんなで料理を作っていた。
出来上がった頃、部屋で塞ぎ込んでいたマダラが現れた。
マダラ「何をしている...?夕食か...今から作る。」
ルーラ「ったく...見てわからないの?」
幼女ユナエル「みんなで作りました。」
たま「元気出してねっ」
ミナエル「は、早く座りなさいよ!」
幼女スイム「...食べて。」
マダラ「たくさん作ったな...。いただきます。」パクッ
たま「あ、それ私が作ったやつだ。おいしいですか?」ジ-
マダラ「あぁ。美味い。」
ルーラ「私が作ったのも食べなさいよ?」ジ-
マダラ「わかっている。」
幼女ユナエル「これも食べてください。」ヒョイ
幼女スイム「私のも。」ヒョイ
ミナエル「あ、それ私が作ったやつ。おいしい?」
マダラ「あぁ...。お前らも座ってみんなで食べないか?1人じゃ食べきれなくてな。」
(見られていると落ち着かん...)
ルーラ「わかったわ。.....あら、たまの作った料理、美味しいじゃない!」
たま「えへへ、ありがとう。」
ミナエル「マダラ、明日も私たちが作るからね!」
マダラ「気を遣わなくていい。」
幼女ユナエル「そんなこと言わないでください。家族なんですから。」
幼女スイム「...家族?」
マダラ「ユナエル...余計なことは言わなくていい。」
ルーラ「聞かせてもらえるかしら。」ニヤニヤ
マダラ「...好きにしろ。」
幼女ユナエル「マダラさんは、私とねむりんの3人でいる時、家族といるみたいだって思ってたんだよ。だから、今はみんなも家族なんだよ。」
ルーラ「なんか、意外ね。」ニヤリ
たま「私、家に帰っても居場所ないから、嬉しいよぉ...」ポロポロ
幼女スイム「家族...」
(これはこれでいいのかもしれない。)
ミナエル「お父さんと娘達って感じかな?」
たま「こんなかっこいい人がお父さんなら嬉しい。」
ルーラ「お父さんね...まぁ、確かにそんな感じするわ♪」
マダラ「特に役割は決めてなかったが、お前達が娘でいいならそれでいい。」
幼女スイム「...なら、ルーラは長女であるべき。」
ミナエル「確かに。」
幼女ユナエル「異議ないです。」
たま「うん!」
ルーラ「そんなに言うなら、長女でいいわよ。」
ミナエル「なら次女は誰がいいかな〜」
マダラ「決める必要あるのか...」
一同「ある!「あります!」「...ある。」」
マダラ「やれやれ...」
議論の末、姉妹の順は以下になった。
長女:ルーラ
次女:ねむりん
三女:ミナエル
四女:ユナエル
五女:スイムスイム
六女:たま
※姉妹に序列は無くみんな平等であること。
たまは自分よりも幼い2人の下だということに不満だったが、ルーラの「末っ子は誰よりも甘えられるわよ」という言葉を聞いて、快く受け入れたのだった。本当にたまは単純である。
ルーラ達がマダラを励ましている頃、黒い魔法少女は山の向こうから微かな音がするのを聞いて、その方向へ歩いていた。
彼女がそこに着くと、無数のねむりんがいた。
アリス「‼︎」
(彼女はねむりん...?死んだはずじゃ...)
分身ねむりん「誰だ?」
アリス「私はハードゴア・アリス。白い魔法少女を探している。...何故あなたは生きているの?」
分身ねむりん「それを知ってどうなる?」
アリス「別にいい...興味ないから。私が知りたいのは白い魔法少女のことだけ。」
アリスの端末ファヴ(どうしてねむりんが生きてるpon⁉︎それにこの分身は忍術だpon⁈)
分身ねむりん「スノウ・ホワイトのことか?」
アリス「そう。どこにいるのか教えてほしい。」
分身ねむりん「今はルーラ達に捕らえられているぞ?返してもらうのは無理だと思うがな。」
アリス「力づくで返してもらう。」
分身ねむりん「ハハハハハ...!残念ながらお前じゃ無理だ。」
アリス「なぜ無理なの?」
分身ねむりん「ルーラ達は強いからだ。」
アリス「ルーラ達のことを知ってるなら、弱点を教えて。」
分身ねむりん「面倒臭い奴だな...。私の存在もバレたし、殺した方が良さそうだな...」
アリス「...殺せるものなら殺してみてよ。」
分身ねむりん「自信があるようだな...」
(こいつに勝てないようでは、マダラにも勝てないな...)
ボン‼︎
メアリ「分身が消えた...。」
ねむりん「本体の私はここだ。かかって来い!」
(数千人の分身でかなりチャクラを消費したな...)
メアリ「...」
ねむりん「...もういい!私からやる!雷遁・雷皇剣!」
ズバッ‼︎
ねむりんの雷の剣は、ハードゴア・アリスを真っ二つにした。
ねむりん「なんだ、もう終わりか...」テクテク
だが、2つに裂かれたアリスの体はゆっくりと動き出し元の体を形成すると、ねむりんに襲いかかった!
ねむりん「⁉︎」
(ぐっ...これは木の枝か...)
ねむりんの腹は木の枝に貫かれていたが、柱間細胞が傷を修復したのだった。
アリス「...丈夫ね。」
ねむりん「...お前もな。もう同じ手は食らわんぞ。火遁・火龍炎弾の術!」
(全て燃やし尽くせば、死ぬだろう。)
ゴゴゴゴゴゴゴ....
ファヴ(端末が燃えてるpo...)ブツ!
戦いの行く末を見たかったファヴだが、端末ごと燃やされた為にそれは叶わなくなってしまったのだった。
そして炎が消えた時、ハードゴア・アリスの体だったであろう肉の一部は活動を再開していた。
ねむりん「恐ろしい生命力だ。」
火遁・炎弾の術!
肉は全て蒸発して消えていた。
ねむりん「やっと死んだか...」フラフラ
(チャクラが切れそうだ...)
しかし、蒸発した煙どうしが集まりハードゴア・アリスの体を形成し始めていた。
ねむりん「...!」
(奴の能力は不死身の能力か...。私の幻術なら魔力の乱れを生じさせることができる。乱れた魔力なら回復もできないだろう...)
ハードゴア・アリスの魔法『どんなケガをしてもすぐに治るよ』
アリス「あなたはもう、フラフラですね。」ズズズズ...
ねむりん「回復してすぐのところを悪いが...写輪眼!」ギン
アリス「⁉︎」
(夢...?)
ねむりん「夢を見ながら殺されるんだから、ありがたく思え。」ズバッ!
ねむりんの手刀は、ハードゴア・アリスの首を刎ねた。
ねむりん「...終わった。」
ねむりんがハードゴア・アリスの首を見つめている時、首が少しずつ動き始めていた。
アリスの首「」ズズズズズ...
ねむりん「なんて奴だ...もうチャクラが...」
(このままではこいつに負ける...!どうすればいい。奴の体が元に戻れば夢は覚めるだろう..........。......夢?そうか、相手が夢を見てるなら、あれをやってみる価値はありそうだ。)
ねむりんは、かつてマダラに尋ねられたことを思い出しながら、目の前の敵が見ている夢に入り込んだ。
ねむりん「...お前の夢は暗いな。お前の父親が妻を殺したことで、クラスメイトからいじめられているのか...」
アリス「⁉︎」
ねむりん「せめて、明るい夢を見せてやるよ。」ズオオオ...
ねむりんが空間に手をかざすと、クラスメイト達はスノウ・ホワイトになった。
アリス「‼︎ スノウ・ホワイト...なのね?私はあなたに助けてもらった。鍵を無くして困っていた私にあなたは...」
スノウ・ホワイト「言わなくても分かるよ。疲れたでしょう?ゆっくりお休み。」ニコッ
アリス「わかった........」
夢の中のアリスは静かに息を引き取った。
ねむりん「老衰死なんて優しすぎたか。まぁいい...現実はどうなってるんだろうか...」
ねむりんは静かに目を開けた。
ねむりん「!」
ねむりんは驚いた。
何故なら、変身を解かれた少女が笑みを浮かべながら眠っていたからである。
ねむりん「何をしても起きない植物人間ということか...。一応、念のために捕らえておくか...」
木遁の家に入ったねむりんは彼女を床に降ろすと、すぐに横になり目を閉じた。
(疲れたな.....だが、私の魔法がこんなにも強かったとは。予定変更だな..............)
続く
読んでくださりありがとうございます。
ねむりんのやっていることは、マダラの真似が多いですね。
家を作ったり、見張りをつけたり、敵を捕らえたり...
ねむりんがファヴ相手にマダラの真似をしていた伏線的なものも回収できそうです。
それにしても、ルーラは本当にいい子になりました。