うちはマダラ「魔法少女育成計画だと...?」   作:渺人

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前話からの続きです。
マダラ達は朝が早ければ夕飯の時間も早いです。



第13話:目的

ねむりん「それじゃ私はこっちだから、またね。」

 

マダラ「あぁ、俺の分身もいるとはいえ気をつけろ。」

 

ねむりん「うん!」

 

屋根を飛び越え、ねむりんは久しぶりの家路を進んでいた。

 

ねむりん(作戦はこうだったよね。

マダラさんとユナちゃんはルーラがいるとされる廃寺にいく。

私は自宅で街の破壊から家族を守り、街を破壊する敵を1人倒せばいい...。他の魔法少女に合流されないよう場所を選びながら戦えば勝機はある。

この作戦は潜伏場所を市街地だと思わせ、私の戦闘力の高さを知らしめることが目的でもあるんだっけ。)

 

「ただいま〜。」

 

ねむりん母「おかえり。3日もネットカフェに泊まるなんて、珍しいわね。あら、その子は?」

 

子猫マダラ「ニャ-」

 

合歓(ねむ)「飼うことにしたんだ〜〜。」

 

ねむりん母「ふふっ、エサ代を払うためには、働くしかないわね。お父さんが帰る前にお風呂に入ったら?」

 

合歓「わかった〜〜。」

 

 

ねむりんの部屋にて

 

子猫マダラ「お前の変身前を初めて見た。」

 

合歓「⁉︎」(そうだ、この猫はマダラさんだったんだ...)

 

子猫マダラ「どうした?」

 

ダッダッダッ...

 

ねむりんは一階に降りて行ってしまった。

 

子猫マダラ「変な奴だな。」

 

しばらくして風呂から上がったねむりんは、

家族と楽しそうに会話をしていた。

 

子猫マダラ(家族か...)

 

しばらくして、ねむりんは二階に上がってきた。

 

合歓「ごめんね。突然いなくなって。」

 

子猫マダラ「何を慌てていたのだ?」

 

合歓「変身前を見せるのが恥ずかしくて......。

24歳にもなって魔法少女なんて、嫌いになったよね...」

 

子猫マダラ「この世界において、本当の姿を他人にさらけ出している人間などいないんじゃないか?

普通、(はらわた)までは分からない。誰もが偽りの仮面を被って生きているものだ。

お前の本当の姿が見えて、俺は嬉しく思うがな...」

 

合歓「私もマダラさんと友達になれて嬉しいよ。ありがとね。」ポロポロ

 

 

その頃、廃寺の入り口についたマダラとユナエルは、

扉の先に人の気配がないか耳を澄ましていた。

 

 

マダラ(いないようだな...)

「...ついてこい。」

 

ユナエル「わかりました。」

 

 

廃寺の地下空間にて

 

ルーラ「えいっ!」ブン

 

ミナエル「!」サッ

 

スイムスイム「はぁ!」バッ

 

たま「痛っ...。反撃!」ブン

 

 

マダラ(地下にこんな空間があったとはな...。それにしてもレベルの低い戦いだ。)ザッ

 

上から見ていたマダラはユナエルを残し、地下へと飛び降りた。

ドンッ...

 

土煙と共に派手な登場である。

 

 

4人「⁉︎」

 

ルーラ「フォーメーションC!」

 

ルーラ達はすぐに状況に適した陣をとった。

 

マダラ「待て。争いに来たわけじゃない。」

 

ルーラ「じゃあ、何かしら?」

 

マダラ「この前の話の続きをしようと思っただけだ.....

途中で攻撃され出来なくなってしまったからな。」

 

ルーラ「わかったわ。話をしましょう。」

 

マダラ「今俺たちが命を狙われているのは知っているな。それがお前達の仕業なのは見当がついている。俺の居場所を探させるためだということもな。」

 

ルーラ「さすがね。」

 

マダラ「ユナエルを助けるためにお前達が変わったのは、さっきの動きや顔つきからよく分かる.....そして今は、能力を強化しようとしていたのだろう。」

 

ルーラ「何が言いたいの?」

 

マダラ「お前は俺と似ている。そして何より頭が切れる。どうだ、俺と手を組まないか?」

 

ルーラ「ユナエルがどうなったかを知るのが先よ。」

 

マダラ「ユナエル!」

 

ユナエル「はい。」

 

ルーラ達が見たのは眼を紅く染めマダラに従順な、まるで別人のようなユナエルであった。

 

ルーラ「こうやって、私たちを洗脳するつもりね!」

 

マダラ「違う、ユナエルは俺に対する敵意が強かったから少し記憶を消しただけだ。目的が終われば全て元どおりに戻す。」

 

ルーラ「目的って何よ!」

 

マダラ「ユナエルには、俺の仲間になる利点をお前達に示す...という目的の下強くなってもらった。」

 

ルーラ「ふざけんじゃないわよ!人を道具のように扱うな‼︎」

 

マダラ「何を言っている?お前もあの白い魔法少女を閉じ込めているじゃないか。さっきも言ったが、お前と俺は似ている...お互い様ということだ。」

 

ルーラ「...ッ‼︎」

 

マダラ「話が長くなったな。ユナエル、あの4人と戦って強さを示せ。...くれぐれも殺すなよ。」

 

ユナエル「はい。分かりました。」

 

ルーラ「ユナエル正気に戻りなさい!」ブン

 

マダラ「無駄だ。お前ごときの能力で上書きできる幻術ではない。さて、俺は高みの見物と参ろうか。」

 

ルーラ「待て...!」

 

マダラはそれを無視すると、離れたところで観戦を始めた。

 

スイムスイム「戦うしかない。」

 

たま、ミナエル「うん...!」

 

ルーラ「フォーメーションE!」

 

フォーメーションEは指揮を執るルーラを、液化したミナエルが囲んで守るという戦術であった。

 

ユナエル「まずは、お前らから。」ブュン!

 

たま「早すぎるよぉ...」オロオロ

 

スイムスイム「透過が間に合わない...」

 

何も能力を使わなくてもユナエルは速く強かった。

 

ルーラ「なんて強さなの...」

 

気づけば、たまとスイムスイムは倒れていた。

 

ユナエル「なるほど、マダラさんの言う通りですね。

変身しても身体の堅さは変わらないから、液化させてすり抜けることしか出来ないというわけですか。」

 

ルーラ「そうよ。遠距離の攻撃は透過し威力を弱める。

近距離なら私には攻撃できても、その瞬間ミナエルがあなたを捕らえるわ!」

(これでユナエルを捕まえることができる!)

 

ユナエル「甘いですね。部分強化・頭、鼻、口」マッコウクジラ、シロイルカ、コウモリ

 

ルーラ「まさか、能力の強化⁉︎」

(部分的に変身することで、あらゆる動物の特性を組み合わせているのね...⁉︎)

 

次の瞬間、三種の動物の特性を合わせた破壊音波は2人に容赦なく襲いかかったのである。

 

ギィィィィィンキキキキィィィィブォォォォォォォォォジ ンジジジジンギギギギィィィィィィンピィィィィィピキピキピキブゴゴゴゴゴィィィィンォォォォ......‼︎

 

 

液体を伝わる音波に耐えられなかったのか、ミナエルは変身が維持できずその場に倒れてしまった。

 

ルーラ「くっ...」(お腹の中を.....突き破るような音ね......)

 

ユナエル(あっけない。これで終わりですか...)

 

 

音が鳴り止んだ時、よろめくルーラの首元にはユナエルの爪があった。

 

ユナエル「あなた達の負けです。」

 

ルーラ「ええ。認めるわ。」

 

パチパチパチ

拍手と共にマダラが現れた。

 

マダラ「よくやった、ユナエル。」

 

ユナエル「ありがとうございます。」ヒョイ

 

マダラ「?」

 

ユナエル「頭を撫でてください...」

 

マダラ「仕方ないやつだな。」ナデナデ

 

ユナエル「嬉しいです。」(幸せです...///)

 

ミナエル「」

 

たま「...///」カァァ

 

 

マダラ「さて、ルーラよ...このままお前達を殺すこともできるがどうする...?」

 

ルーラ「仲間に.........してください...」ポロポロ

(手も足も出なかった...。でも、この男につけばユナエルのように強くなれるかもしれない!)

 

マダラ「いいだろう。約束通り、ユナエルの幻術も解除する。」

 

万華鏡写輪眼! ギン!

 

ユナエル「⁉︎」フラッ...

 

 

ーーもう、お前は自由だ。

 

薄れゆく意識の中で、そんな言葉が聞こえた気がした。

 

 

ユナエルが眠ると、マダラとルーラ達はこれからのことについて話し始めた。

 

マダラ「話し合いを始める前に皆、端末の電源を切ってくれ。」

 

ルーラ「わかったわ。」

 

たま「切りました...!」

 

ミナエル「切ったよ。」

 

スイムスイム「...私も。」

 

マダラ「全員切ったようだな。まず...お前達が信用できるかを確かめる。お前達も知っていると思うが今日の昼過ぎ、この街の一部が破壊された。

敵が1人なら、ねむりんに倒すよう言ってある。

お前達はねむりんと協力し、そいつを倒せばいい。」

 

ルーラ「それなら、あいつしか考えられないわね。

...カラミティ・メアリ。能力は、武器の強化よ。」

 

マダラ「なるほど...ならば、そいつを討つ。」

 

ルーラ「でも、明日は市街地に現れないと思うわよ?」

 

マダラ「何故だ?」

 

ルーラ「今朝クラムベリーが、自分は山地を探索するから、後のみんなは市街地を探すようにと言ってたのよ。1日ごとに交替するって言ってたから、明日は大勢の魔法少女が山を探すわね。」

 

マダラ「そのクラムベリーって奴のことはわかるか?

今の話を聞くと、よほど単独行動を好む奴みたいだな。」

 

ルーラ「申し訳ないけど、何もわからないわ。」

 

マダラ「そうか。ここでクラムベリーを討ってもいいが、奴の性格を利用させてもらう。」

 

ルーラ「何をするつもり?」

 

マダラ「市街地と山...1日ごとに場所を変え、奴らを錯乱させて時間を稼ぐ。明日1日それがうまくいけば、お前らを信用して強くしてやろう。」

 

ルーラ「それで信用してくれるなら良かったわ。」

 

 

廃寺を出たマダラは暗い夜道を1人で歩き、屋敷へ帰ると作業を始めた。

家の家具全てに術式を組み込むと、購入した巻物の中にそれらを片付けてこう言った。

 

「後はこの家を木に戻し、ねむりんを口寄せするか。」

 

口寄せの術!ボン

 

合歓「ふぇ?」

 

マダラ「すまんな。話が変わった。」

 

 

マダラはねむりんに廃寺でのことを説明し、明日は安全とされる市街地へ向かおうとしていた。

 

ねむりん「今日はどこに泊まるの?」

 

マダラ「市街地で家を建てるのは不審だ。どこかのホテルに泊まる。」

 

ねむりん「今から泊まらせてくれるかな〜〜?」

 

マダラ「‼︎ そこにいるのは誰だ?」

 

クラムベリー「こんばんは、うちはマダラ...そしてねむりん。私は森の音楽家クラムベリー。

1人で山を探して良かった♪夜通しで探そうと思ったのですが......

こんなに早く見つかるなんてラッキーです♪」フフフ

 

 

時刻は23時のことであった。

 

 

 

続く

 

 




話の続きを考えていると、時間があっという間に過ぎていきます...
仕事中も楽しく時間が過ぎます。

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