うちはマダラ「魔法少女育成計画だと...?」   作:渺人

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2週間目の始まりです。


2週間目
第12話:動き


日曜日の朝、森では激しい戦いが繰り広げられていた。

 

ねむりん「雷遁・雷礫(かみなりつぶて)の術!」

 

マダラ「ほう、石に雷を纏わせるか」サッ

 

ユナエル「ハヤブサ!」ビュン

 

マダラ「早いな...」(撹乱させるつもりか?)

 

ねむりん?「こっちだよ!」

 

マダラ「...!」(移動したのか?)

 

ねむりん「雷遁・感激波の術!」

 

マダラ「くっ...」(ねむりんに化けていたのか...)

 

ユナエル「変身!ゴリラ!」ブン

 

ゴリラの腕で殴られたマダラは吹き飛ばされた。

 

ドッゴーン...

 

マダラ「強くなったな。」パッパッ

 

マダラは鎧についた埃を払い、言葉を続けた。

 

マダラ「これなら、もう少し力を出して良さそうだな...

分身は2人から4人に増やし、写輪眼と火遁と須佐能乎を使う。

写輪眼を使う以上さっきのように、ねむりんに変身するのは通用せんぞ。」

 

ユナエル「わかりました。」

 

ねむりん「分身も須佐能乎を使うの?」

 

マダラ「ああ。サイズは小さくするから安心しろ。」

 

ねむりん「わかりました....」(全然安心できないよ!)

 

 

その頃、黒い魔法少女はファヴから説明を受けていた。

 

アリス「白い魔法少女が行方不明...?」

 

ファヴ「そうだpon。うちはマダラの襲撃を受けたpon。」

 

アリス「その人はどこにいるの?」

 

ファヴ「みんな今日から探し始めたpon。」

 

アリス「私も探す...」

 

ファヴ「応援してるpon♪」

 

一方、ルーラ達は寺の地下の巨大な空間にいた。

この巨大空間はたまの能力で作ったものである。

 

ルーラはある仮説を立てていた。

 

(私たち魔法少女は身体を強化して潜在能力を高めれば、能力の強化や定義を広げることができるかもしれない...)

 

ルーラ「みんながあの男を探してる間、私たちはここで戦って能力の強化を図るわよ。」

 

スイムスイム「...強化って?」

 

ルーラ「私たちの魔法は、身体能力の上昇によって高められるんじゃないかと思ったのよ。もし無理でもやって損することではないわ。」

 

一同「わかりました」

 

ルーラ「準備体操が終わったら、さっそく組手から始めるわよ!」

 

一同「はい!」

 

 

そんな中、他の魔法少女たちは各地に散らばり、マダラとねむりんを探していた。

 

 

ヴェス「どこにいるんだ...」

 

シスターナナ「海沿いにはいないみたいですね...」

 

ヴェス「あの煙は何だ?」

 

シスターナナ「オフィス街の方ですね、行ってみましょう」

 

 

2人がそこにに着くと、カラミティ・メアリがビルを破壊していた。

 

メアリ「これはストレス発散にいいねぇ〜!」

 

ヴェス「カラミティ・メアリ!何をしているんだ⁉︎」

 

メアリ「あたしは先週からずっとあの男を探していたんだよ...ちっとも見つからないからイライラしてね、街を破壊すれば出てくると思ったんだよ!」

 

彼女はそう言うと、再びロケットランチャーで建物を壊し始めた。

 

シスターナナ「やめてください!関係ない人々まで殺すことはありません!」

 

メアリ「あぁ?」チャキ

 

ヴェス「銃を下ろしてくれ、戦いに来たわけじゃない。

ただ、今日のみんなの報告を聞いてからでいいんじゃないか?山に潜伏してる可能性もあるわけだし。」

 

メアリ「うるせぇーなぁ!」バン!バン!

 

トップスピードとリップル「やめろ!」バッ

 

メアリの放った銃弾はリップルの手裏剣に相殺され、明後日の方に飛んでいった。

 

3人「⁉︎」

 

リップル「カラミティ・メアリ、いくらお前でも4人の魔法少女を相手にするのは無理がある。」

 

メアリ「ハハハ!脅しかい?

わかったよ。でも、明日からは好きにさせてもらう。」

 

そう言うと、カラミティ・メアリはどこかへ消えていった。

 

トップスピード「けが人の救助を急ごう!」

 

シスターナナ「はい!」

 

夕方の廃寺では、ルーラは特訓に不満げな様子だった。

組手をしても4人の力は同じぐらいで張り合いが無く、能力が強化される兆しも無いからである。

 

ルーラ(ユナエルは辛い思いをしてるというのに、こんな調子じゃダメね...)

 

ルーラ「お疲れ様。今日は帰っていいわよ。」

 

ミナエル「筋トレなら1人で出来るから、ここでやっていい?」

 

スイムスイム「私も筋トレする。」

 

たま「わ、私だって!」

 

ルーラ「みんな....!!いいに決まってるじゃない!」

 

 

特訓に満足出来なかったのはみんなも同じであり、それでも何か出来ることが無いかと必死で考えていたのである。

 

 

一方、マダラ達の修行は過酷を極めていた。

既に分身マダラの一体は倒されていたが、まだ三体の分身がいた。

 

マダラ「これを防いでみろ!」バッバッバッ

 

火遁・豪火滅却‼︎

 

マダラは瞬時に印を結ぶと、彼女達の力を引き出すために最上級の火遁を放ったのだった。

 

ねむりん「嘘でしょ...⁉︎」

 

ユナエル「これは、やばいですね...」

 

豪火球などの比較的易しい術に安心していたねむりん達は、目の前に迫る灼熱にどうすることも出来なかった。

 

ユナエル「後方は空いています。逃げましょう。」

 

ねむりん「うん!」

 

しかし逃げた先には三体の須佐能乎がいた。

 

マダラ(さすがに無理か...。今日は終わりにするか...)

 

マダラ「ん...?」

 

火炎の先では、三体の須佐能乎に立ち向かっていた2人がいた。

2人は諦めていなかったのである。

 

マダラ(面白い!これでこそ戦いだ!)

 

マダラは興奮しさらに火炎を強めた。

 

 

2対1でなんとか倒せた須佐能乎に2対3で挑むのは無理があり、2人は火炎の方に吹き飛ばされてしまった。

 

ねむりん「ぐっ...」ズザザザ

 

ユナエル「う...」ズザザザ

 

ねむりん「やばい...もう火がすぐ後ろまで来てる!」

 

ユナエル「見てください。あれ......」

 

三体の須佐能乎は剣を出すと、同時に振りかざしてきた。

 

ユナエル(これを防がなきゃ死ぬ...やるしかない!)

 

「部分強化・腕!」シャコガイ

 

分身マダラ「⁉︎」

 

シャコガイの殻は生物の中で最も硬いと言われている。

ユナエルは腕の部分に貝殻を纏わせて須佐能乎の攻撃を防いだが、貝殻は割れてしまい吹き飛ばされてしまった。

 

ユナエル「まだ諦めません。部分強化・脚」バッタ!

 

「部分強化・腕」グリズリー!

 

「部分強化・胴」アフリカゾウ!

 

ユナエルはバッタの跳躍力と自身の飛行能力で一気に間合いを詰め、グリズリーの怪力とアフリカゾウの重さを組み合わせた一撃で須佐能乎の一体を吹き飛ばした。

 

ねむりん「すごい...。 ...‼︎ ユナちゃん後ろ!」

 

しかし、残る二体の須佐能乎は無情にもユナエルを殴り飛ばしたのであった。

 

ユナエル「ゲホゴホ....もう.....立てません........」

 

分身マダラ「後はお前だけだな?ねむりん。」

 

ねむりん(ユナちゃんは私を守ってくれた。私も守りたい!)

 

「はぁぁぁぁぁぁ‼︎」ズオオオオオ

 

ねむりんの周りを濃密なチャクラが(ほとばし)る!

 

………………

 

気がつくとねむりんは、マダラの屋敷のベッドにいた。

 

マダラ「気がついたか。」

 

ユナエル「痛いところは無いですか?」

 

ねむりん「大丈夫だよ、ありがとう。あれ、私は...」

 

マダラ「追い詰められた2人は新たな力に目覚めたのだ。

ユナエルは部分的に変身し、動物のいいところだけを組み合わせる能力。そしてお前は木遁を使った。」

 

ねむりん「えっと...木遁は血継限界なんだよね?」

 

マダラ「柱間細胞を持つ忍は、木遁を使うことができる。教えても良かったが、実戦の方が早く覚えると思ってな。事実お前は木遁で須佐能乎を縛り上げ、俺の炎も防いでみせた。」

 

ねむりん「そうだったんだね....

 

木遁を覚えたのは嬉しいけど.......

死ぬかと思ったよぉ...」ポロポロ

 

ユナエル「...」ポロポロ

 

マダラ(面倒な奴らだな...仕方ない。)

 

マダラはユナエルとねむりんの頭を撫でると

 

マファラ「すまなかったな。」

 

と謝罪の言葉を口にしたのである。不本意だったが、同じ家で暮らしている以上面倒なことは避けたいのだ。

 

ねむりん「許すっ♪」

 

ユナエル「!!??」(この感情は何でしょうか...)

 

 

マダラ「さて、晩ご飯を食べるか...」

 

昨晩に引き続き、マダラの分身達がごちそうを作ってくれていたのだった。

 

マダラは異文化の勉強の時に料理のことも覚えていたのである。

 

ユナエル「いただきます。」

 

ねむりん「いただきます!!」

 

マダラ「あぁ。たくさん食べろ。」

(1人の頃は食べないか簡易的な食事だったのに、誰かと暮らすと変わるものだな。)

 

ねむりん「美味しい!!」

 

ユナエル「美味しいです。」

 

マダラ「そうか。」

 

ユナエル「昨日も思ったのですが、私たち魔法少女は食事を必要としないのに、何故与えてくださるのですか?」

 

マダラ「食べる必要が無くなっても美味しいと感じるようでは、それは喜びを欲している証拠だ。その喜びの時間を誰かと分かち合えれば、喜びは幸せになるのではないかと考えるようになったからだ。」

 

マダラは忍界大戦での死から、人の本当の幸せについて考えていたのである。

 

ユナエル「分かる気がします。」

 

ねむりん「確かにみんなで食べると幸せだよね〜」ニコニコ

 

ユナエル「私たちは...仲間ですか?」

 

マダラ「そうだ。仲間だ。」

 

ユナエル「...すごく嬉しいです。」ニコッ

 

 

それは、ユナエルがここに来て初めて笑った瞬間であった。

 

それからは、3人でテレビを見ていた。

 

男性アナウンサー「日曜18時のニュースの時間です。今日午後2時頃、名深市において何者かがオフィス街を襲撃しました。犯人は未だ見つかっておらず、テロリストによる犯行も視野に入れ捜査が行われています。」

 

 

マダラ「俺たちを探すための破壊活動か...」

(ユナエルは強くなった。今夜動くのが最善だな...)

 

ユナエル「ここも見つかるのでしょうか。」

 

ねむりん「.....」

 

マダラ「黙って見つかるのを待つ俺では無い...これから街の方に向かう。ねむりん、お前は途中で分かれて自分の家に戻れ。家族が心配なんだろう?」

 

ねむりん「ありがとう。」

 

マダラ「では、行くぞ。作戦は走りながら説明する。」

 

2人「はい!」

 

家の見張りを分身に任せると、街へと続く道なき道を3人は進んでいた。

ユナエルは空を飛び、マダラとねむりんはチャクラを纏った足で枝と枝の間を飛び越えていた。

 

ねむりん「2人はどこに向かうの?」

 

マダラ「ルーラのいる廃寺だ。」

 

ユナエル(ルーラ...?誰でしょうか.......)

 

 

続く

 

 




マダラはユナエルが記憶を無くす前に、ルーラ達の能力と活動拠点を聞いています。

ねむりんが術を覚えるのが早すぎるという疑問があると思いますが、魔法少女とはそもそも数万人に1人の天才です。
天才が最強の天才に教わっているのですから、上達も早いのです。

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