ラピュセルは死体が見つからないので、男の子だということがわからなくて良かったのかもしれません。
マダラ達が眠っている頃、
ルーラ達の活動拠点である廃寺では反省会が
行われていた。
ルーラ「みんな、今日はお疲れ様。たま、どうして泣いてるの?」
たま「私のために戦ってくれてありがとう」ポロポロ
ルーラ「みんなでユナエルを助けるって約束したでしょ?」ニコッ
たま「はい!」ポロポロ
ミナエル「それにしても、今日のルーラは本当に凄かった!」
スイムスイム「うん。」
ルーラ「みんなが頑張ってくれたおかげよ。私1人では何もできないけど、みんながいるから強くなれるのよ。
来週はこいつが最下位だから、キャンディ集めはしなくていいわね♪」
ルーラが指をさした場所には檻に入れられたスノーホワイトが、天井を見上げて独り言を言っていた。
ラピュセル、お弁当作ってきたから食べてね。
そんなに美味しいの?ラピュセルに褒められると嬉しいなっ
また作ってくるから、2人で食べようね.......ブツブツ
ルーラ(完全に精神が壊れてるわね...)
ルーラはみんなを家に帰らせて1人になると、端末を起動したのであった。
「ねぇ、ファヴ。ラピュセルの死因はどう説明するのかしら。」
「こういうことは答えない決まりだpon」
「数が減って得をするあなたは、こういう殺し合いになることは好都合よね。
だから私たちの会議で、“誰か1人が死んだらその週はキャンディによる脱落者は出ない”なんてことを教えてくれたんでしょ?」
「ファヴは殺し合いなんて望んでないpon!
ファヴはルーラの“絶対にたまを普通の人間にさせない”っていう気迫が怖くて仕方なく教えたんだpon。
ルーラ達は普通の人間になっても友達のままだpon?
どうして、そんなに魔法少女にこだわったpon?」
「あなたもマダラと遭遇した時見てたでしょ。みんなであいつに一矢報いてやる為よ。」
「なら、ラピュセルを殺したのはうちはマダラだと伝えれば文句ないpon?
これで本格的にマダラの捜索が始まり、誰かがマダラを殺すかもしれないpon!
マダラがいなくなれば、平和的にキャンディが集められるpon。ファヴはちゃんと、みんなが安心してキャンディを集められるように考えているpon♪」
(本当はルーラ達がラピュセルを殺したことを報告して殺し合いを始めたいけど、邪魔なマダラとねむりんが狙われるのも面白いpon♪)
「あら、それはいいわね。もしマダラが誰かに先に殺された時は不本意だけど、しょうがないわ。」
(彼は絶対死なないわ...。私が期待してるのは、捜索の方よ...)
「それと今回の結果発表では、ねむりんのこととユナエルのことも報告するpon。もう たまの脱落を防いだんだから文句は言わせないpon☆」
「ええ、構わないわ。」
ルーラはファヴとの会話を終えると家に帰り、眠りについたのだった。
早朝、マダラは2人の少女を起こしていた。
まだ日の出前なのだが修行をさせる為であった。
マダラ「起きろ。」
ユナエル「はい。」
ねむりん「まだ寝たいよ...」
マダラ「では、昨日の続きだ。」
マダラはねむりんに柱間細胞の説明をし、それぞれ分身を散開させると忍組手が始まったのだった。
マダラ「今回俺は3人に分身する。
俺は体術だけだがお前達は武器を使っていい。木の枝、小石、砂...いたるところに武器は落ちている。
そしてユナエルは今回から空を飛んでもいい。」
こうして、2日目の修行は始まったのだった。
マダラ達が修行に明け暮れる頃、
ファヴとクラムベリーは山奥の小屋で話をしていた。
クラムベリー「驚きましたよ...まさか、ルーラ達がラピュセルを倒すなんて。彼女とは戦ってみたかったんですけどね...」フフ
ファヴ「殺し合いに移行させたかったけど、先にうちはマダラとねむりんを狙わせるようにしたpon♪」
クラムベリー「そうですか。それなら魔法少女達のやる気を高めるために、2人のうちのどちらかを殺した者には、キャンディの争奪戦から除外される権利を与えましょう。」
ファヴ「さすが、マスターだpon!」
クラムベリー「新参加の魔法少女を含め、捕らえられたユナエルとスノーホワイトを外して12人ですか...
これだけの魔法少女が街中を捜索する...これは見つからない訳が無い。」フフ
ファヴ「ユナエルが巻き添えをうけて死んでも、ファヴはどうでもいいpon♪」
それから時は経ち、空は沈む夕日の残光に照らされていた。
マダラ「今日は結果発表があるから、ここで終わりだ。
帰るぞ。」
ユナエル「はい。ありがとうございました。」
ねむりん「ありがとうございました!今日は家の中に入っていいの?」
マダラ「あぁ。ゆっくり休め。」
1日ぶりのマダラの屋敷に入ると、ねむりんは驚いて立ち尽くしてしまった。
ねむりん「ど、どういうこと⁉︎」
マダラ「家電が欲しいとか、生活感が無いとか文句を言っていたから分身に買わせて配置していたのだ。」
家の中は外観に相応しい落ち着いた木のテイストであしらわれた、立派な部屋となっていた。
ねむりん「す、すごいよ〜」ウルウル
ねむりんは目に涙を浮かべて喜んでいた。
ユナエル(私は地下室ですよね...)ショボン
マダラ「お前たちの部屋はそれぞれ二階にある。
20時から結果発表の時を待つ。好きに過ごせ。」
ユナエル「! あの...私にも部屋を与えてくださるのですか?」
マダラ「当然だ。仲間だろう?」ニッコリ
ユナエル「ありがとうございます...マダラ様。」
それからはねむりんとユナエルは2人でお風呂に入った。
一緒に修行をすれば、
「洗ってあげるよ〜〜」
「自分でできますよ。きゃっ..くすぐったいです。」
「えへへ〜」
お風呂場からは少女たちの幸せそうな声が聞こえてくるのであった。
マダラ「」
それから2人でふかふかのソファに座りテレビを見ながら笑っていたのだった。
マダラ(仲良くなったものだな。ん?そろそろ時間か...)
「ねむりん、端末を起動させろ。起動させたら、後は俺に任せておけばいい。
ユナエルは隠れて見ていろ。」
ねむりん「わかった!」(みんなと話しづらかったから良かった。)
ファヴ「ねむりん、久しぶりだpon!」ヒョコ
ねむりん「.....」
ファヴ「本当にマダラに操られてるpon?」
ねむりん「........」
マダラ「何時から始まる?」ズイ
ファヴ「‼︎...驚かさないで欲しいpon!」
マダラ「質問に答えろ。」
ファヴ「21時からだpon。結果をお楽しみだpon♪
(操られてるのは可哀想だけど、死んでもらうpon)
ブツ...
マダラ「あいつはねむりんが操られてると思っているのか。ならばそれを利用するまでだ。」
ねむりん「緊張してきた...」
20時半、チャットルームにて
トップスピード「まだ私たち以外誰もいないなー?」
リップル「あんたがせっかちなんだよ...」
【シスターナナが参加しました。】
シスターナナ「こんばんは。」
【ヴェス・ウィンタープリズンが参加しました。】
ヴェス「こんばんは。」
トップスピード「2人ともうぃっす♪」
その後も魔法少女達は集まり、ルーラとスイムスイムとたまとミナエルが現れた時にはざわついていた。
ルーラ「どうしたのかしら。」
ヴェス「スノウホワイトとラピュセルがこない...」
シスターナナ「どうしたのでしょう...」
メアリ「あんたのところの双子の片割れもいないみたいだけど?」
ルーラ、ミナエル「.....」
クラムベリー「時間になったみたいですね。」〜♪
ファヴ「お待たせだpon♪今回は重大なお知らせがあるpon。さっそく報告するpon。」
【ねむりんが参加しました。】
一同「「!?」」ヒサシブリ イママデドウシテタ?
ねむりん「.......」
ファヴ「気になることもあるだろうけれど、全部説明するから落ち着いて聞いて欲しいpon。
まず、今週の脱落者はラピュセルだpon。ラピュセルはうちはマダラに殺されたpon...コンビを組んでいたスノーホワイトも襲撃に遭い行方不明だpon...」
たま「え⁉︎」
ねむりん「....」(ほう.....そう来たか。)
リップル「ちっ...」
スイムスイム「⁉︎」(そういうことにしたのね...ルーラは)
メアリ「....」チラッ
(スイムスイム達が驚いてるってことは、本当にマダラが殺ったのか...)
仲間であっても伝えずにいることで、皆を完全に欺く...
これもルーラの作戦であった。
シスターナナ「どうして...そんな!」ガタッ
泣き崩れたナナを支えるヴェス
ファヴ「みんなも気づいていると思うけど、ユナエルがいないのはマダラに捕まっているからpon。
そして...ねむりんはうちはマダラの仲間pon」
マジカロイド「これは、驚きましたね。」
トップスピード「はぁ?どういうことだよ!」
ヴェス「ねむりん、その話は本当かい?」
ねむりん「本当だよ。」
ミナエル「ユナエルを返せ!」
ねむりん「私に言われてもね...」
ファヴ「本人の前では言いづらいけど、ねむりんとマダラは魔法少女の脅威だpon!
ねむりんかマダラを倒してくれた者はキャンディ集めをしなくてもいい特別枠にするpon♪」
クラムベリー「倒すってことは、息の根を止めるってことですか?」
ファヴ「そうだpon。そうしないと、どんどん魔法少女が殺されてしまうpon。」
メアリ「はいはい、わかったよ。」
マジカロイド「キャンディ集めは怠いですし。ねむりんなら勝てそうですね。」
ヴェス「ラピュセルの仇を討とう、ナナ。」
シスターナナ「はい」ポロポロ
ねむりん「...」(2人を強くする良い機会だな...)
ルーラ「私たちも探すわよ。」
ルーラは誰かが見つけるのを待っていればいいと思っているが、空気を読んで言葉を発したのであった。
たま、スイム、ミナエル「はい。」
ファヴ「あ、来週からは新しい魔法少女も来るpon♪
もちろんキャンディ集めは継続だから頑張るpon」
集めたキャンディの順位の画面と共に、チャットは終了となった。
1位スノーホワイト
2位ねむりん
...14位たま
脱落者:ラピュセル
マダラは2人にチャットの内容の一部を改変して、マダラとねむりんとユナエルの3人の命が狙われていると説明した。
マダラ「...というわけだ。」
ユナエル「怖いです。」
ねむりん「ユナちゃん。一緒に修行頑張ろ!」
ユナエル「うん!」
マダラ(ラピュセルを殺しのはルーラ達と見て問題無いだろう。ファヴに根回しをして俺が殺したことにしたのだな...。俺が殺されることは無いとわかっているから、俺の居場所を見つけさせ、ユナエルを助けるのが目的か。さすがだな....)
深夜1時。二階の部屋では、ベッドの中で考え事をしているユナエルがいた。
(わからないよ...どうしてマダラ様やねむりんは優しくするの?地下室で生まれた私は目的のために動く操り人形でしかないのに。)
ギュ
その時、一緒に寝ていたねむりんが抱きついてきた。
(ねむりん....どうしてあなたは私と一緒に寝たいって言ったの?)
ねむりん「怖いよ...」ムニャムニャ
ねむりんは寝言を言っていた。
(そうだよね。命が狙われてるもん怖いよね...)ギュ
ーー2週間目が始まったのであった。
続く
平和な日常に突如襲いかかる恐怖
あの感じが好きです。
ねむりんとユナエルは過酷な組手の中で、信頼できる仲間になりました。
でも、ユナエルは心の中では
こんな自分に何故と思っているようです。