Solitude Art Online   作:自由気ままな人

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第32話

 「ホーク……この騒ぎは、なんだ?」

 俺は起こされてここ、ホールにいる。

 時間は朝の9時、5時に寝た俺からすればものすごく体が怠いのである。

 やっぱり……と認めたくない俺は一応聞いてみる。

 「……準攻略組が、深夜の突撃事件を嗅ぎつけたようで……。」 

 ……やっぱりか……はぁ。

 「で、こんなに五月蠅い訳か……。」

 静かで評判の血盟騎士団まで来てやがる。

 「どこが来てるんだ?」

 「それならセフィロスさんが……。」

 帰って来てたのか。

 たまたまか?

 「質問に答えよう。来ているギルドのうち参加させろと言って来たのは血盟騎士団、アウトサイドチェイン(OSC)、ドリームイリュージョン(DI)。状況確認に来たのがフリーダムウインド(FW)だ。」

 「メッセージを見たのか。」

 「ああ、緊急性を要するなら私も来るさ。私としては血盟騎士団以外はレベルと装備が足りないと見る。」

 「そうだな。しかもフロアボスがいつもより強敵だからSOLから死者が出てもおかしくない。とりあえず説明して下がらせよう。FWは俺から説明しておく。」

 血の気多いからな……準攻略組。

 「いいだろう。」

 そう言ってセフィロスは刀を持って喋り始めた。

 長い刀が好きならしく、自分の身長と同じ2Mの刀を持っている。

 確か名前は長一文字……菊一文字を長くしたモデルチェンジとか言ってた。

 長い代わりに最大耐久が減っているとのこと。

 本人は手荒な扱いばかりしているが。

 例を挙げると刀を壁に突き刺してその上に立ったり、プレイヤーを突き刺して浮かせたりとか。

 そうやって見下ろした姿に恐怖を覚えない者はあまりいない。

 そんなことをやっているから『銀髪ロングには近づくな、死ぬぞ』という噂が流れるのである。

 それで俺はFWの団員に話しかける。

 「FWの団長はいるか?今回の件を説明したい。」

 「いますよ、ちょっと呼んで来ますね。団長~説明してくれるそうです~。」

 青い服を着た軽そうなプレイヤーがこっちに来た。

 「いっちょよろしく!!俺がFWの団長のバッツだ!!」

 元気だなーあまり得意じゃないタイプだ。

 「SOLをまとめているレンジだ。んで今回の件だが……まず軍の幹部がリーダーとなってフロアボスに突撃して全滅した。生き残りについてはいるとは思うがこちらではまだ掴めていない。突撃した原因も推測くらいしかできていないのが現状だ。」

 「なるほどなー。んで攻略はどうするんだ?」

 「詳細は決まっていないが延期するだろうな。最低43レベルは欲しい。」

 昨日の会議で最低40としていたがこれを聞くと40でも足りないような気がしてきた。

 「すぐ行ってもSOLなら倒せる気がするけど死人が出るのはちょっとなぁ。あくまで攻略に関しては外野だし。説明助かったよ。じゃ、頑張ってくれ!!」

 FWはその名の通り自由を掲げて活動している。

 コンセプトとしてはうちに近い形だ。

 「それだな……。」

 レベルが低いメンバーがいるDDAのパーティーから犠牲者が出るかもしれないし。

 「少しいいだろうか?」

 赤い鎧を着た男……ヒースクリフが話しかけてきた。

 盾持ち片手剣で戦っているようだがレベリングをしている姿を見た者は少なく、スタイルに謎が多い。

 「ヒースクリフか。血盟騎士団もボス戦に参加したいのか?」

 情報屋に頼んでもいまいち出て来ないんだよなこの男。

 PKをやっている訳ではないようだが。

 「その通りだ。団員も45まで鍛え上げているから不足はないと思うのだが。」

 「……そうだな。14時から会議がある。それに参加して正式に参加するかどうかが決めることになるがそれでいいか?俺だけじゃ決定できないようになっているんでね。」

 SOLとDDAの団長副団長4人のうち3人以上が賛成しなければ参加できないようになっている。

 具体的には俺とリンドとスコールとシヴァタだ。

 「了解した。ではまた14時に。良い返事を期待している。」

 そう言ってヒースクリフは外に出て行った。

 出て行ってしばらくした後俺は呟いた。

 「大物感はあるんだけど、セフィロスほどじゃないな。」

 初めて話した感想はそれだった。

 SAOの大物と言えばキリト、セフィロスか。

 ラスボスがこの2人だったらしっくり来るな。

 キリトはキリトで正統派……片手剣に盾とか二刀流とかで来そうだ。

 攻撃力が高ければ普通に厄介だし搦め手も効きにくそう。

 セフィロスがボスの場合無理ゲーになるだろう。

 後衛にいても斬撃波で殺しにかかって来そうだし空中にいられたらタンク要らないだろってことになりかねん。

 というか前衛後衛なんて存在しないだろうしキリトを1人放り投げてスコールとアハトでフォローするという形にするしかないか……。

 俺が出て行っても即死する未来しか見えん。

 「私を凌駕する者は無だ。」

 「すまないが血盟騎士団の攻略組入りをスコールら3人に伝えておいてくれないか?」

 「任せておけ、万が一となれば斬る。」

 「斬るのは最後の手段にしてくれ。」

 眠い俺は部屋に戻ってベッドにダイブ。

 そのまま視界を暗黒に堕とした。




 ちなみにFWの団長であるバッツは転生者でもなんでもありません。
 名前考えるのがめんど……ファンサービスの一環として出しました。



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