Solitude Art Online   作:自由気ままな人

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 ご都合主義のスキルが出て来ます。
 戦闘には影響しないはずなので温かい目で見ていただけると幸いです。


第30話

 さて、どうしようか……部屋には戻れないし。

 深夜レベリングと行くか。

 ブライトセイバー、よし。

 後は……予備の片手剣を装備して、と。

 最近盾持ちにすべきか最近考えている。

 フロアボスならそれでもいいが……。

 「チッ、囲めオマエラ!!」

 投剣が飛んで来た。

 こういう暗殺者相手に盾は邪魔なんだよね。

 フィールドに出た途端にこれか、嫌になる。

 ……4人か、カーソルは全員オレンジ、レベルは……34、いけるな。

 「吹き飛べ。」

 俺はラウンドスラッシュを発動させてオレンジプレイヤー達を後退させる。

 セフィロスから教わった鎌鼬(本人は残心と名付けている)も応用しているから攻撃範囲は恐ろしく広くなった。

 剣が当たらない部分の威力は低いがレベル差がそれを補っている。

 「ぶっ殺す!!」

 「ウラァーーーッ!!」

 最初が……右か。

 「はあっ。」

 俺は右のプレイヤーの首を突き刺して投げ飛ばし、真ん中のプレイヤーに当ててダウンさせる。

 「もらった!!」

 短剣が左から襲い掛かる。

 剣を振り切った勢いを利用して転がる。

 立ち上がった時、不快感が走った。

 「…………!?」

 毒か……少々マズイな、投剣使いか?

 状態異常に関してはレベル差が適用されず武器の毒強度とスキルや防具の耐性だけで判断されるため厄介なのだ。

 麻痺は対策していたが毒は対策をしていなかった。

 しかも割と強い毒で1秒に0.8%ほど削られている。

 「厄介な……っ。」

 「よし、毒にしたぞ!!」

 「やれオマエラ!!」

 結晶を取り出す暇はないか……。

 「邪魔だ。バーチカル・スクエア。」

 上下に斬る4連撃が固まっていた2人に襲い掛かりポリゴンとなって散った。

 「あと2人。」

 「ロック!!ストラ!!」

 「チクショウ!!」

 残りは投剣と……細剣か。

 後隙に投剣とリニアーを貰ってイエロー落ち。

 投剣を仕留めたいが……お互いがフォローし合っていて崩せないな。

 細剣使いが俺を止めて投剣でチクチク攻撃してくる。

 毒持ちだから弾かざるを得ず細剣が綺麗に入りかけることもしばしばだ。

 暗殺者なのに褒めたくなる。

 弾いてもHPはわずかに減るため弾く回数が必然的に多くなるこちらが不利。

 HPもレッドに近いイエロー……色が徐々に変わるならオレンジと言ったところか。。

 回復結晶はあるのだが数が2つしかなく、ここで使うのは避けたいが……ケチって死んだら元やも子もない。

 使う暇があるかどうかも怪しい。

 同じ理由でソードスキルも出せない、出始めをおそらく潰される。

 「しぶといな……。」

 「上層に出て来てんじゃねえよ、オレンジ。」

 「偵察だよ偵察。どんな様子かPoH様に報告しろって言われてな。SOLの団長がまさかうろついているなんて思わなかったけどな!!」

 不用心すぎるだろ俺、何やってんだ。

 「PoH、か……。」

 「特別に教えてやろう、攻略組がウザイから近々ギルドを結成するらしいぜ。人殺し専門のギルドをなぁッ!!!!!!!!」

 隙あり、だ。

 発動させたスキルはなんのことはない、ホリゾンタルだ。

 「クソッ……。」

 投剣使いが結晶を使って逃走する。

 「おい!!」

 後ろを向いた隙を突いて部位欠損狙いで足を斬ったがHPが少なかったらしくそのまま死んでしまった。

 「…………俺は何人殺したっけ。」 

 3人の使っていた武器を拾いながら呟く。

 殺したのは……これで9人目か。

 殺すのに慣れてきた自分が嫌になる。

 数か月前はごく普通の大学生だったはずなのに。

 どうしてこうなってしまったんだろうな、茅場。

 ……殺されたくないから殺して、殺されたから殺して。

 血で血を洗う世界、アインクラッド。

 それがアンタの見たかった世界なのか?

 ヒトは強くないんだ、いつだって、どこだって。

 …………月が綺麗だ。

 そうだな、圏内で月を見て夜を明かすか。

 オレンジギルドが増えている。

 死人に関しては注意喚起もあって出ていないらしいが襲撃は一日にどこかしらが襲われる程度にはある。

 「アハトとスコールに討伐を担当してもらうか……。」

 本格的に分業が視野に入って来る。

 セフィロス、ホークは攻略。

 スコール、アハトは調査に後方支援。

 アスナは事務と変態(キリト&セフィロス)のストッパー。

 サチは……事務か調合、裁縫は……キリトがやってたか。

 結晶生成とかないかな……鉱石とかから作れそうな気がする、試させてみるか。

 後方向けの人材が入るのは大きい。

 上層に行くにつれて戦闘が激しくなるから基盤をしっかりしたいところ。

 「暗殺者ギルド結成か……準攻略組とも対策を練る必要があるな。」

 今のところ準攻略組とはあまり交流がない。

 目の敵にされているからであるがこれはそうも言ってられない。

 メッセージを作って………………送信、と。

 ん、こんな夜中に誰からだ…………キバオウか。

 内容は…………っ!?

 

 CC レンジ リンド

 

 解放軍の幹部が暴走してフロアボス討伐に出てしまったんや!!

 ワイも行くから時間を稼いでくれ!!

 

                      キバオウ

 

 

 

 

 俺は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 「全員起きろ!!緊急事態だ!!」

 「了解だ。」

 「…………。」

 「眠い…………。」

 「黒猫団のとこに戻らないと…………。」

 起きたのはスコール・ホーク・アハト・キリトの4人

 それもあったかキリト……。

 「キバオウからメールが来た。解放軍の幹部がフロアボスのとこに突撃しやがった、止めるぞ。それとキリトはさっさと黒猫団に戻れ、怪しまれる。サチは俺がなんとかしておく。」

 「すまない……。」

 「俺が軍を説得しよう。レンジはここで待機してくれ、続きのメッセージが来るはずだ。アハト・ホーク、行くぞ。」

 「ちょっと待ってくれ、眠気覚ましのMAXコーヒーを……。」

 回復量は100秒で1000とのこと。

 というかなんでMAXコーヒー調合なんてスキルがあるんだよ。

 コーラ調合やメロンソーダ調合ならまだ分かるんだが。

 「そんな場合じゃないですよ先輩……。」

 「走りながら飲むから大丈夫だ。」

 そう言って消える3人。

 一段落、か。

 まだ油断はできないが。

 「あの…………団長。キリトさん知りませんか?」

 「サチか、キリトは怪しまれないように黒猫団に戻ったよ。明日の夜に戻って来るんじゃないか?」

 「そう……ですか。」

 「おやすみなさい。」

 「その…………眠れないのでここにいていいですか?」

 不安で眠れないのか……。

 「構わない。だがちょっと緊急事態が発生してな、ちょっと仕事を頼む。もちろん戦うようなことはさせないから安心してくれ。」

 「わ、わかりました……。」

 とりあえず調合をやらせてみよう。

 ちなみに調合の効率がいいとは分かってはいるものの鍛冶の方の優先度が高く、なかなか手が回っていないという状況だ。

 ポーションは店売りでも困っていないというのも一因か。

 NPCが教えてくれた情報によると必要な素材は……空のビンと生命の粉とレモン水だったか。

 ちなみに雑貨屋でどれも売っている。

 「これでポーションを作ってみてくれ。」

 ちなみに今攻略組が使っているポーションはHP5000を100秒で回復するものだ。

 回復結晶は現在希少なためまだまだポーションは現役だ。

 「えっと……作りました。」

 「ありがとう、どれどれ……。なかなかいいな。」

 出来たポーションはHP3000を30秒で回復するものだった。

 回復量は店売りに劣るが1秒あたりはサチ作の方が上だな。

 「このポーション、攻略組の人に配っていいかな?出来がいいんだ。」

 「本当ですか!?でも……その……。」

 「大丈夫だ、俺がきちんと確認するからサチは作るだけでいい。……すまない、メールだ。」

 メールはリンドからでパーティを組んでいるが、深夜なのが災いし、編成がかなり遅れるとのこと。

 副団長のシヴァタがこっちに来てくれるともあった。

 俺はすでにスコール・アハト・ホークの3人を先遣隊として出し、俺は指揮のために昼間のホールにいると返信した。

 さて、時間との勝負だ。


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