Solitude Art Online   作:自由気ままな人

27 / 38
 そろそろキリト黒猫団入団まで行きたいです。
 のでこの話で3層を終わらせます。
 ここのキリトは戦闘狂になっているためキズメルのイベントは速攻で終わらせています。
 キャンペーンクエストでのリンドキバオウら2人の諍いは主人公と共に暗殺者対策に走り回っていたため起きていません。
 信頼関係も少しだけ出来ています。
 


第24話

 あれから1週間、キリトがボス部屋を発見したという報告がメッセージで送られて来た。

 偵察した結果によると名前はネリウス・ジ・イビルトレントでありその場から動かないが防御が下2層のフロアボスより高い。

 それに毒を持つブレスを使うということをNPCが言っていたという。

 ので会議を開いている……のだが早速問題が。

 「今回solitudeの参加は見送る予定だ。原因は……メイン火力の2人がレベリングから帰って来ないからだ。ちなみにメッセージを送ったりと催促はすでにやったがまだ帰ってこない。反応はあるから暗殺とかではないから安心してくれ。」

 「あのバカ共はまだ追いかけっこをしているのか……。」

 「追いかけっこをしながらボス部屋を見つける……やってみ」

 「やるな。」

 「ハイ。」

 これ以上うちのギルドの変態度をバラ撒くわけにはいかない。

 ちなみに先週の件は解決済みだ。

 アハトは速攻で微塵斬りにされ、キリトは抵抗虚しく一刀両断。

 スコールは命がけで拳骨を叩き込んで自重しろと説得したのだ。

 「あの2人がいないとなると隊の振り分けが悩むな。レンジ君は参加しないのかい?」

 どうしようか……参加出来ると言えば出来るが俺はそもそも前線に出れるようなステの振り方してないしアハトも同様。

 というかフロアボスとは堂々と殴り合う事がほぼ強制なので短剣だと厳しい。

 ヘイトを一人で受け持つようなことをさせたくないし。

 「……参加できないこともないが人数の都合後衛での指揮がメインになるな。」

 「すまん、遅れた。」

 「…………。」

 戦闘バカ2人がやっと来たか。

 「遅いぞ2人共。時間くらい守ってくれ。遅れるなら連絡をしろ。」

 「ちょっと調査をしていてな。壁で飛べる人間が欲しかったんだ。」

 壁で飛ぶ……壁蹴りか。

 「暗殺者の情報と毒ブレスの情報がある。」

 「ブレスから先で頼む。」

 話題を逸らしたくないからな。

 「毒ブレスは食らうとその場で最大HPの5%が削られ、3秒ごとに最大HPの2%のダメージを食らう。効果時間は60秒だが食らったら早めに回復しないと死ぬな。」

 「奥行きはあるが高さは無い。飛んだりソードスキルで上昇すれば回避できると考えられる。」

 キリトが説明し、セフィロスが補足する。

 「なるほどな……タンクの人数を多目にしないと毒の治療が間に合わないかもしれないな。」

 「ワイのところからもタンク出さなアカンな。それぞれ2隊ずつでもええか?」

 「4隊は出し過ぎだキバオウ。長期戦になって解毒ポーションが切れたら危険だ。」

 「それもそうやな。アタッカー5隊タンカー3隊でいこうや。」

 「5:3で行こう。キリト達が帰って来たからsolitudeも入れる。余った1隊はジャンケンなんかで決めてくれ。どうしても決まらないなら俺達が抜け……。」

 「それを許すとでも?」

 「ワイは許さへんで。」

 即座に断られた。

 どんだけ頼りにしているんだこの2人。

 「とりあえず残り1隊は解放隊に譲る。次の層は俺達にくれ。」

 「落としどころはそこやろうな。まーよろしく頼むで。」

 「決まったか。それじゃあ具体的なボスの立ち回りを詰めていくぞ。」

 そうして俺達はいろいろと決めて行ったのだった。

 とりあえずキリト。

 セフィロス化しているのはやめていただきたい。

 枝を飛び回って斬り落とすとかいっそ全員アタッカーにしようとかキリト×48じゃないと無理だからな?

 セフィロスも賛成するな。

 

 

 

 そして話題は変わって暗殺者の話となり、キリトから驚くべき報告が告げられた。

 「それで暗殺者だが、すでに攻略組に紛れ込んでいる可能性がある。」

 「な……なんだって?」

 「俺もできれば信じたくはないが、どうも俺達を内輪揉めさせて分裂させようとする動きがあったらしいんだ。ソースはアルゴから。だがこれはあくまでらしい、だ。不確定。だから仲間を疑うようなことはせずにこういうことがあったという事実だけ覚えておいてくれ。」

 疑心暗鬼になったら元も子もない。

 だがある程度信じざるを得ないのがツライ。

 後手後手に回ってしまう。

 先手を取れるというのは戦いにおいて重要なのである。

 奇襲が呆れるほど有効なのは真珠湾や桶狭間の戦いで証明されている。

 「1層でキバオウが騒いだだろう。それはジョーと名乗る人物からベータは卑怯と言われて我慢できなくなったそうだ。具体的には情報量や技量の差を吹き込まれた。」

 セフィロスが解説する。

 「ここで問題となるのがジョーという人物はどうやってその情報を集められたのか、何故その情報を話す必要があったのかと言う事だ。」

 スコールが問題提起を行う。

 前者は説明が難しいが後者はなんとなく分かる。

 「アルゴというと情報屋の鼠のアルゴで合ってるよな?」

 アハトが首を傾げて聞く。

 「ああ、そうだ。俺も素材のドロップ場所や採取場所の収集で世話になってその時にどうやって情報を仕入れているのか聞いたんだ。そうするとクエストはNPCから聞いているがテクニックやモンスターのドロップはやはりプレイヤーから聞いている。この中でも鼠に会った事のないプレイヤーはいないんじゃないか?」

 俺も会ったことがある、とか女性だったよな、とかの声が聞こえる。

 「やはりか。とりあえず鼠にはジョーたる人物のさらなる調査を頼むことにする。その報告は次回のボス戦になるがレンジ、いいだろうか。」

 「了解した。とりあえず依頼金はsolitudeで出しておく。集めた方法は不明だが話した理由としてはクリアの邪魔が想定される。何故かまでは不明だがな。全員、暗殺者に警戒をしてくれ。PKしたときの金やアイテム目的ではなくただ単に殺しを楽しんでいる様子もあった。命乞いをしても無駄だ。殺すか逃げるか死ぬかしかない。」

 場がどよめいた。

 逃がさないだろうから殺すか殺されるかの実質二択しかないのだ。

 「ちなみにPKをした場合、インベントリの中にあるアイテムは殺した者の中に移動している。金も同様だ。装備していたものだけドロップアイテムの扱いになる。経験値もLVに応じて入るが微々たるものだ。」

 アイテムと金は真実だが経験値に関してだけは嘘だ。殺したカルドが稼いだ経験値が補正がかかったとはいえ入って来ているため俺のレベルは現在34だ。

 これは出来る限り殺させないようにと思ってだ。

 別に殺すこと自体は構わないのだが、それが原因で精神を病んだり暗殺者サイドに落ちて欲しくないからな……難しい所だ。

 嘘を付くのが正解とも限らない。

 「だから攻略組の中で殺しが発生したら羽振りのよくなったプレイヤーを探せばOKだな。まあその前にセフィロスに処刑されるだろうが。」

 怖えぇ……とかフロアボスに殺される方がマシとかいろいろ言われている。

 「つまらぬモノを斬らせるな。」

 「すまないなセフィロス。そのうちソロでフロアボスに行くか?」

 冗談で言ったつもりなのだが……。

 「いいだろう。」

 本気で捉えやがりました。

 「6層あたりでやってみたらどうだ?」

 「ワイも見学させてくれや。」

 コイツら本当に攻略組か?

 そしてキバオウそんなキャラか?

 

 ちなみにフロアボスはキリトとセフィロスが飛び上がって脳天?を串刺しにして終わった。

 毒ブレスはセフィロスとキリトをメインとしてアタッカー全員が剣や槍で一斉にソードスキルを放ち、その風圧で逆流させるという方法を後半から実行したところボスが逆に毒になった。

 失敗してレイドが半壊したことの方が多かったが。

 割合ダメージは変わらないらしく、ゲージがもの凄い勢いで減っていったっけ。

 1回だけしか毒にできなかったが、60秒で1本のゲージの6割5分を削れるというのはとても大きく、誰もレッドに落ちずに討伐することができたのだ。

 ちなみにLAボーナスの獲得者はセフィロス。

 盾だったのでDKBに売り飛ばしたようだ。




 ラフコフのメンバーが転移門が使えない、そのうえ効率的な狩場が使えないのに攻略組並みにレベルが高かったことについて、PKすると経験値が敵モブに比べて圧倒的に多いからではないかと仮定して設定を追加しました。
 ・PKをすると金とインベントリの中のアイテムがそのままキルしたプレイヤーの物になる。
  ・この時キルした者のインベントリが一杯になった場合は周囲にバラ撒かれる。
 ・経験値は殺された者のLVに応じて入る。
  ・この量は同じレベルの敵モブよりも圧倒的に多い。
 としています。

 茅場がこんな設定をするのかという矛盾とかが今度は生まれて来そうで怖いですが……整合性って難しい。



 ちなみにボスも一部状態異常にできる設定です。
 ただし耐性値が異常に高く、できて2回という感じです。
 本編には何も書かれていませんが効くボスと効かないボス両方いるだろう……と個人的には考えます。



 そして最後にふと思いついたおまけを投下。
 本編とは何も関係がないのであしからず。



 俺の名前は雲野生樹。
 転生者であること以外はごく普通の高校生だ。
 今日も平凡な日常を過ごすはず……だった。
 だがそれは帰宅中、空から変態が落ちて来たことによってその平凡は二度と帰ってくることはなかった……。
 「待ちかねたぞ、クラウド。」
 「……………もういいだろう(涙)」
 
 続きません
 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。