Solitude Art Online   作:自由気ままな人

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 とうとう評価バーに色が付きました、嬉しいです。
 そしてがんばります。


第23話

 会議の翌日の夜、宿に帰るとアハトとくすんだ金髪のプレイヤーがいた。

 「アハトか、今日はどうだった?」

 「ああ、スコールに頼まれたリトルネペントの花を手に入れられたし上々だった。ついでに1層の様子も後で聞いてくれ。レンジはどうだ?」

 一応俺は団長というかギルド長にあたる立場なのだが立場とか作るのが面倒なので敬語は基本無しという方針にしている。

 もっともキリトは年下らしく時々敬語が混ざるしセフィロスは誰であっても敬語を使わないので人にもよるだろう。

 前世魔王か何かだったのだろうか、セフィロスは。

 ちなみに副ギルド長はスコールになっている。

 セフィロスは喋り方に問題があって他ギルドと衝突する原因を真っ先に作るため全員一致で除外され、アハトはコミュ力が低いため辞退。

 女性であるアスナは性的な意味で襲われると取り返しがつかない。

 腹を割るという名目もあって一対一で話すこともあるためである。

 ビジネス講義取っておいてよかった。

 「俺の方は普通にレベリングしてたな。この辺の敵もクリ入れば確一取れるようになった。」

 「あー俺短剣だから確一まだ取れないんだよな……スコールに武器頼もうかな。」

 「鍛冶で体が鈍るとか言って明日と明後日レベリングに行くらしい。ついて行ったらどうだ?」

 「そうするか。あ、隣にいるのはホーク。両手斧使いでsolitudeに入りたいからギルド長に話を通さないとって思ってさ。」

 まあ確かにそうだな。

 「わかった、ちょっと下がってくれ。2人で話がしたい。」

 アハトは頷いて宿の奥に消えて行った。

 圧迫感を与えたらまずいからな。

 「ホークか。確か2層のボス戦でエギルのパーティにいたよな?」

 「は、はいっ。」

 緊張しているな……どうしたものか。

 「……落ち着いてくれ。どうしてここに入ろうと思ったんだ?解放隊とかDKB……ドラゴンナイツブリゲートとかあったしそうでなくとも2層に血盟騎士団とか夕凪の訪れやフリーダムウインドなど中堅のギルドがあったはずだが……。」

 2層だとギルド結成はできないのであくまで仮の集まりといった所だがな。

 俺のところはレベルのノルマがないとはいえ人間をやめかかった変態(キリトとセフィロス)がいるから敬遠されると思っていたのだが違うのだろうか。

 ちなみにギルド情報はアルゴ経由である。

 血盟騎士団はヒースクリフという老け気味のプレイヤーが。

 夕凪の訪れはヴィズという普通顔、悪く言えばモブ顔のプレイヤーが。

 フリーダムウインドはバッツというお調子者のプレイヤーがそれぞれ団長をやっている。

 「えっと……雰囲気が俺と合いそうだったからです……。」

 なんか最初の頃のアハトを思い出すな。

 「何故だ?あと敬語は気にしなくていい。」

 「えっと……俺って騒がしいところが苦手で……でもギルドに入らないとこの先厳しくて……他のギルドも行ってみたんですけど居心地が悪くて……それでここはどうかってリンドさんから勧められて。」

 確かに大人しい人間に解放隊やDKBは合わないかもしれないな……。

 ボス戦に参加していてこの様子なら暗殺者の仲間という可能性も低そうだ。

 演技と言う可能性も考えられなくもないがそれはそれで構わないし。

 「なるほどな、じゃあとりあえず入ってみるか?」

 「入団テストみたいなものは……?」

 「ないない。まあ強くならなきゃいけないっていうのは一応ルールとしてあるが別にフロアボス討伐を目標としている訳では無い。参加しているのはうちに戦力が集中しているからってだけ。死なないために強くなろうというのがこのギルドが存在している理由。名前もそこが由来。」

 忘れそうになるんだよな……これ。

 フロアボス戦に巻き込まれているせいで。

 「なるほど……。」

 「とりあえず入ってみて合わなかったら別なところに行けばいい。血盟騎士団とかは静かと聞くからなんならそこの団長と交渉を持とう。」

 ボス戦に参加しているなら最低レベル25はあるだろうしなかなかいいプレイヤーだと思う。

 血盟騎士団を人を選ぶとか聞くが話くらいは大丈夫だろう。

 「あ、ありがとう……。」

 「そろそろアハトが来るだろうから俺は席を外す。何かあれば部屋まで呼びに来てくれ。」

 そう言って俺は席を外す。

 年の近そうなアハトに任せた方がいいだろうか。

 ぼっちが2人いようがぼっちであると言われそうだけど。

 アハト、頼んだぞ。

 

 

 

 少しインベントリの整理作業をして下に降りたらやたら盛り上がっていた。

 「はい、二人組作ってーって、地獄だよな……。」

 「分かる、分かるぞホーク。比企谷菌がどうのこうのって……。」

 「アハト……俺も同じだ。羽瀬川菌って言われてさ……。」

 2人はどちらからともなく固い握手を交わしていた。

 「俺、比企谷八幡。よろしく。年上だからと言って敬語を使う必要はないぞ。俺達は仲間だ。」

 「俺は羽瀬川小鷹。同じ友達がいない同志、よろしく頼む。」

 「ああ、小鷹。よろしくな。」

 「……仲良くやっているようで何よりだ、ホーク。よろしく頼むぞ。」

 俺はそう呟いて部屋に戻った。

 …………ぼっちの話が悲しすぎる。

 

 

 

 翌日、俺はホークとアハトを連れて3層のフィールドでレベリング兼実力を見る事を提案した。

 ホークもこの辺ならソードスキル込みで確一に出来るようでかなりの実力を持っているようだ。

 ワールウインドやグランドブレイクを使って木ごとなぎ倒している。

 俺も同じように確一にしてアハトは木を蹴りながら立体戦闘で確三くらいで倒して行った。

 「蹴る木がなくなるだろホーク。」

 「ごめんごめん、一人で戦っていたころの癖が抜けなくてな……。」

 「……………。」

 「……………。」

 「おい、お互いの傷を抉るのはやめたらどうだ?」

 この二人は……。

 「コノハナシハヤメヨウ。」

 「ソウダナ。」

 片言になってるぞお前ら。

 

 

 

 その日の夜―――――

 「新メンバーが入った。仲良くしてくれると嬉しい。」

 「ほ、。ほーくです。よろしくおねがいします。」

 セフィロスとキリトを見てガッチガチに緊張してやがる。

 「俺はキリト、よろしくな!!」

 「セフィロスだ。共に誘おう。」

 「自重しろセフィロス。俺はスコール、よろしくな。」

 いつも通りすぎるセフィロス。

 「紹介するまでもないが俺はアハト。よろしく。」

 「……………片翼の天使と黒の剣士2人ともいるんですか?」

 「いや、黒の剣士はソロだ。今日は一緒に飯を食う約束だっただけ。」

 「ああ、勘違いされがちだが俺はソロでやっているんだ。居心地がいいからメシ一緒に食べたりレベリングを一緒にやったりしたりはしてるけどな。まあ一人の方が多い。」

 キリトは基本一人でレベリングやクエストをやっているようだ。

 黒の剣士と言われている以上その名に恥じないように努力しているのだろう。

 やりすぎだと心配になるが本人ができると言っている以上あまり強くは言わない方針だ。

 アスナはそうでもないみたいだが。

 そしてセフィロスと時々おかしなことをやっているのは見なかったことにしたい。

 「私は所属している。騒がしくて敵わない。」

 「勧誘を嫌ってかつノルマがないここにしたんだセフィロスは。俺もそうだが。」

 スコールが補足しつつ理由を話す。

 「そうなんですか。」

 死なないために作ったからな、元は。

 「フロアボスも義務じゃないからほどほどに行こう。とりあえずキリト、お前は3日寝ずにレベリングはやめろ。」

 「な、なんで知ってんだ!?」

 「知ってるも何も宿に帰ってこなかっただろ。」

 「うっ。寝なくても大丈夫と思ってさ……。」

 「やりすぎは体に毒だぞ。」

 「そうだぞキリト。これ以上solitudeの変態度を増やさないでくれ。」

 「俺のどこが変態なんだよ!!アスナにセクハラはしてない!!」

 「そういう意味じゃない。おかしな行動という意味だキリト。」

 スコールが冷静にツッコミを入れる。

 「私まで変態に見られてしまうではないか。」

 「「「お前が言うな。」」」

 アハトとスコールとキリトの声が重なる。

 剣から衝撃波を飛ばしたりフロアボスをハメて倒したりしたことを俺は覚えているぞ。

 「……………殺す。」

 あ、怒らせた。

 「助けてくれー!!!!!」

 「落ち着けセフィロス!!」

 「……………。」 

 助けを呼ぶキリトに落ち着かせようとするアハト。

 黙っているスコールの違いがなんかいい。

 「どうするんですかこれ……。」 

 「そっとしておけ、明日になればあの3人が倒れてるだろうし巻き込まれないように部屋にいたほうがいい。」

 「わ、わかった……。」

 さて、俺も寝るとするか、ふう。




 やっと小鷹(ホーク)が加入しました。
 八幡と小鷹のクロスもちょくちょく見ますがこの2人は相性が良くて質のいい作品が多いように感じます。

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