Solitude Art Online   作:自由気ままな人

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第21話

 …………危険、これは危険。

 いや、別に俺のHPは危険ではない、アハトのHPが危険域になっていた。

 残り2000弱、当たりどころが悪いとソードスキル一発で持ってかれるHPだ。

 そしてこの状況でポーションが飲める訳もなし。

 「レンジか、助かった……。」

 「回避と回復に集中しろ、一旦下がれ。」

 「…………でも。」

 「死にかかってるお前を守りな……っ!!」

 「話してる暇はないよ!!」

 「1層の恨みをここで晴らしてやる!!」

 (アハトは下がったか……木の上か)

 横目で見ながら答えを返す。

 「話途中に仕掛けるなんて無粋だな……って暗殺者にデリカシーを求める事自体が間違ってるか。」

 いきなりシカが飛びかかってきたため剣で受け止めて押し返す。

 よろけた所に追撃がてら頭に回し蹴りを喰らわせる。

 が、避けられる。

 「女の子の顔を蹴ろうとするなんて最低ね!!」

 「殺し合いしてる最中にそれ言うか。」

 「有効な手段なのは認めるけど、私には効かないわよ!!」

 そう言ってシカは左に回り込んで斬り掛かって来た。

 ってジョニーは……いなさそうだ。

 となるとアハトの方に行ったか……?

 となると回復もできてないだろう。

 イエローに落ちるまでは強気に攻めるのも択に入って来るな。

 「とりあえずあの少年は死んでもらうわ。私が殺せないのは残念だけどね。」

 「それはどうだ?」

 低い声がした途端、シカに向かって木が倒れる。

 サイドステップで避けたな。

 追撃は木のせいで無理そうか。

 「私と戯れる資格はあるようだな。」

 「なに……この人……?」

 「私が戯れる。レンジ、アハトのところに行け。」

 「分かった、頼む。」

 言い終わった途端セフィロスが突っ込んでシカのヘイトを向ける。

 「ちょっと、私の獲物ーーー!!」

 「希望などありはしない。」

 あの2人は……まあ大丈夫だろう、セフィロスがそうそう倒されないだろうし。

 倒されるとしたらキリトかスコールの2人だろう。

 アハトは……あっちか。

 幸いHPはあれから防御に徹しているおかげでそう減っていない。

 不意打ちするか、ピックで。

 ってこっちに気が付いて……ナイフが飛んできてるな。

 なら。

 

 カキンッ!!

 

 ピックを投げて飛んで来たナイフの軌道を変えさせた。

 シングルシュートで投げなかったら出来なかったな。

 オビチェンと名付けよう。

 こっちを見てないなら、ピックを惜しむ必要はない、投げ切ろう。

 木の上にいるアハトとアイコンタクトを取る。

 (……行くぞ)

 「せいっ。」

 「ふっ。」

 「ぐっ、ガハッ!!!!」

 俺のピックを弾いたまではよかったがアハトのハーフムーンがクリティカル。

 大ダメは間違いないな。

 「クソッ……ここまでか……引くぞ、シカ!!」

 「銀髪がしつこくて振り切れ……きゃあぁぁぁっ!!」

 「もっと昂ぶらせろ。」

 「クッ……。」

 あ、シカを見殺しにしてジョニーが逃げて行った。

 「あの男……後で惨殺してやる……。」

 暗殺集団も仲はあまりよろしくないらしい。

 「……ジョニーを追いかけるのだろう?」

 「え、ええ……。」

 「行け。」

 「どういうことなの……?」

 「惨殺、したいのだろう?」

 「…………貸しにしておいてあげる。アンタは絶対私の手で殺すわ。」

 「フン。」 

 そう言ってシカは消えて行った。

 何故見逃したのだろう……。

 「キリトだが途中で奇襲を喰らって別れた。今から探索して拾って帰るぞ。」

 「……分かった。」

 「理由は気になるだろうが行くぞ。」

 理由は帰ってから聞くか。

 今はキリト救出が先だ。

 

 

 

 

 

 で、十数分後現場に到着したのだが、

 「…………大口叩いた割には強くないんだな。もっと苦戦するものだと思っていた。」

 普通にキリト優勢で進んでいた。

 いやこういう場面だと普通は足止めする側は死にかけだったりそうでなくても劣勢じゃないのか?

 「Oh……ガキのクセにイキがってんじゃねーよ。」

 「不意打ちがお粗末すぎて話にならないな。それでもって対人スキルも短剣を持ちながらあいつら以下と来た。」

 キリトよ、セフィロスら超人と比べてはいけない。

 セフィロスは暗殺者並みの速度で斬り掛かってくるし、アスナはそれ以上のスピードで突いて来るし、アスナ以外全員壁を使って三次元で戦っているし。

 ついでに攻略組も負けてられるかとばかりにアタッカーは練習を始めたし。

 「チッ……。」

 「おっと、帰ってきたようだな。」

 キリトがこっちに気が付いたようだ。

 「おーい、無事かキリト。」

 「ああ、2割程しか削られていない。」

 「こっちも全員無事だ。アハトが死にかかったが。」

 「逃がさずに仕留めるぞ。」

 「「「了解。」」」

 俺達は四方を囲み、PoHが逃げられないようにした。

 「さあ、どう動くんだ?殺人鬼。」

 「お前を生かして返すわけには……いかない!!」

 「はあ……。」

 「……。」

 「Shit……!!」 

 4人の視線がPoHに集中し、決死の脱出劇が始まる。




 描写はありませんが、キリト含め主人公一行はお互いに圏内戦闘をして鍛えています。
 そして……主人公が分からなくなりました。

 


 
 おまけとしてNGシーンを入れておきます。

 倒されるとしたらキリトかスコールの2人くらいだろう。
 →倒されるとしたらキリトかスコールか大剣を持った金髪のツンツン頭の3人くらいだろう。

 書いて1日経った後見直して思いました。
 これメタ編でやるべきものだ、と。
 次のメタ編は閃光VS閃光でお送りします。
 次回がメタ編と言う訳ではありませんのでご了承ください。
 これはメッセージでリクエストがあったので、見たい戦闘がありましたらどうぞ感想やメッセージにてリクエストをどうぞ。

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