Solitude Art Online   作:自由気ままな人

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 通常運行に戻ります。
 と言いたいところですが3月は何かと忙しくなりそうなので2000文字前後の投稿になりそうです。


第20話

 まずは数を減らして2VS2に持ち込む。

 そうなるとカルドという男を撤退なり殺害なりするのが良さそうだ。

 殺害濃厚になりそうだが……贅沢は言えないか。

 細剣の方が単純に火力が高いから事故率が高そうというのもある。

 というか短剣だと細剣の相手は厳しい、長さ的にも状況的にも。

 「短剣の2人の注意を引き付けてくれ、俺は細剣を倒す。」

 「分かった。投剣に警戒を頼む。」

 「了解。」

 そう言ってお互い姿勢を下げて駆け出す。

 俺は左手にピックを持って牽制に投げる。

 防具のポケットにいくつか入れているためメニユーを開かずに取り出せるのは便利。

 一応毒を塗っているから当たれば有利に立てる。

 ポーションも1個入れてあるから5割切ったら飲む。

 「見え見えだよ。」

 やはりか、そうなると向こう二人に投げた方がまだ有効だな。

 毒を塗ったピックは3本しかないしそのピック自体そこまで入れていない。

 何も塗っていないものなら弾き練習用に入っているんだが投げてばかりもいられない。

 余計な隙を作るだけ。

 「ハハっ!!」

 「はあっ。」

 リニアーを横に逸らして突きを放つ。

 後隙による硬直に上手く刺さり、ダメージ。

 今感じたところとしてはキリトより非力でアスナより鈍足だから相手するのはあの2人よりは楽だな。

 とは言っても一筋縄では行かない。

 向こうは殺しに来ているのに俺はその覚悟があるかと言われれば怪しいのだから。

 とりあえずソードスキルを振りたい、バーチカルでもなんでもいいから。

 削れれば相手の余裕を奪って主導権を握れる。

 距離を取るのは悪手……おっと、左からピックが飛んで来た。

 きちんとキャッチして貰っておこう。

 こんな風に飛び道具を撃たれるとこっちとしては厳しいからな。

 「ほらほらぁっ!!余所見していると死んじゃうよ~♪」

 「余裕ぶっている所悪いが、削らせてもらう。」

 細剣で容赦の欠片もなく突いてくる。

 「はっ、せいっ。」

 周りから飛んで来るものも捌くとなるとなかなかチャンスがない。

 剣で弾いたり左手でキャッチしたりしているからダメージはなけれどチャンスを潰されるのは割と痛い。

 しかし後ろからグサっと来ないあたりアハトが健闘しているのだろう。

 「どうしたんだい?あれから僕に一撃も与えてないよ?周りが気になるのかい?」

 「ちょっと周りの蜂が五月蠅いものでね、フッ。」

 キャッチしたナイフをカルドに投げる。

 「くっ!!」

 さっき大口を叩いた割には嫌がるな、弾かれたが。

 ならばポケットの中の毒ピックが牽制ではなく有効打になるのか?

 「ナイフを投げるなんて君は外道だねぇ。」

 「お仲間に言ってやってくれ、俺は投げられたものを再利用しただけに過ぎない。」

 「じゃあ返してあげるよ!!」

 「おおおっ!!」

 投げられたナイフを上に弾いたまではよかったがその後のオブリークが避けられず俺もダメージ。

 後隙はスラントできっちり狩ったがガードがかろうじて間に合ってダメージを殺された。

 HPは……6687/7500だから……あれ、弱くない?

 そうか、暗殺者だから攻撃力控えめにした代わりに状態異常持ちの細剣かもしれないのか。

 となると次食らったら毒か麻痺……おそらくは麻痺になるに違いない。

 攻撃はきちんと避けて後隙を狙って狩る。

 これで行こう。

 「痛めつけてあげるよ♪」

 ダメージ自体は問題ないが状態異常はやはり怖い。

 麻痺ったらレベル差があっても死ぬ。

 「せあっ!!はっ!!」

 しばらく刺突と斬撃の攻防が続く。

 ソードスキルを当てたいが相手が警戒しているためなかなか出せない。

 ならば、これだ。

 「避けてみな。ぜあぁっ!!」

 「!!」

 俺は木を蹴って移動しながら左手でピックを投げ、数瞬置いてレイジスパイクの構えを取った。

 カルドはすでにピックを細剣で弾くモーションに入っている。

 ピックは弾かれたもののレイジスパイクが胸に入り、カルドがダウン。

 俺は足がもつれながらも着地して起き上がろうとしているカルドの顔を蹴り飛ばす。

 そして起き上がれないように首の付け根を足で踏みつける。

 (…………殺さない方がいいのだろう。だが、俺は死にたくない。)

 

 

 

 

 

 「…………………………すまない。」

 

 

 

 

 

 謝罪を呟きながら俺は剣をカルドの額に突き刺し、その体を霧消させた。

 「お前も人殺しだ……僕と同じだ……。」

 「…………ああ。」

 人殺し、か……だが今はそんなことを考えている場合ではない。

 アハトを救助に行かなくては。

 後悔なら後でいくらでも出来る。

 俺は気配のする方向へ駆けた。




 主人公は力防御敏捷のボーナスパラメータ比率は4:4:2としています。
 伸び方は初期値が5でレベルアップするごとに1ずつ強制的に上がります。
 そしてレベルアップするごとに3のボーナスパラメータが与えられてそれを自由に割り振るシステムです。
 なのでレンジの現在のステータスは暫定で現在LV30 HP7500/7500
 素で力 70 防御 70 敏捷 62 
 となっております。

 ちなみにカルドのステータスは LV23 HP4200/4200 
 素で力 61 防御 28 敏捷 61
 としました。 


 ちなみに状態異常のシステムはモンハンと似たようなシステムになっています。
 レベル差や防具の状態異常耐性によって蓄積値が変わり、一定値になると状態異常(毒とか麻痺etc)になるシステムです。

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