Solitude Art Online   作:自由気ままな人

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 本編をいい加減進めます。
 伊13は無事ゲット。
 文字数が3000~5000字、3日ごとに投稿ペースを戻します。
 まあ文字数が減っただけでペースは変わっていませんが。


第19話

 (アハトは短剣持ち……最初はソードスキルを使わずに仕掛けるか)

 俺は接近して横斬りを繰り出した。

 バックステップで避けられたが、続いて突きを繰り出して追撃。

 キンと響く剣閃、突きが逸らされる。

 「おい、不意打ちは卑怯だぞ。」

 「ボケっとしてるのが悪い。」

 「それもそうだがもう少し待ってくれても良かったんだぞ?」

 「プレイヤーからは逃げられないし待てないことを知らないのか?」

 「いや、待つくらいはしてくれよ……。」

 「待ったら確実に嫌らしいことをしてくるだろう。」

 「おいおい、俺はそんなことをしない。」

 「良く言う、投剣で削ってからトドメを刺しているだろうが。」

 アハトの基本スタイルは遠距離で削ってから近づいてソードスキルでトドメという流れが多い。

 他は俺も含めて一刀両断スタイルが主だ。

 まあ力の振り分けの問題もあって俺は二刀か三刀入れないと倒せないが。

 「ああ、あれは死なないように、だっ。」

 「良く言う、今もピック投げて来た癖に。とりあえず貰っておくぞ。」

 「後で返せよ。」

 「お前が勝ったらな。」

 「おい、泥棒は犯罪だぞ。」

 「分かったよ。じゃあ返してやる。」

 「うおっ!!そんな返し方があるか!!」

 持っている短剣で返したピックを弾かれた。

 「返せって言ったのは誰だよ。」

 「いや俺だけどさ。」

 「そう言いながらピックを投げるのは止めてくれないか?直撃したら負けるんだけど。しかも毒塗りを投げてんじゃねえよ。」

 初撃決着モードだからピックでもなんでも直撃すれば負けなのである。

 「それは俺のセリフだ。なんでキャッチして投げ返してきてるの?セフィロスなの?」

 「セフィロス=変態みたいな言い草はやめろ。あの人は超人だから断じて変態ではない。」

 中二っぽいところがあるがあれはおそらく実力がもの凄く高くなった結果ああなったような気配がある。

 というか練習すればできるだろこれくらい。

 あとセフィロスの冷たい視線がアハトに向いているような気がする……南無。

 「エアダッシュしている人が変態じゃない訳がないだろう。」

 「安心しろ、増えるから。」

 「ちっとも安心できねえ!!」

 「そうよそうよ!!」

 なんか外野が五月蠅いな、それじゃあ見よう見真似でやってみようか。

 あの時は天躯だったから……レイジスパイクでいけるはずだ。

 ソードスキルを誘ってバク宙で避けてる最中に構えればいけるか?

 まあモノは試しだ。

 「ちょっと俺の距離に付き合ってもらう。」

 「投げるだけじゃないぜ?」

 ファッドエッジが来るがそれを避けて……よっと。

 「がふっ。」

 レイジスパイクが決まって俺の勝利だ。

 今俺がやったのは宙返り中にソードスキルのモーションを取っただけ。

 後隙に上手く刺さってくれたようだ。

 「俺の負けか……あんな動作をするとはな。」

 「あれは賭けだ。吹き飛ばされている時でも上手く受け身を取れれば空中に逃れることだって可能だろう。夢が広がるな。」

 いずれエアバトルが開催されるかもしれないな、このSAOの中で。

 「……それはお前ら4人しかできないと思うんだが。」

 「そうでもなさそうだぞ、ほら。」

 俺が右を指さすと早速空中でソードスキルを出そうとしているアインクラッド解放軍とドラゴンナイツ・プリゲートの方々が。

 そしてそれを指導しているセフィロスとスコール、キリト。

 セフィロスが教えている姿は何か違和感があるな……。

 「ククク……体の力を抜いてバク宙を切り、そして素早く腕を動かすのだ。」

 「は、はい、セフィロスさん!!」

 「……違う、飛んでいる時の構えがきちんと出来ていない。」

 「わ、わかりました!!」

 「んー壁役はそもそも空中にいると不便じゃないか?」

 「あーやっぱりか、片手剣も使えるようにならないとダメか……。」

 「壁役が減ると困るんだが……サイズ。」

 「そ、その辺はギルドの人達と相談してくれよ?」

 「分かってるって。」

 それぞれ仲がいいようで何よりだ。

 ……ん?

 あのフードを被った人間……怪しいな。

 気配を殺しているような気がする。

 様子を窺っているようにも見えるし。

 「レンジ。」

 アハトが小声で耳打ちをしてきた。

 「ああ、頼む。」

 アハトが追ってくれるようだ、俺も着いて行こう。

 

 

 

 

 

 1時間後―――――

 

 俺達2人は森の奥にいた。

 「……誘われているな、ミスった。」

 「そう言うと思ってセフィロス、キリトに俺達の後を追ってもらっている。」

 仮に暗殺者だとすれば動きが甘い気がした。

 俺達を誘ってなんらかの不利益を与える確率が高いだろう。

 「それはたよ……甘いっ!!」

 後ろからの投剣をしっかりキャッチするアハト。

 「HA、まさか防がれるとはなあ。」

 「直前まで気が付かなかったけどな、危うく死ぬ所だった。」

 「とりあえず、名前を聞こうか。フードの男も含めて。」

 俺はとりあえず名前を聞く。

 答えてくれるとは思わないがとりあえず情報収集だ。

 今のところ敵は4人。

 セフィロス達が来れば互角。

 すでに合図となる空メッセージを送ってある。

 フードを深くかぶった男が口火を切った、意外だ。

 「名乗る名前はないと言いたいがあえて教えてやるよ~。俺はジョニー・ブラックさ。」

 銀髪の男が言う。

 「僕はカルド、美しい悲鳴を聞かせて欲しいな。」

 「私はシカ。楽しい殺し合いをさせてね♪」

 まさか女性がこっち側にいるとは……ショートヘアーで快活そうなのに、狂気に染まってしまったか。

 「Year!!俺はPoH(プー)。だが俺はお前らと戦う気はないぜ。ショータイムはまだ先だ。」

 「ヘッド、味見しちゃってもいいっすか~♪」

 「Oh、程々にしておけよ。」

 戦闘は避けられないが、2VS3ならまだなんとかなるな。

 そして全員がオレンジ、こちらがオレンジになる心配はない。

 カルドと名乗った男は細剣を取り出し、他2人は短剣を構えた。

 「アハト、お前は木を使って気配を殺しながら不意打ちしろ。俺は地上付近で相手をする。」

 アハトが頷いた。

 ここからは本当の殺し合いだ。

 「さあ、殺し合いましょ♪」

 「あっさり死なないでくれよ?美しい声を聴かせておくれ。」

 「まったく……お前らのせいで殺しができると思ったのに仲良し集団になっちまいやがって。」

 「と言う事はキバオウを煽ったのはお前か。」

 「その通りさ♪上手く行くと思ったのにあの銀髪野郎め、脅しやがって……殺してやる!!」

 返り討ちに遭うからやめと……いや、死んでくれた方が都合がいいかもしれないな。

 本来は殺すべきではないがここに刑務所なんてないだろうからあの世にご退場願うのがこの世界でのベストか。

 「しかも1層であんなに死にやがって……。」

 「おい、死にやがって……とはどういうことだ。」

 アハトが腹立だしげに口を挟む。

 「フン、ディアベルだけが死ねばよかったもののアタッカー陣が軒並み死んだせいでビギナーを煽れなかったんだよ!!」

 確かに、ディアベル1人だけならベータが悪いと言えただろうが7人も死んでいちゃ効果は薄いな。

 だがこうしていられると攻略組の不利益になるのは明らか。

 死んでもらうしかないな、今のところは。

 「とりあえずお前らが今後暗躍されると困るから死んでもらう。」

 「甘ちゃんが俺達を殺せるかな?」

 「やってみるさ。」

 そう言って5人は衝突した。




 暗殺者集団のキャラがつかめているか不安ですが……頑張ります。

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