Solitude Art Online   作:自由気ままな人

14 / 38
切り所がここしかなかったため短めです。
そのため今回のみ次の話を明日零時に投稿します。


第11話

 俺達5人は迷宮区に来ていた。

 「パーティ内の役割だが、俺がタンク役を務める。とりあえず組んでいたキリトとアスナ、アハトとレンジでスイッチしてくれ。あとキリトとレンジは片手剣で融通が利きやすいから一通りの指揮を今日で覚えてもらう。ボス戦での隊の指揮は2人のどちらかに任せるが、リーダーはきっちり決めておいてくれ。俺は装備武器の都合前線にいることが多いから指揮まで手が回らない。ここまではいいか?」

 スコールが率先して口を開く。

 「なんで隊の中にもリーダーが必要なんだ?はや……じゃなかった、ディアベルが指示を出すんじゃないか?」

 人名言いかけただろアハト。

 似たような性格の知り合いがいるのだろうか。

 「確かにそうだが、隊の細かい様子まで見て指示をより的確に出すのがリーダーの役割だ。采配を間違えれば最悪死なせることになる。……だからここで訓練をしておきたい。2人いれば万が一どちらかが死んでも崩れずに済むしな。」

 そうだ、考えたくはないがメンバーが死ぬことを考えなくてはならないのか。

 「分かった。」

 「行くぞ。」

 

 

 

 俺達は訓練を開始したのだが……訓練の成果は無かったと言わざるを得ない。

 というのも全員強すぎてスイッチする暇がなかったのだ。

 ちなみにレベルはキリト27、アスナ24、スコール23、アハトと俺が25で同じ。

 スコール曰くセフィロスは24らしい。

 というかキリトどんだけ戦ったんだよ。

 このレベルになってくるとほぼ2日戦っても1上がらないことの方が多いのに。

 「予想外だな。」

 「まさか敵が弱すぎるとは……。」

 「ボッチを見習えば強くなれるじゃないか?敵も。」

 「もうちょっと強い所に行かないと訓練にならないぜ。」

 「私も同じ意見ね。」

 迷宮区とはいえ入口近いから敵もそこまで強くなく、ソードスキル1発で倒れてしまったため、こんな意見が出ていた。

 下手すると通常攻撃がクリティカルしただけで倒れる敵もいた。

 「キリトの言う通り、少し潜ってみよう。これでは訓練にならない。」

 「待たせた。」

 「うわぁ!!」

 「きゃぁっ!!」

 2人が悲鳴をあげたがよく考えて欲しい。

 薄暗い場所で突然長い刀を持った長髪の男が現れる様を。

 だからこの2人が悲鳴をあげてしまうのは仕方のないことなのだ。

 「セフィロスか、キバオウはどうした?」

 あの後は当事者の一人として気になるところだ。

 「次私の目の前で騒いだり殺すと言った。後顔を見たくないからボス戦に来るな、来たら盾にしてやると言ったら土下座されて2万コル貰った。」

 「それは貰ったと言うんじゃなくて奪ったとか脅し取っ……何でもないです。」

 キリトが睨まれて黙らされた。

 「殺してはないんだな?」

 スコールが確認を取る。

 「当然だ。」

 「ならいい。」

 「この人達、いつもこんな会話してるの……?」

 「それは違うぞアスナ。この3人は煩いのに耐えられないだけでたまたまキバオウがキレさせただけだ。静かにしてれば優しいはず……だ。」

 アハトに反論したいが前まで飛んで行ってしまった以上反論できない。

 「「…………。」」

 そして2人は涼しい顔をしている。

 そんなことをは興味ないね、と言わんばかり。

 2人に弟子入りしようかな。

 

 

 

 合同戦闘は結局ボス部屋近くでやることになった。

 ショックだったのは6人の中で俺が二番目に遅かった事だな。

 それなりに敏捷に振ってるんだけどな……防御に多くしすぎたか?

 一番遅いのはスコールで早いのはアスナかキリトっぽい。

 同じくらいの速さなので判別がつかないが。

 それでそんなハイスピードで戦うものだから殲滅速度がアハト2人の時と比べ物にならない。

 この中で一番遅いスコールでさえ10メートルを1秒強で詰めるのだから遅くは無い。

 その結果……。

 「てやぁっ!!」

 キリトがバーチカルでワンパンしたり、

 「はあぁぁっ!!」

 アスナがリニアーで壁に吹き飛ばして虚空に投げ出されたところを、

 「せっ。」

 セフィロスが地閃で刺し落としてツーパン。

 「斬り伏せる!!」

 スコールがアッパーバイドで浮かせて落ちて来たところを、

 「せいっ!!」

 アハトがハーフムーンで敵mobの首を狩る。

 短剣の斬跡が半月の形を描く2連撃で美しい技だ。

 ちなみに敵mobには弱点部位というものがあり、そこを攻撃することによってダメージが増えたり、怯み・クリティカル・吹き飛ばし率に上方修正がかかる。

 ヒト型の敵mobなら基本的に首や頭に弱点があることが多い。

 だからアハトが首に向けて短剣を振るったのは正しい事なのだ。

 ガイドブック曰く、短剣自体の武器特性として弱点部位への攻撃時にクリティカル率上昇というものがあるからなおさら大切なのである。

 力が強ければそんなの関係ないがな。

 「せあぁぁっ!!」

 俺は無傷の敵をホリゾンタルで上と下を真っ二つにして倒す。

 こんな調子で狩りまくっていたため経験値が割ともらえた。

 全員レベルは上がらなかったが4時間とあまり長く戦ってなかったからしょうがない。

 この間に二刀流のことをキリトに教えたり、パリィングについて教わったりした。

 パリィングを覚えると弾いて攻撃ができるから効率が上がるらしい。

 「連携はとりあえず確認できたな。宿屋に戻ろう。風呂付きの宿屋を探しておいた。」

 風呂付きとはありがたい……体は汚れないとはいえ気分の問題がある。

 「この髪も洗わなくてはな……。」

 髪の毛こだわってたんですかセフィロスさん。

 「の、覗かないでよね!!」

 アスナが突拍子もないことを言う。

 少し驚いたが男であろうと裸を見られるのは恥ずかしいのだろう。

 中学生の時に筋肉がついてなくて恥ずかしそうに着替えている男子がいたっけ。

 「「えっ?」」

 「「了解だ。」した。」

 「……。」

 五者五様の返事。

 キリトとアハトは察してないな……。

 あと2人は察した模様。

 さあ、早くお風呂入って寝よ。

 明日は早い。

 それにウォーミングアップとして少し戦闘をしておきたいからな。

 ラジオ体操の代わりって訳だ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。