ハイスクールD×D・イレギュラーな龍帝   作:刀花子爵

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昔と今

生きている、転生前のことをみんなはどう考えるだろうか?

 

読んだライトノベルの世界に来る前。

自分ならうまくやれる。

この主人公は馬鹿じゃないのだろうか?

ハーレムとかうらやましい。

童貞卒業したいなどなど。

まあ、自分もそう思っていたことはある。

 

けど、立場がなぁ。

 

一派人なら多少は無茶をしてもいいだろう。

 

だが自分は、赤龍帝で英雄の魂を引き継いでいるもの。

 

いろんな意味合いで面倒な存在だ。

 

「はぁ」

おまけに兄から変な感じがした。

多分悪魔になったんだろう。

 

少し悲しい。

 

もう、私の兄、兵藤一誠ではなく。

悪魔としての兵藤一誠なのだろう。

 

少し気落ちしながら顔を洗う。

 

あーにーと思いながらも、まあ、仕方ないことと自分の中で完結。

 

『いいのか?堕天使に殺され合意もなしに悪魔にされたのだろう?』

―まあ、そうなんだけど。原作で知ってたから。実はそんなにショックはないかな

『そういうものなのか』

―自分は私はそんなものだよ。

 

まあ、堕天使には仕返しするけどね。

パチ

顔をタオルで拭いてドアを開けようとしたら静電気が走った。

こんな時期に珍しいな。

 

まあ、いいや。

制服に着替える。

伸びている髪を後ろにまとめ黒いひもで固定する。

首にはお気に入りのドッグタグ。

駒王学園はピアスとかには寛容なのでかなり助かる。

家を出てすぐに腕を上げて伸びをする。

「んーっん、いい朝日だねぇ」

 

くそったれと思うには十分にいい朝だ。

 

「・・・あ、命先輩」

「ん、塔城か」

 

家を出てすぐの曲がり角で塔城がいた。

何時もは合わないのにな。

 

「…なぜ微妙に距離を置く」

「…なぜか今の命先輩からはピリピリとしたものを感じるので」

ピリピリとしたもの?

 

先ほど静電気だろうか?

今の季節は春だし…私はそんなに静電気が溜まる体質ではないはずなのだがな。

 

「まあ、いいか」

特に気にすることでもないかと思い学園に向かう。

「…待ってください」

後ろから追いかけてくる登場に合わせ歩く速度を変える。

 

『…いいのか?おおよそだがグレモリーの眷属だぞ』

―私にとってはただの後輩だ。眷属なんか関係ない

『そうか』

チャリンと二枚一組のタグがぶつかる。

 

…久々に裏山に行ってみようか。

                   ★

 

学校も終わった。

なんか、副会長に見られたけど何かしたかな?

すぐに家に向かうも何かが私を見ている。

 

『ふん、蝙蝠どもだろうな。おおかたお前の力が漏れたのだろう』

え?いつから!

『今日の朝からだ。言っておくが俺の力ではないもう一つのほうだろうな』

英雄の運命をその手にか?

『ああ、何がカギになったかわからないが力が出ている。朝の静電気もそのせいだろうな』

 

電気か。

電気の英雄。

記憶にある電気関連の英雄といえば。

 

…エジソンか?

いや、そもそもエジソンは偉人だ。

 

まあ、いいや。

考えても仕方ない。

家が見えてきたので少し足を速める。

 

「ただいま」

ドアを開けてすぐに母に言う。

「おかえりなさい、命。あらどこかに行くの?」

「うん、今日は久々に裏山に行ってくるから帰るの少し遅くなるんだ」

制服を脱いで何時もの動きやすい服装に着替える。

「帰ってきたら風呂に入ってすぐに寝るからいらないや。ごめんね」

「夜は食べなきゃだめよ。おにぎりでも作っておくから食べなさい」

「うい、じぁあ行ってきます」

複数の荷物を入れたリュクを背負い家を出る。

「行ってらっしゃい。怪我はしないようにね」

母の言葉を背に受け走り出す。

 

                ★

木刀、槍、弓、斧様々な武器が周りに無残な形で倒れている。

 

「…嘘だろ」

何時もの裏山。

そこには自分で作った修練場がある。

 

普通ならばれるだろうが。なぜかここには人は来ない。

小さいころ、この山に遠足で来たこともあるがこの場所だけはなぜかみんな来ないのだ。

ドライグ曰く選ばれたものしか使えない場所らしい。

何それ中二と思ったが自分もそんな存在なので自重した。

 

そう、普通なら人は来ない。

だからこそ自作の武器を置いておいたのだが。

 

全て壊されていた。

お金自体はかかっていないがすべて愛着のあるものだった。

 

中学生の時に技名を叫びながら槍を振った。

かっこいいと思いながら意味の分からない文字を木刀に彫刻刀で刻んだ。

斧なんか変形できるように作ったのに。

 

全てが壊されていた。

 

許さず。

 

そもそも、ここには選ばれた人しか入れないとかいう痛い設定があったはず。

壊されたってことは人が来た?

 

『およそあの槍の小僧だろうなまだ、聖なる力の残滓がある』

曹操、あいつかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

『残っている量からする最近だな』

ああ、あいつがどうしてやったのか分かったわ。

『ほう、その心当たりは?』

「勧誘を蹴ったからって人のものに当たりやがって!許さん!」

どれもこれも自信作でしかも大事な私の相棒だぞ!




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