グランくんとその仲間たちの日常☆ミ   作:Narvi

5 / 8
 ヤンデレといえば確かにヤンデレかも知れない。けど、多分ヤンデレじゃないよ?

 書いていてすごく楽しかったです。

 今回は闇ジャンヌ。光の方も書きたいなぁ……。
 一番最初のフェイトエピ(光ジャンヌ持ち)の内容を元にしています。

 では、どぞー!


3日目 失ったジャンヌの心は

 なぎ倒された木々。焼け焦げた家。魔物の爪痕がくっきりと残る村の状況に、僕は何も言うことができずその場に立ち尽くしていた。

 隣にいるビィも、ルリアも、ほかの仲間も。その惨劇を目撃し、驚きから口を押さえる者やあまりの衝撃に目を背ける者、涙を流す者までいた。

 

 数分、数秒だろうか。

 もう時すら忘れてしまうほどの感覚の中、僕は慌てて彼女を探す。

 

 ジャンヌは。村を救うために一週間前に騎空団を離れたジャンヌダルクはどこだ。最悪の展開を思い浮かべて、すぐさま振り払う。

 そんなことは絶対に許さない。団長として、彼女の目標を応援すると心に決めていたのだから。こんな状況で助けてあげられないで、なにが団長だ。

 

 

 

 

 探すのにそれほど時間はかからなかった。

 

 ジャンヌは村の中心の方で立っていた。目立つ怪我はない。しかしその表情は優れない。

 表情は完全に沈みきっていて、剣を持つ手は垂れ下がっていて、いつもの優しく勇敢なジャンヌの姿はどこにもなかった。

 

「ジャンヌ!」

 

 僕はすぐに駆け寄った。その声に反応して肩をわずかに揺らすジャンヌ。

 

「ジャンヌ……」

 

 どれだけ考えても、かける言葉が見つからなかった。

 守るべきものを全て失ってしまったジャンヌに。目標を全て壊されてしまったジャンヌに。僕はなんて声をかけてあげればいいんだろう。

 

「団長……」

 

 長く感じた静寂は、ジャンヌの呼ぶ声で終わりを告げる。静かに、それは拠り所をなくした幼子のような足取りで、僕の方へと歩み寄ってくる。

 

「ジャンヌ!?」

 

 しかしあと数歩というところで、ジャンヌはまるで抜け殻のように崩れ落ちた。突然のことに僕は反射的にジャンヌを受け止めた。

 意識はない。でも、生きている。

 ただそれだけが僕にとっては大切で、そんなジャンヌを抱えて僕は騎空艇へと戻っていった。

 

 

 

「みんなお疲れ! 今日も一緒に闘ってくれてありがとう!」

 

 今日、ともに闘ってくれた仲間たちにお礼の言葉を告げる。魔物討伐の依頼は少し手間取ってしまったが、何事もなく依頼をこなすことができた。

 

「今日の依頼は時間的にも終わりです。このあとは疲れを癒して、明日またがんばりましょう!」

 

 僕はそう言って騎空艇の中へと入っていく。向かうのは自室ではなく、医療室。

 そこには、ジャンヌがいた。

 

 あれから数日がたった。ジャンヌは未だに目を覚まさない。

 医者にも見てもらったのだが、精神的なもの、とだけ言われた。いずれ良くなるとも。

 

「いつ……目を覚ますの? ジャンヌ……」

 

 そう問いかけても、返事はない。

 いつも先陣を切って魔物を倒していく、そんな勇敢な姿ばかり見ていたからか、ジャンヌが寝込んで、たまに悪い夢を見ているようなうなされた声をあげるのを見ていると、とても心配になる。

 

 時間があるとき、僕はずっとここにいる。医者はああ言っていたけれど、もしかしたらこのまま一生目を覚まさないかもしれない。

 それがたまらなく怖くて、僕はここから離れたくはなかった。

 

「う……うーん……」

「ジャンヌ!?」

 

 どれくらいが経っただろうか。数時間、もしかしたら日をまたいだかもしれない。

 しかし時間なんてどうでもよかった。ジャンヌが目を開けた。その事実が、今まで待っていた時間を全て忘れさせた。

 

「ここは……」

「医療室だよ……グランサイファーの……」

「そう……か」

 

 まだ意識がぼぉっとしているのだろう。目はどこか虚ろで、それは僕を映してはいないようだった。

 

「大丈夫? 怪我とかは?」

「はい。もう大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ございません……団長。助けてくれたこと、礼をいう。」

 

 医者からも言われていたとおり、怪我の方は心配いらないらしい。ジャンヌから放たれた言葉。しかし、僕には到底大丈夫そうには見えなかった。

 ――どう見ても無理をしている。しまいには、

 

「うぅ……」

 

 礼をいったあと、ジャンヌはふらつき、僕は慌ててそれを支えてやる。

 

「やっぱり……大丈夫じゃ……」

「あぁ……すまない。まだ本調子ではないようだ」

 

 この様子だともう少し寝ていた方がいいのかもしれない。僕はもう少し寝ていた方がいいとジャンヌを促す。

 しかしジャンヌはそれを聞こうとはせず、あろうことか、支えられていた状態から僕の体に腕を回してきた。

 温もりを全身で感じるかのように、ジャンヌは強く、強く僕を抱きしめる。ジャンヌの体は少し冷たく、そして僅かに震えていた。

 

「生きてて……よかった……」

 

 自然と口から出てきていた。心にすぅっと溶け込むかのように。僕はジャンヌが生きていることに安堵した。

 その発言に、ジャンヌはなぜか驚いて顔を胸に埋めていたのをやめ、上目遣いでこちらを覗いていた。

 

「……生きていて、良かったと……そう言ってくれるのか、団長は。」

 

 半信半疑にそう言うジャンヌに、僕は衝動のまま腕を背中に回して、力強く抱き寄せた。

 

「……団長?」

「ごめん……ごめん……!!」

 

 この気持ちが伝わって欲しかった。

 確かにジャンヌはたくさんのものを失ってしまった。

 

 しかし、居場所はここにある。

 帰る場所は、ここなのだ。

 

「……団長は優しいな……見てくれ、私の手は、まだ震えている……」

 

 ジャンヌはポツリ、ポツリと呟く。

 

「私は怖い……もっと、強く、抱きしめてくれないか……」

 

 僕は抱きしめる力を強める。ジャンヌも更に求めるように、僕の体を抱きしめる力を強めた。

 

「今日は、一緒に寝てくれないか……? すごく、怖いんだ……」

 

 ジャンヌの妖艶な問いかけに、僕は何も言わず、ただこくりと頷く。僕たちはそのまま、ひとつのベッドで、抱き合いながら、眠りに就いた。

 

 

 

 ジャンヌは変わってしまった。何もかもを失って、以前までの彼女とは別の人間と言える程に変わり果ててしまった。

 そんなジャンヌが、それでも僕を頼ってくる。それが凄く嬉しくて、それが――イケナイコトダトワカッテイテモ。

 

 僕にそのジャンヌの行動、発言全てを無碍にすることはできなかった。

 

 例えこの先、なにが起きようとも。

 

 

 

「……お前たちは、私の信頼を裏切った……」

 

 

 

 例え、ジャンヌに刺殺されようとも。

 

 僕に抵抗するという考えは、全く浮かばなかった。




 オーキスください……黒騎士が待ってるよ……? オーキスちゃんほしい……。

 闇ジャンヌは朝ガチャできました。朝っぱらからガッツポーズしたのはいい思い出です。結構朝ガチャで当てる率高いんで、あれもバカにできないな、としみじみ思います。
 朝ガチャでやってきたレフィーエは、ずっと気になってたんだけど上方修正って言っておきながら水着の方めっちゃ強くしただけじゃね? いや、持ってるしスタメンだけどさ……。

 ああ~、無料10連期間中にルシバハシヴァ当たらないかなぁ……。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。