グランくんとその仲間たちの日常☆ミ   作:Narvi

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 間に合いました……! ほんとギリギリだったね。何にとは言わないけど珍しく頑張ったよ……!

 ヒント→投稿日

 前回の続きになります。では、どうぞ。


    クラリスとショッピング!後編

「待たせちゃったかな?」

 

「いや、それほど待ってないよ」

 

 待ち合わせ場所――その方が雰囲気が出るらしい。何のかは知らないが――で待つこと数分。約束の時間の少し前にクラリスは現れた。

 手にはバックを持ち、トレードマークのうさみみにも見える特徴的なリボンはそのままに、白色のマフラーとコートを羽織った姿はいつもの快活さの中に、少し大人びた雰囲気が出ている。同い年で比較的最初からのメンバーであるクラリスに、不覚にもドキッとしてしまった。

 

「それ、すごく似合ってるよ」

 

「うぇ!? あ、ありがと……」

 

 思わず可愛い、と口走りそうになって即座に振り払った。服装を褒めるとクラリスはマフラーに赤くなった顔をうずめてそういった。

 

「じゃ、じゃあ、行こっか?」

 

「そ、そーだね!! いっちゃおーっ✩」

 

 少し気まずくなった空気を打破しようとして僕がそう言うと、クラリスはすぐにいつものテンションに戻った。そのほうがクラリスらしいや。

 僕はそんなクラリスに、呆れるようにゆっくりついていった。自然と笑みはこぼれていた。

 

 

 

 

 

 

「わぁ~! おいしそ~!」

 

「そうだな。おじさん、これとこれ、一つずつちょーだい!」

 

 あいよ、と差し出されたのは二つのクレープだった。クラリスがじっと見ていたので、そのクレープと美味しそうだと思ったクレープを買った。

 クレープを受け取るときにカップルかい、なんて聞かれたものだからドキッとしてしまった。苦笑いを浮かべながら違いますと言いつつ、受け取ったクレープの片方を目を合わせずにクラリスに渡す。

 

「ありがとーだんちょー!」

 

 そんなことは露知らず、クラリスはお礼を言って受け取ると笑顔で一口。僕もそれを見てため息をついたあと、一口。その瞬間ホイップと中のフルーツの甘さが広がって、とても美味しかった。

 

「これ美味しいな!」

 

「そーだねっ!すっごく美味しい!」

 

 どうやらクラリスもお気に召したようで、順調に食べ進んでいるようだ。男はあまり甘いものが好きではない、なんて聞いたこともあるが僕はそんなことはない。

 僕がクレープを食べていると、クラリスはどうやらクレープ屋のおじさんと何か話しているようだ。

 周りが騒がしくて内容は全然聞こえないが、おじさんは笑いながら、クラリスは急に口を大きく開けたり、急に顔を赤くしたり、少し考える素振りをしたり、とコロコロ表情が変わっている。

 

 ……どうしたんだろう。そんなクラリスはちょっと面白いが、明らかに変だった。

 

「クラリス? どうかしたのか?」

 

「ひゃあっ! ななななんでもないよっ!」

 

 疑問に思い近づいて問うと、クラリスは唐突に悲鳴を上げた。そんなに驚くようなことをしたわけではないんだが。

 

「頑張れよ……!」

 

 クレープ屋のおじさんは最後にそう言うとまた商売に戻っていった。なんだったのだろうか。

 

「あーもう……逆に緊張しちゃうよぉ……」

 

 クラリスはそう言ってクレープに再度一口。今度は少しへこんでいるようにも見える。

 どうしたのかわからないけど――

 

「まあ、なんだ。頑張れ?」

 

「だんちょーに言われたくないよっ!」

 

 なぜか怒られた。よくわからない僕は手に持っているクレープを頬張った。やはりとてもおいしかった。

 

 

 

 

 

 いろんなことがあったが、クラリスとたくさんのところに行った。いろんなものを食べたり、服を買うのに付き合ったり、おしゃれさせられたりと、この数時間はすごく楽しい時間だった。

 そしてあたりも暗くなってきた頃。パラパラと雪が降り始め、街頭がそれを照らし反射して赤く照らしている。

 

「もうこんな時間だね……」

 

「そうだな……」

 

 結構あっという間だった。最近は忙しかったからあまりこういった時間はなく、それはクラリスも一緒だろう。

 久しぶりに時間も忘れてはっちゃけていたようだ。

 

「じゃあ、帰るか」

 

「ちょっとまってっ!」

 

 僕が帰ろうと言うとクラリスはそれを止めた。どうしたのかと思いクラリスを見る。顔をほのかに赤く染めて、何か言いたそうにこちらを見ている。

 

「えっと、今日はありがとう。私に付き合ってくれて」

 

「いや、僕も暇だったし。どうしたの、急に改まって」

 

 そう言うとクラリスは手に持っていたバックの中に手をいれた。取り出したのは綺麗に包装された一つの箱だった。

 

「え、これって――」

 

「今日はバレンタインなんだよ? 知らなかったでしょー✩」

 

 知らなかったというか、最近忙しかったのもあって完全にこういうイベントのことは抜け落ちていた。

 クラリスは僕の表情を見て笑いながら言った。

 

「そんなわけだから、これ! 私からの、当然手作り、だよっ✩」

 

「あ、ありがとう……」

 

 少し照れた表情をしながら、クラリスは僕にその箱を渡した。ザンクティンゼルには年の近い子がいなかったものだから、こうやって直接渡されるのなんて初めてで、僕は戸惑いながらそれを受け取った。

 

「すごく嬉しいよ。味わって食べるから」

 

「あはは、なんてったって私が作ったんだから! 味わって食べてっ✩」

 

 雪の降る中、活発な笑顔を振りまくクラリスは一枚の絵のようで、チョコレートを渡して頬を赤く染める姿に僕は数秒見とれていた。

 

「どーしたの、だんちょー?」

 

「あ、ああ、何でもないよ」

 

 帰ろう。そう言って歩き出すとクラリスは僕の横を歩き始めた。そっと手を伸ばすと、クラリスは驚いたように僕の顔とその手を交互に見て、その冷たくなった手を重ねた。

 

 

 

 

 その後、団内では二人の関係ついての話でもちきりになるのだが。僕たちはそんなことに気づくわけもなく、さながら出来たてのカップルのような暖かな空間のままゆっくりと帰り道を歩いた。




 クラリスとのショッピングの感じを書こうと思ってたんだけど、朝起きてグラブル見たらバレンタインデーってなってて。とりあえずすぐにアイルにチョコ渡してきました←ホモではない。

 セリフ一つ一つに声があると脳内変換して読んでいくと本当に最高です。特に「あーもう……逆に緊張しちゃうよぉ……」の部分……。絶対しちゃ(↑)うよぉ(→↓)みたいな声だし、ごちうさのココア感あるなぁとしみじみ。控えめに言って最高。


 そんな感じで閃いた私は数時間前に取り組み始めたんだけど、もっと早めに書き始めればよかったと後悔……。まあ、今頃だよね。

 さて、次は誰を書こうかなー。

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