まあ、やる気が出た結果二週間でランク70が100になったんだけど……頑張った、てか疲れた。これでも騎空団の団長やってます、よろしくぅ。
自己紹介はこれくらいにして、ぼちぼちやっていきます。
まだ序章なのでキャラは出てきません。次話へ続くための布石のようなもの……。多分これが最初で最後のシリアス展開になるだろう……。ちなみに超難産だったよ!
展開早めです。こうしないと次話からお楽しみでしたね、ができないんで。
序章 終わりからの始まり
――憧憬を抱いていた。
僕には物心ついた頃には母はいなかった。興味が無いといえば嘘になる。けれど寂しくはなかったし、そのことを聞こうとは思わなかった。僕には父さんがいたから。よく顔は覚えていないけれど、そんな朧気な記憶の中の父さんはとても格好良く、とても誇らしかった。
――いつも夢見ていた。
そんな父さんも僕の傍からいなくなった。最後に受け取った手紙は今でも鮮明に覚えている。空の果て、イスタルシア。今や伝説として語られるほどのもの。僕はその場所に思い焦がれた。
ザンクティンゼルはとても小さな村だ。周りとの交流はほとんどない。いつかこの村から出て、この小さな世界から一歩踏み出したい。空はとても広い、そう聞いている。想像しただけでどうにかなってしまいそうだ。
相棒のビィと日々鍛錬の繰り返し。剣の扱いを知っている者なんてこんな小さな村にいるわけがなく、もちろん書物もない。全て独学。苦難の連続だけど、それは毎日が未知との遭遇で心がときめいた。
そんな生活を続けて17歳になった。僕が故郷から旅立つ日、僕の生活は一転した。
『助けてください!』
10代前半くらいだろうか。透き通るような青髪を長く伸ばした少女が息を整える間もなく言ったのだ。
それから数秒して、その少女を追って現れたのだろう帝国兵が僕の方に剣を向ける。
僕は理解した。この少女はこの帝国兵達から逃げていたのだと。
それからは早かった。僕は即座に自らの剣を抜いた。そして勢い良く飛び出す。帝国兵が身構えるよりも速く、僕は横薙ぎに一閃。その剣撃は剣の柄の部分に正確にあたり、油断していた帝国兵はその得物から手を離した。僕は瞬時にその落とした剣を遠くに蹴り、もう一人の帝国兵の首元に剣を突き出す。
完璧だった。今までの鍛錬は無駄ではなかったのだ。狼狽え逃げ出す帝国兵を尻目に僕は喜んだのもつかの間、青髪の少女に近づいた。
名前はルリアというようで、やはり帝国兵に追われているらしい。後から一緒に逃げ出した元帝国の騎士カタリナと合流してそれから――なんてなかった。
目の前にヒドラが現れたのだ。その強大な力に、僕は被弾を最小限に抑えることしかできなかった。しかしヒドラに慈悲はない。その重たい攻撃はルリアに牙を向く。
咄嗟に体が動いた。僕はその間に割り込み、そしてヒドラの牙が僕の体をえぐった。
尋常じゃない痛みと、血の温かさしか感じない。周りが何かを言っている気がするがそれも聞こえない。
僕は弱かったのだ。旅を始める前に、旅が終わってしまう。諦めたくない。しかし、体が言うことを聞いてくれない。
視界が狭まっていく。どんどんと空が遠ざかっていく。いつかあの場所にたどり着いてみせるんだと、そう思っていた。
ああ、僕は死ぬんだな。僕はその睡魔を受け入れた。
――諦めないで……。
そう聞こえた気がした。そして、再度光が灯る。目の前には先程の少女――ルリアがいた。
『今度は私が貴方を助けます……』
さっきまで暗闇のようだった視界は光り輝き、微塵も動かなかった体は自分の命令通りに行動する。
直感的にわかった。僕はルリアと文字通り《一心同体》になったのだと。
『ありがとう』
そう心のなかで呟いて、僕は立ち上がった。そして誓った。
僕は強くなる。もっと、もっと強くなって誰も死なせない力を得る。
そしていつかきっと、空の果てへ、イスタルシアへたどり着いてみせるんだと。
☆★☆★☆★☆
あれから一年が経った。本当にいろんなことがあった。
いろんな仲間との出会い。圧倒的な力を持った星晶獣との戦闘。そしてエルステ帝国の宰相フリーシアの陰謀の阻止。幾度の苦難を乗り越え、僕たちはちゃくちゃくと強くなっている。
しかしまだ遠い。空の果てはまだまだ先だ。
僕は軽く身だしなみを整えて、歩きだす。目の前の扉を開けると、一面青い空が広がっている。
「よし! 今日も頑張るか!」
騎空挺の上で、僕は自分に向けてそういった。
――これはとある騎空士の旅のお話。
――かけがえのない仲間とともに送る、グランの日常である。
文字数は多分その時の気分と題材によるんじゃないかと思われる。
次回! 第一話! ヴァンピィちゃんはさいきょーですし!
乞うご期待!! NEXT→
(しかしもう投稿されているとは言ってない←ごめんなさい……。)←投稿しました☆