IS~Under Dog~   作:アセルヤバイジャン

2 / 28
IS物が書きたいお

でもオリヒロインは難しいお

艦これキャラ可愛いお

だから艦これキャラをヒロインとして3組生徒として出すお!

ついでに機体はガンダム作品を元にして出すお!


こんなノリで書き始めたSSです、普通に捏造設定とか入ってきます、ご注意下さい。



第一話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インフィニット・ストラトス

 

登場当初こそその性能は眉唾とされ、誰からも見向きもされなかった存在。

 

しかし、日本へ向けて放たれた世界中のミサイルをたった1機のISが迎撃した事実を持って、世界はISを認め、求めた。

 

それは、まるで蜜に群がる蟻の如く姿であり…

 

その蜜の下に、ナニがあるのか知らず、人々は群がり続けた。

 

そしてそれは、今も続いている…。

 

 

 

 

 

世界初の男性操縦者、世間はその話題で一色であった。

 

元々女性しか動かせないという普通に考えれば欠点を抱えてるにも関わらず、世界の軍事バランスを覆したIS。

 

そのISを動かせる男性が見つかったとなれば、世間が騒ぐのも無理は無い。

 

「男性操縦者…ね…」

 

ぼんやりとテレビを眺める少年、雨宮 叢真(あまみや そうま)もまた、そんな騒動を眺める傍観者であった。

 

テレビには連日、同い年の少年…織斑 一夏の姿。

 

整った容姿に世界で現在唯一のIS男性操縦者、これだけでテレビは連日彼を映しては実にもならない話を繰り返している。

 

この出来事に、叢真は同情的だ。

 

自分の意志に依らず、周りが勝手に動くのだから当人は溜まったものではないだろう。

 

ならば代わりたいかと問われればNoと答える、Noと言えない日本人であってもNoと言う。

 

そう言う立場なのだ、テレビの中の彼は。

 

「……14歳から16歳の男性を対象にした簡易IS検査…一人目が居たから二人目も…か」

 

呆れ混じりの言葉を吐きながら、天井の灯りの光に透かすのは、本日配られた用紙。

 

そこに書かれているのは、叢真が呟いた通り、織斑 一夏と年齢が近い男性にだけ限定したIS適正検査の知らせ。

 

一人居たのだから他にも、と考えるのは至極当然の流れであり、叢真が住む地域でもこの検査を実施する事になった。

 

年齢を限定しているのは、一番可能性が高そうという、そういう理由だ。

 

他の年齢層は、順次検査を実施するが、織斑 一夏と年齢が近い世代は急ぎ検査して確保したいのだろう。

 

「これでボコボコ見つかるなら、世界はそう騷ぐことも無いか」

 

世間が騒いでいる一番の理由は、現在唯一という点に他ならない。

 

数十人単位で見つかれば御の字、数人でも居れば織斑 一夏への世界の注目も弱まるだろう。

 

そんな事を他人事の様に…事実他人事として考えていた。

 

 

その考えが、他人事と言えなくなると知らずに……。

 

 

 

 

 

 

世界はきっと、少しの偶然と少しの必然、そして多数の巡り合わせで動いている―――

 

 

 

 

 

 

 

4月――

 

桜咲くと言うより既に散り始めている季節、叢真は真新しい制服に身を包み、新しい学び舎の一室に居た。

 

近代的な教室に、ハイテクを詰め込んだ机(PC機能内蔵で空間パネル装備)、窓の外には広大な敷地とその先に広がる海。

 

そして、むせ返るような年頃の女性の香りと、貫くような視線の数々。

 

海無し県に住んでいた叢真は地元の高校へ進学が決まっていた。

 

なのに窓の外には海が見える、そして工業系高校へ進学なのに女性が多数、と言うか男女比1:9。

 

抱えていた頭を上げると、息を飲む多数の女子と、どこか嬉しげに視線を送ってくる男子一名。

 

「(いい加減、逃避するのは止めよう…)」

 

小さく、本当に小さくため息をついて、叢真は己が置かれた立場を受け入れた。

 

世界で二番目の男性IS操縦者。

 

それが、現在の叢真の肩書であり、数週間前まで他人事の様に眺めていた、織斑 一夏と同じ立場へと落ちた自分だった。

 

笑えない話である、どうせ動くわけがないと気楽に検査用ISへ触れた途端、流れこんでくる情報と光。

 

次の瞬間には打鉄と呼ばれるISを身に纏い、呆然とする自分と連日の無意味に等しい検査で疲れていた研究者達。

 

後に待っていた同年代の男子の一人が「動いた…」と呟いた瞬間、爆発するように動き出す世界。

 

そんな世界の流れに置いて行かれながら、我が身の不幸を呪う叢真。

 

彼が先ず最初にしたことは、片親で自分を育て上げた母へ、謝罪の報告をする事だった。

 

「おはようございます!今日から皆さんの副担任になる山田 真耶ですっ、皆さんよろしくお願いしますね!」

 

初日かつ男性操縦者が2名も在籍するクラスの副担任、気合を入れて入ってきた年上に見えないが教師なのだろう、山田先生が気合の入った挨拶をする。

 

『………………』

 

「あ、あれ…」

 

が。駄目。

 

クラスの女子はたった二人の男子への挙動へ全神経を注いでいるらしく、山田先生が期待した反応は返って来なかった。

 

「あ、え、えぇっと…そ、それじゃホームルーム前に自己紹介をしましょ!ね!」

 

この重い空気をどうにかしようと頭を絞った結果、生徒達の自己紹介により空気の揺動を狙ったようだ。

 

それじゃぁあ行の人から!との声に、廊下側一番の席に座る生徒が、静かに、ゆっくりと立ち上がり自己紹介を始める。

 

これに山田先生はそっと胸を抑えた、物理的に押さえられないけど抑えた、これまで無視というか流されたら泣く自信が彼女にはあった。

 

嫌な自信だ。

 

「…雨宮 叢真です。ニュースで流れている通り男性操縦者として見出されましたが、自分はISに関しては素人も良いところなので、早く皆さんに追いつこうと思います。よろしくお願いします」

 

そして叢真の番になったが、彼は別段チャラい男でもなければ怖気づく性格でもないので、無難に自己紹介を終えた。

 

大多数の視線が「それだけなの?」と訴えていたが、長々と自分を語るのは苦手なので一切を無視して席に付いた。

 

そして再び女子の自己紹介が続き、問題の挙動不審な織斑 一夏の番へ。

 

考え事でもしていたのか、山田先生の呼びかけに唐突に反応するものだから、呼びかけた山田先生の方が萎縮して涙目でお願いをする始末。

 

「えっと、織斑 一夏です…。………以上です!」

 

その瞬間、教室の全ての生徒の動きと心がリンクした。

 

コントかと思う程に見事にずっこける女子達と、組んでいた腕を思わず崩す叢真。

 

「自己紹介位まともにやらんか」

 

そして、唐突に現れて織斑 一夏の頭部を出席簿で殴打するスーツ姿の女性。

 

織斑 千冬。

 

ISを、いやISを知らない人ですら知ると言われる世界的有名人。

 

初代ブリュンヒルデにして最強のIS操縦者。

 

そんな人物が、IS乗りに憧れる少女たちの前に現れたらどうなるか。

 

叢真は本能でそれを察知して、耳を塞いで口を開けた。テレビで見た音響兵器への対処姿勢だった。

 

直後、爆音を通り越した轟音と化した歓声が上がった、窓がビリビリ振動している。

 

「全く、私のクラスには何故毎回こんな生徒が集まるのだ…」

 

生徒を前にして堂々と言い放つが、その言葉すらクラスの女子にはご褒美な様子でまたも歓声が上がる。

 

頭が痛そうな織斑先生と、歓声のダメージでフラフラしている山田先生、そして歓声よりも織斑先生に叩かれたダメージでまだ蹲っている織斑。

 

頭痛がするこめかみを指先で解しながら、叢真は己の行く先が暗い事を感じ取り、小さくため息を付いた。

 

 

 

 

 

 

「なぁ、俺織斑一夏、よろしくな!」

 

「…あぁ、よろしく」

 

休み時間となり、その間も予習を続ける叢真の元へ、織斑が嬉しそうに駆け寄ってきた。

 

たった二人の男子、女性だらけの教室での唯一の味方、そりゃ織斑でなくても嬉しくなるだろう。

 

が、叢真の態度は素っ気なかった。

 

別に叢真が織斑を嫌っている訳ではない、確かに含む物はあるが、それを理由に彼を嫌う程まだ彼を知らない。

 

単に余裕が無いのだ、ISなんて世間で知られている事しか知らないのに、いきなり専門の学校へ入れられたのだから。

 

周りはIS学園へ入る為に勉強してきたのだ、当然一歩も十歩も前を進んでいる。

 

それに追いつく為に、入学が決まった日から連日予習復習を行ってきた。

 

根が真面目な為に、望まぬ進路だろうとやれることはやるのが彼の美点だろう。

 

「何してるんだ、叢真」

 

「見て分からないか、予習だ」

 

もう名前呼びか貴様とちょっとイラッとした叢真だが、それを表情に出す事はない。

 

地元で仏頂面マシーンなんて言われた彼の表情は相変わらずの無表情だ。

 

髪型を撫で付けるようなオールバックにしているので、威圧感がある。

 

実は前髪を下ろすと童顔で甘い顔立ちになるので、大人ぶりたいが為に髪を上げているのは内緒だ。

 

「うぇ、もう予習とかしてるのか…真面目だな」

 

「いや、予習しないと時間足りないだろ?」

 

何故か呆れている織斑に、逆に「お前は何を言っているんだ?」と言いたげな顔になる叢真。

 

もしやあれか、姉がブリュンヒルデだから英才教育受けてて余裕なのか、だからヘラヘラ笑って余裕なのかキサムァと内心思う叢真。

 

「ちょっと良いか」

 

そこへ声をかけてきたのは、ポニーテルを靡かせた女子だった。

 

周囲で男子同士の会話を見守りながらチャンスを狙っていた女子達が小さく悲鳴を上げている。

 

数名が「邪魔をして…!二人っきりの光景が…!」とか腐った事を口にしているが叢真は全力で聴力シャットアウト。

 

「箒…もしかして箒か…!?」

 

「お、覚えてててくれたのか」

 

どうやら顔見知りらしい二人、衆人の中で話せないようなので二人で教室を出て行くのを「ごゆっくり」と見送り、予習に戻る叢真。

 

ガリガリとノートに書き殴るような叢真の姿に、チャンスだと思った女子達は出鼻を挫かれる形に。

 

結局、チャイムが鳴るまで叢真に話しかける女子は現れなかった。

 

 

 

 

頭が痛い思いを何度味わえば良いのか、叢真は本日何度目になるのか数えるのが億劫になった頭痛がするこめかみを解した。

 

先ず叢真の頭へダメージを与えたのは、予習復習をする叢真へ余裕ぶった態度を見せていた織斑が、現在の授業へ全く付いて行けておらず、渡された参考書を古い電話帳と間違えて捨てるという暴挙。

 

どうやったら古い電話帳と間違えるんだと織斑への印象を下方修正しつつ、山田先生からの「雨宮君は大丈夫ですか?」という問い掛けに、細部で分からない点を後で教えて下さいと答えた。

 

この返答に織斑が「裏切り者!」という視線を向けてきたが、自業自得である。

 

で、そんな騒動が終わったかと思えば、次の時間にはクラス代表を決めるという話になり。

 

順当に行けばクラスの代表としてISで競うのだから、経験者もしくはやる気に満ちた立候補者が選ばれるべきなのだが…。

 

「織斑君が良いと思います!」

 

「じゃぁ私は雨宮君で!」

 

という、その場のノリで推薦され。

 

「納得いきませんわ!!」

 

と、クラスで唯一の専用機持ちにしてイギリス代表候補生さんが激おこぷんぷん丸。

 

聞いてもいないのに日本への愚痴を口にし始め、クラス全体が白い目を向けている事に気付かない程ヒートアップ。

 

いい加減頭に来たのか放おっておけば良いのに織斑が突っ掛かり、小学生地味た言葉の応酬の後に決闘と相成り。

 

当然の如く、叢真も巻き込まれた。

 

やる気満々、勝つ気で居る織斑に、どうしてそこまで世間知らずなんだと頭を抱える叢真。

 

相手は専用機持ちの代表候補生、IS搭乗時間は試験の時に乗った自分たちと違い数十・数百時間は乗っているだろう。

 

ISの練度はイコール搭乗時間とも言える、ほんの数時間車に乗った人間に、F1レーサー候補生とレースしろと言うような物だ。

 

更に叢真を悩ませるのは、織斑には専用機が用意されるが、自分には無いという点。

 

これには色々言いたい事はあったが、相手はブリュンヒルデの弟、自分は特に何も無い家庭の子供。

 

そりゃ研究機関も選ぶなら才能がありそうな前者を選ぶだろう。

 

「学園が特別に機体を割り当てる。機体の希望があれば私か山田先生へ最低でも明後日までに伝えろ」

 

との織斑先生の言葉に、まだ素人の生徒に機体を選ぶ知識なんぞあるかと内心愚痴りつつ了解を伝え。

 

さぁどうしたものかと頭を抱えながら机に内蔵されたPC機能で学園保有の機体データを閲覧。

 

日本が開発した柔軟性と扱いやすさ、そして防御力に特化した打鉄か。

 

汎用性が高く操縦者を選ばないラファール・リヴァイヴか。

 

他にも数台ISがあるがあまり聞いたことが無い機体だった。

 

そもそも、機体を選んだとしてどうしろと言うのか。

 

授業でもまだろくに操縦方法を教わっていないし、試験の時は訳がわからない内に終了した。

 

と言うかフラフラ飛んでいたら撃墜されたという記憶しかない。

 

「クラスメイトには…頼れんよな…」

 

小声で呟きながら周囲を見る。

 

クラス全体がイギリス代表候補生であるセシリア・オルコットとの決闘への意見を交わしている。

 

オルコットの物言いには含むものがあるが、彼女の暴挙で気になっていた男子2名の実力が分かるのだから儲け物なのだろう。

 

そして織斑がオルコットに対して「手加減は要るか」とお前空気読めと言いたくなる発言で、クラスメイトを頼る事が出来ない空気が出来上がっていた。

 

言ったのは織斑なのに。

 

色々考えた叢真が下した決断は、ある意味情けないが実に理に適っている方法だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初島 陽炎さんは居るか」

 

お昼休み、ほぼ全員が昼食を取り終わり、午後の授業へ備えている時間。

 

まだ入学して間もないのだ、皆早め早めに準備をするために教室へ戻ってきている。

 

そんな中、教室の扉から姿を現した男子の姿に、3組の生徒は数秒の停止後、どよめいた。

 

なんで、どうして、1組の男子が、しかも二人目の男子、それもクラスの子の名前を呼びながら。

 

様々などよめきの中、名前を呼ばれた生徒…茶色のツインテールに気が強そうな瞳の少女…ぶっちゃけ美少女が立ち上がった。

 

「わ、わたしが初島だけど…えっと、なんの用…かな?」

 

元気が似合いそうなパッチリとした瞳が忙しなく瞼でパチパチしているが、それだけ予想外なのだろう。

 

周りの生徒達も固唾を飲んで事の成り行きを見守っている。

 

内心「すわ告白か!」とか「まさか口説きに…!」なんて乙女チックな事考えている生徒が大多数だが。

 

「失礼する。……初島さん、折り入って頼みがある」

 

軽く頭を下げて、同学年とは言え他クラスだ、礼儀はあった方が良い、教室へ踏み入れる叢真。

 

クラスの真ん中辺に位置する陽炎の席へ足早に歩み寄ると、真っ直ぐに彼女の瞳を見つめて口を開いた。頼みがあると。

 

身長180近い上に前髪をオールバックにした威圧感のある叢真に、たじろぐが気丈にも見つめ返す陽炎、恐らく160ちょっとの身長で胸は…敢えて触れるまい。

 

「な、なにかな…」

 

「一組の副担任から、君が日本の代表候補生選抜ベスト8だと聞いた」

 

戸惑いがちに答えた瑞希に、叢真は先ほど山田先生から聞き出した情報を口にした。

 

この事は三組の生徒は全員知っている事だ、クラス代表を決める際に、誰か経験者は居ないのかと問い掛けられ、彼女が正直に答えた。

 

筆記・実技・面接などを経てトーナメント戦を行って決められる代表候補生、その選抜試合でベスト8へ残ると言うことは、紛れもないエリートの証だ。

 

兎角試験やテストが好きな日本である、諸外国に比べて代表候補生に成るのですら関門が多い。

 

陽炎達選抜生の上に候補生がおり、候補生の中から選ばれるのが代表。

 

つまり、陽炎は候補生の中で誰かが落ちた場合繰り上げられる可能性がある控え選手と言える存在なのだ。

 

結果、クラス代表にピッタリだと彼女が三組の代表に収まった。一組と違って平和な上に合理的な決定だった。

 

「そ、そうだけど…それがどうかしたの?」

 

「――っ、頼む!俺にISの操縦を教えてくれッ!!」

 

それはそれは見事なお辞儀だったと、見守っていた三組生徒は後に語った。かどうかは不明だが。

 

話が見えずに首を傾げて肯定した陽炎に、叢真は「これがお辞儀だ!」とばかりに頭を下げて、ISの操縦を教えてくれと乞うた。

 

「えっ、ちょ、えっえっ、なになになに!?」

 

「頼む!他のクラスの問題事を持ち込んでいるのは分かっているが、俺に頼れるのは他に居ないんだッ!」

 

渦中の男子に頭を下げられて教えを乞われるという状況にパニックになる陽炎と、たたみかける!状態の叢真。

 

周りの生徒は唖然とし、数名は面白そうに成り行きを見守っている。

 

「ちょ、待って待って!状況、状況が飲めないから説明!説明してよ!」

 

「あ、あぁ、すまない。少し、焦っていた…」

 

頭下げないで周りの目が痛いからと叢真の肩を押してお辞儀を止めさせる陽炎と、自分が焦っていた事に気づいて謝罪する叢真。

 

何せ時間が無いのだ、焦るのも無理は無いだろう。

 

「身内の恥を晒す様で情けないんだが…」

 

叢真は事の起こりを順序立てて説明していった。

 

クラス代表を決める際に、推薦された男子2名。

 

その決定に不服だと代表候補生が怒り出し、売り言葉に買い言葉、決闘する事になった。

 

が。もう一人は専用機が用意される上に、どうやら幼馴染がコーチに付くらしい(クラスの噂で聞いた)

 

だが自分は専用機も無ければコーチの当ても無い、クラスメイトは織斑の「手加減」発言で「そこまで言うなら自信あるんだろう」と完全観戦モードで頼れそうにない。

 

言ったのは織斑なのに。完全なとばっちりである。

 

忙しい教師にコーチを頼む訳にも行かず(山田先生も補習は出来るがコーチは…と断られた)

 

残されたのは、他クラスの実力者へのコーチを頼む事。

 

そこで山田先生から代表候補生または実力者として聞いた二人の内、片方である陽炎の元へ来たと叢真は正直に話した。

 

「えっと…私の方へ来てくれたのは素直に嬉しいけど、なんで?私、選抜とは言え候補生じゃないよ?」

 

陽炎の疑問は尤もだった。

 

何せもう片方は四組の生徒で、日本の代表候補生。

 

つまり陽炎に勝利してその地位を勝ち取った生徒である。

 

実力者に教えを乞うなら当然そちらへ行く、自分ならそうするし周囲もそうするだろう。

 

もしや4組の生徒に断られたから仕方なくあたしに来たのかそうなのかと勘ぐる陽炎。

 

「?候補生も選抜もどちらも変わらないだろう?」

 

「え、いや、結構違うんだけど…」

 

「俺からすれば全員実力者だ。初島さんを選んだのは、直感と言うか…自分でもよく分からんが君を選んでいた。だからここに居るんだ」

 

「そ、そう…」

 

叢真の実直な言葉に思わず赤くなる陽炎と、周囲の女子。

 

今日び女性の立場が強くなった為に自然と増えた草食系男子にはない男らしさと言うか、古臭さを感じさせる叢真だが、そこが彼女たちには良かったのだろう。

 

そして再び頼む!と頭を下げる叢真、ここまで実直で生真面目な男子、今時珍しいと目を丸くする生徒も多い。

 

「えっと、分かった、分かったから頭下げるのは無し!私だってまだヒヨッコなんだからあんまり過度な期待はしないでよ?そりゃ、基礎位なら教えられるけど」

 

「勿論、初島さんの負担にならない程度でいい。正直アドバイスだけでも俺にはありがたい」

 

「そっか…なら、放課後もう一度来てくれる?今からじゃ時間も無いし」

 

陽炎が指さした時計は、次の授業まで残り5分を示していた。

 

分かった、放課後にまた尋ねると答え、クラス全体に邪魔をしたと謝罪して立ち去る叢真。

 

「何というか…何してんのよ一組…」

 

「あはは…ちょっと、というかかなり雨宮君に同情しちゃうね…」

 

「お祭り騒ぎっぽい?」

 

三組の生徒の叢真への評価は、生真面目な苦労人という印象に落ち着くのであった。

 

 

 




艦むすヒロインの名字に悩むお!

とりあえず番号をそれっぽく名字にしてみるお!

名字が出ないキャラは思いつかないだけだお!



あ、3組生徒は基本的に艦これキャラで構成されています、原作でも3組が空気なので丸ごと捏造しました。
主な登場人物は一年生が駆逐艦メイン、2年が軽巡、戦艦組が教師とかです。
駆逐艦と言っても睦月型とか朝潮型は勘弁な!中学生ですら厳しいから!
なので主に陽炎型(一部除く)・白露型・夕雲型がメインになります。
高校一年生が厳しい艦むすが嫁の方はごめんね!吹雪型とか中学生が限界かなって作者個人的に思うんだ!
なお秋月型ry

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。