ベルが流派東方不敗継承者なのは間違っているだろうか?   作:友(ユウ)

68 / 88

お久しぶりです。
約一ヶ月振りの投稿です。
蛇足という外伝です。
まあこれは見る人によっては原作蹂躙モノと捉えられても仕方の無いものなので、悪寒を感じた人はプラウザバックを推奨します。
それでも読んでくれるという方は、作中でもストーカーさんがおっしゃっていますが、エキシビジョンマッチという考えの元、本編以上に気を抜いてお読みください。
では、どうぞ。




エキシビジョンマッチ このベル達が正史に行くのは間違っているだろうか
ROUND【1】 開幕


 

 

 

暗闇の中にスポットライトの光が差し込み、眼帯を付けた一人の男の姿が浮かび上がる。

丸椅子に腰かけ、足を組んだ男性は語り始める。

 

「さて皆さん、またお会いしましたね。皆様とはもう長い付き合いになりますが……………おや? 私とは一度しかお会いになった事が無いという方がたくさんいらっしゃいますね。ですが、そんな事はありません。よ~く思い出してみてください。ほらこの時も………そしてあの時も………ファイトがあるところに、必ず私はそこに居ました……………ふむ………それでも思い出せないという方の為に、自己紹介から始めましょう。私の事は、『ストーカー』…………とでもお呼びください。ファイトをこよなく愛する唯のファンです。さて、東方不敗 マスターアジアとの出会いから始まったベルの英雄譚は、無事大団円を迎えました……………ほう? ベルのその後が気になると、そう仰る方が僅かですがいらっしょる模様…………ならば、もう少しだけ語ることに致しましょう。さて、今日のファイトはこの世界とは少し違った世界から始まります。この世界のベルは、東方不敗 マスターアジアと出会い、大きな転機を迎えました。その出会いを切っ掛けに、その後のベルの運命の道は大きく変わった事は言うまでもないでしょう。ですがもし! 東方不敗との出会いが無かったら………己が師匠との出会いが無く、運命の道を変わることなく進んでいたら………言わば、『正史』とも言うべき世界から今回の物語は始まります」

 

彼はそう語ると一呼吸置き立ち上がる。

 

「それでは!!」

 

そう叫ぶと同時に上着を脱ぎ棄て、眼帯を外し、右手にはマイクが握られる。

 

「ダンジョンファイトエキシビジョンマッチ!! レディィィィィィィッ…………ゴーーーーーーーッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ベルが流派東方不敗継承者なのは間違っているだろうか?

 

エキシビジョンマッチ

このベル達が正史に行くのは間違っているだろうか?

 

ROUND【1】 開幕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界…………

仮に『正史世界』と呼ぶことにしよう。

この『正史世界』ではベル・クラネルは普通の冒険者だ。

いや、彼も普通とは言い難い。

何故なら、レベルを一つ上げるのに最低でも一年は掛かる所を、彼はオラリオに来てわずか数ヶ月という短い期間でLv.4という前人未到の最短記録を打ち出しているからだ。

ただ、通常のLv.4から大きく逸脱しているわけではない為、そう言う意味では『普通』の冒険者だ。

とはいえ、今回の話の切っ掛けは彼ではない。

今回の話の切っ掛けとなる人物は…………………

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたものでしょうか…………これは……………」

 

何処かの研究室と思われる部屋で、一人の女性が呟いた。

その女性、【ヘルメス・ファミリア】所属のアスフィ・アル・アンドロメダの目の前には、神秘的な輝きを放つ拳大の宝石の様な石。

これはついさっきアスフィにより、偶然に偶然が重なり偶然に生み出された偶然の産物。

同じものを作れと言われても絶対に不可能とも言うべき代物(マジックアイテム)

 

「まさかこんなものを生み出してしまうとは……………」

 

そう独り言ちる。

作った本人には、それがどういう物か分かっていた。

それは世界の壁に穴を開け、別の世界から何人かをこちらの世界に引き込んでしまうというもの。

ただ世界の修正力が働くため、一週間ほどで引き込んだ人間は元の世界へ戻るらしい。

 

「こんなものを作ったことがヘルメス様に知れたら絶対に碌でもないことになります。少々名残惜しい気はしますが、早急に処分してしまいましょう」

 

アスフィは何処からともなくハンマーを取り出し、その宝珠を砕かんと振り上げた。

その瞬間、

 

「やあアスフィ! 何か面白いアイテムでもできてないかい?」

 

ノックすらせずにアスフィの主神であるヘルメスが扉を開けて入室してきた。

 

「ヘヘ、ヘルメス様!? ノックぐらいしてください!」

 

アスフィは慌ててアイテムとハンマーを背後に隠しながらヘルメスに答える。

 

「何を慌てているんだいアスフィ? それと、今背中に隠したものは何だい?」

 

目敏いヘルメスはアスフィの行動を見逃さなかった。

 

「こ、これは………! そ、そう! ただの失敗作です! 今から処分するところで………!」

 

アスフィはそう言うが、

 

「おや、それは勿体ない。失敗作とはいえ見た目は綺麗なんだから、観賞用としては少しは値が付くんじゃないかい?」

 

いつの間にかヘルメスが後ろに移動しており、アスフィの手からそのマジックアイテムをかすめ取っていた。

 

「ヘ、ヘルメス様!?」

 

「何をそんなに慌てているんだい? これは失敗作なんだろう?」

 

ヘルメスは面白そうな笑みを浮かべてそう言った。

そのアイテムがただの失敗作ではないことに気付いている笑みだ。

ヘルメスは好奇心からそのマジックアイテムを起動させようとする。

 

「ちょ、止めてくださいヘルメス様!」

 

アスフィがそう言うが、それでヘルメスが止めるはずもなく、

 

「さあ、何が起こるのかな?」

 

ヘルメスはマジックアイテムを起動させ、宝珠が眩い光を放つ。

余りの眩しさにアスフィは手で目を庇い、ヘルメスは帽子を深くかぶり直して光を防ぐ。

やがてその光は徐々に収まり、次に二人が目を開けた時には………………

何も変わらぬ光景がそこにあった。

 

「おや……………?」

 

何も起こらなかったことに対し、ヘルメスは声を漏らす。

 

「………………どうやら本当に失敗作みたいだったようだね…………おかしいなぁ、あのアスフィの慌てようから絶対に何かあると思ってたんだけど…………」

 

「だ、だから言ったではありませんか………!」

 

そう言うアスフィだが、何も起こらなかったことに対し内心大きな安堵の息を吐いていた。

しかし、二人はすぐに知ることになる。

何も起こらなかったのではなく、“この場では”何も起きなかっただけだということに…………

 

 

 

 

 

 

 

―――同刻、【ヘスティア・ファミリア】ホーム『竃火の館』

 

この世界の【ヘスティア・ファミリア】は派閥の格付けがランクD以上になったため、ギルドからの『強制任務(ミッション)』を受けることになり、その為の会議が行われていた。

この場に居るのは主神ヘスティアを始めとして、先日Lv.4へとランクアップし、二つ名も【白兎の脚(ラビット・フット)】に改められた、この世界のベル・クラネル。

同じように先日【不冷(イグニス)】の名を送られたヴェルフ。

サポーターのリリ。

この世界では一時的に【ヘスティア・ファミリア】に所属している命。

リリと同じくサポーターの春姫の六人だ。

全員で話し合い、『強制任務(ミッション)』を受けることを再確認した六名は、近々行う『遠征』に向けて意気込んでいる。

その時だった。

突如として部屋に光が満ちる。

 

「うわっ!?」

 

「眩しっ!?」

 

「な、何だぁ!?」

 

それぞれが驚いた声を上げる。

そのすぐ後に、

 

「うわっと!?」

 

「ぐえっ!?」

 

「わっ!?」

 

「おわっ!?」

 

「ひゃあっ!?」

 

ベル、ヘスティア、リリ、ヴェルフ、春姫の声が続いた。

しかし、ベル達は目を庇ってはいるが、そんな声を上げてはいなかった。

やがて光が収まり、徐々に視界が戻ってくる。

ベル達が状況を確認すると、

 

「「「「「「「「「「「へっ?」」」」」」」」」」」

 

『十一人』の声が同時に響いた。

この場に居るのはベル、ヘスティア、リリ、ヴェルフ、春姫、命で間違いない。

しかし、人数は『十一人』で間違いないのだ。

何故なら、

 

「ベッ、ベル殿達が二人ぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

命が驚愕の声を上げた。

そう、この場に居た者の内、命を除いた全員が、二人ずついたのだ。

 

「ど、どういうことだいこれは…………?」

 

元々この場に居たヘスティアが声を絞り出す。

他の元居たメンバーは未だに驚愕の表情で固まっている。

すると、光と共に現れたヘスティアがキョロキョロと周りを見渡し、

 

「あれ? もしかしてここって『竃火の館』かい?」

 

「あっ、確かに………」

 

「だとすればおかしくありませんか? ホームはあの戦いのときに跡形もなくなったはずですが…………」

 

「と、言うより俺は何で俺達がもう一人いるのかが不思議なんだが?」

 

「ふわわ~!? わたくし達がもう一人います~!?」

 

ヘスティア、ベル、リリ、ヴェルフ、春姫の順でそれぞれが声を漏らす。

 

「な、何が起こったんだ一体…………?」

 

元からいたヘスティアの呆けた呟きは、次の瞬間ベル達の驚愕の叫びによってかき消されたのだった。

 

 

 

 

 

―――同刻、【ミアハ・ファミリア】

 

「「ふわぁああああああああああああああっ!?」」

 

「カ、カサンドラが二人ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

 

 

―――同刻、『豊穣の女主人』

 

「ニャーーーーーーーーーーーーッ!? シルとリューが分裂したニャーーーーーーーーー!!」

 

 

 

―――同刻、ギルド

 

「「ど、どうなってるのこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」」

 

「エ、エイナが二人……………?」

 

 

 

―――同刻、【ロキ・ファミリア】

 

「アイズたんとベートが増えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「…………………ベル、何処?」

 

「こんなわけ分からねえ状況でもブレねえな、お前は…………」

 

 

 

 

―――さらに同刻、【ヘファイストス・ファミリア】

 

「大変ですヘファイストス様ぁ! 俺が増えた…………って、ヘファイストス様もぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

「どういうことかしら?」

 

「本当、どうなってるのかしらね?」

 

 

 

 

―――更にどこかの荒野

 

「突然別の場所に飛ばされるとは面妖な…………」

 

 

 

 

この世界に、武闘家(イレギュラー)達が迷い込んだ瞬間だった。

 

 

 

 





お久しぶりです皆様。
エキシビジョンマッチという名の蛇足です。
初っ端からご都合主義満載です。
前書きにも書いた通り、見る人にとっては原作蹂躙物と取られても仕方のないものなので、突っ込まれても返答は不可能なので悪しからず。
とりあえず原作ベル達に不敗ベルが正妻やハーレムのイチャイチャを見せつけながら、巻き込まれる騒動を拳で解決するような物語を考えています。
とりあえず今回はプロローグ的な物なので短いです。
因みに投降に一ヶ月も掛かった理由としては、並行して新作も執筆中だからです。
新作の内容としては、インフィニット・ストラトスと超次元ゲイム ネプテューヌThe Animation(+フェアリーフェンサーF ADF(武器・技のみ))のクロス物です。
今回は非転生オリ主にチャレンジしてみました。
簡単なあらすじとしては、ISに関係することによって家族を失った主人公が絶望の中ゲイムギョウ界に転移し、ネプテューヌ達と出会い、立ち直り、新たに大切な存在を見つけ、力を得て、暫くしてから元の世界に戻って来てしまうというテンプレだらけな展開です。
あと、ヒロインはネプテューヌです。(話の進み具合によってはもしかしたら楯無も)
インフィニット・ストラトスはともかくとして、ネプテューヌ(+フェアリーフェンサーF)は割とマイナーな作品だと思っているのでどれだけ需要があるかは分かりませんが………
今の所2、3話分ぐらいは書き上げているのですが、まだプロローグ的なゲイムギョウ界編の段階なので、クロス要素がほぼ無いのでIS編に入るところまで書き上げてから投稿しようと思っていますが、希望があれば現段階でも投稿しようかと思います。

とりあえず、こちらのエキシビジョンマッチ編は気紛れ更新になると思うので、あまり期待せずにお待ちください(エタる可能性も無きにしも非ず)。
それでは次回にレディィィィィィィッ…ゴーーーーーーーッ!!!



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。