デスノート A true new world starts 作:有山氏
「で、どうするの」
シーラがPCに目を向けるハルに聞く。
「キラを探すしかないわね。そして日本に行く」
「日本か。楽しみね」
「でも、そう簡単にはいかないわ」
「どうしてさ?」
「長官によると、日本にはあのLの後継者がいるみたいなの」
シーラは表情に笑みを浮かばせる。
「10年前の、あのL。いや、半年前に起きたキラ事件でLの後継者が死んだと聞いたが」
「それとは、また別のLなのよ。そのLとは昔、公には出てない事件に協力させてもらってね。まあそれを知ったのは事件が終わってからなんだけどね。」
「成る程ね」
「だから何もなしに日本には行けない。CIAの捜査員なんだし向こうが気づいたら怪しまれる」
「じゃあ、どうするんだい?」
「日本の対策本部に行くしかないわね。アメリカの捜査員かが調査として対策本部に加われるならだけど」
「難しいのかい?」
「ええ。国のトップが各国に捜査員を送ってる噂よ。今じゃ国との繋がりは怪しいもの。デスノートはそれほと危険なのよ」
シーラは微笑する。
「人間は欲が強いね」
「その通りね。だから、取り敢えずはキラが誰なのか見つけないとね」
「お、どうやって調べる?」
「でも、今回はこれまでのキラ達と違って調べる必要もないかも」
「キラは何千人者の犯罪者を捌いてる。なら敢えて日本にいると示してると考えても可能よ」
「そうなのかい?」
「ええ。つまり、示してるという事は見つけて欲しいからよ。キラは自分でデスノートはここにあるってね。なら、示したい相手はデスノートを知ってる人間。ならデスノートに関連してるのがキラ」
「あんた、流石ね」
ハルは微笑しキーボードを打ちはじめる。
「まあ、10年前のキラか半年前のキラの辺りね」
画面に、半年前にキラウィルスとして流れた夜神月の静止画が映る。
「随分と男前ね」
「そうなのかもね」
「あれ?あんた、キラの事が……」
ハルは夜神月の静止画を閉じる。
「キラの外見は別にしてキラが憎い事は変わらないわ」
「そうか」
ハルは再びキーボードを打って行く
「今度は何?」
「CIAの上層部に連絡してるの。日本の対策本部に入れないかってね」
「無理なんじゃない?」
「やるだけ、やるだけ」
※
数日後。
ハルはCIAの上層部の人間と電話越しで話している。
「はい。分かりました」
シーラがマスカットを齧りながらハルに聞く。
「どうしたの?」
「日本の対策本部に調査員として加わることになった」
「あら、それは凄いじゃない。これで日本に簡単に行けるわね」
「さうね。Lが手を回してくれないみたい」
「Lが?じゃああんたはLに好かれてるのね?」
「どうだろ……」
ハルは眉に皺を寄せ頬を摩る。
「何か不安?」
「いや、別に。私はもう支度を終えたから、日本で会いましょう」
ずっと黙っていたミードラが口を開く。
「おい、ハル、聞いてない」
「ごめんね、決まった事だから」
ミードラは嫌気がさしデスノートを手にとる。
シーラが急いでミードラに駆け寄り釘を指す。
「私達は夜神月のようなキラを見つけるために下界にいるの。そのキラの元所持者は次の死神大王になれる。彼女が夜神月を継ぐキラになるかもしれないの。あんたが殺そうとしたら、死神大王から罰を受けるかもよ
ミードラは不安げにシーラを見てデスノートをしまう。
「そうかもな」
ミードラが苦し紛れに言った。
「あんたやヌのデスノートはハルが持ってる。もしかしたら私達の内誰かか次の死神大王の可能性になるかもしれないんだから」
「分かった」
ハルは、その会話を耳にしながら支度する。
「死神も大変そうね」
「ああ。そうだよ。」
ミードラが苛立ち口調に答える。
「じゃあ、シーラ連れてけ。俺は空を飛べない」
「仕方ないね」
すると、ヌボッと死神ヌの頭が天井から飛び出してきた。
「ここ……いる」
ハルはヌに近づいていく。
「ごめんね。あなたも空を飛べないだろうし、私と行きましょ」
ヌは、仕方ないと答え、天井の中に入ってく。
「おい、なら俺も連れてけ」
ミードラが棘のある口調で言った。
ハルは黙って自室を出て振り向く。
「私を殺そうとした死神とは、いたくないわね」
部屋を出ていくハルを睨むミードラ。シーラはまあまあと宥めた。
ただ死神の可愛らしさを演出するために、空を飛べないとか独自設定をしました。
ミードラがメスというのはしってます。