ガルパン転生   作:グラン(団長)

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4話


4話

戦車道で勝つために必要なことはなにか?

西住流のような決して乱れない戦術か、はたまた島田流のような変幻自在な戦術か。

……まぁ、ぶっちゃけ初心者にそんなこと言ってもわかるわけないんだけどね、そもそも俺もわかんねーし。なのでここはWOTで学んだ知識を総動員してみんなに教えようと思っています。

 

WOTには当てれば一撃で決着をつけられる箇所が存在する、弾薬庫だ。ここに上手く命中すると、弾薬に誘爆して敵戦車を一撃で沈めることができるのだ。

しかし、戦車道ではここを狙うという戦術は使えない。

安全性を配慮して、乗組員に危険が及ぶような箇所の装甲は特に頑丈になっているためだ。

ならばどこを狙うべきか?それを考えたとき、俺は戦車道のルールを調べた。そして、ついに、最も効率的に敵を撃破する戦術を手にいれたのだ!

 

まず、戦車道において撃破するというのは、戦車に取り付けられた判定装置が撃破されたと判定しなければならない。この装置はその場で修理可能な軽度の故障であれば判定を出さない。

つまり、逆を言えば、その場で修理不可能なぐらいの損害を与えればいいだけの話だ。

ここでWOTの知識が役立ってくる。

WOTにおいて、部位破壊できる箇所は、主砲、砲搭、弾薬庫、履帯、エンジン、燃料タンク、視認装置、がある。

この中で、さっきも言った通り弾薬庫、燃料タンクは狙っても意味がない。しかし、他の部分については戦車道においても十分すぎるほど弱点になる。

相手の主砲を潰せば相手はただの動く的になり、砲搭を故障させれば相手の狙いはまともにきかなくなる、視認装置も同様で、履帯、エンジン、は言わずもがなだ。

 

そして、戦車道はWOTと違い、相手の使用する戦車は事前に調べればほぼわかる。後は戦車事の弱点の位置、そしてどの角度から砲撃すればより有効か、それがわかればこちらのものだ。

遠距離での撃ち合いではあまり役に立たなくとも、接近戦においては相手の弱点を知っているのは何倍も有利になる。

 

 

 

「……と、いうことで、みんなにはこの『これでチョロピー、サンダース大付属高校戦車攻略マニュアル』を暗記してもらいます」

 

「「「えぇーーーー」」」

 

すんごい嫌そうな声が返ってきた。

うん、わかってたけどね?しゃーないやん、俺WOTしか知らんし、この戦法で今までひたすらやってきたんだもん。

 

「ダメです、覚えるまで帰らせないなからね。じゃないと昨日の俺の徹夜が無駄になるからね、むしろ覚えてくださいお願いします」

 

「杏仁教官、質問がある」

 

「はいはいなんですかエルヴィンさん」

 

金髪美女のエルヴィンさんが綺麗な挙手で質問してきた。

……なんだろ、心なしか歴女達がヒートアップしているのを感じる。

 

「過去に教官が無双した際も、このように敵の車輌を全て調べたのか?」

 

なにこれ、歴女のみなさん達がランランとした目で見てくる、恐い。(でも可愛い)

 

「そうだよ、敵校の所有してる車輌を調べて頑張ったよ。……あれは辛い戦いだった」

 

「「「おぉ!!!」」」

 

「では!これを覚えることができれば私達でも一騎当千の戦果を上げられるということだな!」

 

「もちろんこれを覚えるだけじゃ足りない。でも、敵の攻撃を避けたり弾いたりする技術、敵の弱点に精確に命中させる技術。これら全てを君達が自分の物にしたとき、君達は一騎当千の古強者となることは間違いないだろうッッッ!!!」

 

「「「「おぉぉぉ!!!」」」」

 

うん、歴女達扱いやすいことに気がついてしまった。

あれだ、この人達興味ある方向に持っていければノリノリだわ。だってスゴいテンション上がってるもの、ノリノリだもの。

 

「じゃ、じゃあそんな感じでみんな頑張りましょう!質問があったらその都度聞いてくださいねー」

 

よ、よし、みんなやる気になってくれたみたいでよかった!1年生達が若干引いてる気がしなくもないけど気にしない、気にしたら敗けだと思う。

 

「教官!質問だ!」

 

「はいー、今行きますー」

 

 

 

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

 

 

 

 

 

歴女達の質問攻めがスゴかったでござる。

 

「これで我々も古強者に1歩近づいたな!一騎当千の杏仁教官の指導のおかげだ」

 

「一騎当千と言えばやはりスパルタクスだな」

 

「いや、宮本武蔵だろう」

 

「関羽も捨てがたい」

 

「やはりエーリヒ・ハルトマンだろう」

 

「「「それだ!」」」

 

左右に金髪美女と赤マフラー美女、向かいにはメガネ(巨乳)美女と鉢巻き(微乳)美女という布陣。ここが天国か。

はい、そんなこんなで現在歴女達とジョイ○ルで夕飯がてら雑談中。

なぜこんな幸せな感じになっているかというと、まぁ、歴女達が盛り上がりまくってそれに合わせてワイワイしてたら勢いそのまま来ちゃいました。少佐のセリフ言いまくったけど後悔はしていない。

まぁ、キャラは濃いけど可愛いから仕方ないよね?

 

「ということで、教官は今日からハルトマンだ」

 

「どゆこと?アダ名的な感じかな?」

 

「アダ名ではない、ソウルネームだ!」

 

ソウルネームらしいです。カエサルさんがキレ気味に言うんで間違いないですすいません。

 

「ハルトマンっていうと、確かに戦闘機で撃墜数がスゴかった人だっけ?」

 

「その通り、ハルトマンはドイツ空軍のエースパイロットで、前人未到の300機撃墜という偉大な記録を持っていければ人物だ。教官にぴったりだろう」

 

なにそれカッコいい、それだけ歴女達に認められたということだろうか。うれしい。

そしてさっきから気になってるんだけど左衛門佐ちゃん(鉢巻き)が梅昆布茶飲んでるの萌える、美味しいよね梅昆布茶。

 

「そういえばハルトマン教官が言っていた敵の攻撃を弾く技術とはいったいなんなんぜよ?」

 

「おりょうちゃんいい質問した、その技術を教えるにはまず、避弾経始の説明から始めよう。避弾経始っていうのは相手の砲撃を跳弾させる技術みたいなものだね」

 

「それは装甲の角度とは関係ないのか?」

 

「もちろん装甲の角度も跳弾には重要だけど、それ以外に車体そのものを傾けることで同じように跳弾させることができるんだ」

 

俺の言葉を聞くと、皆は考え込むような素振りを見せる。と、エルヴィンさんがハッと顔を上げた。

 

「つまり、敵のいる方向に合わせて車体をその都度傾けることで敵の砲撃を常に斜面で受けるようにするということか!」

 

「そう、戦車は側面の装甲が薄い機体が多い、だけどこの技術を使えばその弱点をカバーできる。それに、相手の砲撃を1度防ぐことができればそれは多きな隙になるからね」

 

「なるほど……」

 

あぁ、楽しいなぁ、WOTで身につけた知識をひけらかすの楽しいなぁ。しかもみんなメチャクチャ真剣に聞いてくれてるから話しがいがあるよねぇ。

 

「これを我々の間では昼飯の角度と言うよ」

 

「「「「昼飯?」」」」

 

「そう、敵のいる方向を時計の文字盤の12時とすると、車体を針に見立ててだいたい1時になるように傾けると調度いい角度になるからね」

 

「おぉ!なるほど、昼飯か」

 

「興味深い」

 

「わかりやすくていいな」

 

「確かにわかりやすいぜよ」

 

あとは豚飯かなぁ、みんなが昼飯できるようになったら教えるとしますか。あんまり1度にいっぱい教えると混乱しちゃいそうだしね。

 

「ん?しかし、我々の車体は砲塔が回転しないから角度をつけたら砲撃できないんじゃないか?」

 

「確かに、敵に砲身が向かないぜよ」

 

「ハルトマン教官、その場合はどうすればいいんぜよ?」

 

「…………」

 

「ハルトマン教官?」

 

……やべぇ、忘れてた。そうだったわ歴女チームⅢ突だったじゃん昼飯使えねーわ。

あぁ、みんなの視線がどんどん冷たくなっていく気がする。やめて、そんな目で見ないで!

 

「……実は昼飯の進化系として、豚飯というものがあってだなぁ」

 

「それは固定砲塔でもできるのか?」

 

「……」

 

「「「「……」」」」

 

ジト目がこんなに攻撃力あるなんて知らなかったよ。

致し方ない、ここは戦略的撤退をするしかないか。WOTだって時には背中を見せることもあるさ!

 

「あ!逃げたぞ!」

 

「しかも流れるように伝票を持って行ったな」

 

「ありがたいぜよ」

 

「自分でも申し訳ないと思ったんだろうな」

 

くそう、なにも聞こえないし。恥ずかしくなんかないし!

 

「これから教官のことはドジっ子ハルトマンと呼ぼう」

 

「「「それだ!」」」

 

それだ!じゃねーよ!?

 




4話でしたm(__)m

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