「———ってことがあってさ」
「ふーん」
サブレは三日月にオルガの夢の話を聞かせる。
「俺たちで守らないとね」
「うん。守ろう。俺たちで」
二人はそう強く決意すると、建物の奥からタカキが急ぎ足で駆けてくる。
「何かあった?タカキ」
「三日月さん。サブレさん。さっき蒔苗さんから連絡があって……ギャラルホルンがすぐ近くに来てるって」
タカキの言葉は自然と鉄華団を次の戦場に駆り立てようとしていた。
「じゃあ、俺はそっちをってことで」
「ああ、俺は………タカキ?」
オルガとビスケットが歩いて砂浜から戻ってくると、ちょうどタカキが建物の中に急いで戻っていくところだった。オルガとビスケットは互いにアイコンタクトで意思疎通を図ると、一緒に三日月とサブレのもとに向かった。
「何があった!?」
「何があったの二人とも」
「あ、兄さん、オルガ」
「オルガ、さっきタカキからギャラルホルンがすぐそこに来てるって……蒔苗って人がオルガを呼んでる」
オルガとビスケットは互いにうなづくと、三日月とサブレに頼み込む。
「ミカ、サブレ、お前ら二人に頼みたいことがある」
三日月とサブレも互いにうなづく。
「「何をすればいい?」」
二人の言葉にオルガとビスケットは半分あきれてしまう。
「あのな……こういうときは普通「なんで?」とかよ……」
「聞かないよ……オルガとビスケットが決めたことなんでしょ?だったら俺たちはついていくよ」
三日月とサブレは何も聞かずただオルガとビスケットの決めたことに従う、かつてはそれを重いと思っていたオルガだが、今だけはとても頼もしく思っていた。
「ああそうだ。俺たちが生き残るのに必要なことだ。頼むぜ二人とも」
オルガとビスケットは蒔苗のところにたどり着く。
「いやはや……やはりお前たちはただ者ではなさそうだわい。セブンスターズの第一席イシュー家の娘に目をつけられるとは。プライドの高い女だからのう。軌道上でお前たちをとり逃した汚名を濯ぐためさぞ滾っておることであろうな」
「やはりオセアニア連邦政府でも彼らを止められないと?」
「ここは絶海の孤島。エイハブ・リアクターの使用が禁じられている都市部ならともかく情報統制も楽だろうしな。でどうするんだ?鉄華団は」
「クーデリアの身柄を引き渡したところで無事じゃ済まされないって話をしたのはあんただろ」
「はて?そうだったかのう?」
「俺たちに残された道は一つだ」
オルガとビスケットは一瞬だけ目を合わせる。メリビットとクーデリアも鉄華団が決めたことがなんとなくわかった。しかし、そこから先の言葉はビスケットが言った。
「俺たち鉄華団は蒔苗さんとクーデリアさんを連れて島を脱出します」
「それは……」
「気にすんな。俺とビスケットで話した結果だ。これが一番だってな、だろ?ビスケット」
「うん。俺たちは蒔苗さんの依頼を受けます」
「けどな爺さんこの仕事は高くつくぜ」
「結構!エドモントンのアーブラウ議会までよろしく頼むぞい。でまずはこの状況をどうするかな?」
「移動の船は私が手配します」
「はい。まだおかわりいっぱいあるからね」
鉄華団が飯を食べていると、ヤマギは不安そうに空を見上げる。
「おめぇも食っとけ、もたねぇぞ。なんか見えんのか?」
「俺たち火星に帰れるのかな?」
「んなもん決まってんだろう。そのためにまず島から出ようってんじゃねぇか」
「その後は?島を出てもギャラルホルンは俺たちを追いかけてくるんだよね?」
「そのときゃ宇宙に逃げりゃあいい」
「宇宙に出ても火星に帰っても逃げなきゃなんないのは変わんない気がする。これからずっとこんな夜が続くんじゃないかってそう思えて……」
「心配すんなって!ギャラルホルンだろうが何だろうが俺らがぶっ飛ばしてやっから‼なっ三日月!」
「うん。邪魔な連中は全部潰す。そうでしょ?サブレ」
「ああ、オルガと兄さんの邪魔はさせない」
「先の事はこの島を出てからでいいよ。ここにいたんじゃ俺たちもクーデリアも何もできない」
サブレはその場から移動しようとすると、アトラがかけてきた。
「サブレ、どこか行くの?」
「?兄さんの所に……」
「だったらこれをビスケットに」
そういってアトラはサブレに食べ物を渡す。
「ビスケットに渡してあげて、多分おなかすいてるだろうし…」
「分かった。渡しておくよ」
「船の手配は済んだのかな?」
「はい、安心してください」
「それはそれは。一体どんな男を飼ってるのやら。革命の乙女はすっかりその気のようだな」
そう言って蒔苗は席を外す。
「ごめんなさいフミタン。あなたを追い詰めたあの男と手を組まなければならないなんて……」
「気にしないでください」
「団長さんとビスケットさん。なにかあったのかしら?」
「………彼らもまだまだ子供。ちょっとしたことでぶつかってしまう。でも、そこから乗り越えることができたら。彼らは大丈夫でしょう」
「彼らを信じて、私たちができることをしなければ」
「おめぇの方は大丈夫なのか?」
「アガレスでMS隊の指揮をするだけですから。そのくらいはこなさないと」
「じゃなくてオルガとのことは……」
「もう大丈夫です。俺たちはきっと今まで以上にお互いを信じていけるはずだから。今はそれが分かるんです。これからは俺も同じように進んでいきます。俺たちは一緒に十年先の事を考えていきます」
「俺達……か、そいつを聞けりゃあ安心だ。オルガにゃおめぇみてぇなのが必要だからな」
そういうと雪之丞はビスケットの背中に阿頼耶識の機械をつけると、バルバトスの方に歩いて行った。ビスケットもそちらに歩いて行こうとするが、出入り口のところからタカキが不安そうな表情で現れた。
「どうしたの?タカキ」
「ビ、ビスケットさん、俺………何でもないです」
「なんでも話してよ」
「………俺役に立てるか不安で。ブルワーズの時も、コロニーの時も大して役に立てなかったし、団長をビスケットさんやユージンさんの代わりにモビルワーカーで移動が俺なんかに務まるの不安で……」
ビスケットは不安そうなタカキの頭に自分がかぶっていた帽子を代わりにかぶせてあげる。
「大丈夫。タカキならできるよ。タカキ、頑張るんでしょ?色々な仕事を覚えるって言ってたの嘘だったの?」
「う、嘘なんかじゃないです!今だって………でも不安で」
「俺だって不安だよ?俺なんかにMSの指揮ができるか。いまでもMSはなれないし……。でもね今のままじゃダメなんだって最近は思い始めたんだ。俺も全線で何かできるんじゃないかって。それを考えるきっかけをくれたのはタカキなんだよ?だからタカキにその帽子をあげるから、俺と一緒にがんばろ」
「あ、は、はい!俺頑張ります!」
タカキは走って去っていき、オルガとすれ違う。
「いいのかお前の帽子をあげちまって」
「いいんだ。俺の帽子でタカキが少しでもやる気になってくれれば」
二人はタカキが去っていったほうを眺める。
「お前ぐらいだよな。ガキの頃から俺の無茶に文句も言わず付き合ってくれたのは……」
(いや、違うか……お前はいつでも……)
「文句は言ってたよ、オルガが聞いてないだけだ」
「だったな。それが理由でお前がやめるって言い始めてその上お前が死んじまうんじゃ笑い話にすらなんねぇよ。ほんと……」
「だね。だったら俺たちがそれを笑い話に変えよう」
「ああ、頼むぜMS隊長」
二人が話していると今度はサブレが飯をもって姿を現した。
「兄さんこれアトラが」
「ありがとう」
そういうとビスケットは飯に手を付け、もぐもぐと食べ始める。
「サブレ、頼みがある。ミカたちを会議室に集めてくれ。作戦会議をする」
「分かった。三日月たちに伝えておくよ」
そういうとサブレは三日月たちのもとに戻っていった。
「で?作戦って?今まで通りじゃダメなのか?オルガが指揮をとるってのじゃ?」
シノをはじめ、鉄華団の主要メンバーが会議室に集まっていた。
「ああ、ビスケットと話したんだが、モビルワーカーでモビルスーツの前に出るのはやはり自殺行為だ。通信をするのにどうしても近づく必要があるしな」
「そこで考えたんだ。オルガがモビルワーカーの指揮を、俺がモビルスーツの指揮をするって。二つに指揮を分ければ、少なくともモビルワーカーの被害は少なくなると思う」
「たしかに、火星の時はひどかったもんな」
「ああ、最悪の事態を避けるためにも先の分断は必要だ。今までならそれができなかったが、今じゃ俺たちにはサブレとアガレスがある」
「異論はねぇぜ」
シノたちの同意を得られたオルガ。一安心すると、シノから問いが出てくる。
「それよりよ。おめぇらは大丈夫なのか?何人かがよ、オルガとビスケットが喧嘩してるところを目撃してるんだよ」
「ああ、見られてたんだ。もう大丈夫だよ。仲直りはしたから」
「ならいいだけどよ。おめぇらが喧嘩してるとガキたちが不安がるからよ。あとでユージンに謝っとけよ。さっき連絡があったときおめぇらが来なくて怒ってたからよ」
「分かった。それじゃあおめぇら、頼んだぜ」
島への攻撃が始まると三日月はバルバトスで外に出た。
「始まった。残ってるのはこれだけか。これ使いづらいんだよな」
刀を見ながら渋っていると、三日月はその横に置いてあるアガレスの武器であるレンチメイスに目が行く。
「……まあいいか」
と言いながらそのままレンチメイスをもって戦場に向かう。
サブレたちは最後に格納庫から出てきた。
「まったく兄さんの準備を待ってたら遅くなったよ」
「ごめん。アガレスの操作方法を勉強してたら。俺だって役に立ちたいから……」
「まあいいや………あれ?俺の武器がない」
サブレはレンチメイスを探すが、どこにも見当たらない。すると、雪之丞が下から叫んできた。
「おめぇの武器だったら三日月が持って行ったぞ」
「み・か・づ・き!」
サブレは刀を持つとそのまま走って戦場に向かう。
三日月が戦場に到着すると待っていたのはシノだった。
「来たか。あっ?それアガレスの武器じゃねぇか」
「早いもん勝ちでしょ?」
「三日月!!人の武器を勝手に持っていくな!」
「それ使いづらいし……」
「使い方を知らないだけだろ」
シノたちはそれからの攻撃を眺めていた。
「好きだねぇ。お手本通りの飽和攻撃」
「モビルスーツには意味ないってのに、無駄撃ち大好きだよね金持ちって」
「昭弘。そこから船は狙える?」
ビスケットがそう問うと昭弘はバスターライフルを構える。
「やってみる」
しかし、その攻撃は大きく外れる。
「モ……モビルスーツからの砲撃です」
「戦いのセオリーを知らん火星のネズミが……仕方ない。こちらもモビルスーツ隊を出せ!」
その間昭弘はラフタ達から文句を言われていた。
「ちゃんと狙えバカ!そんなんじゃ姐さんにどやされるよ!」
「あっいやだって……」
「地上では大気の影響を強く受ける。なにやってんだか……」
「さっきの感覚、体に残ってるだろ?それに合わせて撃てばいいんだよ」
「なるほどな!」
今度の攻撃はしっかりと艦隊に当たった。
「右舷格納ブロックに被弾!被弾部より浸水を確認!」
「上陸部隊を先に出せ。終わり次第総員退避だ!」
ギャラルホルンの船が退艦を始めるなか、ラフタ達は改めて阿頼耶識に感心していた。
「感覚だけで照準を補正するとはね」
「阿頼耶識ってやっぱずっこい」
「モビルスーツが出てきた!ラフタさんアジーさん!できれば海上でたたいてください!」
「「了解!」」
海上で戦いが行われる中少し離れたところにいたビスケット達はその様子を眺めていた。
「こりゃ俺たちの出番はねぇかもな」
しかし、そんな言葉とは裏腹にシノのモビルスーツに攻撃が当たる。ビスケット達の視線は上に向くと、大気圏を突破した敵のモビルスーツが降りてきた。
「ラフタさんとアジーさんは海から来た敵を頼みます。俺たちはこっちを」
三日月たちが降りてきたモビルスーツに攻撃を向け、落ちてくるものをひたすら回避すると、敵のモビルスーツは降り立った。
「宇宙での借りは必ず返してあげるわ。我ら!地球外縁軌道統制統合艦隊!面壁九年!堅牢堅固!」
それを言い終わる前に昭弘の攻撃が一機のモビルスーツにあたった。
「撃っていいんだよな?」
「当たり前じゃん」
「なに躊躇してんの?」
「少しかわいそうじゃないかな?」
「兄さんは黙ってる。あんな風にかっこつけるから悪いんだよ。ここ戦場だよ」
三日月とサブレがつっこむ。
「なんと……不作法な!圏外圏の野蛮人に鉄の裁きを下す!」
「鉄拳制裁!」
「鋒矢の陣!吶喊!一点突破!」
一気にモビルスーツが突っ込んでくる。
「来るよ。三日月は敵の陣形を崩して。俺たちで混戦に持ち込もう。そうすれば一気にこちらに勝機が出る!」
「分かった」
「ふふっ!踏みつぶしてあげるわ」
レンチメイスの一撃が一瞬で陣形を崩す。
「カルタ様!我らの陣が!」
「おのれ!」
「おらおら~!足が止まってんぞ!」
「今のうちに一気に攻めよう!」
「もうやってる!」
シノとサブレも敵のモビルスーツに攻撃を仕掛けていくと、グシオンからの援護射撃が入る。
「こっちにゃ阿頼耶識があるんだぜ?乱戦になりゃ……。地球のギャラルホルンだろうがなんだろうが楽勝だぜ」
「油断はできないよシノ」
「おうよ!任せとけって」
「だから油断するなって」
シノの背中に攻撃をしようとしたモビルスーツをアガレスが切って見せる。
「こいつ!フレームごと」
「ええい何をしているの!散開して各個撃破なさい!海上部隊はどうした!?」
「所属不明機と交戦中の模様!」
「ちょこまかと……」
ラフタたちは海上の部隊に苦戦させられていた。
「くっ……抜かれた。昭弘そっちに二つ行ったよ!」
敵のモビルスーツは昭弘のライフルを破壊することに成功した。
「どのみち残弾は少なかったんだ。それにこっちの方が……性に合ってる!」
「団長!ギャラルホルンの上陸部隊を確認しました。上陸部隊は屋敷の方に向かってます」
「ビスケットさんの読み通りでしたね」
「ああ、ギャラルホルンはクーデリアのお嬢さんと爺さんを無視できないはずだってのがあいつの読みだったからな。島の裏手を手薄に見せれば食いつくってな。まあ、空からやってきた部隊も含めて今のところ予想通りだ。MSはビスケット達に任せて俺たちは俺たちの仕事をこなすぞ!あいつらに心配かけさせるわけにはいかねぇからな」
「はい!」
「よしじゃあ次行ってみようか!」
「了解!」
屋敷の目の前まで敵は来ていた。
「団長からの連絡はまだか!?予想より数が多いじゃねぇか!」
「文句言ってねぇで撃ちまくれ!」
「よく我慢したお前ら。敵の誘い込みは成功だ。引くぞ」
「了解!」
鉄華団が引くと一気に敵の部隊が上陸する。
「このような無様イシュー家の戦歴に必要ない。このままでは……」
一機一機と次々にやられていくモビルスーツ隊にカルタは焦りが止まらなかった。その時上陸した部隊とようやく通信が取れた。
「カルタ様!上陸部隊が目的の拠点を制圧したと報告が」
「そうか!それでクーデリアとかいう小娘は?」
「たっ……ただいま捜査中とのことです………」
「みつけてから報告なさい!」
大きな爆発が起きたのをカルタをはじめモビルスーツ隊が確認できた。
「何が起こった!?」
「じょ……上陸部隊との連絡が途絶えました」
オルガは少し離れたところからその様子を眺めていた。
「よし。あとは揚陸艇だけだ」
「ビスケットさんたちは大丈夫でしょうか?」
「心配ねぇさ。俺たちはあいつらが来た時の為に揚陸艇を奪取するぞ!」
オルガはそのまま揚陸艇を目指して進み始める。
その間鉄華団の別動隊が揚陸艇を確保していた。
「しかし子供ばかりだというのに大した手際だな。結構結構」
「あれで沖に出れば私の手配した船が待っています。行きましょう」
「アジーさん!ラフタさん!そっちの三機は任せます!三日月、サブレ、シノ、俺たちはこっちの五機だ」
「了解!」
「そういえばエーコに海水で濡らすなって言われてたんだっけ?まっこの状況じゃ仕方ないか」
「姐さんの機体に傷つけんなっての!絶対私が怒られんじゃん!」
「残りのモビルスーツを倒せば俺たちは安全に島を出られる」
「こんの~!いい加減やられろっての!」
「シノ!足元!」
「ああっ!?うわっ!どわっ!」
シノはビスケットからの言葉でその場から急いで移動する。
「怖気づいたな!もらった……」
ビスケットはアガレスの電磁砲で足場に仕組んだ爆弾を起爆させる。すると足場を失ったモビルスーツは一気に下に落ちていく。そして、シノは身動きが取れなくなったモビルスーツに容赦のない一撃を食らわせる。
「カ……カルタ様~!」
「こんな戦い……私は認めない!」
三日月の容赦のない攻撃にカルタは防戦一方だった。アガレスや流星号も着実にモビルスーツの数を減らしていく中、カルタにはもう自分を守ってくれるような部下はいなかった。
「こんなところで……負けるわけには………。こんなの違う……私は恐れない!た、助けて……マクギリス」
「!!」
「今、マクギリスって……あの人の名前」
三日月とビスケットはその名前に反応すると、そんな三日月に牽制の攻撃が入る。キマリスが戦場に割って入る。三日月とカルタの間に入ると、そのままカルタを回収し、その場から離脱していった。三日月が追おうとするが、それをビスケットが止めた。
「追わななくていいよ三日月。俺たちの戦いは終わった」
「そっちは無事?」
ラフタ達も戦闘を終え、三日月たちに合流した。すると、雲行きが怪しくなってきた空から雨が降ってくる。
「俺たちもオルガと合流しよう」
「マクギリス……助けに来て……くれたのね………マクギリス」
ガエリオは自分がマクギリスではないとは言えなかった。
「ああ。そうだ」
「私は……不様だった………」
「そんなことはない。お前は立派に戦ったよカルタ。だからもう安心しろ。まずは傷を……」
「あり……が……とう。マク……ギリ………」
「カルタ……ゆっくり休むといい。あとは俺たちが……」
ガエリオは最後まで嘘をつき続けた。
オルガたちは雨の中、揚陸艇の前でモビルスーツ隊を待っていた。
「ビスケット……無事だよな?」
オルガがそんな心配をする中アトラは戦場から音が完全に消えたことに気が付いた。
「音が消えた」
「どうか皆さんご無事で」
クーデリアが祈っていると、ラフタとアジーが先に姿を現した。
「お待たせ」
「待たせたね」
続いてシノと昭弘も姿を現し、最後に三日月とサブレ、ビスケットも姿を現した。
「オルガ!こっちは大丈夫だ!行こう」
無事な姿を見届けると自然とオルガの表情に笑顔がこぼれた。
「ああ!行くぞお前ら!」
鉄華団の足並みは強く、別の未来に向けて歩き始めた。
どうだったでしょうか?面白いといっていただけたら幸いです。今回は島での戦いと並行して最後の嘘の話も少しだけ入っていました。いよいよ、一期の話も大詰めです。
次回のタイトルは『道』です!