ご注文はチョットした人生のやり直し?ですか?   作:IS提督

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ご無沙汰してます。
IS提督です。
長らくお待たせ致しました。

暫く振りですが、最後まで読んで頂ければ幸いです!
それではどうぞ!


第48話 お誘い

第48話 お誘い

 

「.....」

 

「.....」

 

「え、えっと、正ちゃん?リゼちゃん?」

 

「....」

 

「.....」

 

ココアが正一とリゼに発した声は虚しくも2人の元には届かなかった様だ。

 

「...悪い、珈琲豆を取ってくる」

 

そう言うとリゼは珈琲豆の保管されている倉庫の扉を開く

 

「しょ、正ちゃん、チョットコッチいい?」

 

「どうかしましたか?」

 

バタン!

ドアが閉まる音と同時に

恐る恐るといった雰囲気を出しながらコッチコッチと手招きをするココアに正一は駆け寄る。

 

「リゼちゃんと何かあった?」

 

「...」

 

思い当たる節は有る。数日前に俺の部屋でリゼと話して居た事が原因の正体だろう。

 

「一応あると言えば有ります」

 

「やっぱり!もー!ダメだよ正ちゃん!リゼちゃんを困らせちゃ!」

 

いや、別に一概に俺が悪いって訳じゃ無いんだけれどね?

 

しかし、リゼとこうなった原因が原因だけに、正一自身この事を口にできる筈も無く苦笑いをするしか無かった

 

「おい、お前ら」

 

ビクゥ!! 正一とココアの肩が大きく揺れる

 

「リ、リゼちゃんいつの間に?!」

 

「私に隠れて私の事をコソコソと...その根性を叩き直してやる!」

 

そう言うとリゼは銃を抜き正一とココアに銃口を向ける

 

「リ、リゼちゃんの悪口を言ってた訳じゃ無いよ!」

 

「何?」

 

「そ、そうですよ!ココアさんは私とリゼさんの距離感を心配してくれて居たんですよ!」

 

「そうなのか?ココア」

 

そう言うとリゼは銃口を再びココアに戻す。

 

コクコクコクコク!

再び銃口を向けられたココアは、頭が吹き飛ばんばかりの勢いで頷いて居た。

 

「そうか、済まないことをしたな」

 

そう言いリゼは制服の中に銃を仕舞う。

 

「リゼちゃんがそう言う事を疑うって珍しいね?」

 

ココアの言葉を聞いたリゼは少し寂しそうな顔をした後、言葉を紡ぐ。

 

「それは...」

 

「それは?」

 

「...最近、ココアとチノが私から距離を置いて私の事をハブッているような気がして...」

 

言葉を少し詰まらせながら理由を言うリゼ。

やはり、いくら年上で男勝りな性格で、その様な友人との距離感等を余り気にしてない様な素振りを見せていたリゼであるが、やはりそこは年上と言えど、年相応な部分を見せるリゼにココアは少しビックリした様な表情を向けるが。

 

「も〜、リゼちゃん、私とチノちゃんはそんな事しないよ!」

 

「そ、そうか?」

 

「そうだよ!そもそも私とチノちゃんが、リゼちゃんと正ちゃんに声を掛けられなかった理由は2人の間に有った距離感のせいだからね!」

 

そう言うとココアはリゼと正一の丁度中間あたりに指を指す。

 

「そもそも、何で正ちゃんとリゼちゃんはお互いに距離を取ってたの?」

 

「エット...それは...」

 

リゼと正一、2人同時に言い淀む。

ココアと正一達、2人の間に何とも言い難い沈黙の時間が流れる。

 

「それはだな...えっと...」

 

最初に沈黙を破ったのはリゼであったが、その沈黙を破った理由は、気まずさがリゼ自身を支配したからだろう。

 

「それはですね、私の恋バナの話をリゼさんにしたからですよ」

 

「え?」

 

唐突な正一のカミングアウトにリゼとココアが声を漏らす。

 

「私がリゼさんに解決方法を聞いたんですけれども、お互いに満足いく解決方法を探し出せずに、そのまま2人の間に変な距離感が出来てしまって.....、ね?リゼさん」

 

そうい言うと同時に正一はリゼの目を見て、アイコンタクトを送る。

 

「え、あ、あぁ、実はそうなんだよ!ごめんな正一!ちゃんとした答えが出せなくて」

 

「いえ私こそ、その様な話を他人にした時点で少し間違っていました。」

 

正一はそもそも、恋や恋愛に付いては常に否定的な意見を持っており、いちいち恋に恋する年頃であるリゼの様な人物にはこの様な相談事はしないのだが、嘘も方便、この様な話で在れば誰も疑問を持つことなくこの話に収集を付けることが出来る。

そう考えた正一は何一つ顔色を変えることなく『息を吐くように』嘘を付く。

 

「へ、へぇ...そうなんだ...正ちゃんが恋バナ...何で正ちゃんは私に相談してくれなかったのかな?...………………………................................................」

 

「コ、ココアさん?」

 

「だ、大丈夫か!?」

 

「ん?...どうしたの?リゼちゃん?」

 

目の光が消え、ブツブツと聞き取れない言葉を繰り返すココアにリゼは少しばかり恐怖を抱いたが、当の本人は何事も無かった様に振舞って居る。

 

「...それにしても正一さんのこ、恋バナですか」

 

「?! チ、チノ?!いつから居た?!」

 

突然チノがカウンターから声を飛ばす

 

「最初からいました。誰がさっきまで珈琲を入れていたと思ってるんですか?」

 

「それはそうなんだが...。さっきまでチノも含んでいた話題を話して居た時に会話に入って来なかっからな?」

 

「それは、ココアさんが私の言いたい事を全部話してしまったからです」

 

「........」

 

何故かまた、重たい空気が場に流れる....

主に、ココアとチノから...

 

「そうだ!正一は今日の夜空いてるか?」

 

「夜の予定は全く無いので問題無いですよ」

 

「親父が相談事について話したいみたいなんだ」

 

「分かりました。何時にリゼさんの家に行けば良いですか?」

 

「それに付いては問題ない。仕事が終わったら家に迎えを頼む」

 

「分かりました。」

 

「そうだ!もし良かったらチノとココアもどうだ?」

 

「え? 私達も行っても良いんですか?」

 

「本当!?リゼちゃん?」

 

「あぁ、勿論」

 

「やった!チノちゃん!一緒に行こうよ!」

 

そう言うとココアはチノに抱きつく。

 

「リゼさんが良いのであれば...」

 

「良し、じゃぁ決まりだな!」

 

「はい、お願いします」

 

「じゃぁ、チョット連絡して来る」

 

そう言うとリゼはスタッフオンリーと書かれて居るドアを潜る。

 

「って....ココアさん暑いです。離れて下さい」

 

チノはココアを押し離す。押し離されたココアは残念そうな顔をするが今度は近くに居た正一に抱きつく

 

「コ、ココアさん、暑いですって」

 

先程のチノと同じ様な事を言いココアを話そうとする正一だがココアが力強く抱き締めている為中々離す事が出来ない。

 

「えぇ〜、でも正ちゃん 抱き心地良いよ?」

 

「汗をかいてて臭いですから離れて下さい」

 

「そんな事ないよ!正ちゃんはいい匂いだよ!」

 

「....」

 

「チョッ、チョット離れて下さい!鼻血が!」

 

何を思ったのだろうか、正一の鼻から一筋の赤い筋...

 

「ココアさん!いい加減、正一さんから離れて下さい!」

 

「あぅ、...ごめんね正ちゃん」

 

「全然問題ないですよ....チノちゃん、有難うございます」

 

「ココアさんは早くテーブルを拭いて下さい!正一さんは早く血を止めて下さい!」

 

そう言うとチノは乱暴にティッシュボックスを正一に渡す。

 

「あ、有難うございます...」

 

早速チノから受け取ったティッシュを鼻に詰める

 

今の行動の中に何か不快にさせる事があったのだろうか?...

 

「チノちゃん機嫌が悪いね。何か悪い事しちゃったのかな?」

 

正一の近くのテーブルを拭きに来たココアが落ち込みながら小さな声で尋ねる。

 

「さぁ...?」

 

女性の心は山の天気の様だ...と聞くが、本当にわからないな...。

 

 

続く




今回は三人称視点です。
…そうです、三人称へのリベンジです。
毎回、物語が淡々としていますが、今回は特に淡々とし過ぎているような気がします。まだ、あまり上手に三人称視点を使う事が出来ていないせいですかね…。
そこで、この作品を読まれている方にお願いがございます。
もし宜しければ、三人称視点の場合、此処をこうした方が良い、此処はもっと詳しく書いた方が分かり易い、等の事などが有りましたら、是非、アドバイスをして頂けると幸いです。
他力本願では御座いますが、どうか作品の品質向上の為、お付き合いを頂ければと思います。
長文になってしまい申し訳御座いません。

それではまた次回まで

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