ご注文はチョットした人生のやり直し?ですか?   作:IS提督

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第46話 美しく哀れな兄妹愛

…話す前に 1つ確認ですが 皆さんは150年前に起こった 一大テロは分かりますか?

はいはーい
私、知ってるよ!
少年達が国に敵対して抵抗したヤツだよね?

国に敵対して抵抗?

アレ? 正ちゃん知らないの?

えぇ、まぁ...私が知ってるのとは...
...まぁ、ソレは置いといて..
ココアさんが知ってるって事は 皆さんも知ってますね

正ちゃん、どういう意味?

だって ココアさん 歴史とか苦手じゃないですか…

そんな事ないよ?

...1945年8月15日は何の日だか言えますか?

...え、え~と

はぁ...
まぁ、そういう事ですよ…
...とまぁ、茶番はここまでにして 本題に移りましょうか...

....時は遡り 約150年前

天才的な頭脳を持っていた妹と
天才的な戦闘センスを持っていた兄が『少年少女が所属している部隊』に居ました....」

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第46話 美しく哀れな兄妹愛

~~約150年前~~

 

とある一室

 

ガチャ!!

 

トトト...ギュゥ

 

女の子「春樹(はるき)お帰り」ギュゥ

 

春樹「...ただいま

それと...美香(みか)離れろ」

 

美香「なんで?」

 

春樹「俺、お前の、お兄ちゃん 解る?

ドゥーユーアンダァースタン?」

 

美香「何言ってるの?

私が妹なら春樹は兄貴でしょ? 」ギュゥ

 

春樹「...俺の言いたい事 分かってくれないのな...」

 

美香「?」キョトン

 

春樹「あぁ、もう クソ可愛いな!」ギュゥ

 

コンコン

 

ガチャ‼︎

 

「此処にいましたか…大尉

ってか、相変わらずですね…」

 

春樹「まぁな

羨ましいか?」

 

「はぁ…」

 

春樹「我慢しなくても良いんだぞ~ 熊ゴリラ」

 

美香「熊ゴリラさん どうしたんですか?

今は春樹成分を摂取してるんで後にしてちょうだい」

 

「熊ゴリラが定着してるし...

 

仕事じゃ無かったら此処には来ない

...どうだ?『ナノマシン』の製造は?」

 

美香「...ボチボチと言ったところかしら

 

これが 報告書よ」

 

そう言い 茶封筒を投げ渡す

 

「おいおい…

一応は『機密』情報の報告書なんだから 丁寧に扱ってくれよな…」

 

美香「私が心を込めて接するのは春樹だけよ

 

それ以外はゴミよ」

 

「お前なぁ…

その事を大佐の前で言うなよ…」

 

美香「何でよ?」

 

「え?分からない?」

 

美香「わかってるなら聞き返さないわ」

 

「...そりゃあ、大将はお前の事がs...」

 

ビーッ!!

 

春樹「!」

 

「!」

 

所属不明部隊が 本地域に接近

第一班・第二班・第三班・第四班は至急出撃せよ!!

 

繰り返す!........

.....

..

.

ーーーーーーーーーーーー

春樹「だとよ 第一班の『戦闘援護兵』さん?」

 

「はぁ...

美香 悪いんだけれど報告書を代わりに提出してきて欲しいんだけれど…」

 

美香「しょうがないわね」

 

「恩に着る」

 

「では 行って来ます」

 

春樹「准尉!!」

 

「?」

 

春樹「武運を」

 

「」ビシッ

 

ガチャ!!

 

タッタッタッタッタ....

 

 

美香「大丈夫かしら?アイツ...」

 

春樹「まぁ、アイツの事だから何事も無く帰って来ると思うさ

 

ソレよりも...」

 

美香「?」

 

春樹「お前 また、ハードなスケジュールを組んで研究してるだろ」

 

美香「っう...だ、だって!」

 

春樹「だってじゃない

体を壊すぞ?」

 

春樹「ソレに 完成品を提出する期限はまだまだ先の筈だろう?

何をそんなに焦ってるんだよ?...」

 

美香「...」

 

美香「...このナノマシンが完成するとどうなると思う?」

 

春樹「?」

 

美香「このタイプのナノマシンはより深く他人と繋がることが出来る...」

 

春樹「他人と?」

 

美香「...無線機を超えた繋がりがあれば 連携を密にとる事が出来る」

 

美香「そうすれば 春樹が私の所に帰って来る確率が上がる

だから私は多少無理をしてでも作るの」

 

春樹「...」

 

春樹「...それでも」

 

美香「?」

 

春樹「それでも俺は 美香には無理をして欲しくない」

 

美香「...」

 

春樹「美香が俺の事を思ってくれて 一生懸命にしてくれるのは正直言って

かなり嬉しい」

 

春樹「でも...」

 

美香「でも?」

 

春樹「それで無理をして身体を壊しでもしたら 俺は...」

 

春樹「コホン...兎に角

美香が俺の事を心配してくれるのと同じ様に

俺も美香の事が心配なんだよ...」

 

美香「春樹...

...でも

でも後もう少しで完成なの!

もう少しで良いから私に無理をさせて!」

 

春樹「...どうしてもか?」

 

美香「....」

 

春樹「....」

 

美香「....」

 

春樹「はぁ...わかったよ」

 

美香「春樹!」パァァ

 

春樹「ただし!...

俺も手伝う...

...それが条件だ」

 

美香「良いけど...春樹この分野得意だったっけ?」

 

春樹「.....お茶出しなら自信が...ある...筈?」

 

美香「...何で私に聞くなのさ?」

 

春樹「さぁ?」

 

美香「でも、宜しくね!

春樹!」ニコッ!

 

春樹「!!

おう!任せとけ!」

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

ソコからの2人の仲は更に急速に深まって行きました

 

元より普通の兄妹よりも仲が良く部隊の中でも『あの兄妹が付き合って居る』と言う噂が有りましたが

その1件から『恋人』から 『夫婦』と言う噂になって行きました

 

勿論...と言っても良いのかは解りませんが 熊ゴリラと呼ばれて居た人も又

そんな2人の姿を見て『夫婦』と からかって居ました

 

...それ程2人の仲は第三者から見てもより深い物になって行きました

 

2人の兄妹にとっても、その様な近い距離感はとても心地よく安心出来ると感じて居ました

 

...しかし、ソレから数ヶ月経った在る日

 

 

 

 

妹の美香が殺されました

 

 

 

 

言い忘れて居ましたが 彼の両親はテロ行為に巻き込まれて既に他界していましたし

親戚同士の仲も悪かった様で 春樹さんが四歳の時には既に絶縁をして一切の関わりが取れずにいたそうです

 

その様な理由から たった1人の家族であった妹が居なくなってしまったのですから

春樹さんのショックは想像を絶する物だったのだと思います....

 

...その事から1週間が経つか経たないかの時に 1人の『外部交渉最高責任者』が殺されました

 

大凡の殺害過程は手足を撃たれ身動きが取れなくなった所をナイフで『生きたまま切り刻んで殺し』最後に科学薬品を掛けて焼くと言った手口でした...

 

直ぐに軍の中で取調べが行われました

 

が...犯人と思われる人物を完全に割り出す事が出来ませんでした

 

その頃には敵対して居る組織からの攻撃が激化し始めて居ましたから 犯人探しに充分な時間が取れませんでした

 

犯人探しに満足な時間を取れず 犯人も犯人の狙いは被害者に対して かなりの怨みがある事しか解らず 最低限の対策しかされて居ない中

 

遂に2人目の犠牲者である『開発部長』が殺されました

 

殺害の手口は前回と同じでした...

 

それを筆頭に次々と研究開発部門の関係者と外部機関の交渉部門の関係者が殺害されて行きました

 

そして遂に軍から

『連続殺人犯を排除せよ』

との命令が降りて来ました

 

『俺達は警察じゃない』

 

誰もがそう呟きました

 

しかし、軍の命令は絶対ですから 彼らは任務を遂行すべく 行動を起こして居ましたが、軍のその道の専門家が内部の取り調べでも全く成果が無いのに ソレを一般の兵士達でやれ と言われた訳ですから ほとんどの兵士はお手上げだったと思います

 

しかし、以前に 熊ゴリラと呼ばれて居た兵士...彼だけは犯人への大凡の目星を付けて居ました

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ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

コンコン

 

ガチャ!

 

???「俺はまだ一言も入る事を許可して無いんだがな…」

 

「まぁ、そんな事を言わずに...

私と貴方の

仲じゃ無いですか

 

...春樹大尉」

 

春樹「まぁ、な...

 

...そういう事か...

お前の要件は お前の言葉遣いや雰囲気でわかったよ」

 

「...今回の一連の連続殺人犯は貴方ですか?」

 

春樹「...もし そうだとしたら?」

 

「...こうするまでです」

 

ゴトン! ゴトン!

 

シュゥーー!

 

ッバーン!!!

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

パァン!

 

春樹「ッツ!」

 

銃声と共に力無く春樹の体が倒れ込む

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ...」

 

春樹「..ヤッパリ..お前は..強いや...」

 

「ハァ、ハァ、ハァ....スゥー..ハァー

...そりゃ、どうも...」

 

春樹「......」

 

春樹「なぁ…〇〇..何で...俺が.,こん..な事を..やったのか...解るか…?」

 

「...大凡の検討は付いてます」

 

春樹「じゃ、コイツ..を お前に...」

 

「?」

 

「随分と血塗れですね」

 

春樹「中を...見れ..ば解る...

...答え..合わせの意味で....見てくれ」

 

春樹「なぁ…〇〇...」

 

「...」

 

春樹「タバコ...持っ..て無いか?」

 

「...生憎 貴方が嫌いなジタンしか持って居ませんよ」

 

春樹「最初で最後の..勝者から...貰った..タバコだ...贅沢は..言わないさ...」

..........

.......

...

.

ジュボッ!!

 

春樹「...」フゥ...

 

「...」

 

春樹「もし..次に..生まれ...変われる..なら..人間...は イヤだな...」

 

「....」

 

春樹「犬..は、美香が...嫌いだ...し」

 

春樹「猫は...俺が..苦手..だし」

 

春樹「もし..成るなら...美香..が.好きな...『兎』に...成りたい..な」

 

「成れるように 祈りますよ...」

 

春樹「そう...か..」

 

春樹「...もう 満足だ...」

 

「そうですか…」スク

 

春樹「...一思いに...な?」

 

「...」カチャッ

 

春樹「~~~~」

 

「~~~~~~~~~」

 

春樹「~~~~~~~~~~」

 

「~~~~」

 

『~~~~~~~~~!!』

..............................

.........................

....................

...............

..........

.....

...

..

.

 

パァン!!!

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

〇〇准尉へ

 

君が俺の元に来ることは最初から分かって居た

 

前置きはここまでにして

 

美香が作って居たナノマシンは無事完成したが上の人間の1部は そのナノマシンを使って金を儲けようとしたが 美香がその事を事前に察知して対策を建てたが...

 

その報復として美香は殺された

 

同士を手にかける事は有ってはならない事で有り ソレをすれば俺も奴らと同類になる...

だけど、どうしても俺は奴らに対する怒りを抑える事が出来なかった...

 

考えて見ろよ

 

国の為、兵士の為を思って作ったモノを金儲けに使おうとし、それを阻止した人間を報復の為に殺す

 

有り得ないだろ?普通?

 

だから 俺はどんなk...

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

残念ながら、ソコから先は血が滲んで文字が読めなかったそうです

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

 

~数日後~

 

「今日も来ましたよ」

 

春樹さんと美香の墓には かつては『熊ゴリラ』と呼ばれて居た者が今日も墓を掃除しに来ていた

 

「まぁ、と言っても自分を殺した相手に墓を掃除されてもさほど嬉しくないでしょうけれども...」

 

そう言いながら彼は墓を掃除していく

 

「そう言えば、今回の件で貴方に二つ名が着いたんですよ」

 

「『切り裂きの春樹』って

いやね...なんと言うか…うん

ここまで来ると逆にセンスを感じますよ」

 

「第一班の連中なんて皆、笑い転げてましたよ」

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

「さて、と 俺はこれで」

 

そう言い彼は手を合わせ目を瞑る

 

そして再び目を開ける

 

「ん?」

 

墓の前には、何処から来たのか分からない兎が鎮座していた

 

「この兎...一体何処から?」

 

彼は周りを見渡すが 何処を見てもこの目を瞑っていた短い間で目の前に来れる様な場所は無い

 

「もしかして…貴方は...」

...............

..........

.....

..

《春樹『もし..成るなら...美香..が.好きな...『兎』に...成りたい..な』》

..

.....

..........

...............

 

「...」

 

「そうですか…

春樹さん」

 

「....切り裂きの春樹...

イヤ...切り裂き兎....

イヤ...それも違うか...

....差し詰め『切り裂きラビット』ってところか...」

 

「...」

 

「.....」

 

「そろそろ、私は行きます」

 

そう言い彼は墓に背を向け歩き出した

 

 

...ふと、何故か さっきの兎が気になり 振り向いた

 

 

 

 

「...最後は報われた..

ですかね..」

 

 

 

 

彼の視線の先には何処から来たのか解らないもう1匹の兎と仲良さそうに身を寄せあって居る兎の姿があった....


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