ご注文はチョットした人生のやり直し?ですか?   作:IS提督

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待ってた人が居てくれたかは分かりませんが
大変遅くなりました!


第34話 地元1⑧

第34話 地元 1 ⑧

 

~川にて~

 

ココア「美味しい~

正ちゃん、アーンして!」

 

正一「いや、自分1人で食べられますから...」

 

ココア「良いから 良いから

はい! アーン」

 

そう言うとココアは俺の口元に焼けた肉を持ってくる

...このままココアの肉を食べなければ ずっとココアは 俺の口元に肉を運び続けるだろう

 

...事実 先程からずっと拒否し続けて居るのにも関わらず ココアは俺の口元に肉を運び続けているからだ

 

正一「いただきます…」パク

 

ココア「どうかな?...」

 

正一「美味しいですね」

 

ココア「えへへ~

もっと焼いてくるからまっててね」

 

正一「了解です」

 

ミク「うん、やっぱり皆で食べる食事はいつもと違う美味しさがあるね

正くん」

 

正一「えぇ、全くもってその通りですね...」

 

ミク「どうしたんだい?

余り 乗り気では無いような感じだけれども」

 

正一「いえ そんな事は無いんですけれども

展開が急と言いますか…」

 

ミク「あぁ、そういう事か

つまり 僕の父さんの行動力に面食らった訳だね」

 

正一「えぇ...

本当に凄いですよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数時間前

 

ミクパパン「アレ? 正一達って明日帰るんだよな?」

 

正一「えぇ、明日の昼頃には向こうに着きたいので朝早くに此処を出ます」

 

ミクパパン「って事は 今日が最終日って事だな?」

 

正一「そうなりますね」

 

ミクパパン「そうか...」

 

ミクパパン「...よし」

 

ミクパパンはそう言うと大きな声を出して 2階に居るココアに向かって声を出した

 

ミクパパン「ココア!お前ら今日で地元とサヨナラするんだろ?

どこ行きたい?」

 

「.....」

 

暫くの間沈黙が有ったが

 

ココア「皆と川で遊びたい!」

 

ココアも負けじと大きな声で返事をする

 

それを聞くと ミクパパンは満足そうに頷き

 

ミクパパン「よし分かった!

30分で準備な!

 

...お前もだぞ 正一」

 

そう言い残してミクパパンは家を出ていった

 

そして 30分後には 満足そうに大量の肉と野菜と酒を持ったミクパパンが俺達を迎えに来た

 

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ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

ミク「所で 正くん」

 

正一「ん? なんですか?」

 

ミク「ココ最近 ココアに何かあったのかい?」

 

正一「...どうしてそう思ったんですか?」

 

ミク「この前君たちに会いに行った時のココアとコッチに戻ってきたココアの雰囲気や行動が違う気がするんだよね」

 

正一「...」

 

ミク「正くん 知ってるかい?

人っていう生き物は辛い事なんかがあると」

 

正一「あると?」

 

ミク「誰かに依存するんだよ…」

 

正一「!」

 

ミク「どうも僕にはココアが君に依存し始めて居るような気がするんだよ」

 

正一「...」

 

ミク「まぁ コレは君達の問題だから 僕がどうこう言う事じゃないけれども…」

 

ミク「まぁ 辛気臭い話はここまでにして 今日は一杯楽しもうよ!」

 

正一「えぇ 勿論ですとも!」

 

 

...ママンもそうだったしミクもそうだ

 

何故 女性ってのはこういう事に鋭いのだろうか...

 

不思議だな…

 

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午後4時

 

ミク父「よ~し、そ~ろそろ帰るからみ~んな~車に乗れ~!」

 

全員「「「はーい」」」

 

ミクママンが怪しげな口調で指示を出したので俺たち 大人も含む全員が車に乗るのだが…

 

バタン

........

.....

...

.

 

....アレェ?

酒臭い気がするんだけれども 気のせいか?

 

正一「....」

 

...心做しか 大人共の感じがシラフじゃ無いし

 

ってかベロンベロンじゃねぇか!

 

...頼む!無理だと思うけど気のせいであってくれ!

 

ココア「ねぇ 正ちゃん...

なんだか お酒の匂いしない?」

 

正一「気のせいであって欲しかった…」

 

ココア「どうしよう…」

 

正一「どうしましょう

…ミクちゃんも解決方法があったら教えてください」

 

俺とココアとではどうにも良いアイディアが出ないと悟り 1つ前の座席に座って居るミクに助けを求めるのだが…

 

ミク「...」

 

正一「あの~ ミクちゃん?」

 

ミク「...」

 

俺は不審に思いミクが座って居る座席を見る

 

正一「あぁ...

これは駄目だわ...」

 

そこに居たのは 一升瓶を抱えて 気持ち良さそうに 寝ている ミクの姿があった

 

飲んじゃったのね...それ…

しかも結構な量を...

 

ココア「正ちゃんどうだった?」

 

正一「ダメですわ…」

 

ってかこの車内かなりカオスなんだけれど…

 

ミクママンと保登ママンとミクは寝てるし

 

保登パパンは自分1人の世界に入ってるし

 

ミクパパンに付いては

 

ミクパパン「あれぇ~w

エンジンってどうやって掛けるんだっけ~w」

 

...もうお手上げですわ

 

正一「...しょうがない

僕が運転しますか」

 

ココア「え?! でも正ちゃん免許持ってないよね?!」

 

正一「まぁ "今は"持って居ませんけど...」

 

ココア「だったら運転しちゃダメ!」

 

正一「だったら どうやって帰りますか?

運転できる人は見ての通りですよ」

 

ココア「車中泊はどうかな?...」

 

正一「それは余り良い考えじゃ無いですよ」

 

俺はそう言い ココアに時計の数値を見せる

 

ココア「正ちゃん どういう事?」

 

正一「これは リアルタイムで気圧を測っているんですけれど…

今のhpaの数値が低いんですよ」

 

ココア「って事は...」

 

正一「今日の天気予報でも言ってましたが

これから結構な量の雨が降りますし

場合によっては ダムが放水するかも知れません」

 

ココア「.....」

 

正一「....」

 

ココア「じゃぁ....」

 

正一「?」

 

ココア「じゃぁ 私が運転するよ…」

 

正一「出来ます?」

 

ココア「...やるだけやって見るよ」

 

正一「じゃぁ まずは 一番前に座ってるパパンsをどうにかしないとですね」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

正一「さてと...

じゃぁ ココアさんお願います」

 

そう言うと運転席に居るココアが頷いた

 

ココア「じゃぁ エンジン掛けるね」

 

そう言い ココアは鍵を回すのだが…

一向にセルモーターの回る音がしない

 

ココア「どうしよう 正ちゃん...

エンジンが掛からないよ...」

 

正一「ココアさん落ち着いてください

オートマの場合はブレーキを踏みながら鍵を回して下さい」

 

ココア「う、うん解った..」

 

そう言うとココアはブレーキを踏みながら鍵を回す

 

すると セルモーターの音と共にエンジンが掛かった

 

ココア「やった!

正ちゃんやったね!」

 

正一「その調子ですよ」

 

正一「じゃぁ次は...

雨が降って来たのでワイパーをお願います」

 

ココア「分かったよ」

 

そう言いながらココアはレバーを下げたのだが

 

カチカチカチカチ

 

正一「.....」

 

ココア「.....」

 

正一「...なんでワイパーじゃなくて ウィンカーを付けるんですか…」

 

ココア「あは、あははは....」

 

正一「もしかして ココアさん

運転の仕方以前に車の扱いも分からない感じですか?」ヤレヤレ

 

ココア「言わないでェー!」

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

ココア「...なんで正ちゃん 運転出来るの....」

 

正一「ココアさんが知らなすぎるだけですよ」

 

ココア「そんな事無いよ~」

 

いやいや 実際問題 ココアの知らなさは異常だぞ...

 

普通は助手席に座って居れば意識せずにもある程度の事は覚えるはずなんだけれどな…

 

ココア「....」

 

正一「....」

 

そんでもって

なんで空気が重くなるんだよ…

別に爆弾発言はした覚えは無いぞ…

 

確かに 雨の日+遊び疲れた ってのが合わさると テンションが下がるってのも納得出来るけど...

けども...

なんでここまで空気が重くなるんだよ!

 

.....もしかして イジメの辛さが舞い戻っちゃった?

 

ココア「ねぇ 正ちゃん...」

 

ヤベぇ...

何か知らんけど ヤベぇ...

ハンドル握ってる手が汗で濡れる…

 

正一「何ですか? ココアさん」

 

ココア「正ちゃんって色々と不思議だよね」

 

!??! えっ、どういう事?

 

正一「藪から棒にどうしたんです?」

 

ココア「えぇと 別に変な意味じゃなくてね

なんと言うか いつも『 心ここに在らず』...みたいな感じで いつも何か別の...遥か遠くを見ているような気がして...」

 

正一「そうですかね?」

 

ココア「うん...」

 

正一「要するに 私が何を考えて居るのかが理解出来ないって事ですか?」

 

ココア「うん...」

 

あぁ、良かった…

悲しみがぶり返したかと思った...

 

正一「えぇと...何を考えてるのかなぁ…

う~ん...」

 

ココア「あ、いや 別にそこまで考え混まなくても大丈夫だよ?

ただ...」

 

正一「ただ?」

 

ココア「...いつも正ちゃんは前向きだから

どうすれば 正ちゃんみたいに常に前向きになれるのかなって...」

 

正一「そうですねぇ...

どんなイヤな事でも 自分にとってプラスの事を考える...ですかね」

 

ココア「でも 嫌な事って プラスに考えられないよ?」

 

正一「先ずはその考えてを取っ払わないと

...嫌なことは自分にとっての活路ですね

嫌な経験をすれば イヤな事についての耐性がつきますし

何よりも対処法が身につきます」

 

ココア「正ちゃんって 結構深い事考えてるんだね…」

 

正一「伊達に十数年生きてませんからね」

 

ココア「...」

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

 

まぁ ココアの言う心ここに在らずってのはあらかた間違っては居ないと思う...

 

自分が何故ココに来たのか?

ココで何をすべきか?

何が正しいのか?

自分以外にも同じ状況下に居る人が居るのか?

 

こんな事ばかり考えて居る...

 

...確かに こんな事はココアに分かる訳は無い

よって、幾ら俺自身がこの事に対して現実味を帯びた考えを持ったとしても 根本がココアにとって現実離れしている為 ココアには理解できないだろう

 

...もし仮に出来たとしたら

ココアにとって俺は不思議な存在では無く

一般的な存在になるだろうな…

 

まぁ、もしも仮に理解出来たとしても

その時はココアがココアじゃ無くなるだろうけどな...

 

 

続く


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