ご注文はチョットした人生のやり直し?ですか?   作:IS提督

32 / 55
何を書きたかったのだろう?(切実)


第31話 地元 1 ⑤

第31話 地元 1 ⑤

 

ーーーーーーーーーーーー

正一「...」

 

ココア「やっぱり私って駄目駄目だよね…

こんな事で逃げ出しちゃ...」

 

そう語るココアの目尻には涙が溜まっていた

 

正一「別に 逃げることは 悪い事じゃ無いと思いますよ」

 

ココア「え?」

 

正一「きっと 私自身もココアさんと同じようになってしまったら 逃げますね」

 

ココア「でも逃げちゃうって事は...」

 

正一「確かに 逃げること悪い事だと言われて居ますが 私はそうは思いませんよ

ただ...」

 

俺はそう言い 一旦間を置き

そしてまた口を開く

 

正一「ただ...いくら何でも 逃げすぎはよくありませんがね

1度逃げたら直ぐに戦いに行く事を忘れては行けませんよ」

 

ココア「私の判断が間違っていない?

でも あの時 逃げる以外にやれる事があったはず...」

 

正一「...では その時 貴女は何が出来たと思いますか?」

 

ココア「私に出来たこと...

...携帯に送られて来たメールの誤解を解くこと」

 

正一「ですね」

 

ココア「でも逃げちゃった...」

 

正一「確かに1度逃げてしまうと収拾が付かなくなってしまいますね

コレが逃げてしまう事のデメリットです

が...」

 

ココア「?」

 

正一「逃げることのメリットは

体制を立て直すことが出来ることです」

 

ココア「...」

 

正一「逃げて居るだけでは解決はしませんが

逃げることによって ある程度 精神的に余裕を生むことが出来ると思います

どんなに精神的に強い人でも 抱え込み過ぎると 可笑しくなっちゃいますからね」

 

ココア「うん...」

 

正一「ココからが1番難しい問題です...

1度逃げてしまうと もう1度 同じ問題に立ち向かう事が難しくなるということです」

 

ココア「...」

 

正一「ですが私には 良い策が1つだけ有ります」

 

ココア「え?」

 

正一「まぁ と言っても

コレは男子の世界での解決方法ですから 女子の世界では上手く行くかどうか...」

 

ココア「教えて貰える?…」

 

正一「目には目を歯には歯を、って事ですね」

 

正一「やられたらやり返すんですよ」

 

ココア「でも それって…」

 

正一「まぁ 確かに抵抗感があるのは わかりますよ

何も陰湿な事をやり返せって訳じゃ有りませんよ」

 

ココア「え?」

 

正一「どうせ 今のココアさんが何かを発言した所で誰も聞く耳を持たない所か 返って虐めが加速してしまいますよ」

 

おぉ ココアの奴 俺が何を言いたいのか 分からないって顔してるな

 

そう思いながら俺は一呼吸置いた後に

また口を開く

 

正一「...簡単な話ですよ

クラスの人達の前でそのいじめっ子を物理的にボコボコにすればいいんですよ

そして ボコボコにした後に自分の主張をすればいい」

 

ココア「でも そんな...」

 

正一「実際に 虐める本人は 貴女を貶めたり 恥をかかせたいだけです

暴力であろうが何であろうが 逆に相手の顔に泥を塗ればいいんですよ」

 

ココア「で、でも!」

 

正一「仕返しが怖いと」

 

俺がそう言うとココアはコクっと頷く

 

正一「仕返しが怖い、仕返しをされたくない、

その為の暴力ですよ

『お前は私には適わない

もし今後この様な事をしたらコッチも抵抗するで!』って意味も込めて

平手打ちなんて生温い事なんかせず 握り拳固めて腹やら顔やらを容赦なく殴ってやればいいんですよ」

 

ココア「でも そんな酷いことは出来ないよ…」

 

そこまで酷い事は出来ないって

どんだけだよ...

 

正一「まぁ確かに 暴力なんて奮ったら停学レベルですが...」

 

正一「...しかし 何故 そこまでされた奴に情を掛けるんです?」

 

ココア「だって そんな復讐みたいな事したら いくら何でも可哀想だよ」

 

正一「そんな事を言っても 貴女はそれと同等 それ以上の事をされたんですよね?」

 

ココア「...」

 

正一「ココアさんの思って居ることはわかりませんが

好きなくとも私はそんな事をされたら やり返さ無いと気がおさまりませんね」

 

ココア「それは正ちゃんのやり方でしょ?

...私にはよく分からないよ」

 

正一「...ココアさん、貴女は優しすぎますよ…

優しい事はいい事です

しかしこの事についてはメリハリを付けなくては自分の首を締め付ける要因になってしまいますよ」

 

ココア「...」

 

正一「確かに私は私のやり方しかわかりません」

 

正一「しかし この事 貴女に置いては 逃げすぎです」

 

ココア「じ、じゃぁ どうすればいいの?

正ちゃんが逃げることも大事っていったじゃん!

逃げる以外に何が出来るの?!

教えてよ!」

 

さて、と いい感じにココアもヒートアップしてきたな...

ってか ヒートアップし過ぎてヒステリック気味になってんじゃん

 

そんな事を考えながら 再び口を開く

 

正一「ココアさん 貴女の思っている事はわかっているつもりです

確かに私は 逃げる事は悪い事では無いと言いました

が、それと同時に逃げ過ぎは良くないとも言いました」

 

ココア「...うん」

 

正一「私が言った 逃げるって事の意味は あくまでも『戦略的撤退』の意味です 次の戦の準備を整える為のね」

 

正一「確かに 自分に攻撃してきた人達に立ち向かうのは恐ろしい事です

勿論私も重々承知して居ます」

 

そこまで話した所でココアが口を開く

 

ココア「正ちゃんは怖いんでしょ?

怖いのに何でそれでも尚 立ち向かうの?」

 

正一「それは 一矢報いる為ですよ」

 

ココア「一矢報いる...

でも何で?

そんな事をやっても...」

 

正一「ココアさん...

貴女はココまでにコケにされて悔しくは無いんですか?」

 

ココア「悔しいに決まってるじゃん!

でも...でも...」

 

正一「確かに戦わず 何もしないのは自分が傷付かず楽でしょう

しかし ココアさん

貴女がもう1度元の生活を送れりようになりたいのなら

見たくないものを見て 聞きたくないものを聞き 立ち向かうんですよ

今の状態から脱却するという事はそういう事です!」

 

正一「復讐は酷くて出来ない?

復讐をしか無いんですよ!

もし貴女が悔しくて やるせない思いをしているのなら

虐めて来た相手に一矢報いたいのなら! やるしかないんですよ!

抵抗や脱却するにはそれしかない!

愚痴なら放課後ラビットハウスで吐けばいい!」

 

一呼吸置いてまた俺は言葉を発した

 

正一「...私は ココアさんならこの状況からも抜け出せると信じて居ますよ

何か根拠がある訳ではありませんが

貴女ならそれが出来ると」

 

そう言い俺はココアを見る

 

ココア「ヒックッ...ウッ...正..ヒックッ...ちゃん...」ポロポロ

 

あぁ~!

言い過ぎた!

ついつい力説をかましてしまったー!

途中でなんか 俺自身も何言ってんのか分からんくなってきたし!

...確かこう言う場合は 思いっ切り泣いたほうがいいんだよな

ならば...

 

そう思い俺は目を瞑り自分の足を見る

 

何故下を見るかって?

 

泣いている子を直視できないからだ

ってかジッとしているのが気まずい...

 

ココア「グス..正..グス.ちゃん..グス..ヒックッ.」ダキ

 

ココアが泣きながら俺に抱き着いてきた

 

正一「エット...ココアさん?」

 

本来の平時で有るならば 抱き着かれた事に対して 鼻の下を伸ばしながら対応をするのだが 状況が状況な為 言葉を選びながら口に出す

 

正一「抱きつかれても 反応に困るのですが...」

 

ココアに声をかけても 只只泣いているだけだ

 

正一「ココアさん?」

 

俺は再度ココアに問い掛ける

すると ココアは 強く強く 俺を抱き締めた

 

あぁ...そういう事か…

 

俺もココアに負けない力で 強く抱き締めた

 

正一「ココアさん 我慢しなくてもいいんですよ。

幸い ココには 私とココアさんしか居ません。」

 

俺が そう ココアに話すと

ココアは ダムが決壊したかのように泣きじゃくった

 

 

続く


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。