ご注文はチョットした人生のやり直し?ですか?   作:IS提督

30 / 55
第29話 地元 1 ③

第29話 地元 1 ③

 

あの後直ぐにココアが準備を終わらせ 若干のタイムロスをしながらも出発する事にした

 

ちなみに ココアが準備を終わらせるまでに 昼飯の足しに おにぎりを握った

 

正一「では 行って参りますね」

保登母「気を付けてね」

ココア「大丈夫だよ~

私 もうお姉ちゃんなんだよ」

保登父「いや でもな

お前達に何かあったら....」

正一「安全には十分に気を張ります」

ココア「そうだよ~

正ちゃんが居れば問題ないよ」

 

そう言うとココアは俺の手を握る

 

コレは アレだ あのぉ

....手繋ぎぃ?!

 

保登父「て、てて、手繋ぎぃ!?」

保登母「あらあら お父さん いいじゃないの~

今時姉弟で手を繋ぐのは常識ですよ?」

保登父「そうだとしてもだな...

良いものなのか? 最近の文化には着いて行けん...」

保登母「時代は常に動いてるのよ」

 

確かに時代は止まることなく動き続ける

それ故に昔の常識がずっと通用する理由がない

のだが....いささか ココアのスキンシップは度を越して居る気がする

...まぁ あの事が関係しているのだろうけど

 

そこまで考えた所で 俺達は 保登両親に挨拶をして山へ向かう

 

ーーーーーーーーーーーー

 

山の中は気分が良い 空気も美味しいし 目に入って来る色 緑も心を癒してくれる

 

そんな事を思いながらココアの方を見る

 

ココアも俺と同じ様に山を楽しんで居るのが目に見えていた

 

ココア「正ちゃん! 山ってイイね!」

正一「ハイ

山は心を癒してくれるので悩み事が有る時は重宝してます!」

 

俺が言葉を発してからは 二人とも会話が無かった

 

...悩み事って言葉を出したのが不味かったか

まぁ どの道この後 目的地に着いたら嫌でもこの話題を出すからな...

 

そんな事を思いながら山を登ること1時間

やっと目的の場所に着いた

目的地はある程度平で 丁度いい位に木々が生えており これまた 丁度いい位に陽の光が入って来る

ちなみに此処には小川が流れており 小川から流れて来る 水の音が心地よい

 

正一「ココアさん 目的地に着きましたよ」

ココア「やっと着いた~

疲れたよ~」

正一「んじゃぁ ブルーシート敷くんで 手伝って下さい」

ココア「了解したよ~

じゃぁ 私 コッチ持つね」

正一「有難うございます

では...」

 

俺がそう言うと ココアは こくりと頷き広がって行き

 

バサッ バサッ バサッ!!

 

とブルーシートを上下に揺らし シワなどを伸ばし そのままふわりと地面に敷く

 

ココア「やっと休める~」

 

そう言うとココアはブルーシートの上に寝っ転がっる

 

ココアがそうしている間 俺は手頃な石を4個広いブルーシートの各角に置き 俺もココアと同様にブルーシートの上で楽な姿勢を取る

 

グゥ--

 

何処からか可愛らしい音が聞こえる

しかし今の音は俺ではない

とすると

ココアか...

 

俺はそこまで考え 腕時計を見る

時刻は13:34分

確かにこの位の時間で有れば腹も空くわな

 

正一「そろりと 飯にしましょうか」

ココア「うん///」

 

俺はそう言うと リュックサックから弁当箱を取り出し 弁当箱のフタを開ける

 

中身は美味しいそうで形が整って居るクロワッサンやサンドウィッチ等が入っていた

 

それに比べ俺が作った握り飯は 形が崩れていた

 

ココア「わぁ~ お母さんのサンドウィッチだ~!

懐かしいな」

正一「このクロワッサンも中々美味しそうです」

ココア「それで このおにぎりは正ちゃんが握ったの?」

正一「はい

昼の足しになればなと思ったのですが...

パンに米の組み合わせはミスマッチぽいですね」

ココア「そうかな~」

 

そう言うとココアは俺が握ったおにぎりを取り口に運んだ

 

ココア「美味しい~!

全然問題ないよ!」

正一「なら良かったです」

ココア「う~ん!

愛情がこもってるからかな?

凄く美味しいよ!」

正一「愛情ですか...

....いつもよりも 増し増しにこもってますよ」

ココア「やっぱり~!」ハムハム

 

ーーーーーーーーーーーー

 

今俺達は 昼飯を食べ終え 少しゆったりとしていた

 

さて と

そろそろ ココアの本題に入るとしますか...

 

どういう風に出だしを言おうか...

 

そう思い俺は重い口を開く

 

正一「ココアさん」

ココア「ん?なに?」

正一「最近 学校で何か有りましたよね」

ココア「....特に何も無いよ?」

正一「無いはず無いんですよ

...最近 虐められてますよね?」

ココア「本当にそんな事無いよ」

正一「何にも無い筈が無いんですよ

ちなみに この事はキチンと裏を取って居るので この話から逃れようとしても無駄ですよ」

ココア「...」

正一「私は 何が原因なのか一応知って居ますが ココアさん自身の口から聞きたいのです

....話せば 少しは楽に成るかもですし もしかすれば 打開策が見つかるかもです」

 

俺はそこまで言い一息付ける

一応はココアが何故虐められているのか その原因は何なのかは既に千夜から聞いて知って居る

 

では何故 原因を知って居るのに ココアから もう1度聞くのか?

理由は簡単『第1者と第3者の違い』があるからである

第1者と第3者の違いというのは文字通り 虐めを受けて居る第1者で有るココアとそれを見ている第3者で有る千夜との感じ方の違いで有る

 

被害に遭って居る第1者の人間の感じている事や思い等 を全く虐めを受けていない第3者が解る筈がない

 

俺が知って居る事は 第3者である千夜の情報のみ

コレでは今回の事のパーツが足りず 真相に入る事が出来ない

 

そしてさらに 悩みの種を 他人に話す事で少しでも心を軽く楽にする為で有る

 

以上の理由から俺はココアから直接 理由・原因を聞きたいのだが...

問題はココアが話してくれ無ければこのプランはすべて水の泡で有る事だ

 

そんな事を考えながらココアの目を見る

 

すると...

 

ココア「あのね...正ちゃん....実はね」

 

ココアが重い口を開き

ポツリポツリと虐めの事について話し始めた

 

 




次回は拍車を掛けて行きます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。