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それでは今回もよろしくお願いします。
「え~!まだ買ってないのぉ!?」
「はい……」
明日のバレンタインデーに八幡へ渡すプレゼント。
ああでもない、こうでもないと堂々めぐりしてしまい、未だに何も買えていません。いつから私はこんなに優柔不断になってしまったのでしょうか?
「普通にチョコ買って渡すじゃダメなの?」
「だって……」
そう、おそらくこの感情が一番、プレゼント選びの足枷となっています。
「何?」
首を傾げる穂乃果に、少し恥ずかしいのですが、言うことにしました。
「……やっぱり、特別なものにしたいじゃないですか」
「…………」
彼と恋人同士になって、初めてのバレンタインデー。今、手作りチョコに割ける時間がなくとも、何か渡すのなら、特別なものを渡したい。
私の言葉を聞いた穂乃果はポカンとしていました。
「海未ちゃん……」
「何ですか?」
「ぎゅ~~~っ!」
「ほ、穂乃果!?」
何故か穂乃果が思いきり抱きついてきて、少し苦しいです。
「海未ちゃん、可愛いよ海未ちゃん!」
「だから一体どうしたというのですか!」
数分後……。
「皆、プレゼントを考えよう!」
『お~!!』
μ'sメンバーが部室に集合して、大きく拳を突き上げていた。
「何でこんな大事に……」
「ほら、皆で意見を出しあえばきっといいアイディアが浮かぶよ!それに早く決めた方が、練習に集中できるよ!」
「まあ、それもそうかもしれませんね」
「じゃあ、花陽ちゃんから!」
「お米、とか……」
「ブッブーだよ!はい、凛ちゃん!」
「ラーメンにするにゃ~!」
「アウトだよ!はい、にこちゃん!」
「晩御飯でも振る舞えばいいじゃない。得意料理は?」
「炒飯と餃子です」
「あまりバレンタインデーっぽくないわね」
「余計なお世話です!」
「真姫ちゃんは何かない?」
「う゛ぇえ!?わ、私?」
「真姫ちゃんモテそうだもんね♪」
「え…………スとか」
「何?」
「キス……とか……ああ、もうイミワカンナイ!!」
「海未ちゃん、キスしてあげれば?」
「そんな……」
「やっぱりまだ恥ずかしい?」
「そりゃそうよ。この前みたいな雰囲気にならないと」
「いえ、その……接吻は会う度にしているので、大切な儀式とは思いますが……やはり別のものを……」
『…………』
何故皆固まっているのでしょう?
「そ、そうよね~キスくらいするわよね~」
「するチカ」
「ちなみに何回くらいしたん?」
「え?か、数えてなんか……!」
「ん~?」
希は手をわしわしさせ、にじり寄ってくる。
「わ、わかりましたよ。…………い」
「え?何回って?」
「287回、です」
『…………』
また皆が固まってしまいました。
「ちょっと……いくら何でも多すぎない?あの二人って週1で会うか会わないかじゃないの?」
「あわわ……海未ちゃんが……大人になっちゃってる……」
どうしたのでしょう。恋人同士が接吻を交わすのは当たり前のことで……もしかして少ないのでしょうか?
悩んでいると、絵里がそっと肩に手を置いてきました。
「海未、いい方法があるわよ」
「絵里……でも、貴方は……」
「大丈夫よ。もう吹っ切れたわ。そろそろAFTER STORYも更新されるし」
「何の話ですか?」
「こっちの話よ。それより、二人にとって最高のプレゼントは……」
私は絵里の話に、真剣に耳を傾けた。
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