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それでは今回もよろしくお願いします。
「ふぅ……」
海未達が会場に向かう姿が見えなくなった後、きりのいい所まで終わらせて、ようやくスコップを置く。海未直伝のトレーニングをしていなかったら、腕がしばらくだるくなっていただろう。
「ハッチー、お疲れ~」
「ヒッキー、お疲れ~」
「まぎらわしいから止めてね……」
とはいえ、ヒフミトリオと総武高校のメンバーには感謝しかない。天気予報を見て、心配だからと頼んできたヒフミトリオ。俺の頼みを二つ返事で引き受けてくれた奉仕部メンバーと戸塚。材木立、じゃなくて材木座。あとは修学旅行の時のお礼として参加してきた戸部と海老名さん。二人は、進展こそないが、前よりは二人で話す時間が増えたように感じる。海老名さんが戸部を自分の趣味に引き込まなければ、奇跡が起こるんじゃなかろうか。
一人一人の優しい姿を目に焼き付け、気恥ずかしさをなるたけ隠しながら礼を言う。
「……ありがとな」
「いいっていいって!むしろこっちが頼んだんだし!」
「総武高校の皆さんもありがとう!」
「全然大丈夫だよ!あたしも1回スクールアイドルのライブ生で見たかったし!」
ちなみに、元気いっぱいの由比ヶ浜の隣で、雪ノ下はだいぶお疲れのようだ。ゆきのん、ごめん。今度カマクラをいっぱい触らせてあげるから!
他愛ない会話でひと息ついたところで、ヒデコさんがその場を締める。
「皆、本当にお疲れ様!じゃあ会場に向かいますか!」
「え!?音ノ木坂の子だけじゃなく、比企谷君達も!?」
「エリチ」
「はい」
雪かきの件を話したら、皆嬉しそうに微笑みを浮かべ、目を潤ませていました。穂乃果は今もまだ泣いています。
にこも人の心の温かさに涙ぐみながら、私の方をポンポンと叩いてきます。
「しっかし、海未の彼氏もやるじゃない。千葉から来て、一番早い時間から雪かきなんて」
「ええ」
私は自信満々に告げた。
「世界一かっこいい、自慢の恋人ですよ」
ライブ中、ステージから一瞬たりとも目を逸らすことができなかった。
冬の夜空に響く九つの歌声。耳から心にじんわりと染みこんでくる真っ直ぐな歌詞。歌の世界観を仕草と表情で表現するダンス。神様が望んだ演出のように、はらはらと踊る粉雪。青からオレンジに変わる鮮やかすぎる照明。瞬きをするのも惜しいくらいだ。
全体を通して言えば、素人目に見ても、μ’sとA-RISEが圧倒的だった。会場の反応もかなり良かった。
あとはただ祈るしかない。
会場全体の緊張感が破裂しそうなくらい膨れあがったところで、司会者のよく通る声が、スピーカーを通して会場内に響き渡る。
「それでは発表します!ラブライブ決勝大会に進むのは……」
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