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それでは今回もよろしくお願いします。
12月に入り、寒さはいよいよ本格的なものとなり、たまに雪も降るようになった。
そんな冬の夜。着信音すら、どこか楽しげに聞こえてくる。
「……どした?」
「こんばんは。もう寝るところでしたか?」
「いや、もうちょい起きとくつもりだった」
「なら、少しお話ししませんか?」
「ああ、いいけど……」
「どうかしましたか?」
「いや、調子の方はどうかって思ってな」
「もちろん絶好調です!」
「お、おう、ならいい……」
「八幡は最近学校の方はどうですか?」
「母ちゃんみたいな聞き方だな……まあ、いつも通りだ」
「……想像がつきますね」
「おい、止めろ。哀しそうにするな」
「奉仕部の方はどうですか?」
「今もまだ『右手が……』で笑いがとれる」
「あれは私も吹き出しそうになるので、早く忘れたいです」
「そうしてくれると助かる」
「そういえば……お母さんとお父さんが八幡と一緒に食事をしたがっていましたよ」
「……おっと、いきなり重大イベント発生しかけていますよ。どういう事でしょう」
「何故、敬語?実は八幡と付き合っている事が二人にバレてしまったのです」
「ああ、なんか想像つくな……」
「それでお母さんが、『孫は25歳までにお願いね』などと言い出して、お父さんが泣き出して……」
「…………」
「涙を拭いながら『その男を紹介しなさい』と言ってました」
「お、おう……ラブライブが終わってからな……」
「確かにそうですね。ライブに集中しないといけません。それでは、今日はもう寝ますね。付き合っていただき、ありがとうございます」
「……別に電話くらい、いくらでも付き合う。その……恋人、だしな……」
「ふふっ、ありがとうございます。八幡……大好き」
こちらが反応する前に、通話は切られ、耳の中には甘ったるい感触が残っていた。
翌日の夜、見知らぬ電話番号から着信がきた。
いつもならシカトする所だが、直感的な何かにつられ、通話状態にして、耳にスマホを当てた。
「ハッチー、久しぶりー!」
「じゃあな」
通話を切る。
しかし、すぐに二度目の着信がきたので、仕方なしに出る事にした。
「ひどーい!何で切るのさ?」
「いや、その前になんで俺の番号を知ってるのか、教えて欲しいんだが」
「穂乃果に聞いたんだよ!」
高坂さんには、いつか絶対にほむまんをタダでもらいまくろう。
「それで……音ノ木坂トリオは……」
「何、その覚え方!ひどくない?」
背後から「そうだそうだ~!」と抗議の声が聞こえてくる。音ノ木坂かしまし娘でもいいかもしれない。
「と、とりあえず、用件を聞きたいんだが……」
「あ、そうか!実はね……」
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