捻くれた少年と真っ直ぐな少女   作:ローリング・ビートル

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 俺氏、ガルパンの西住まほが可愛すぎて咽び泣く。
 一気観してしまいました。面白すぎる。
 べ、べ、別にガルパンのSS書きたいとかじゃないですからね!
 ……ふぅ、切り替えた。
 しっかり切り替えましたよ。
 それでは、今回もパンツァー・フォー!


第73話

 

 秋晴れの気持ちいい休日の朝。

 まだ特別寒くもなく、程良い涼しさで朝の二度寝も捗る。

 しかし、枕元に置いてある携帯から、けたたましい着信音が鳴り響き、眠りの世界から引きずり出された。 

「はい……もしもし……」

「八幡、おはようございます」

「わぁー君は朝起こしてくれるフレンズなんだねー嬉しいーありがとー」

 俺は通話を切り、布団の中に潜り込んだ。朝寝かせてくれるフレンズの方がありがたい。

 もちろん、すぐに二度目の着信がきた。

「……はい」

「八幡……」

「わ、悪い……」

「フレンズとはなんですか!フレンズとは!私達は恋人同士ではないのですか!?」

「そ、そっちかよ……」

「まったく……今日のライブ、ちゃんと観に来てくださいね」

「ああ、それは問題ない」

 今日はμ’sがハロウィンのイベントでライブを行う日だ。

 海未の声は、電話越しにはっきりわかるくらいにはしゃいでいた。

 

 秋葉原の街は真っ昼間からハロウィン一色で、純粋すぎる日本人の俺はかなり気後れしてしまう。μ’sのメンバーもそれっぽい衣装でパフォーマンスを行うらしい。しかも、ライブ前のハロウィンパレードにも参加するらしく、そちらでは、ライブとは違ったコスプレが見れるらしい。

 さて、どんな衣装を……

「こっちの物語でも登場!みなぎる愛!キュアーチカ!愛を無くした哀しいボッチさん。このキュアーチカがあなたのドキドキ、取り戻してみせる!」

「太陽サンサン、キュアサニーやよ~」

 海未のコスプレ……いや、変な意味ではなく。何というか、すごくいいものになると思うんですよ。つーか、二度も海未のコスプレが見れるとか、最高かよ。

「比企谷君!お願いだからスルーは止めて!」

「ウチらも傷つくことあるんよ?」

「いや、リアクションに困ったのでつい……」

 絢瀬さんは無駄に似ているが、東條さんは似せる気が欠片も感じられない。共通点は関西弁くらいだ。ビジュアルでいえば、キュアサニーには高坂さんが一番近いと思う。

「比企谷君、今日は来てくれてありがとう!」

「いえ……休日は大体暇なんで……」

 何だかんだ美人二人に緊張していると、視界の端に、かなり気合いの入ったコスプレイヤーを見つけた。

「な、なあ、ルクス。ここはどこなのだ?私達は爆発でどこまで飛ばされてきたのだ?しかも、変な道具を向けられているのだが……」

「落ち着いてください、リーシャ様。敵意は感じられないというか……」

「むしろ歓迎されているように感じますの」

 物凄い美男美女の集団だ。男は一人だが。

 さすがハロウィン、リア充のイベントだ。

「あの……海未は?」

「海未ちゃんは……いや、楽しみはとっとかないとね」

 東條さんは、μ’sの楽屋がある場所を教えてくれた。

 

 楽屋前には、μ’sの二年生組がいた。

「あ、比企谷君だ!」

「ほら、海未ちゃん!恥ずかしがってないで!」

「え?あ、ちょっと……」

 そこには、人魚のコスプレをした海未がいた。エメラルドグリーンの輝く衣装が、海未のすらりとした肢体を包み、言葉を無くすくらいに美しかった。

 だが本人は自分が振りまく魅力には気づかず、もじもじと胸の前で手を合わせている。

「ど、どうでしょう?」

「…………」

「八幡?」

「……あ、ああ……すごく、いい」

「み、見すぎです。恥ずかしいではないですか……」

 この前の大胆さはどこへやら、海未はぷいっとそっぽを向き、さりげなく高坂さんの後ろに隠れた。

「もう、海未ちゃんは照れ屋なんだから~」

「う、うるさいですよ!穂乃果」

 やはり先日の事を思い出して恥ずかしくなったのかと思い、その背中を見送っていると、海未はこっちを振り向き、周りに悟られぬよう、はにかんで手を振った。

 俺はそれに頷き、今日のイベントが上手くいくよう、心の中で何度も祈った。

 





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