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それでは今回もよろしくお願いします。
「あ、来た!こっちこっち~!」
海未と一緒にファミレスまで行くと、μ’sメンバーと3人組が既に飲み物片手に談笑していた。今、手を振ってきたのは、3人組の中のショートカットだ。
「じゃあ、俺はここで……」
「逃がしませんよ」
首筋をガシッと掴まれる。こいつの握力は徐々に強くなってきていて、そろそろスネークバイトを習得するんじゃなかろうか。
「いや、ほら……女子だけの方が話しやすいし?俺、邪魔する気はないんで……」
「お待たせしました」
海未は俺の言う事など意にも介さず、空いてる場所に座り、隣に俺を座らせる。
俺がいるテーブルに同じ学年と思われる女子達が集まり、それ以外は背後のテーブルに集まっていた。絢瀬さんは何故か突っ伏していた。
まず話しかけてきたのは高坂さんだ。
「海未ちゃん、比企谷君。大丈夫だった?」
「ええ、何とか」
「よかった。お母さん、許してくれたんだ」
南さんもほっと胸を撫で下ろす。本当に心配してくれていたようだ。
「比企谷君も千葉から来て頑張ったもんね。ボッチなのに」
「そうだよ。ボッチなのに勇気を出して」
「ボッチだけど頑張った!」
「ああ、ボッチだけど頑張ったよ。お前ら後で話がある」
こいつら、ほぼ初対面なのに何で知ってんだよ。
「まさかあそこでキスするとは思わんかったね」
「だ、大胆にゃ~」
「あうぅ……」
「ま、海未はしばらく質問攻めでしょうね」
「当たり前よ!もう……このスーパーアイドルにこを差し置いて……」
「絵里……元気をだして。絵里……元気をだして。あなたはまだやれるわ。あなたはかしこい、可愛い、エリーチカなのよ」
全員の言葉を聞き、俺と海未は萎縮してしまう。
申し訳ないやら照れるやら、とにかく色んな感情が混ざりすぎて、言葉が見つからない。
しかし、考えている途中で、別の声が聞こえてきた。
「あら、あなた達は……」
振り返ると、そこには……
「ア、A-RISE!?」
矢澤さんが真っ先に反応する。
そう、そこにいたのは、全国のスクールアイドルの頂点に立つ3人組グループ・A-RISEだった。なんというか、立っているだけなのにオーラが違うというか
「ぴゃああ、ま、まさか、こんな所で出くわすなんて……」
慌てるこちらとは対称的に、綺羅ツバサは優雅に微笑む。
「この前はどうも。今日はお友達も一緒みたいね。そちらの男の子は誰かの恋人?」
「はい、私のです」
「え?」
ちょっと待て。今のやり取り、あっという間すぎてついて行けなかったぞ。
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