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それでは今回もよろしくお願いします。
「はあっ……はあっ……ご~め~ん!」
「もう、穂乃果ったら……また遅刻よ?」
「また海未ちゃんに怒られちゃうよ~」
「穂乃果……」
「ひぃっ!?う、海未ちゃん、ごめん!きょ、今日は目覚ましが鳴らなくて~!!」
「穂乃果、偉いですね。今日はいつもより5分も早いですよ」
「ごめ~ん!!…………え?」
「海未……?」
「どうしたん?」
「海未……ちゃん?」
「さ、皆!今日も一日、ファイトですよ!」
「海未?あ、あなた何かあったの?」
「そ、そんなハラショーな事はありませんよ!さあ、今から練習いっくにゃ~!」
「あ~、それ凛の!」
「ラブアローシュート、ト、ト、ト、ト~!バァン♪」
「海未……ちゃん……」
「こ、恐いよぅ……」
「イ、イミワカンナイ……」
「ダ、ダレカタスケテェ……」
「海未ちゃんが壊れたにゃ……」
「これは……比企谷君関連かな?」
「チカ」
「絵里もおかしい気がするんだけど……」
「…………」
「八幡」
「…………」
「八幡ってば!ふぅ……どうしちゃったんだろ」
「…………」
やばい。休日の一件以来、思考回路がずっと停止している。
あの突然の出来事の後……
『きょ、今日はもう帰ります……』
『…………』
『へ、返事はいつでも構いませんので……』
『……あ、ああ……』
その時の事を思い出しながら、頬に手を当てると、確かな熱を感じる。今も彼女の唇の感触は甘く刻みつけられていた。一回目の時と違うのは、今回の出来事は偶然の産物ではなく、彼女自身の明確な意志の元、起こったという事だ。そして、それが意味する事は……。
いや、実際に彼女の口からも聞いたのだ。今さらそこを考えても仕方がない……つーか、実際のところどうなんだ?海未と出会ってから、まだ4ヶ月程度だ。しかも、住んでいる場所も離れているので、会うのは月に2、3回ぐらい、後は電話で話すぐらいだ。それで、本当に好きになるのだろうか……。
俺自身はあいつの事をどう思っているのだろうか。果たして……好き、なのだろうか。
結局、何一つ手につかず、修学旅行の班決めや、奉仕部の依頼などがあっという間に決まってしまっていた。
「えっ?京都へ?」
「ええ、お父さんが福引きで当てたのよ。それで、あなたも最近、部活の掛け持ちやデートで中々家族一緒の時間がなかったでしょう?だから……」
「はあ……」
「ちなみに、5人分だから……穂乃果ちゃん達か、八幡君達か選べるわよ」
「な、何を言っているのですか!」
「あらあら、素直じゃないんだから」
「け、結婚していない男女が同衾など……破廉恥です!」
「そこまでは言っていないのだけれど……」
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