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それでは今回もよろしくお願いします。
「あ、来た!おーい!」
待ち合わせ場所に着くと、俺達に気づいた高坂さんが手をぶんぶん振ってくる。こちらが元気を貰えそうなくらいの元気一杯だが、多分あんな凄まじいエネルギーを受け取ったら消化不良を起こすので、遠慮しておこう。
「うす」
「こんにちは」
「むむっ!」
戸塚を知らない二人に紹介……と思っていたら、高坂さんが戸塚をジロリと見て目を細めた。
上から下までジロジロ見られた戸塚がたじろいでいると、急に海未に顔を近づけ、何かを言っている。
「海未ちゃん!あ、あの子すっごい可愛いよ!のんびりしてたら比企谷君とられちゃうよ!」
「ほ、穂乃果!?何を言っているのですか!」
「僕……男の子なんだけど……」
まあ、これは予想の範囲内だ。
俺達は軽い自己紹介を済ませる。
「そっかぁ、男の子なんだぁ」
「あはは……」
「う~ん、メイド服とか似合いそうだよね」
「え、遠慮しておきます……」
頼む、南さん。もう少し押してくれ。
戸塚のメイド服姿を拝むべく、念を飛ばしていると、肩をちょいちょいと肩を叩かれる。
「……お、おはようございます。八幡」
「ああ、おはよ……う……」
朝の挨拶が途中でつかえる。
海未の私服は、普段の彼女のイメージからはかけ離れた丈の短い、薄い青色のワンピースだった。すらりと伸びた白い脚が眩しく、男女問わず二度見してしまう美しさがある。
「ど、どうかしましたか?」
「いや、何でも……」
「ねえ、比企谷君どう!?海未ちゃん今日すっごい可愛いでしょ!」
「あ、え、ああ……そうだと思う」
「あ、ありがとうございます……」
やばい……。
これまでこいつと一緒にいて、リトさんばりのラッキースケベ展開が何度もあったが、今日はもうそのフラグ立ちまくりじゃねーか。海未の奴……何考えてやがる。いや、確かに……可愛いのは間違いない。
……あまり見ないでおこう。
まずいです……。
八幡があまりこっちを見ません。
い、いえ、気を引きたいとかではなく!
今日は穂乃果とことりがいますし、二人共、そこそこ肌が露出しています。なので、八幡が二人に破廉恥な真似をしないようにしているのです。それだけです!
な、何としてでも私に視線を向けさせておかないと。
「ねえねえ、ことりちゃん!戸塚君!あの二人……すごくいい感じだよね!」
「う、うん……」
「そ、そうかもね」
二人の微妙な距離感は、一人の能天気な少女を除いて、見ている者にもどかしさを覚えさせた。
「ええもん、見つけた♪」
「チカ」
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