トゥインクルスタイル
属性:星
戦力分析 力:3 技:2 速:4 防:4 知:3 特:3
『プリンセスプリキュア』のひとり、『キュアトゥインクル』のキュアチップを、ネットコミューンにセットしてレジェンドインストールした、『インストール@プリキュア』の星姫戦闘形態。
キュアトゥインクル同様の機動力を活かしたヒットアンドアウェイ戦法を得意とするほか、特異点設定による局地的重力制御が可能。
重力制御によって生じる空間の歪みが、通常空間と干渉することで発光現象を生じ、その際空間不連続面が星型に知覚される。
これが『☆型の光』であり、その不連続面は外縁部一定方向に局地的高重力を発生させている。それ故に『☆型の光』は物体と接触した際に、接触対象を
また、重力場が解放されることによって局地的に空間を捩じれさせ、その内部の物体を範囲内の空間ごと捩じり切って消滅させる、持続時間数秒間の局地的ブラックホールを発生させることも可能である。
キュアトゥインクルが放つ『プリキュア・トゥインクルハミング』は前者、『プリキュア・ミーティアハミング』が後者の原理を応用した技である。
さらにロゼッタウォール同様、特異点設定の具合によっては空間不連続面『そのもの』を足場として利用することもできる。
ハッピースタイル
属性:光
戦力分析 力:3 技:3 速:3 防:3 知:2 特:5
『スマイルプリキュア』のリーダー、『キュアハッピー』のキュアチップを、ネットコミューンにセットしてレジェンドインストールした、『インストール@プリキュア』の閃光戦闘形態。
両手甲の『プリズムディフューザー』によって周囲の『光』を集約してエネルギーに変換する、ロゼッタスタイルとよく似た特性を持つ。
しかしハッピースタイルのエネルギー生成は、『光』の中の『可視光線における電磁波』ではなく、『粒子と波動の二重性』に特性をフォーカスし、あらゆる『光』を電子化してエネルギーに変換する『光電効果』を利用したもので、ロゼッタスタイルのそれとは原理が異なるモノである。
また、ロゼッタスタイルが『緩やかなエネルギー放出』に特化しているのに対し、ハッピースタイルは『急激なエネルギー放出』に特化している。
循環しているエネルギーを解放発射する『プリキュア・ハッピーシャワー』は、電子化した光エネルギーによる光波照射砲。
発射された超高熱の光エネルギーは瞬時に空気をイオン化させ、射線軸からの半径3m、有効射程500mの範囲内の悉くを、激烈なプラズマ渦流に巻き込み焼灼する。
1人のプリキュアが単独で放つ技としては最大級の威力を持つが、比例してエネルギー消費は非常に激しく、1発の発射で循環しているエネルギーをほぼ使い果たし、一種の飢餓状態に陥ってしまい、一時的に強烈な脱力状態に苛まされてしまう。
こうなってしまうとまともな戦闘は不可能であり、他のプリキュアの援護が必要不可欠となる。
またハッピースタイルのみならず、『スマイルプリキュア』のレジェンドインストール形態には、精神力を技の出力に変換する『チャクラ・リタブライザー』が備わっているため、プリキュアの精神高揚=気合によってパワーアップする特性を持っている。
――――――――――
『ジオウ』に登場したブレイドのマスク、通常フォームなのにジャックフォームっぽく見えたのは稚拙だけでしょーか……??
さてお久しぶりで早速申し訳ないのですが……
ま だ 永 夢 先 生 は 出 て き ま せ ん 。
長いコトお預けにしてしまってスミマセン……
今回はピースがライダーのことを知りたい『もう一つの理由』と、新プリキュア登場後おなじみとなった『救出リスト』ネタを送信!
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ネットコミューンにプリダウンロードされてるアプリのひとつに、『訓練アプリ』ってのがある。
コミューンの中で、アタシやメモリアが過ごしてる『居住メモリ』の空間を一時的に取っ替え引っ替えて、トレーニングや、色々なシチュエーションを想定した訓練ができるアプリだ。
さすがに一日中、コミューンの中でぐーたらやってるのもストレス溜まるし、腕も鈍っちまうから、一日最低1時間はこのアプリの中でひと暴れするようにしてる。
このアプリを起動してる間は、ほくとがいなくても元の体型に戻れるし、100%の実力も出せる。もっとも、アプリを切らなきゃここから出られなくなるけどな。
いつも自主トレする時は、雰囲気が出るように『採石場跡地』にステージ設定をしてる。理由?……ほくとが一目で気に入っちまってさ。『特撮の特訓』といえば『いつもの採石場跡地*1』―――――だろ?
で、今日もほくとが
「……ンな……!?」
アタシも前に広がったのは、『採石場跡地』じゃなかった。
青い空に浮かぶ白い雲。寄せては返す波の音。照りつける太陽に熱せられた砂の地面、そこから立ち上る陽炎―――――
「砂浜…………いや、厳密にゃ違うな……」
タダの浜じゃなかった。そこかしこに色とりどりのパラソルが開いて、ビーチバレーでもやるのか知らんが、少し先にはネットが張ってある。
そして振り返ると、木造平屋の建造物。メシを喰ったり、水着やレジャー用品、シャワールームの貸し出しとかをやってる、アレだな。
えぇと、屋号は―――――
「海の家れm」
「それ以上は言わせないでゲソ!!」
と、海側に面した木造テーブル、その上にしゅた!と降り立ち、堂々たる仁王立ちでアタシを見下ろしてくるのは―――――
「キュアピース!?……こりゃどーゆーこった!?いつの間に訓練アプリイジりやがった!?」
「せっかくデータのコミューンにおジャマしたんだし、直接アナタの実力を確かめられるいい機会じゃなイカ!……って思ってネ♪さぁ、手加減無用!本気でかかってくるでゲソ!!拳と拳で語り合おうじゃなイカ!!」
「……………………………………」
……あぁ、……うん。……わかる。
コレを読んでるディスプレイの前のアンタ、みなまで言わんでもわかる。
代わりにアタシがツッコむから、まぁとりあえず落ち着け、な?
「(-_-;)…………オイ……さっきからキャラ違くねーか?やたらとイカイカゲソゲソ連呼しやがって……"バグッチャー返り"でもしてんのか?*2」
「あ、ゴメンね♪さっきまで『スーパーヒーロー大戦Z』*3のDVDをほくとくんと見ててね……スペースイカデビルの口グセがうつっちゃったでゲソ♪」
あ~、なるほどそっちか。……たぶん、読んでるアンタが想像していたのと『元ネタ』は一緒だろーけどな。
かく言うアタシは昭和の硬派なイカデビルが好みなんだが……ここでイカデビル談義をしてもしゃーなイカ。……おっと。
にしても、ピースのイカゲソ口調がミョーに堂に入っていると感じるのはアタシだけか?……まぁ、これ以上ツッコむのはよそう。ネタに字数割き過ぎて話が進まんからな……稚拙は10000字前後で収めてーんだよ……
「まぁいいさ……言っとくけどな、『胸を借りる』なんて殊勝なコト思っちゃいねーぜ?真っ向から実力試しできるいい機会だ。闘るからにゃ全力……たとえ、アンタが本気を出せないってわかっててもよ」
「……そう?……なんかココ、いつも以上に力がみなぎるんだよね……」
そう呟くと、ピースは右手を握って放し、握って放しを繰り返す。その度に、金色の稲光が小さくスパークするのが見える。
そーいや、ピースも元の体型に戻ってるな……訓練とはいえ、本気を出せるってことか。さっきのは失言だったみたいだ、アタシらしくねェ。
「…………ん。イイ感じ……。」
「アタシの訓練場をナイスアレンジしてくれた礼に、"イカ黄金"にしてやるぜぇぇぇぇぇぇ!!!」
訓練だろうと、本気でブッ倒す。
じゃなきゃ、いずれ来る『訓練じゃない、その時』に、勝てないだろうからな。
……で、その結果は―――――
(2分後)
orz
《WINNER―――――CURE-PEACE!》
ズタボロ丸焦げで波打ち際にボロ雑巾のように捨てられた、哀れなアタシがあったとさ。
たった2分で新鮮な焼死体一丁上がりたぁ……カワイイ顔してなんとやら、だな……
「勝った……ライダーキックの勝利だ!」
「いやアンタライダーキックなんざやってなかったろ」
……ソレ、『仮面ライダー』第13話の1号ライダー最後のキメ台詞だな。*4言葉通り、ピースはキックなんざ放ってねーのにこんなこと言うもんだから、ツッコむために即座に回復しちまった。
それにしても……やっぱ伝説の戦士だな、このヒトは。指先ひとつ触れられなかった。
開始早々、ピースサンダー『ぶっぱ』してきたのはまだまだ序の口、りんくやディスプレイの前のプリキュアファンが見れば確実に度肝を抜かれる技の数々が、容赦なくアタシに浴びせかけられた―――――
―――――雷で自分と相手の間の直線の両サイドを塞いで『一本道』を作って、『強制タイマン』に持ち込む技。
―――――両手から雷撃を鞭のように繰り出す技。
―――――両掌の間に雷撃をチャージして球状にして発射する、格闘ゲームなんかでよく見た技。
―――――で、その『雷撃球』を雷撃の鞭で繋いで、鎖鉄球のように振り回す技。
―――――トドメは雷撃を溜めた拳を地面に叩きつけて、周囲の地形ごと広範囲を粉砕、無数の雷が地面から『天に昇っていく』ありえねー技……。
……信じられっか?これだけの技が、たった2分の間に立て続けに襲い掛かってきたんだ……―――――
余 裕 で 死 ね る 。
「……つーか、これだけキョーレツな技持ってんのに、アンタどーしてプリキュアーツだと万年初戦敗退なんだよ?本気出せばワリとイイ線行くんじゃねーの?」
アタシの解せない点だった。以前から疑問には思っていたんだが、今回実際に戦ってみて、アタシの中で『確実な』疑問になった。
地の文とはいえあまり言いたかなかったんだが……正直に言う。今までアタシは、ピースの実力を疑問視していた。
その理由はさっきアタシが言ったとおり。アタシは物心ついた時からずっと、年に一度のプリキュアーツを見てきたんだが、キュアピースはずっと『初戦敗退』だったからだ。
ほとんど攻撃手段を持ってないシャイニールミナスでさえ、アタシが見た限りでは2回ほど初戦を突破してるのに、だ。
模擬戦とはいえ、今日アタシはピースの実力を直に知ることができた。―――――『伝説の戦士』は伊達じゃなかった。
だからこそ、余計にアタシは解せなくなった。これだけ強い"雷巴のピース"が、どうして、と。
そんなアタシの心持を受け取ってくれたのかは知らねぇが、アタシの言葉に、ピースは『申し訳なさそうな、力のない笑顔』を返してきた。
「みんな、この16年でとっても強くなった……ロゼッタやマリンの技、見たでしょ?……あの技も、16年間の『結晶』……ふたりだけじゃない、みんなも……」
「まぁな……確かにありゃスゴかった……ピースもあんな感じの『切り札』あんだろ?それかさっきの中に……?」
ピースは首を横に振る。
「ワタシ……無いの。みんなみたいな、『最高の技』が。16年の間、何をやっても、何を試しても、ワタシなりの『結晶』にはたどり着けなかったの……」
「そう……なのか」
「ワタシだけ……置いてかれちゃってる……焦ってもしょうがないってのはわかってるんだけど……どうしてもワタシ、掴めなくって……」
なるほど、"それで"、か。
ピースがさっき使ってた『技』に、一切の『銘』が無かったのは。
編み出した技が『切り札』足り得る確信に至れなかったからこそ、画竜点睛たる『銘』を付けられず、『無銘の技』という『残滓』だけが残った―――――
―――――粋な表現をすりゃこんなトコか。
「ずっとずっと……悩んでた。幾ら身体を動かしても、ペンを握ってマンガを描いても……イメージできなかった……ワタシだけの『最高』ってなんだろう?って……見つけられないまま、ワタシは『あの日』を迎えてしまった―――――」
「"やつら"が……サーバー王国に攻めて来た日―――――」
思い出したくないのは、みんな同じ、か―――――
すべてを失った、『あの日』を―――――
「16年経って、『もうジャークウェブは来ないかも知れない』って、心のどこかで思いかけてた……だからワタシ、甘えてたのかもね……16年の間、全然変わらないワタシと、みんなの姿に…………サーバー王国で負けて、キュアチップに変えられてしまってから……ワタシ、ずっと後悔してた……何もかも、中途半端で終わっちゃうのかな、って。伝説の戦士『キュアピース』としても、マンガ家『黄瀬やよい』としても……ワタシ、なんにもできずじまいだった……」
流石のアタシも空気を読んで、『あの日』の詳細を進んでプリキュアたちに訊いて回るなんてことはしなかった。ヘタしたら……こんな『全年齢向けの小説』じゃ文章にできねぇような、悲惨な光景だって目にしたのかも知れねえから。
アタシだって無念だった。悲しかった。悔しかった。親父もお袋も、レコも殺されて、それなのに何も出来なかったアタシが、この上なく情けなかったんだ……
でも―――――肝心なコトを忘れかけていたのかもしれない。
この―――――涙をぼろぼろ流して、
ずっと、辛い想いを抱え込んでたんだ―――――
「でも……でもね……助けてもらってから、ほくとくんがやって見せた『仮面ライダーストロンガー』……ワタシ、素直に『カッコイイ!』って思ったの……!それで気づいたの……ワタシはまだ……『知らないコト』が多すぎたんだ、って……!だから、仮面ライダーのことをもっと知りたいって思ったの……ううん、仮面ライダーだけじゃない、スーパー戦隊も、ウルトラマンも、メタルヒーローも……この世界の特撮ヒーローも、アニメのキャラクターも……もっともっと、いっぱい知りたい!」
果たして……これは純粋に後悔の涙か?……それとも、『知らない可能性』に気付いて、それを知るチャンスを得たが故の歓喜の涙か?
まぁ、どっちにしろ―――――
「……ほら」
「??」
「仮にもアンタ、動画サイトやヲタク共の間じゃダントツ人気の『萌えキャラ』だぜ?涙と鼻水でグッシャグシャのそのツラ、この世界のアンタのファンにゃ見せらんねぇから……さ」
「!……ありがと……」
アタシが差し出したハンカチを受け取ったピースは、存分に涙を拭いて、洟までかんだ。お約束だ。
……『泣き虫』ってのは
やっぱり―――――『
「その、さ……アタシからも、礼を言わせてくれ」
「え……?」
「初めてさ……その……"プリキュアの本音"ってのを、聞けた気がしてさ。ほら、"お師さん"って、あんまし腹割って話してくれたこと無くってさ……一緒に暮らしてても、なんかその……訊きづらい事とか、いろいろあったもんだから……」
「……そうかもね……ほのかちゃん、色々抱え込んじゃうタイプだし」
「まぁ、半人前の……たかだか2年くらいしか一緒に暮らしてないアタシが、込み入った事を聞いちまうのもアレって思って……アタシが遠慮しがちなとこもあったのもあるけど……えぇっと……」
……アタシ、何言ってんだ。
それにいつの間に"お師さん"の話題になってんだ……?
えぇっと……つまりアタシが言いたいのはだな……
「まぁ、その、アレだ!……うれしかった!
「つまんないお話で、ごめんね?……それに、グチっぽくもなっちゃったし……」
「いや、よくわかった!仮面ライダーを描きたいのも、参考にして強くなりたいのも、どっちも『ホンモノ』だって……アタシのハートにグッときた!―――――でもよ」
……ちょっと待て。
キュアピース、アンタが本気なのはよくわかった。強くなりたいがために、『この世界』のサブカルチャーを参考にする気概、大いに結構―――――
だが―――――
見落としてねぇか?
「……目上のプリキュアのアンタ相手に……ちょいと説教臭くなっちまうかもしれねーけど、いいか?」
「?なぁに?」
「ピース……『今まで全部見たモノ』を、『本当に知った』のか?……あんたが『もう勉強する必要はない』って判断したモノの中にゃ、まだ、勉強する『余地』があるんじゃねーかって思うんよ、アタシは」
「どういう、コト……?」
「『燈台下暗し』ってあんだろ?こうして『別世界』に来ちまって、そこで
「ワタシにとって……『身近だったモノ』……」
「言うまでもねーじゃんか。アンタ自身が『何』なのかって、もう一回考えればさ」
「…………伝説の戦士、『プリキュア』…………」
「…………アタシはさ……『ソレ』も答えの一端だって思うんだ。かく言うアタシも、りんくに会って、『ソレ』をこの目で見るまで半信半疑だったんだがな……」
「りんくちゃん…………あ!まさか……!!」
「そ。アンタが『知らないプリキュア』だ」
サーバー王国には、12の世界から、51人のプリキュアがやってきていた。それが『全員』だと思っていた。
前にキュアットタブに遊びに行った時に、りんくの部屋で見た―――――
『それより先のプリキュア』のブルーレイBOXを見るまでは―――――
「知っての通り……りんくの部屋にあるブルーレイBOXには、『HUGっと!プリキュア』とか、『スター☆トゥインクルプリキュア』とか、サーバー王国に来てない……いるかどうかすらわからねぇプリキュアの映像資料ってのもあるんだ。そこからヒントを貰うってのも、アリなんじゃねーかって思うんだけど……」
ピースの目がキラキラと光ってる。食いつき良すぎだな……
「それも見たい!ぜひ見たい!!あ、でもはぐプリは見たから、そのスター……?ってのが見たいなぁ……あぁでも『風都探偵』*6全巻読めてないし……ほくとくんと『平成ジェネレーションズFOREVER』見る約束もしてるし……」
えぇと……ヤバい。こりゃヘンなスイッチ入っちまったか?
コレ、放置すると特撮もアニメも色々とヤバいレベルで取り入れた、ディープな『腐女子』ってのが出来上がるんじゃねーか……?
ま、まぁ大丈夫か……『仮面ライダーのマンガを描く』って、キッチリ目標決めてるわけだし……
そんなピースに、ひとり紹介したいヤツがいるんだが。
聞いたらブッ飛ぶぜ?……ソイツの素性。
「そーいえばな、その『スター☆トゥインクルプリキュア』にさ、アンタと同じ雷使いのプリキュアがいるぜ?」
「本当!?」
「ああ、『キュアミルキー』って言うんだけど、ソイツが実はな―――――」
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《《宇宙人~~~~~~!?!?!!?!?》》
『はぐプリ』を見終わったみんなに、今度は『スター☆トゥインクルプリキュア』のブルーレイを見せてあげようとした時に、『どんな子たち?』ってたずねられて、思わず口を滑らせてしまった……
まだ見てない人にうっかりネタバレとは……誇りあるプリキュアオタクである東堂りんく、一生の不覚……ッ。
《宇宙人のプリキュアって、想像ができないわね……》
《やよいちゃんに想像図描いてもらおうよ?》
《……って、こんな時に限ってピースがいない……》
夜になって、やよいちゃんから連絡があった。ほくとくんのおうちに泊まるみたい。
データが言うには、『ライダーにハマった』って……そんなワケ…………―――――あ。
やよいちゃんならアリか……ヒーローとか、ロボットアニメが好きなんだっけ。
「スタプリかぁ……はぐプリのみんなもそうだけど……どうして16年前、サーバー王国に来なかったんだろう……?」
ふと、そんな疑問が浮かんだ。
どうしてきっかり、『プリアラ』の、それも『初期メンバー』までの『51人』だったんだろう?
年で言えば、2017年……そこで区切られているのには作為的なモノを感じる……
それにこのあいだ、メモリアが作ってくれた『救出リスト』が更新されてたのも気になる。
『来ていない』ハズのパルフェやペコリン、そして『はぐプリ』のメンバーも続々と追加されて―――――
本当に来ているのか、まだわからないのに……この胸騒ぎは何なんだろう?
そう思って、キュアットタブの画面を切り替えて、『救出リスト』を開いた―――――
「………………(;゚Д゚)」
ゑ――――――――――
あー、アレね。目の錯覚かなぁ……
今日の私、ちょっとテンション高いから、見えないモノも見えちゃってるんだ、ウン。
《り……りんく……また増えてるよぉ……》
そんなまさかと、目をこすってもう一回しかと見た。メモリアも私に倣って、目をこすってもう一回リストを見る。
「な……なんかいつも以上の大増量なんですけど~~!?」
どーしてこーなった……
どうしてこうなった!?(AA略
『はぐプリ』の下の行に、ついに『スタプリ』が追加されたのはまだいいとして、一番下のは何ですか!?
名前どころか、『?』としか書いていない12の欄はいったい……!?
しかもコレ、カウント的に『別枠』になってるみたい……一体コレって……
「……どーゆーこってすか?」
《あたしも聞きたいよ~……》
でも、逆に考えるんだ。
このリストに載ったってコトは、この世界のどこかに『スタプリ』のみんなが来てる可能性がある、ってコトでは?
はなちゃんたちだけじゃなくって、星奈ひかるちゃんたちにも会えるかもってコト?!
つまりコレって……
《……りんく?》
「―――――…………キラやば……だ☆」
《り、りんく!?》
「コレって、マジキュンキュアキュアキラやばだぁ~~!!!☆❤」
《また始まっちゃった……今回はいろいろ混ざっちゃってる……》
うん、『ノルマが増えた』なんて後ろ向きな考えは、私には、そしてプリキュアには似合わない!
読んでくれてる人の精神的ストレス的な意味でも、『スタプリまで出るかも!?』って期待してもらった方がいいに決まってる!
こうして、ホンモノのプリキュア達にも会えたんだし、『スタプリ』のみんなにも、きっと……!
「待っててねひかるちゃん!私、きっと会いに行くから……!!」
《りんくさん、俄然やる気ですね♪》
《りんくだけじゃないよ!宇宙人のプリキュア、ワクワクもんだぁ……!》
《どのような方たちなのでしょうか……もし日本語が通じなかった時のことを思うと、少し不安ですね……》
《大丈夫じゃないかな?ビートとだってこうして話せてるんだし》
《あ、そういえば……いつも一緒にいるからすっかり忘れてたわねぇ》
《か~な~でぇ~……(涙)》
《ハイハイよしよし……♪》
《……ともかく、百聞は一見に如かず、ですわ。早速ブルーレイを見てみましょう》
そんなこんなでみんなは『スタプリ』鑑賞会に突入してしまいましたとさ……
あ、そうだそうだ……今日早く帰ってきたのにはちゃんと理由があるんだよねぇ~♪ふんふん~♪♪
《ゴッキゲンだね、りんく》
「やっぱそう見える?……んふふぅ~♪今日はコレの発売日なんだよねぇ~♪じゃじゃ~ん!『ベストフレンドプリキュア』!おこづかいためて買ったんだ~♪」
《ををををををを~~~!?!!?!?!な、なんっすかそれは~~!?》
「前々から期待大だったんだよねぇ~♪『財団Bの本気』って、キュアネットでも評判だったし、絶対買うって決めてたの!……ネット通販禁止されてるからお店で買わなきゃいけなかったけど、予約しててよかったぁ~♪」
オリジナルストーリーで描かれる、テレビでも映画でも見たことのないプリキュアオールスターズの物語がゲームに……!!
財団Bサマ、あざーーっす!!明日、川村さんとさっちゃんに菓子折り持っていきたいくらいの大感謝!!
早速ゲーム機の電源を入れて、と……
《早くやろーよ~!》
「お、メモリアさんもやりたいと?んじゃ、ネットコミューンをキュアットゥースでゲーム機とリンクさせて、と……OK!これでコミューンを2Pに設定したから、ふたりで出来るよ!」
《やったぁ~!》
「よ~しメモリア!目標はイベントスチルフルコンプ!!キュアブラック、レベルカンストさせるよ~!!」
《せんせいをさいきょーにするんだね!おっけ~!!》
メモリアもノリノリ!やっぱプリキュアは、ひとりよりもふたりだよね!
あんましゲームはしない私だけど、今日だけはキュアキュアなゲーマーだ……ッ!!
中学生としては不健全なのはわかってるけど……今日は寝る間も惜しまない!!
あ、よい子のみんなはあんまり夜更かししちゃダメだよ~♪キュアメモリアルとの約束よ❤
《りんく~!たすけてぇ~!あたしのキュアホワイト、ザケンナーに囲まれちゃったぁ~!》
「む、助けを呼ぶ声!今行くよ、ほのかちゃ~ん!!」
………………………………
……………………
………………
……
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この日の僕は空手部の朝練で早朝から学校に出ていた。
朝練が終わって教室に戻ってくる時、隣の教室をのぞき込むと、いつも東堂さんが座っている窓際の席に、誰も座っていないのが見えた。
もしやと思ってネットコミューンのメールソフトをチェックしても、新着メールは何一つない。
あくせく僕は、むぎに声を掛けていた。
「カゼをひいて休むって、ママさんがさ。なんでもゆうべ、プリキュアゲームを寝落ちするまでやってたらしくって……まぁなんとも"らしい"理由で……」
「ちょっと熱が出たみたいでなぁ~。お薬飲んでぇ、一日ゆっくり寝れば治る言うてたしぃ、大したことないってぇ」
鷲尾さんの注釈に、ホッと胸をなでおろす。……東堂さんってゲームもするんだ……
「それにしても八手くん、やっぱ気になるん~?」
「え……??」
鷲尾さんの細めた瞼の隙間から、漆黒に近い深緑色の瞳が僕を捉える。
実は僕、鷲尾さんがちょっとニガテだ。いつもニコニコしていて、まったく心中が読めない。そして今みたいにたまに向けてくる、この『全てを見透かしている』ような視線がどうも……
彼女に何かされたとか、彼女が僕を嫌っているわけではないのは知っているけれど、東堂さんやむぎといつも一緒にいる鷲尾さんに『見られる』たび、意識して身構えてしまう自分がいるのは事実だ。
まさか鷲尾さん……『気づいて』るんじゃ……―――――
「なんなら放課後、お見舞い行ってみたらどやぁ?こむぎちゃんはお店のお手伝いあるしぃ、わぁは……ちょっと用事あるしぃ、プリントとか持っていける子がおらんのよぉ。先生にはわぁが言うとくからぁ、それじゃぁお願いなぁ~❤」
鷲尾さんはそう言うと、その笑みを絶やさぬまま教室を後にしてしまった。
「そ、その……いいの?僕で……クラス、別なんだけど……」
「そこらへんはそらがイイ感じに先生に言ってくれるっしょ。……ま、今日のトコはお願いね」
「う、うん……」
いいんだろうか……申し訳ないような、なんというか……
それとも…………鷲尾さんもむぎも、気を遣ってくれたの……??
いや、まさか……ふたりにはキッチリ隠せてるハズだ、絶対……たぶん……おそらく…………。
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「……キたんじゃねコレ?」
思わずアタシの口から出ていたのは、"勝機"……!!
りんくが風邪ひいて休んでて、その見舞いにひとりで行けるって、こりゃ神サンからの啓示だぜ、啓示!!
「もしかして、データもそう思った!?」
と、横に立ってるピースが鼻息荒く言ってきた。
……って、
「ま……まさかアンタ、知ってたのか!?」
「ワタシだけじゃなくって、タブの中にいるほとんどのみんなは気づいてるよ?」
「マ……マヂかよ……」
「……ひょっとして、ワタシたちを『青春そっちのけで戦ってばっかりの、三度の飯よりバトル大好きなアマゾネス集団』だって思ってた?」
……りんくのブルーレイを見るまで、薄々そうぢゃないかと思ってたとショージキに言ったら炭にされる……そう悟ったアタシは瞬時に空気を読んだ。
「―――――……ンなこたぁねーって。まぁ少なくともアンタには、恋バナってのは無縁だと思ってたけどさ」
「『失礼度』、40点っ」
「……わりぃ」
「"人間観察"って、
「恋バナも仕事の材料、か」
「『病気で休んだ女の子を、放課後お見舞いに行く男の子、おうちには女の子ただひとり』……なんて、王道シチュ!何も起きないはずがなく……んふふ……❤」
ま、ほくとが男を上げるチャンスってのは確かだな。
ベッドに臥せってるりんくに気の利いた言葉でもかけてやって、リンゴの1個でも剥いてやりゃ、りんくも『キュアキュア』から『キュンキュン』になっちまったりするかも……ガラにもねぇな、アタシ……
あ、でもピース……
「……それ、元ネタBLモノだぜ」
「……Σ(;゚Д゚)」
……そのツッコミが余計だったのかもしれない。
次の瞬間、「ちょとやぁだぁデータったらもぉ~!❤」というセリフとともに背中を平手でキョーレツにブッ叩かれたアタシは、それはもう美しい直線を描いて吹っ飛んで、
結局こーなるのか。ちくせう。
……とにかく、ちょっとばかしフォローはしてやるか。メモリアにメッセでも送って…………あ。
そーいや今朝、りんくのコミューンにメッセを送ったけど、メモリアからの返信がねぇ。かといってそのまま返ってきてるわけでもなし、確実にメッセは届いてるはずだ。所謂既読スルーか?
ま、りんくと一緒に寝てるか、プリキュア談義に夢中になってメッセに気付いてないのかもな。放課後、帰り際にもう一度メッセを送ってやるか。
それにしても―――――……
…………ピースも好きなのか、"そーゆーの"。
SAVE POINT……
キャラクター紹介
東堂 いづみ
70歳。
りんくの祖母にして、日本電脳工学研究所所長。
16年前、全世界のインターネット回線の全てが機能不全を起こし、復旧不能となった『アイ・クライシス』に際し、新たな原理でのネットワーク回線方式を構築・提案し、『キュアネット』の基礎を作り上げた『キュアネットの母』。
高齢となった現在でも精力的にネットワーク研究を続けているが、日電研を拠点に世界中を飛び回っているらしく、めったに帰宅しない。最後にりんくがいづみと直接対面したのは1年と少し前、小学校の卒業式の時である。
しかし、毎年りんくの誕生日には絵手紙を添えた何かしらのプレゼントを贈ってくるなど、りんくへの愛情は深い様子。りんくの使っているネットコミューンのベースとなったスマホも、昨年の誕生日プレゼントである。
現在は日電研にいるらしいのだが、数か月前からメインサーバールームに施錠して閉じこもってしまった。あらゆる連絡手段も遮断され、監視カメラも彼女自身が止めているようで、メインサーバールーム内がどうなっているのか、そもそもメインサーバールームに彼女が本当にいるのかどうかすら、わからなくなってしまっている。
アイ・クライシスの発生する4年前(物語の20年前)、『電脳生命体と融合し再生を果たした先駆者、それが現実に存在する確かなる証拠』なる論文を発表しているが、無名であった当時は学会からも相手にされなかったようである。
なお、共同研究を行っていた男性研究者と、助手であった2人の女性研究者がいるのだが、その3人とも現在行方不明となっている。
ちなみに常識はずれなほどに外見は若々しく、70歳であるにもかかわらず40代前半(見方によってはさらに若く見えるらしい……)の女性にしか見えない。
若さを保つ秘訣は『ヒ・ミ・ツ❤』とのこと。
坂下 駆
日本電脳工学研究所の非常勤研究員を務める青年。
4か月前、東堂博士が日電研のメインサーバールームに閉じこもり始めてから、前任者から引き継ぐ形で東堂博士の助手となった。
東堂博士から家へのフォローを任されているらしく、時折東堂家を訪れているためりんくとも面識がある。
太陽光が反射するほどのスキンヘッドがトレードマークであるが、これは普段はお寺の住職をしているため。
僧侶らしく落ち着いた性格で、物腰も柔らかく、仕事ぶりも有能。
神出鬼没で常人離れした身体能力を持ち、フィンガースナップだけで離れた場所の電子機器を操作したりと、謎の多い存在。
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別の小説で見かけた『脚注機能』が面白いな~と思って使ってみました。
見づらいとかクドいと思ってしまったらスミマセン……
ともあれ、風邪で寝込んでしまったりんくさんと、ひとりで放課後りんくさんの家に行くことになってしまったほくとくんの運命や如何に!?
次回、遂に物語が動きます……!