りんくさんがどーして無理にキュアチップのありかを聞き出さなかったのか……
そして、東堂博士が『インストール@プリキュア』をどう認識していたのか……
その他諸々の謎が明かされる、電調編の完結編を……
インスタンス・アブリアクション!!
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住宅街の電柱から電柱へ、おうちやマンションの屋根から屋根へ、飛び移りながらの帰り道―――――私が最初にしたのは、謝罪だった。
『うららちゃん……みらいちゃん……それに、みんな……勝手なこと言って、本当にごめんなさい!』
そもそもこの戦いは、ジェミニちゃんが利用していると思われていた、ミルキィローズとキュアフェリーチェのキュアチップを、彼女から取り返すことが目的だった。
でも私は……結果的にジェミニちゃんから、ローズとフェリーチェのキュアチップの詳細な場所を聞き出すことはしなかった。
それもみんなに相談もせずに、私が勝手に決めてしまった。でもって、勝手に『競争しよう』って提案して…………
もぉ~~~!!!私ったら何やってるの~……見習いのくせに出しゃばって、一人前みたいに振る舞って、自分勝手に決めちゃって―――――
《りんくさん……ひとつだけ、聞かせてください》
《どうしてあの子から、ふたりのキュアチップのありかを聞こうとしなかったの?》
私のネットコミューンからはレモネードの、デーティアのネットコミューンからはミラクルの声が、それぞれ響いてくる。
ディスプレイの上に立つふたりは、"キュアドール体型"だけれども表情が真剣だった。突き刺すような視線が、今の私の心をずきりと刺激する。
でもそれに負けないように―――――私は口から絞り出す。
『……間違ってるって、思ったから。"そんなの、プリキュアじゃない"って思ったから……!』
これが―――――私の想いだった。
私が『アニメの中のみんな』を見て学んだ、『もしもプリキュアならこうするだろう』という、ある種のシミュレーション―――――
『やろうと思えば、無理やりジェミニちゃんからキュアチップのありかを聞き出すことはできたかもしれないけど……でも、それってダメだって思ったの……!あんなに、おばあちゃんのことを想って、涙まで流してくれたあの子に、『別の涙』を流させてまで……そんなやり方、ジャークウェブやプリキュアのみんなが戦ってきたワルいやつらと同じじゃん!……私たちの都合だけを、一方的に押し付けるのは……良くないって、思った…………』
そこまで語った時、レモネードとミラクルの表情がやわらかいそれに変わってたから、ちょっと力が抜けた。
『…………か……ら……』(汗)
ど……どしたの?私、ヘンなこと言ったの……?
い、いや……コレはまさか……『笑顔の圧力』ってヤツ……!?
家に帰ったらレジェンドプリキュアのみんなから超絶お説教満漢全席フルコース~!?
エースにビューティ、ロゼッタとマーメイド……マジメ系4人のお説教なんて特に――――――――――
…………ちょっとだけしてもらいたいかも……❤
《りんくなら、そう言うって思ってた!》
『……へ?してもらいたいっての聞こえてた……?』
《そうですね♪もしあそこでジェミニさんから無理やりキュアチップのありかを聞き出してたら、それこそわたし達全員でお説教するところでした♪》
そ、そーなんだ……私、いつのまにやら正解ルートを選んでたワケね、ホッ……聞こえてなかった的な意味でも……。
《ありがとう、りんくさん、メモリア……ローズとフェリーチェを取り戻すために、がんばってくれて……》
《ふたりとも、強引なやり方で助けてもらっても、ちっともうれしくないだろうしね……でも!ああやってジェミニちゃんにチャレンジするって言ったからには、有言実行だよ!ちゃんと、ローズとフェリーチェを迎えに行くこと!》
『もちろんだよ!……私も……ありがとう……私の気持ち、わかってくれて……』
そう、言ったからにはやらなきゃ。改めて、決意を心に刻み込む。
ローズとフェリーチェには申し訳ないけれど、ふたりを大切にしてくれているジェミニちゃんのところにいるのなら、きっと大丈夫。
いつか必ず、ふたりを迎えに行くから―――――その時まで待っててね、くるみちゃん、はーちゃん―――――
『"罪を憎んで人を憎まず"、か……ヒーローのキホンだね』
ふと振り向くと、いつの間にか横にデーティアがいた。
『正直……僕はそこまで考えられてなかった……彼女からどうやってキュアチップを取り戻すか、それしか……』
『ううん……フツーそうだよ。結局……プロトセーブにはふたりは入ってなかったけどね。……デーティアも、ありがとね。私のこと守ってくれて』
『え?いや……あれは無我夢中で……そ、それよりも、メモリアルは大丈夫なの?』
『?なにが?』
『なに、って……"レジェンドライブ"だよ。凄いパワーだったけど、使った後に急に力が抜けて……僕は動けなくなっちゃったんだけど……キミはなんともないの?』
『ほぇ?』
確かにアレはスゴかった……全身を駆け巡るイーネルギーの感覚、まだ覚えてる……
でも―――――同時に、私が『私じゃなくなっていく』―――――そんな、ヘンな感じもあった……
アレが……『インストール@プリキュア』の……本当の力……なの?
『なんとも………………ん゛ッッッ!?』
《り、りんく!?なんかヘンだよ~~!?》
思えば、そこでちょっとだけ気を抜いたのがいけなかったのかもしれない……
胸のイーネドライブから、全身に電流が走ったと思うと、本当に全身からピンク色のスパークがびりびりッ!と迸って、がく!と五体ががっちりロックされたように固まってしまった。そして―――――
―――――ぱちん!!
「え?えええええ~~~~~~~!!!!?????」
こ、こんなところで初めての強制変身解除~!?
い、今さらレジェンドライブの反動が来たってコト~!?
しかもここは住宅街の真上!!お、落っこちちゃう~~!!
しかし泣いて叫んだところで我らが母なる地球さんが私だけ特別扱いしてくれるはずもなく、『さぁおいで、抱きしめてあげる!』とばかりに私を地面に引き込み始める―――――
ま、待った~!私を含めた人間って生き物は、おカタいアスファルトにHUGっとされると死んじゃうんですってば~!!
――――― ! ―――――
「………………あれ…………??」
覚悟を決めて両目をぎゅっとつむった私は、急にふわりと『浮かされた』。
落ちた……わけじゃないみたい……おそるおそる目を開けると―――――
『……間に合ってよかった……』
いつも見る『男の子顔』よりも幼い感じの、ちょっと大きめの水色の瞳が、私を見下ろしていた。
さらさら流れる水色の髪が、月光に反射して輝いて見える。
「…………あ…………」
私……『お姫様抱っこ』……されちゃってる……
女の子なら、憧れの男の子に一度はされてみたい、『壁ドン』と並び称される恋愛シチュエーションのひとつ…………
でも私は、人生初のお姫様抱っこを、男の子じゃなくって、『プリキュア』に奪われちゃいました……❤
誇りあるプリキュアオタクとして、こんな嬉しいことは無い………………
あ、でも私をお姫様抱っこしてるプリキュアに変身してるのって―――――
『と、とっさのことだったから……そ、その……ごめん……っ』
デーティアは顔を赤くして、私から視線を逸らすけど、そんなテレなくてもいいのにぃ~♪
どこかのマンションの屋上に着地したデーティアは、私を下ろしてくれた。
「ありがとう…………あ、あれ?」
なんか、身体がダルくて、力が入らない。足がふらついて、立ってるのもキツくなってくる……
ふらついて倒れそうになったところを、デーティアが受け止めてくれた。
『大丈夫!?やっぱり、レジェンドライブの反動が……』
「こんなに……キツいの……?」
『僕の時は3分くらい動けなくなっただけだけど…………無理しすぎだよ』
「どうしても……ジェミニちゃんと……お話……したかった……から、ね…………」
ヤ、ヤバい……気が遠くなってきた…………
まだ家までかなりあるのに、こんなところで気を失ったら………………
―――――ふぁさっっ―――――
「…………ふぇ?」
気が遠くなり始めてぼやける視界の中で見えたのは、キュアデーティアが、首に巻いてた純白のマフラーを右手で引き抜くように取り去る後ろ姿。
そしてすぐさま、そのマフラーが私の首にかけられる。
『まだ、夜風が冷えるからね。よかったら、使って』
言われるまま、私はそのマフラーをぐるりと巻いた。言うまでも無いけど―――――スんゴく暖かかった。
しかも………………なんかいいにおいがする……❤
こ……このまま"くんかくんか"したいけど、さすがにソレはドン引きされるからやめておくとして……
『……よっと』
ほぇ……!?
お……お姫様抱っこの次は『おんぶ』ですと~~!?!?!?
そ、そこまでしてもらわなくっても……で、でもカラダに力が入んない……
「ちょ……ほ、ほくとくん……っっ!?」
『名前呼び禁止っ♪家まで送るよ。……メモリア、東堂さんの家まで案内してくれる?』
《おっけー!》
お、おっけーって、メモリア……
あぁでも、もう意識がもたないかも……
デーティアのうなじの水色のHDDが、ぼやける視界に大きく映る。
【P.R.E.C.U.R.E. SYSTEM CORE DRIVER】―――――
HDDに刻まれている文字が映ったのが、私が最後に見た景色。
デーティアの背中で夜風に揺られるうちに、疲れと眠気が限界に達して、まぶたを開けてられなくなる。
……ジェミニちゃん……わかってくれた……のかな?
あの子なら絶対、ローズとフェリーチェに乱暴はしない。だって、ローズとフェリーチェには結局、直接何もしてなかったわけだし、それに、『おばあちゃんとの絆』の一部なんだから。
私たちのこと、全部を話すことはまだできないけれど……おばあちゃんが大好きなジェミニちゃんなら、きっと―――――
それにいつか……おばあちゃんにも、『今の私』を見せてあげたいな。『私、プリキュアになれたよ!』って報告して―――――
でも―――――
おばあちゃんは―――――
本当にプリキュアのことや、サーバー王国のこと、知ってたのかな―――――?
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(↑勢いと成り行きでやったこととはいえ、あまりの恥ずかしさに地の文すら綴れない状態。)
《おいほくと!?どーした!?放送事故みてーになってんぞ~!?これ小説だから何やってんのかわかんねーぞ~!?ほくと~~!?》
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NPC GEMINI NORTHUPP
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帰宅したときには、午前2時を回っていました。
物音を立てずにコッソリと裏口から入ったのですが、その瞬間に明かりがついて、ムギが目をツリあがらせて仁王立ちしてました……
「ちょっとジェミニ!こんな時間まで一体ドコほっつき歩いてたのよ!?こっちは水浸しになったお店や工房の片付けで大変だったのに!!」
「す、スミマセン……お仕事関係で急に呼ばれてしまいまして……」
『職場』を言い訳にするのは実に忍びないのですが……ムギをはじめとした稲上家の皆さんには申し訳なく思う次第で……
明日、朝一でお店のお手伝いをすることをムギと約束して、まだ完全に荷物を片づけきれていない自室に戻り、デスクに腰かけると、思わず大きなため息が出ました。
今日は……色々とあり過ぎました……まだ頭の中が混乱して、レポートにまとめるにしても今書くと支離滅裂になりそうなので止めておきましょう……
こんな時は―――――これを読むに限ります。ワタシが、今のワタシになる『きっかけ』をくれた論文―――――
【電脳生命体と融合し再生を果たした先駆者、それが現実に存在する確かなる証拠】
幼いワタシに希望をくれた、東堂博士の初期の論文―――――ずっとずっと、大切にしているワタシのバイブル。
悔しいことや悲しいこと、つらいことがあった時に読むと、不思議と心が晴れてくるのです。
そして―――――ワタシが初めて心に希望を抱いたあの頃を、思い出させてくれます―――――
特にこの部分、本文中に初めて、題名である『電脳生命体と融合し再生を果たした先駆者、それが現実に存在する確かなる証拠』と書かれている一節が、ワタシのお気に入りなのです♪
その最初の単語を取って、『高度情報化生命体』の通称に『
「……!?」
何度も読み返したその一節を今日この時に読んだ瞬間―――――
全身に電流が走ったような感覚―――――
ワタシは、本を思わずばさりと落としてしまっていました。
「……ふ……ふふ……ふふひひひ………………うぇひひひひひひひひひ!!!!!!!!!………………そうですか、そういうことでしたか!!!」
―――――実に……実に笑わずにいられましょうか、
もう数えきれないほど読んだはずのこの本のこの一節に、こんなことが……こんなコトバが仕掛けられていたなんて!!
「もう博士は……そこまでたどり着いていたということですか……!ワタシがここまでかかったのに、もう……!!!」
そうなんですよ……!
東堂博士はもう、知っていたのですよ……!
こんなの、わかる人間にしかわからないじゃないですか……!!
『電脳生命体と融合し再生を果たした先駆者、それが現実に存在する確かなる証拠』―――――
この一節の、英語で書かれた原文―――――
【
これらの単語の頭文字を繋げて読むと―――――
Pioneer of
Real
Evidence
Computer-organism
United
Reincarnation
Existence
「最初から……!博士は最初から、彼女達が『プリキュア』だということを知っていたのですね……!」
これでは、あの方たちを『プリキュアではありません』と断じたワタシが、バカみたいじゃないですか……
もうあの方たちは、あの方たちが名乗る遥か以前から、『プリキュア』だったということですね……
彼女達を否定するその度に、ワタシは博士をも否定していた、ということですか……
「実に……実にイジワルですねぇ………………」
こうなれば、彼女達との約束を果たしましょう……!
彼女達―――――『プリキュア』の実体と実在を、必ず世に知らしめることで、アナタにご恩をお返ししましょう……
今は閉じこもり、ワタシたちに姿をお見せにならない"あのひと"に、ワタシは必ず報います…………!!
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CURE-MEMORIA
HOKUTO HATTE
CURE-DATA
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あれから3日たった朝の通学路―――――
私はあまり体調がよろしくなかった。
頭がボ~っとして、身体にも何となく力が入らない。授業中も居眠りしちゃうくらいで……
メモリアもちょっと調子が悪いみたいで、日中もずっと寝っぱなし。
たぶん……というか十中八九、この間の戦いの『レジェンドライブ』のせいだ。
プリキュアに変身して戦うようになって結構経つけど、ここまで疲れを引きずるのは初めて。
レジェンドライブ……あれからみんなに聞いたけど、発動したマリンやロゼッタも、ほとんど知らない能力だったみたい。
ふたりも相当疲れていたようで、今朝もそのふたりだけは呼び掛けても応じてくれなかった。
超強烈なパワーを出せる一発逆転の切り札……だけど、その後のリスクも考えて使わなきゃいけない、諸刃の剣―――――
今までのキメ技や能力とは次元が違う。レジェンドプリキュアのみんなの技にも、ここまで反動がのしかかる技ってなかったと思うし、気を付けなきゃ……
「あ、りんくちゃんおはよ~♪」
「おはよ~……」
いつもの丁字路で、そらりんが待っててくれた。
「まだ調子よくないん?」
「まぁ……あと1日か2日寝ればどーにかなるっしょ……とりあえず、休まなくっても大丈夫……むぎぽんは?」
「先に行くって。日直じゃないのにどしたんだろ~ねぇ。なにかわかりる?」
「ううん……どっかの部活の朝練に付き合ってんじゃない?もうすぐソフトボール部の地区大会だし」
結局通学路でむぎぽんに合流することなく、学校の校門までたどり着いたその時―――――
「お待ちしてましたよキュアギーク!!」
という、どっかで聞いたような―――――ううん、聞いたことのある声が投下された。
この声……もしや!?
振り向くと、太陽を背に、校門のそばの塀の上に仁王立ちする人影……!?
「とぅっ!!」
ひらりと飛び降りて、私の前に着地―――――
―――――だんっっっ!!!!!!!
「~~~~~~………………!!!!」
―――――したけど、足ががくがくと震えてる。……痛かったみたい。
「大丈夫??っていうか………………ジェミニちゃん!?」
「そのとーりっ!!お名前を憶えていていただいて実に光栄です、キュアギーク」
カッコよく登場したけど最後に締まらない着地をしちゃったジェミニちゃんは、大泉中学の制服を着て、その上に白衣を羽織るというなんとも自己主張の激しいカッコだった。
けど……
「どうしてここに……ってゆーか、そのカッコって!?さっきから"キュアギーク"ってなに?」
「うぇっひっひ……♪順を追ってご説明しましょう。まず、ワタシがニッポンに来た理由です。……実はワタシ、さる筋から『ある存在』の調査を依頼されまして」
「それって…………??」
「…………最近流行りの、『プリキュア』ですよ、『プリキュア』!」
「は、はぁ……」
あれ?このコ、この間まで『アナタたちはプリキュアではありません』とか言ってたのに、フツーに『プリキュア』って言ってる……?
と、とにかく、何も知らないフリをしてテキトーに話を合わせとこーっと……
「でもって!その『プリキュア』のおふたりはズバリ!中学生のどなたかであると踏みましてねぇ……そこで!情報収集のため、ワタシもこの大泉中学校に通学することにし・た・の・で・す~~!!新鮮なネタはやはり現場からに限りますからねぇ、ウェヒヒッ♪」
「わぁ、すんごいなぁ♪2年に転入するん?」
「いえ、一つ下の1年生です。ワタシ、一応12歳なんで。ニッポンの中等教育は質がいいと聞きますので、この際ついでに学生生活を満喫するのも悪くないかと♪―――――で!」
ずい!と、今度は私の顔にジェミニちゃんが迫る。
「ムギから聞くところによると?アナタ、『プリキュア』にお詳しいそうで?その上東堂博士のお孫さんとお伺いしましたよ!?なぜ最初にお会いした時にそのことを教えてくださらなかったのですか!?」
「いや初対面の時にむぎぽん言ってたじゃん!?」
「スミマセンねぇ……あの時のアナタ、ワタシにとってはモブキャラでしたので♪」
仮にもこの小説の主役に何を言ってんですかアナタ。……っていうメタなツッコミはこの辺にしておこう……
「『プリキュア』のコトを骨の髄まで知っているというアナタには、『
あの……私、キュアメモリアルなんですが。
姿が変わると名前も変わる『SS』のふたりじゃあるまいし……
「アナタには東堂博士のことですとか、プリキュアのことですとか、聞きたいコトが実にたくさんあるのです!これからはアナタにも全面的に協力してもらいたたたたたた!?!?」
「こらジェミニ!あんたいきなりいなくなったと思ったら!ほら、まだ手続き終わってないんだから、行くわよ!……ゴメンねぇりんく……この子ったらこないだからプリキュアにゾッコンになっちゃってね……まぁ、たま~にでいいからヨタ話に付き合ってあげてよ、お願いね~♪」
追いかけてきたむぎぽんがジェミニちゃんをあっさりと捕まえると、校舎の中に取って返して行った。
「よ、よろしくお願いしますねぇ~♪」
……と、ジェミニちゃんが去り際に手を振っていた。
「うふふ♪なんか、またにぎやかになりそうやねぇ♪」
そらりんは相変わらずニコニコしてるけど、これからは別の学年とはいえ、同じ学校に増子さん以上の『プリキュア
で、でも……これってハッパかけちゃった私のせい……ですよねー……ハイ。『どっちが先に目標達成するか競争だよ!』って提案したのは私だし……
ジェミニちゃんはおばあちゃんのためにがんばろうとしてるんだけど、私も私で正体バレたらマズいワケだし……
こーなったら、ジェミニちゃんよりも先にローズとフェリーチェ以外のプリキュアたちを全員取り戻して、残りのふたりを早く迎えに行かなくちゃ……!
とはいえ…………
「これからいったい…………ど~なるの~~~!?」
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……ENEMY PHASE
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むぅッ……よもやッ、ここまで連続で作戦を失敗するとはッ、このスパムソン不徳の至りであるッ。
『2度も同じ作戦は使うまい』という先入観の裏をかいたつもりであったがッ……プリキュアめッ……。
だがこれからどうするかッ……矢張り一度ッ、『本国』に戻りッ、体勢を立て直すかッ……
「―――――よォ、ゴブサタしてるなァ、将軍サマよォ」
思案している小官はッ、不意に声を掛けられたッ。
この声ッ……実に久方ぶりであったがッ、忘れもしないッ……!
「貴官等はッ……!現在まで何処で活動していたァッ!?先日の御大将
「ハイハイ将軍サマ、悪ぅございましたよ。でもさァ、忘れてねェか?カイザランチュラ様は
「感謝。報恩。忠節」
この2人ッ……新参者でありながらッ、どのように御大将カイザランチュラに取り入ったというのだッ……?
それに御大将も御大将でッ、何故このような粗暴な『裏切り者』共に独立行動権などッ……
否ッ、御大将の聖断にッ、一士官たる小官が口を挟むなどッ、天に唾するが如き愚行にして愚考ッ……!これもまたッ、ジャークウェブ繁栄という栄光の未来を見据えたッ、御大将の慧眼であるッ……!!
「してッ?貴官等は何故このような場所をほっつき歩いているッ?よもや我等
「まァ落ち着けよ……アンタ達が『サーバー王国の残党』相手にドンパチしてる間に、『イイモン』を拾ってなァ。『コイツ』で何かできないか、ちょっと工作してたンだよ」
「改造。適合。応用」
「……そーゆーこった。『コイツ』が、これからの戦いを変えるぜ……?まずは実験してみなきゃなァ……そうだな―――――」
その女はッ、オモチャめいた板状のモノを取り出しッ、悪辣に口角を上げたッ―――――
「
―――――STAGE CLEAR!!
RESULT:CURE CHIP No.17『CURE-MARINE』
プリキュア全員救出まで:あと45人
TO BE NEXT STAGE……!
!!!DANGER!!!DANGER!!!DANGER!!!
UNKNOWN ENEMY INTRUSION!!!
『あたまいた~い……カラダがおも~い……』
『りんく……あたし……もうダメかも………………』
!!!ATTENTION!!!
PARALLEL UNIVERSE APPROACHING!!
『患者の運命は……オレが変える!!』
―――――りんくの『今回のプリキュア!』
りんく「今回のプリキュアはだ〜れだ?」
『海風に揺れる一輪の花!キュアマリンっ!』
メモリア「『ハートキャッチプリキュア』のサブリーダー、"
りんく「明るく前向きノーテンキなファッション部の部長、来海えりかちゃんが変身した、『こころの大樹』を守る海の戦士だよ!」
メモリア「そんなマリンのキメ技は、コレ!」
『花よ、煌めけ!プリキュア!ブルーフォルテウェェェェイブ!!』
メモリア「花の力の弾丸でワルモノを浄化する、ブルーフォルテウェイブ!」
りんく「ちなみにハトプリの浄化技、マリン自身が喰らったことあるんだよね……」
メモリア「え゛……だいじょーぶだったの、ソレ……?」
マリン「いや~、あの時はマジで昇天寸前だったよ、イヤホント」
りんく「ですよねー。ご本人登場しないわけないですよねー。だってえりかちゃんだもんねー」
マリン「いや~どもども♪このコーナーに出られるの楽しみにしてたんだよねぇ♪つぼみ~!いつき~!ゆりさ~ん!映画のはぐプリ見た~!?インプリ読んでる~!?」
りんく「息をするよーにメタ発言する……キュアチップにされてるから読んでるわけないぢゃん……映画のコトは触れないでおこう……」
マリン「タブの中見てきたけど、ま~おカタいメンツが多いわねぇ~。アタシと波長が合いそうなのみゆきとやよいくらいじゃん。でもま、きららもいるからタイクツしないか……せめてひめやいちかあたりがいればなぁ~……」
りんく「その皆さんを早く助け出せるよう善処しますです、ハイ」
マリン「さぁてこのアタシが入ったからにはインプリはガツンとオモシロくなるよ~!作者さんもこの勢いで、一気に最終回まで寝ずにブッ通しで書いちゃいなよ~♪」
りんく「いやいや作者さん死んじゃうって……」(汗)
メモリア「??さくしゃさんってだれ?」
マリン「じょーだんじょーだん♪それじゃ次回もアタシがグイグイ引っ張っちゃうからね~!♪ばいば~い!!」
りんく「え゛!?コーナー乗っ取りのピンチ!?」
―――――ほくとの『レッツゴーライダーキック!!』
ほくと「…………/////////////////」
データ「って、また同じ始まり方してっぞほくと……」
ほくと「僕……僕……なにやってんだ……」
データ「いい加減本編の反省会コーナーにすんなっての……んじゃ気を取り直して、今回のライダーはコイツだぁ!!」
《潰れる!流れる!!溢れ出ぇる!!ROBOT IN GREASE!!
『心火を燃やして……ブッ潰す!!』
ほくと「『仮面ライダービルド』に登場した、猿渡一海さんが変身する北都の仮面ライダー……それが『仮面ライダーグリス』だ!」
データ「お、今日は復帰が早いな。……でこのグリス……今までほくとが再現したライダーの中では一番最近のライダーだな。読んでるヤツの記憶にも新しいはずだぜ」
ほくと「最初は仮面ライダービルド……桐生戦兎さんへの刺客として、東都と北都の戦争に参加してたんだけど、代表戦に負けてからは西都に故郷を奪われたこともあって、戦兎さんに味方してくれたんだ」
データ「それからはビルドとクローズの心強い仲間になったんだが…………な?」
ほくと「うん……でも、この場で僕が語れることは、ほとんどないと思う……最後まで見てもらった方が早いと思うから」
データ「アイツの戦いぶりを焼き付けておけたからかな……今回、グリスの戦術でマリンの力を限界以上にまで引き出せたのはさ」
ほくと「……そうだと思いたいね」
データ「さてほくと……次回からはスペシャルゲストが登場するらしいぜ?お前も、読んでるヤツもキモがブッ飛ぶぜ♪それじゃ、またな!!」
ほくと「??いったい誰なんだろう……??」
次回予告
ナレーション「次回、『インストール@プリキュア!』」
―――――りんくが手に入れた、1本のゲーム―――――
りんく「じゃじゃ~ん!『ベストフレンドプリキュア』!おこづかいためて買ったんだ~♪」
メモリア「早くやろーよ~!」
―――――喜びのりんくを、謎の奇病が襲う―――――
りんく「頭が……くらくらする…………」
メモリア「あ、あたしも~……」
ほくと「そんなバカな―――――……でも、これって―――――"ゲーム病"だ……―――――」
園長「私の知り合いに、これの治療法を知ってるお医者さんがいるわ」
―――――そして、ほくとは邂逅する―――――
??「変身ッ!!」
ほくと「ま……まさか……あなたは……!!」
??『ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!!』
第14話『EXCITE@EX-AID!』
ほくと「仮面ライダー……エグゼイド……!!」
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……というワケで、電調編、堂々完結です!長かったぁ……
ジェミニちゃんはこの先も所々で登場して、りんくさんやほくとくんをヒヤヒヤさせてきますので、どうか彼女も生暖かく見守って頂けたらなぁ、と……
1年半の間、電調編にお付き合いいただきありがとうございました!
さて……予告をご覧いただいてもうお分かりと思いますが、次回より『クロスオーバー編』第1弾として、『仮面ライダーエグゼイド編』が始まります!!
単なるクロスオーバーにとどまらず、その後の展開にも大きな影響を与える一大転換点となる予定です。それでは、また!