エグゼイドでは
プリアラに水瀬いのりさん登場……ってええええええええ!?!?!!?
……ほくとくんの脳内再生ボイスを変えねばならんと思った稚拙です。
さて、今回は、『次回の序章』とも言うべき、『とある組織』……
そこに属する『大人達』のお話です……
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NPC ??????
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俺が"事務所"に戻った時には、午後4時を回っていた。
急な夕立に降られて、傘を持ち合わせていなかった俺はずぶ濡れになってしまった。
……やれやれ。クリーニング代だって安くないってのに……
「あ、主任、お疲れッス」
「……おう。佐藤、そっちはどうなってる?」
上着を脱ぎ、タオルで髪を拭きながら、佐藤が向き合うパソコンの画面をのぞき込んだ。
「いやぁ、もうイタチごっこッスよ。消しても消してもどんどん出てくる……『消すと増えます』ってよく言ったモンッスよ」
「一度ネットに上がっちまったモンは完全に消せやしねぇのにな……"Dr.G"も無茶言うぜ」
「……それで、主任は今日はどこに?」
「広告代理店の"UDK"にな。案の定、"知らぬ存ぜぬ何者だ"、だった。ま、薄々はこうだと思ってはいたがな」
「やっぱ、"公式"は面食らってるみたいッスねぇ。……あ、コーヒー飲みます?」
「頼む」
佐藤は席を離れて、給湯室に入っていった。インスタントコーヒーの香ばしい匂いが部屋の中に立ち込める。
「"夕陽放送"に"UBCアニメーション"、アニメの制作元の"東アニ"……その元締めの"東都映像"も全部同じだ……この件は知らない、むしろ教えてほしいってよ」
「マッチポンプだとしても金かかりすぎですもんねぇ」
そう言いながら、佐藤はコーヒーの入ったカップを置いた。
「反対にノリノリなのは"財団B"……キャラクターグッズ展開する気マンマンッスよ。商標登録持ってるからって……」
「何にせよ……金持ちのやることは俺達庶民には理解できんモンさ」
佐藤が開いているブラウザに、もう一つのタブがあった。『大泉のプリキュア』と、ページのタイトルにあった。
「で……アップされた映像のひとつがコレ、か」
一人の少女が、ビルの壁を体一つで走って登っていく映像。とても現実の映像とは思えない、特撮めいた映像だが―――――
「……どう思います、主任?」
確か、この映像を解析した結果が出ていた筈だ。"解析班"の提示した資料をデスクの引き出しから取り出してみると、非現実的な数値がずらずらと書かれている。
「垂直登坂で100m換算5秒弱……"ジャマイカの黒い稲妻"が泣くな」
現実にこんな存在が現れたとなると、間違いなく日本の陸上界からお呼びがかかる。ビルの壁を走ってこの記録なら、平地でなら確実に日本どころか、世界の陸上界が―――――
否、『人類の常識』そのものが、上書きされることになる―――――
そんな存在は―――――はたして『人類』と呼べるのか―――――……。
該当するとすれば、ただ一つ―――――
「間違いない……"Dr.G"の言うところの―――――"P"だ」
"俺達"のオブザーバーを務めている人物―――――Dr.Gが以前から提唱してきた、『人類を超越した存在』という、"P"。
あくまでもコードネームであり、正式名称はDr.Gしか知らない。何かの頭文字らしいが……。
「まぁでも、不可能テロを引き起こす不明生物と、それを指揮するテロリスト……それと戦ってくれるんなら、いいんじゃないッスか?"正義の味方"ってコトで。自分たちの手間も省けるってことで。それに、ウチの娘もプリキュア好きですし―――――」
「馬鹿言え―――――確かに、ああして不明生物と戦って、テロを起こす連中を鎮圧することは"いいこと"だ。……だがそれは―――――"子供の仕事"じゃない」
俺はどっかと椅子に腰を下ろした。
「まして、それが自分本位の『勝手な正義』に基づいた行動だっていうんなら……今すぐ止めさせなきゃなんねぇ。ああした連中を相手すんのは大人の……俺達『公務員』の仕事だ」
「主任……?」
「……どいつもこいつも……自分の考えが『正義』だって勘違いする……そんなもん、ホントにあんのかわかんねぇくせによ……」
そうした連中を、俺はガキの頃から見てきた―――――いや、『見させられてきた』。今でも、『あんな連中』と同じ空気を吸って、同じ釜の飯を食ってたと思うと―――――吐き気がする。
「あ、そういえば主任、『室長』から伝言ッス。4時半に、室長室に顔を出してほしいそうッス。なんか、重要な話があるみたいッスよ」
「室長?」
俺は部屋のアナログ時計に目をやった。―――――4時28分!?
「それ早く言いやがれッ!!」
俺は慌てて事務所を飛び出した。
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「失礼します」
俺が室長室に飛び込んだ時には、4時31分だった。
「1分遅刻だ」
「……すみません」
「……公務員たるもの、時間には正確であるべきだと思うが?」
見ると、室長だけでなく、その"上"の―――――
「!!……副大臣!?」
思わず背筋が伸びた。この部署にめったに姿を現さず、本当にこの部署の存在を把握しているのかどうかすら疑われている副大臣が、俺に何の用があるっていうんだ……?
「まぁいい。早速だが、新たな仕事だ。……もう薄々、気付いているだろうがね」
「……"P"絡みですか」
「うむ」
室長は頷き、手元のスイッチを押した。スクリーンが降りてきて、映像が映し出される。巨大な不明生物に戦いを挑む、2人の少女の映像だった。
「正確には、突如として大泉町近辺に出現し、常識では考えられない『不可能現象』を引き起こし、国民生命・財産に被害を及ぼす『不明生物』についてだ。5月に最初に出現した個体は、市街地で破壊活動を行い、死傷者も出している。そして不明生物が出現する際は、必ずこの少女たちが姿を現している」
「君とその部下には今まで情報統制と関係各所への折衝を行ってもらっていたが……明日からは、これらの『不明存在群』への本格的な調査活動を命じる。これは正式な辞令だ」
副大臣から差し出された『辞令』と書かれた書類を受け取ると、副大臣はニヤリと笑んだ。
「君ならば……彼女たちと、あの"不可能テロ"を引き起こす不明生物の正体を暴き出せよう……『異端児』と呼ばれているとは言え、"あの一族"の出である君ならばな」
"あの一族"―――――
その言葉に、静かな怒りを覚えた俺は―――――
「お言葉ですが……」
俺は思わず言い返していた。
「自分は確かに"あの一族"の出ですが、彼らと……"呪われた一族"と一緒に扱わないで頂きたい」
「……気を悪くしたのなら謝ろう」
「…………いえ、自分こそ、口が過ぎました」
「兎も角……まず第一に、不明生物の正体を探り、もし背後に『首謀者』が存在するのであれば、それを特定、逮捕すること……そして、不明生物と戦闘行為を行っている2人の少女たちの身元の洗い出し、および『保護』……この2点を最優先で行ってもらいたい。まずはDr.Gのエージェントと接触するのだ。既に日本に入国していることは確認している。"彼女"の写真と連絡先だ」
室長は写真とアドレスの書かれた紙を渡しながら、こうも付け加えた。
「……彼女なら、君も良く知ってよう」
「…………!!」
エージェントって……よりにもよってコイツか!?
世界中を飛び回ってる風来坊のアイツが、どうしてDr.Gのエージェントなんかを……!?
「なんでも、彼女はDr.Gとは個人的な親交があるらしくてな。Dr.G自らエージェントに指名したらしい」
「し、しかし……彼女はアメリカ人です。我々に協力する理由は―――――」
「確かに彼女はアメリカ人だが、日本生まれの日本育ちだ。それに彼女の"立場上"、"公明正大"であらねばなるまい。"この件"の独占取材の権利を条件に、快く協力を承諾してくれたそうだ」
ったく……アイツはいつでも、節操が無く、抜け目も無い。
またあいつと顔を合わせるとなるとうんざりもするが……
「Dr.Gは"彼女"に、今回の仕事に必要な物資を預けているそうだ。早急に接触してくれ」
「了解しました……」
「必要な人員の選抜は君に任せる―――――既に、数ヶ国の工作員が極秘裡に日本に入国していることが確認されている。無論、全て『処理済み』だがね」
「……やはり、動きは早いようですね」
「こうした"裏側"のことは、我々の方で出来る限り『対処』する。君達に累が及ばぬように、
「……お得意ですね」
これだから出世はしたくねえ。"上"に行けば行くほど、見たくもねえ『闇』ってヤツを見せつけられる。
まぁ……俺自身が選んだ道だから、仕方がねえっちゃ仕方がねえんだが。
「この件は我々のオブザーバーであるDr.Gの肝煎りだ。この国……否、Dr.Gが言うには全世界の常識を揺るがせる存在が相手になる……くれぐれも頼むぞ―――――」
室長の言葉に、俺は今一度、室長と副大臣に向き直った。
「内閣電脳調査室・主任調査員……
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「やれやれ……家柄ってやつは、どうにもついて回るもんだな……縁を切っても切りきれん」
帰り道の中、俺はうんざりしながら缶コーヒーをあおった。
もう俺は、増子の本家とは縁を切ったというのに。……もっとも、戸籍変更とかが面倒だから『増子』姓を名乗り続けてるのも問題があるのかもしれんが。
これもまた―――――"呪い"のひとつか―――――
「でもこれって大チャンスッスよ?あの"プリキュア"の正体を突き止めろなんて、自分、ワクワクするッスよ!」
「ん?俺、お前をこの仕事に加えるって言ったか?」
「え?ええ!?ま、マジッスか!?しゅ、主任~~!?」
「……ッハハハハ、冗談さ。お前にゃ、今まで以上に働いてもらうぜ」
「……主任……」
佐藤はビシッ!!と背筋を伸ばして敬礼した。
「この
「バカ言え。いつかは自立しやがれ。だからお前所帯持ちに見られねぇんだよ」
「面目ないッス……」
「……さて、明日から忙しくなるぞ。まずは"アイツ"に接触しなきゃならん。明日の朝連絡を―――――」
「その必要はあらへんでぇ♪」
突然、背後から浮ついた声色がした。聞き覚えがある声に、思わず振り返ると―――――
見覚えのある―――――金髪碧眼の女が立っていた。
「Hello♪」
「しゅ、主任!金髪美女!金髪美女ッス!!……道に迷ったんスかねぇ……は、はろー、えくすきゅーずみー……」
コイツ、公務員のくせにロクに英語もできんのか。金髪美女はいたずらめいた笑みを浮かべると、佐藤にとっては予想外であろう言語で返してきた。
「あかんあかん。そないなカタッコトの英語じゃ、国際社会でやってけへんでぇ?中学からやりなおしてきぃやぁ?」
「…………………………え………………??( ゚д゚)」
呆気にとられる佐藤のそばを通り抜け、関西弁を解した金髪碧眼の美女は俺の目の前に立った。
「めっさ久し振りやな―――――"みっつー"」
「…………お前も相変わらず、初対面のヤツをからかう癖が抜けてなくて
「しゅ……主任、このヒトは……??お知り合いで……??」
「お前、ニュースとか見てねぇのか?この顔、ニュースで見てるだろ」
「んんん……………………!!……あああーーーーーーーーーーー!!!!きょ、去年のピューリッツァー賞の……!!」
「ご明察。……3年振りぐらいか、テテ?お前の事をよく知らん俺の後輩に、自己紹介のひとつでもしてやってくれ」
「しゃーないなぁ」
この、抜け目無く、節操も無い女とは、もう関わりあう事は無いと思っていた。
しかしコイツは、3年ぶりに日本に戻ってきた。
―――――Dr.Gの、エージェントとして。
「特ダネあるとこひとっとび!『空飛ぶジャーナリスト』、ティモシー・フランシスや!"テテ"って呼んでや、どうぞよろしゅう!」
―――――りんくの『今回のプリキュア!』
りんく「今回のプリキュアはだ〜れだ?」
『ふたりの奇跡!キュアミラクル!!』
????「朝日奈みらいさんが変身した伝説の『魔法つかいプリキュア』のリーダー、"みらくる"です!!二つ名は"
りんく「ふぇ?ど、どちらさま!?」
めぐみん「よくぞ聞いてくれました!我が名はめぐみん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法・爆裂魔法を操りし者!」
りんく「あー!!なんか聞いたことがあると思ったら、あのバグッチャーの!?どーして!?」
めぐみん「今回は特別に、"なんだか他人のような気がしない"偉大なる魔法つかい、みらくるのご紹介をさせてもらいたく、遊びに来ちゃいました♪」
りんく「他人のような気がって……確かになんとな〜くミラクルと声がそっくりな気がするけど……」
めぐみん「では早速……みらくるの最大の特徴は、カラフルチェンジによって戦術や属性を変えることで、どんな相手とも柔軟に戦うことができることです!ぴかぴかの『光』属性のダイヤスタイル、ざぶざぶの『水』属性のサファイアスタイル、びりびりの『雷』属性のトパーズスタイルも魅力ですが……」
りんく「ですが……?」
めぐみん「何と言っても一番なのが、めらめらの『炎』属性を持つルビースタイルです!!見てください、名乗りを上げただけでこの爆発、閃光、轟音!!さすがは伝説の魔法つかい……とてつもない火力です……!!!」
りんく「プリキュアらしからぬバクハツ……ほくとくんが見たら喜びそうだねぇ」
めぐみん「その最大の爆発力を発揮するのが、"まじかる"とともに発動する金魔法!!」
『『紅の情熱よ、わたし達の手に!!フル、フル、リンクル!!プリキュア!ルビー!!パッショナーレ!!!』』
めぐみん「紅蓮の炎を纏って突撃し、真紅のリボンで浄化するルビー・パッショナーレ!ここ!ここです!!この爆発による超加速!!絶対に避けられません!!いずれは私も爆裂魔法を使ってこの身で再現を……」
ウィズ「あ、めぐみんさん!こんなところに!カズマさんが呼んでますよ?ジャイアントトードの討伐クエストに行くって……」
めぐみん「ウィズ!?……もうこんな時間ですか!?それでは名残惜しいですがココで……みらくるによろしく伝えてくださいね〜♪」
ウィズ「それでは〜♪」
りんく「……行っちゃった……何だったの、さっきの……ってか後に出てきた人はキュアマジカルに声がそっくりだったような……そ、それじゃ、ばいば〜い……」
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―――――ほくとの『レッツゴーライダーキック!!』
ほくと「……………………↑」
データ「ん?どーしたほくと?」
ほくと「さっきのヒト、ワゴンさんに声が似てた……トッキュウジャーの……」
データ「ンなことどーでもいいから始めるぜ!!今回はこのライダー、ワンマン特集だぜ!!」
『ファンガイア……その命、神に返しなさい!!』
ほくと「『仮面ライダーキバ』に登場した、素晴らしき青空の会が開発した、対ファンガイアパワードスーツ『仮面ライダーイクサ』!実に22年もの間、改良を繰り返しながらファンガイアと戦い続けてきたんだ」
データ「22年!?……これまた、変身するヤツもよっぽどのベテランってヤツか?」
ほくと「いや、最初に開発された時に変身していたのは、仮面ライダーキバに変身する紅渡さんのお父さん、音也さんだったんだ。そして時を経た22年後の現代では、バウンティハンターの名護啓介さんが変身するようになった……時を経て、イクサは改良とともに受け継がれていったんだよ」
データ「で、今回ほくとが再現した技は2つ……まずはこの技、行ってみるか!!」
《
ほくと「専用ツール"イクサナックル"に全エネルギーを一点集中して打ち込む必殺のライダーパンチ『ブロウクン・ファング』!敵を殴りつけると同時に、5億ボルトの超高圧電流を叩き込んで標的を粉砕するんだ!!」
データ「5億ボルトだぁ!?そんなモンブチ込まれた日にゃぁどんなヤツでも一発でバラバラになるな……」
ほくと「直接叩き込むだけじゃなく、10mほど離れた相手にも、弾丸のようにエネルギーを発射することもできる、遠近両用の万能技なんだ!」
データ「それって、『遠当て』ってヤツか?」
ほくと「う〜ん……合気道とは違うんじゃないかな……次はこの技だ!!」
《
ほくと「携帯電話型パワーアップツール"イクサライザー"を使ってパワーアップした強化フォーム『ライジングイクサ』に変身して放つ、最強の必殺技『ファイナルライジングブラスト』!!イクサライザーにエネルギーを集中して、強力なエネルギー波動を放射するんだ!!」
データ「反動がスゲかったよな……こんなの片手で撃つもんじゃないぜ……」
ほくと「その反動を名護さんは利用して、ライダーキックを放って相手を倒したこともあるんだ。名護さんは『遊び心』って呼んでるけどね」
データ「なんかヨユーだな……その名護ってヤツ、な〜んか好きになれそうにねーな……」
ほくと「何言ってるんだデータ!!753は315です!!」
データ「はァ!?」
ほくと「確かに最初の頃の753はちょ〜っと慇懃無礼でイヤミったらしい妖怪ボタンむしりだったけど、次狼サンに過去に連れていかれてからは本当の意味で『最高』の人になったんだ!!」
データ「そ、そーなのか……」
ほくと「そういえばデータ……まだ『仮面ライダーキバ』のDVDを見てなかったよね……よし!今から徹夜で全話視聴だ!!全話通してみれば、如何に753が315なのかがわかるから!!」
データ「ちょ!?ちょっと待て!?」(ネットコミューンごと持っていかれる)
ほくと「その後はイクササイズだ!イクササーイズ!!」
データ「や、やめろ!!放せ!!アタシはデータだぞ!!放せ〜〜!!」
ロゼッタ「…………ちなみにイクササイズ、繰り返すといい運動になりますわ♪画面の前のそこのあなた、おなか周りが気になってましたら、ぜひ……♪♪」
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次回予告
美津秋「『独善的な正義』ってのがいかに危険か……俺はガキの頃思い知った……だからこそ、『あの連中』を止めなきゃならない……そう、『両方』だ。アニメの時間はもう終わりだ。さっさと現実に戻れ」
インストール@プリキュア!『内閣電脳調査室主任調査員@増子美津秋』
美津秋「ここから先は大人の出番だ。子供の出る幕じゃねぇんだよ」
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新キャラ続々登場で、ますます盛り上がってまいりました……!!
次回は今までとは正反対の作風になるかもしれません……
『プリキュアを追う者たち』が、表舞台に姿を現します……!!