艦隊これくしょん その刀は誰が為に   作:幻在

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なんかジャム島をクリアしたら、その次のカレー洋もすんなりと攻略できました。
それも・・・・

赤城「やりました」
飛龍「友永隊のお陰だね」
扶桑「小破してしまいました・・・・」
山城「フゥハハハハ――!」
響「・・・」
陸奥「余裕だったわね」

といったガチ戦隊。
内、響は夜戦対策。


そして、建造で加賀さんがでました!

加賀「どうも」

これで正規空母が三隻です!

これから加賀さんの練度上げに参ろうと思います!

加賀「では、本編をどうぞ」


指導

「そんな訳で、今日から、この黒川鎮守府に着任することになった霧島だ。みんな、仲良くしてやってくれ」

「よろしくお願いします」

と、食堂に集まった艦娘たちに一礼をする霧島。

「高速戦艦・・・・」

「山城、そんなに敵意むき出しにしないの」

山城が、彼女の性能に嫉妬しているのか、歯ぎしりをして、それを扶桑がとがめる。

「新しい戦艦かぁ・・・・やっぱり提督って巨砲・・・」

「ストップ、それ以上いったら長門が喀血するからやめといて」

天龍がなにかを言いかけるも、川内がそれを止める。

「霧島、混じっていいぞ」

「わかりました」

艦娘たちが騒めいている間に、時打が霧島をその中へ入れる。

「さて、こうして集合してもらったのは、霧島の紹介にもう一つある」

時打の言葉を聞いた艦娘たちが一斉に静まりかえる。

「今回の会議で、俺たち、黒川鎮守府は、大規模作戦への参加が決定した」

その場の空気が変わる。

艦娘たちが一斉に騒めく。

「て、提督!」

そこで手をあげたのは大淀だった。

「な、なぜ私たちのような小規模な鎮守府が、その様な作戦に選ばれたのでしょうか!?」

と、慌てた表情でそう聞いてくる大淀。

そうだそうだ、と声をあげる艦娘たち。

そこで、時打は、右手をあげ、電に合図を送る。

すると、部屋の電気が消え、投影機が、時打の背後にある白いスクリーンに映像を映し出す。

「まず、今回の作戦の概要だが、敵深海棲艦は、太平洋にるマーシャン諸島に泊地を形成、そこから、フィリピンとの海上交通路(シーレーン)を防衛するための、北マリアナ諸島に向かっての攻撃準備を進めていることが分かった。だから、早期にこれを撃滅するべく、元帥は大規模作戦を立てたんだ。そして、なぜその作戦に俺たちが選ばれたのかというと、単純にいって戦果だ」

「戦果?」

首をかしげる大淀。

「暁の単独戦闘、電の白兵戦、長門の砲撃戦に、瑞鶴の艦載機運用能力。それらの能力をみて、元帥は俺たちを選んだらしい」

「そうですか・・・・」

大淀はしぶしぶといった感じで、引き下がる。

が。

「それを聞く限り、先ほど述べた四人は出撃させると?」

「その通りだ」

時打は即答で答えた。

暁、電、瑞鶴の顔に緊張が走る。

「そして、残り二枠だが、軽巡だそうだ」

時打の言葉に、冷や汗を流す軽巡の艦娘たち。

「その二枠だが・・・・川内、神通に任せようと思う」

「あの・・・」

そこで神通が手を挙げる。

「なんだ?

「戦艦の枠ですが・・・・大和さんじゃダメなんですか?」

神通がその様な言葉を発する。だが、大和は全く不満が感じられない表情で腕を組んでいた。

その反応に困惑する艦娘たち。

その疑問に、時打が答える。

「何度か、鎮守府が直接攻撃された、ということがあったよな?」

「ええ。主力が出払っている間に、その隙を突かれて壊滅したっていう話。提督はその事を思案に入れているのでしょう?」

大和が、時打の意図を言い当てる。

「その通りだ。大和は、この鎮守府で最強の存在だ。聞く所によると、たった一人で戦艦四隻を相手取ったとも聞く」

おお、どよめく。

「まあ、大和さんの強さは、私と翔鶴姉がよく知ってるからね」

うんうん、と誇らしげにうなずく瑞鶴。

「とまあ、改めて・・・」

時打が咳払いをすると、いきなり『超提督モード』(長門命名)になって、威厳ある声で命令を下す。

 

「―――これよりッ!我ら、黒河鎮守府から、大規模作戦へ参加させる軍艦を指名するッ!まず、戦艦長門ッ!」

「了解だ。必ずや勝利を」

長門が答える。

 

「空母瑞鶴ッ!」

「よし、出撃だ!」

瑞鶴が張り切る。

 

「駆逐艦暁ッ!」

「分かったわ」

暁が、不安の混じった声で応じる。

 

「同じく、電ッ!」

「はい!壬生の・・・は!?」

電が何かを口走りかける。

 

「軽巡川内ッ!」

「オッケー、夜戦は期待しててよね!」

川内がまかせろというように胸を叩く。

 

「同じく、神通ッ!」

「了解しました」

神通がピシッと答える。

 

「以上が、今回の作戦に参加する艦娘であるッ!ただし、別の鎮守府の艦娘と合同になる事があるので、これだけは覚えておくよーに!以上ッ!解散ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

ヒトマルマルマル――――午前十時。

会議から一時間後、工廠にて。

「明石、夕張」

「あ、提督」

時打が工廠にくる。

「黒風の方はどうなってる?」

「う~ん。改良を重ねているんですが、どうも、うまくいかなくて・・・・」

見ると、明石の前にある机の上には、プラモデルサイズの黒い艦載機、艦戦『黒風』が半ば分解状態で、妖精たちが頭を抱えていた。

なんでも、黒風には所々不備があったようで、それを改善する為に色々と思案しているらしい。

「この調子だと、大規模作戦の当日に完成になるかと・・・」

「練度を鍛える暇もないな・・・これじゃあ、運用は無理か・・・」

「すみません。私の力が及ばないばかりに・・・」

夕張がそう言って頭を下げる。

「良いんだよ。間に合わなくても、烈風改でなんとかするからよ」

時打は、そう言い、夕張の頭を撫でる。

それに顔を赤面させる夕張。

「それで、()()()()()()はどうだ?」

「あ、『あれ』ですか?ええ、進んでますよ。黒風の改修と同じくらいにできるかと」

「そっちも難しいか・・・・流石に無理を詰め込みすぎたか・・・・」

「いえ、不可能という訳ではありません。ただ、黒風の改修に、人員を割いてるって感じですから」

「そうか。なら、新型による戦力増加は間に合わないか・・・」

と、時打は顎に手をあてる。

(どうする・・・。どうしてこのタイミングで飛行場姫が復活したのか気になるし、どうしてフィリピンとの海上交通路(シーレーン)を寸断したがたるのかというのも気になる。何か嫌な予感がするから、黒風ともう一つの『あれ』の量産を急がせてみたが、これじゃあ・・・・)

と、悩み始める時打。

「はあ・・・・それはこれから考えるか・・・」

「何がですか?」

「いや、なんでもない」

夕張が聞くが、時打はそらした。

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府の裏手にある山。

そこを超えれば黒河市が見えるのだが、生憎と今回はその鎮守府側の山。

 

「響夜がこっちに行った筈なんだが・・・・」

会議が終わり、長門は鎮守府の門の前で、響夜が森の中に入るのを目撃したのだ。

「何故こんな所に・・・」

彼が黒河に行くことは無い筈。なぜなら、黒河は今、時打たちがその街を裏で支配している組織に狙われているからだ。

ならば、何故こんな所に・・・・・

「全k・・・」

 

 

ドゴォォォォンッ!!

 

 

瞬間、轟音が響く。

「な!?」

一瞬、敵の艦砲かと思ったがそうではない。

聞こえたのはかなり近く。

その方向へ急いで向かうと、あちらこちらの木が薙ぎ倒されていた。

「こ、これは・・・・」

その全てが、まるで木端微塵(こっぱみじん)に吹き飛んでいたのだ。

そして、さらにもう一つ轟音。

「オラァッ!!」

そして、聞き覚えのある掛け声。

その方向を見た瞬間、何かが吹っ飛んだ。

それは、木。・・・・・の、粉塵。

「な!?」

それに驚く長門。

慌てて、その音の元に視線を向けると、そこには右拳を突き出した響夜がたっていた。

「ん?長門じゃねえか」

「お、お前・・・何をやって・・・」

「ん?ああ、これか」

と、響夜が右手を持ち上げて見せる。

その手には、怪我の一つも見られない。

「どうやって・・・・」

「二重の極みっていってな」

響夜は、長門に、自身の必殺技、『二重の極み』の説明をした。

「そうなのか・・・・」

「俺も、習得するまで一ヶ月もかかったぜ。左之助はたった一週間で習得したってのによ」

その人物は誰かは知らない長門だが、ふと何を思ったのか、目の前にある木に歩み寄る。

そして、手を猫の手の様な形にして右手を振り上げ、思いっきり木に振り下ろす。

木は鈍い音を立てて、手が木にめり込む。

「それじゃあダメだ」

響夜がそう言う。

長門の隣に立つ響夜。

「それじゃ、ただの二連撃だ。刹那の瞬間に二撃目を入れるんだ。こんな風にな」

と、右手を木に叩き込む。

瞬間、吹き飛ぶ。

「ッ・・・」

巻き起こった粉塵に思わず目をしかめる長門。

「やりたい理由は問わない。だけど、これを習得するのはかなり難しいぞ」

「分かっている・・・・なんとか大規模作戦までには仕上げる」

「そうか・・・」

と、響夜は、長門に背を向ける。

「コツは教えた、後は自分でやってみろ。時打に事情は話しておく」

「・・・・すまないな」

そうして、響夜は立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあぁぁあああ!!」

竹林。

そこで、瑞鶴は両手に持つ木刀を、十字に交差させて時打に斬りかかる。

それを時打は飛んで回避。

「ッ!?しまった!?」

「セアァアッ!!」

時打が、逆刃刀を振り下ろす。

それが瑞鶴の右肩に直撃する。

「うあッ!?」

思わず膝をつく瑞鶴。

「大丈夫か?」

時打がそう聞く。

瑞鶴は右腕を回し、痛み以外、問題ない事を確認すると立ち上がる。

「まだやれます!」

「そうか」

時打は、鞘に逆刃刀を納める。

「ッ!?」

そしてそのまま抜刀術へ。

(ベルト)から鞘を外しての抜刀術!これは、二段抜刀術の双龍閃ッ!?)

そして、瑞鶴の剣客としての感をフル稼働させて、一撃目を止めるという行動に出る。

その瞬間、右側に交差させた木刀から両腕へ、強い衝撃が走る。

「つぅ・・・!?」

そこである違和感に気付く。

木刀が受け止めていたのは・・・・鞘。

「鞘!?」

「飛天御剣流抜刀術・・・」

なんと、一撃目を鞘という、全く予想だにできない、もう一つの二段抜刀術。

 

「双龍閃・雷ッ!!」

 

「ぐあぁ!?」

刀による二撃目が瑞鶴の左肩に直撃する。

その痛みに、また膝をついてしまう瑞鶴。

「くう・・・・」

両肩にくる痛みに悶える瑞鶴。

「心配すんな。骨までは逝ってない・・・・筈だ」

「筈ってなによ筈って!?」

思わず食いつく瑞鶴。

だが、未だに両肩に痛みが残っており、その痛みに顔をしかめる瑞鶴。

「しっかし、お前が陰陽交叉(おんみょうこうさ)をしてくるなんて思わなかったよ」

「ふ~ん、知ってたんだ」

「そりゃ全部読んでるからね」

何を、とは言わない。

それは瑞鶴も知っているからだ。

「そういや一つ聞きたかったんだけど・・・・」

と、時打が逆刃刀・深鳳を鞘に納め、瑞鶴に聞く。

「お前、なんで小太刀二刀流なんてやってるんだ?」

「・・・・」

だんまりとする瑞鶴。

それに頭をかく時打。

ふと、瑞鶴が立ちあがる。

「昔、ここで、ある艦娘とよく剣を打ち合ってたんだ」

「なるほど、だから結構古いが、いくつも足跡の様なものが沢山あったんだな」

と、何かを一人合点する時打。

「でね、その人とは、うまく、やってこれてたんだ」

「・・・」

時打は、黙って聞く。

「でも・・・ね・・・」

瑞鶴の脳裏に、あの時の光景が目に映る。

暗雲立ち込める空。

水面に仰向けに倒れる自分。

その上に、親友である、自分の戦友。

その口から滴る、真っ赤な液体。

「その人・・・・いなくなっちゃったんだ・・・私を庇って・・・・敵の爆撃を一人受けて・・・・死んじゃったんだ・・・」

その声に、嗚咽が混じる。

「それから・・・・・剣術・・・やる気も失せて・・・・・もともとの本質だった・・・・弓に没頭して・・・・忘れようとしたんだ・・・・感情は・・・・任務に支障をきたすと思って・・・・でも、やっぱり忘れられなかった・・・・提督さんがきて・・・提督さんの剣が・・・あの人の様に真っ直ぐだから・・・・」

時打は、俯いて表情の伺えない瑞鶴の顔から、何か光るものが落ちる。

そして、瑞鶴がゆっくりと顔をあげた。

「・・・・・悔しいよぉ・・・・」

時打に、歩み寄る瑞鶴。

そして、その胸に顔を埋める。

「悔しくて、悔しくて・・・あの時の自分がもっと強かったらって・・・私が・・・あの人を無理にでも、連れ帰っていれば・・・こんな・・・こんな悔しい思いをしなくて・・・・済んだのに・・・・」

時打は、そんな瑞鶴を抱きしめる。

そして、嗚咽は、確かな泣き声に変わる。

それが、竹林に響き渡る。

 

 

 

その様子を見ている者が一人。

「瑞鶴・・・・」

竹に身をかくし、その様子を、見る事なく、愛する自分の妹の泣き声を聞く。

翔鶴だ。

「・・・・」

そんな、場面に、今は自分は不必要だと思い、翔鶴は、その場を離れた。

 

 

 

 

 

大規模作戦まで、残り一週間。




次回『大連合艦隊 組み分け』


誰と誰が一緒になるのか、それは誰にも分からない。



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