艦隊これくしょん その刀は誰が為に   作:幻在

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またキス島負けたぁぁぁああ!!!!

戦艦強すぎるだろ!?どうすんだよあれはよぉ!?

せっかく夕立が改になったのに~~!!!

島風か!?島風なのか!?それとも雪風か!?レア艦が無ければならないのか!?幸運艦が必要なのか!?高速艦が必要なのか!?

そんなもの手にいられるなら手に入れてるわボケェ!!!

吹雪「盛り上がってるところ申し訳ありませんが・・・・・・そろそろ本編行きませんか?作者・・・」(ちなみにリアルの初期艦)

アッハイ。

では本編をどうぞ!


六駆の追憶 

ヒトヨンマルマル―――午後二時。

 

 

執務室―――――

そこには、向かい合って座る時打と電を除いた暁型の三人。それと秘書艦の長門。

時打は、先ほど暁を助ける為に頭に怪我を負い、包帯を巻いている。

「話は大体は分かった」

時打が、そう言う。

「つまり、暁の言動で電を傷付けてしまった、と?」

「はい・・・・その通りです・・・・」

暁が力無くそう答える。

「そうか・・・・」

両脇に座る雷と響はなにも言わない。

 

今日は電の姿を見ていない。

ただ、神通の話では、暗い足取りで自室とは違う別の空き室に入っていったらしい。

 

「し、司令官、私は・・・・」

「とりあえず、頭を前に出せ」

言われた通り、暁は前に頭を出す。

そして・・・・

「セイッ!」

「ぎゃん!?」

ゲンコツが落ちた。

「う、うう・・・・」

頭を抑える暁。

「まずは一つ目の処罰だ」

「げ、ゲンコツ一発だけってそれだけで良いのか?」

長門がそう躊躇いがちに聞く。

「言ったろ、一つ目の処罰だって」

時打は真顔でそういう。

「そ、そうか・・・・」

「それでだ、こっちは連帯責任だ」

「「「ッ・・・」」」

時打の言葉に、間違いなく何かを覚悟する暁たち。

彼の妹分である電を傷付けたのだ。

何か重い罰が・・・・

 

「電が沈んだ時の事を話せ」

 

「「「・・・・」」」

あまりにも予想外な事に絶句する三人。

「い、電の事を・・・?」

「ああ、それだけを話してくれれば、部屋に戻してやる」

と、時打は真剣そうに彼女たちを見据える。

そこで、雷が質問と言わんばかりに手を挙げる。

「ほ、鳳翔さんに聞いたんじゃないの?」

確かに、時打は病室にいた時、鳳翔にその事を聞いた。

だが・・・・

「良く知らないんだと。ただ覚えている事は、何もかも終わっていたって事だ」

と、時打は躊躇いなしに言う。

「そう、なんだ・・・」

と、暗い表情で俯く雷。

そして、全員が黙り込んでしまう。

「~~・・・」

その様子に頭を掻く時打。

そこでしばし考えた後、時打はまた口を開いた。

「六年前、『飛天童子』って知ってるか?」

『?』

突然の時打の言葉に、その場にいる全員が首を傾げる。

数秒がたった処で長門が答える。

「ああ。金山市の飛天童子。金山市を支配していた組織が壊滅して、政府がやっと介入してきたときに知られた人斬りの通り名だろう?それがどうかしたのか?」

「それ、俺なんだわ」

「え・・・・」

その場の空気が凍る。

 

 

 

『飛天童子』

かつて、『暗黒都市』と呼ばれた金山市に、八年前、『革命の日』と呼ばれたその街で起きた今時では正に大規模な戦争が起きる三年前に突如現れた、子供の殺人鬼。

それが飛天童子。

しかし、それの存在が確認されたのは、まだ政府の入る事が出来ず、完全な無法地帯、否、その街を支配していた『黄金連合』という組織が『革命の日』によって壊滅した時に、そこに住んでいた市民たちの話によってだが。

当時、『黄金連合』に敵対していた『反乱軍(レジスタンス)』に所属し、黄金連合の直系組織やその傘下の要人たちをたった一本の刀で暗殺し続け、二年後には裏から表舞台に全面的に活動し、あらゆる組織を潰しまくった。

そして、その殺した数は『革命の日』を除けば実に三千人。

『革命の日』に至っては、黄金連合の大隊をたった一人だけで相手し、最後には連合司令官の首を打ち取るという快挙を成した。

その子供の体で数々の暗殺を成し遂げ、その暗殺の際に『飛天御剣流』を使う事から、『飛天童子』と呼ばれていたが、その『革命の日』を境に行方不明になったという――――

 

 

 

 

「それが・・・・お前だというのか・・・?」

「悪いな黙ってて。まあ、忘れてたというのもあるけど、特に隠す事もなかったしな。それに・・・・」

と、時打は自虐する様に苦笑する。

「―――変に怖がらせるのも、気が引けるからな」

その眼から、光が消えると共に・・・・

「分かった」

そこで響が口を開いた。

「司令官が話してくれたから、私たちも喋るよ。まあ、それを狙って言ってたようだしね」

「お、バレてたか」

「正直、その内容は予想外だったけどね」

ふふ、と笑う響。

「いいよね?暁、雷」

「ええ」

「分かったわ」

響の言葉にそう答える暁と雷。

そして、語り出す。

「あれは、司令官が来るずっと前・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、五年前――――

 

 

 

 

「また命令違反か」

「・・・」

執務室にて、当時、第二艦隊、暁、響、雷、電に加え、重巡の羽黒に加え、旗艦の鳳翔。そして当時、秘書艦だった五月雨。

当時の提督は実績主義者に加え、提督至高主義者でもあった。

「俺は何回も言っている筈だ・・・・命令違反は許されないと」

そして、今処罰の対象となっているのは・・・・・・電だった。

電は、怖気づく事無く、提督に口答えする。

「お言葉ですが、あの作戦には同意しかねます」

「チッ、いつもの口答えか」

「いくらなんでもあれは()()()()()()()囮作戦。そんなものを決行するなど、私には理解できません」

ただ真っ直ぐに、電は提督を見据える。

「黙れ。上官の命令は絶対だ。理解せずとも決行するのがお前ら『艦娘』の役割だろう?」

提督は面白くないとでもいう様にそう言う。

「そうだとしても、無理な作戦には賛成などしません。たとえ、誰が言おうが賛成などしません」

と、電は言う。

()()が口答えするな」

 

 

ブチッ!

 

 

ふとそんな音が聞こえた。

「私たちは道具じゃないッ!」

瞬間、蹴り飛ばされる電。

「いなず・・・」

「動くんじゃねえ!」

「ッ・・・」

吹き飛ばされた電の元に行こうとした暁だが提督の怒号によって止まってしまう。

「テメェ、ふざけてんのか?『兵器』のお前らが『道具』じゃないって?そう言いたいのか?」

「かは・・・そう・・・です」

腹にダメージを喰らいながらも強気な態度をやめない電。

次の瞬間、腹を踏みつけられる電。

「うぐ!?」

「ふざけてんじゃねえぞ。ただの道具のお前が上官である俺に逆らうなんて事はなァ、絶対にやっちゃいけねえ事なんだよ!」

「がは!?」

更に踏みつけられる電。

「し、司令官、それ以上は・・・」

五月雨が止めに入る。

「黙ってろ!邪魔したらどうなるか分かってんだろォなァ!?」

「ッ・・・」

だが、提督の怒号により、黙ってしまう五月雨。

「オラどうしたぁ、さっきの威勢はどうしたぁ?」

ぐりぐりと、電の顔面を踏みつける提督。

「ッあ・・・私たちは・・・道具じゃ・・・ない・・・!」

「まだ言うかァ!」

「あぐ!?」

今度は胸倉を掴まれ、持ち上げられたと思ったらすぐさま顔面を殴られる。

「くそっ!くたばれ!このクズが!ゴミが!」

なんども殴られたり蹴られたりする度に、鈍い音が執務室に響く。響き続ける――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「電、大丈夫?」

「だ、大丈夫なのです」

暁の言葉に、よろよろと歩きながらも、無理に笑おうと努める電。

その体の状態から見て、とても大丈夫そうには見えない。

あれから、電の態度にしびれを切らした提督が、執務室から出て行ってしまい、五月雨の謝罪を聞きながら、六人は自室へと向かっていた。

「それにしてもあのクソ提督、作戦を決行しているのは私たちだっていうのに・・・・」

「本当、後ろでただのさばっているだけなのにさ」

そこで雷と響が提督に対して陰口を言い合う。

「そんな事は言ってはいけませんよ。聞かれたらどうなるか」

羽黒がそんな二人を咎める。

「だって~」

「むう・・・・」

それに拗ねる二人。

 

 

 

 

 

当時、この黒河鎮守府は、食事は質素、食事時間には限りがあり、更には、提督の暴行によって部屋にひきこもる艦娘が多かった。

その暴行は様々で、暴力、罵詈雑言、スタイルなどが良い艦娘は強姦などの対象になった。

大抵の艦娘が娯楽の為である上に、いう事を聞かない艦娘に対しては死ぬより苦しい行為を行う。

そのとんでもない例としては、目の前でその艦娘に親しい艦娘を轟沈させる事だ。

それによる『恐怖』を植えつけられた艦娘は、心のどこかで、提督に従わなければ誰かが轟沈(ころ)されると思い込んでしまう。

その事を今の提督は知っていたのだ。

だから、こんな治安を生み出したのだが・・・・・

 

 

予想外な事に、本来気弱な性格の電が『例外』として『外れた存在』となって提督の前に現れた。

 

 

決して提督に屈する事な無く、誰よりも真っ直ぐに自分の意見を述べる。

その事が、今の提督にはうざくて仕方が無かった。

だから、暁型の全員を沈めて、恐怖を植えつけようとしたが・・・・・ものの見事に全て失敗。

まさか電があらゆる危険を察知して数々の対処法を思いついていたなんて誰が分かっただろうか・・・

 

 

 

 

 

 

そんなある日・・・・・・

「・・・・ミッドウェー海域ですか?」

「ああ。そこにいる敵深海棲艦の撃滅をしてくれないか?」

と、いかにも悪人らしい嫌な笑みを浮かべながら、鳳翔にそういう提督(クズ)

 

ミッドウェー海戦。

そこは、かつて日本が歴史的大敗を期した海域。

一航戦の赤城と加賀、二航戦の飛龍、蒼龍を失う事となったその海戦。

若干、航空隊はボロ勝ちしていたのだが、日本にとっては空母を四隻を失う事は、大きな打撃となった。

 

 

 

 

その海域に現れた深海棲艦を倒してほしいとの事らしい。

ただ・・・・・・

 

 

電を蹴落とす気満々だという事は確かだ。

 

 

どうやら、この提督は電を自分の配下に置きたいらしい。

たしかに、電の戦果は、他の艦娘、特に駆逐艦の中ではとても良い成績を残している。

だから、今の態度を叩き折ってやろうとしているのだ。

(本当に・・・・この人は・・・・)

鳳翔は心の中で呆れる。

「当然、拒否権は無しだ。良いな鳳翔?」

「・・・・はい、分かりました」

それを承諾する鳳翔。

だが、彼女はいずれ後悔する事になる。

 

 

 

 

 

これから起こる大惨事を予測する事など出来なかったから・・・・・


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