それと大型建造で能代が来ちゃったよ!まるゆも来ちゃったよ!あと金剛二人目だよちくしょー!
矢矧が欲しかったよくそッタレ!でも同じ阿賀野型だから結果オーライだから良いや!
そしてキス島行こうにも演習の要である赤城と飛龍が使えないよちくしょー!そして敗北で経験値が減少しちゃうのどうにかなんないかな!?
長門「リアルの話はどうだっていいからさっさと本編行ってくれこの駄作者」
アッハイ・・・・・
では本編どうぞ。
ヒトニーマルマル――――十二時。正午。
「はあ・・・」
暁は、鎮守府正面の海でため息をついた。
その理由は、朝見た夢のせいでずっと調子が悪いからだ。
あの夢は、電が改めて着艦した時から、度々見ている。
それでも、今日ほど、酷いことはなかった。
いつもは、あそこまでは見ないのに・・・
あの電は、自分たちの電とは違った。
仕草、声、姿。何もかもが同じだった。
確かに、同じ姿の艦娘は今の時代おかしくない。
はじめはダブったりすることはなく、艦娘は貴重な戦力だった。
だが、『分魂』が可能になった今、同じ姿、性格の艦娘は何人でも作れるようになった。
それでも、やはり、『建造』されてからの記憶が違うことはあるのだ。
艦娘の建造は、艦隊司令部。つまりは各地方の本部でしか建造できない。黒河があるのは関東地方、つまり、ここの本部である『横須賀』にある工廠でしか建造できないのだ。
毎日一定量送られてくる資材と建造資材を本営に送り、そこにいる『建造妖精』にそれらを渡せば、駆逐艦なら数日、戦艦なら数週間の時間をかけて建造される。
各鎮守府に存在する工廠では武器の開発しかできないようになっているのは、建造妖精の数が少ないからだ。
その為に、建造は提督無しではできないのだ。
だが、例え、轟沈したのと同じ艦娘を建造出来たとしても、それが自分たちのその子になることは決してありえない。
だってそれは、
「・・・・・電・・・」
そう呟き、自分の右手を見る。
もう数時間も続けて自問自答をしている暁。
そのためか、今の天気に気づいていなかったし、背後から近づいてくる人物にも気付かなかった。
「暁ちゃん?」
「!?」
勢い良く振り向くと、そこには自分の姉妹艦の電が立っていた。
とはいっても、
「そろそろ戻った方が良いよ。雨、降りそうだから」
「え・・・?」
気付くと、確かにあたりが薄暗い。
上を向いてみると、確かに明るかったはずの天気がいつの間にか曇り空になっていた。
「あ・・・・」
「そろそろ戻ろ?じゃないと濡れちゃうよ」
「・・・・」
その電の言葉に返事を返さない、返す事が出来ない暁。
「? 暁ちゃん?」
「ッ・・・」
同じ姿。同じ声。同じ仕草に同じ服装。
そして、同じ笑顔。
だけど、違う。
「どうかしたの?」
――――やめてよ。
「どこか、具合悪いの?」
――――その声で呼ばないでよ。
「そういえば、さっきから顔色が悪いけど・・・」
――――貴方は・・・・お前は・・・
「ねえ、どうかし・・・」
「やめてよ」
「え・・・?」
ふと、声が漏れた。
その言葉にきょとんとする電。
「その声で・・・・呼ばないでよ・・・・」
体を震わせる。拳を握り占める。うつむく。歯を食いしばる。
「なんで親切にするのよ・・・どうして私に構うのよ・・・」
「だ、だって、心配だから・・・」
オドオドと、言葉を探す電。
その行為までも、暁を焚きつける材料でしか無かった。
「『電』じゃない癖に・・・『偽物』のくせに・・・・」
そして、バッと顔を上げ、叫ぶ。
「その声で私を呼ばないでよ!」
「・・・・・・・あ」
気付いた時には遅かった。
「あ、ちが・・・」
慌てて訂正しようとするも、遅かった。
「そう、だよね・・・・」
電の声を聞いた瞬間、そんな事さえも忘れてしまった。
「やっぱり、私って・・・・邪魔だよね」
「い、いなず・・・・」
うつむいて、表情は伺えなかったが、それでも、電がこの先言わんとする事が容易に想像できた。
――――違う、そんなつもりじゃ・・・・
「ごめんね。もう話さないから」
ゴロゴロ――――・・・・
「ん?」
時打は執務室の窓を見る。
空はいつの間にか雨が降っており、
「随分遠い所に落ちたな・・・」
今は長門はいない。今頃、吹雪や扶桑たちと楽しく食堂で談笑している頃だろう。
その一方で時打は何故この執務室にいるのかというと、今までに書いた絵を眺めていたからだ。
時打は持っていた、とても古いスケッチブックを机に置き、窓に左手を触れさせ、雨の降る空を眺める。
今は白い軍服を脱いで、半袖姿になっている。
だから、左手首にある、黒いゴムの髪留めに目が映る。
「・・・・・―――」
ピシャンッ!ゴロゴロゴローッ!!
雷が轟く。
「・・・・ん?」
そこで、ふと海岸の方で、人影が時打の目に移った。
「あれは・・・・・暁?」
それはただ一人、雨に打たれ、立ちすくんでいる暁の姿だった。
だが、あきらかに態勢がおかしい。
顔どころか、体全体が鎮守府の方に向いており、片腕を半ば曲げた状態で前方に伸ばしていた。
「まずいな。これ以上雨が強くなると海面が上昇して波に攫われるぞ・・・ッ!」
急いで軍服を着て、執務室を出る。
そして、正面の扉から飛び出て暁の元に雨に打たれながら走る。
「暁!」
彼女が姿が見えたので、その名を呼ぶ。
だが、聞こえていないのか、反応を示さない。
「・・・・暁?」
今度は彼女から一メートルの距離で彼女の名前を呼ぶ。
それでも聞こえてないのか、何も反応を示さない。
彼女は半ばうつ向いていて、時打の身長では帽子が邪魔して見えない。
「・・・・」
時打は頭を掻き、今度は呼び方を変えて、彼女の名を叫ぶ。
「暁型駆逐艦ッ!一番艦『暁』ッ!聞こえるなら応答しろッ!」
「あ・・・・」
それでやっと聞こえたのか、彼女が時打に顔を向ける。
その顔は、酷く絶望したような顔だった。
そして、時打の顔を見た途端、目を見開き、わなわなと、恐れるような表情になると覚束ない足取りで後ずさる。
「い、いや・・・」
「お、おい!?そっちに行くと・・・」
「ご、ごめんなさい・・・そんなつもりじゃ・・・」
「ッ!待つんだ!」
「ひッ!?」
暁のすぐ後ろは豪雨によって荒れている海。
もし落ちれば、身長の低く、ましてやおそらく混乱している暁では泳ぐことはできないだろう。
だから、時打が慌てて手を伸ばして引き戻そうとしたが、それを暁は何を勘違いしたのかさらに大きく足を下がらせ、踏み外す。
「え・・・?」
「暁ィ――――――ッ!!」
海に落ちている暁を、絶叫しながら追いかける時打。
その為、二人そろって海に落ちてしまう。
「ッぷは!暁!どこだ!」
海面から顔を出し、必死に暁を探す。
そして、海からなんとか腕をだしている暁を見つける。
「ッつあ!!」
得意のクロールで全力で暁の元に辿り着く。
「暁!しっかりしろ!」
「しれ・・・かん・・・・」
海に落ちた衝撃に加え、雨の影響で体温が奪われているのか、意識が朦朧としている様だ。
「必ず助ける!だから溺れて轟沈なんて冗談やめてくれよ!」
急いで岸に向かって泳ぎだす時打。
もともと泳ぎが得意な方なので、少女一人抱えて泳ぐ事など容易い。
だが、今の暁の状態を考えれば、ゆうゆうと泳いでいる暇などないのだ。
だが・・・・
「ッ!?」
目の前に何かがあった。
豪雨による視界の悪さに加え、暁の様子を見ていたからか、気付く事が出来なかった。
そのまま、時打はその何かと激突した――――。
「んん・・・・・・ん?」
見知らぬ・・・・いや、執務室の天井だ。
「・・・・ここ・・・私・・・」
どうしたんだっけ?
「確か・・・海に落ちて・・・」
「起きたか」
「ッ!?」
聞き覚えの声を聞き跳ね起きる暁。
「あ・・・・」
「お前たちがずぶ濡れだったから驚いたぞ」
長門だった。
その両手にはココアだった。
「あ、あの・・・・」
「ん?なんだ?」
長門からココアを受け取った暁はまず気になる事を長門に尋ねる。
「司令官は・・・・」
「ああ。病室だ」
「え?」
長門が言ったことを理解できないのか、きょとんとする暁。
「なんでか知らないが、頭から血を流していてな。今、治療に当たらせている」
「え!?」
それを聞いて驚く暁。
「そんな・・・・」
そして、わなわなと体を震わせ、その表情を恐れに染める。
「わ、私の所為で・・・」
「あまり自分を責めるな。提督はそんな事を気にも留めないさ」
長門はそんな彼女をあやすように、隣に座って頭を撫でる。
「で、でも・・・・」
「ん?」
だが、長門は考えていなかった。
何故、暁と時打は海に落ちたのか。
その理由を・・・
「私・・・・・電に・・・・」
―――――しゃーぼんだーまーとーんーだー・・・・・
ふと、そんな歌が聞こえた。
ただの童歌である筈のこの歌。
雨が降っている。
そこにいるのは、一人の女性を抱える、一人の少年。
彼らは決して親子でもなければ姉弟でもない。
しかし、女性のその胸は赤く染まり、地面を、赤く、紅く、朱く染める。
少年の体に、その血が付き、赤く染まる。
その傍には赤く染まった刀身を持つ刀。
『――ッ!、――ッ!』
少年が必死に女性の名を呼び、胸の傷をどこからか取り出した布で抑え、女性の意識をまだ
しかし、女性は、自分の血で濡れた手を、少年の頬に差し伸べる。
『――――これで、良いんです』
そして、その手が、ゆっくりと落ちていく―――
『―――――その手で、誰かの笑顔を――――』
「―――『――』ッ!!」
「きゃ!?」
叫びながら、飛び起きる時打。
そして、すぐに聞こえた悲鳴で我に返る。
「あ、あの・・・・」
「え?鳳翔?」
そこには、本を胸ぐら辺りに引き寄せて、驚いた様な表情をしていた鳳翔がいた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・・悪い、驚かせて」
いつの間にか、酷い程に汗を掻いていた。
それを左腕で額の辺りを拭う。
「あの、タオルとか持ってきましょうか?」
「頼む」
そう応えると、鳳翔はまだ洗ったばかりの様な真白いタオルを持ってきた。
思い出してみると、今日は鳳翔が保険係だった。
なんでも一部の艦娘と交代してそれぞれの仕事についているらしく、鳳翔はこの医療室の担当だった事を思い出す時打。
「ありがとう鳳翔」
「はい」
受け取ったタオルで体中に滴る汗を拭う。
「あの、大丈夫ですか?」
鳳翔が心配そうに聞いてくる。
「ああ、少し昔の夢を見ていただけだ」
時打は心配いらないとでも言う様に笑う。
「なら、良いんですが・・・・」
それでも心配の様子の鳳翔。
そこで時打はある事を思い出す。
そして少し考え、切り出す。
「なあ、鳳翔」
「はい、なんでしょう?」
「暁・・・いや、第六駆逐隊に何があった?」
「ッ・・・・!」
鳳翔が息を飲むのが分かる。
「そ、それは・・・・・」
「頼む。もしかしたら、暁と電の関係が崩れてしまうかもしれない」
以前、この黒河鎮守府に所属していた艦娘たちの轟沈記録を見た事がある。
その中で、以前、、ここにいた電の記録にはこう書かれていた。
―――――駆逐艦『電』は駆逐艦『暁』の