ハイスクールH×J   作:ヨーグ・ルト

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誤字修正しときマスタング。
報告ありがとうございます!


ちなみにこの小説は1.2話両方つまんないです

やあどうも、久しぶりだね。

転生したハイジくんだ。

こっちの世界での俺の名は兵藤ハイジ、主人公君と同じ名字だがこれは主人公君と俺がいとこだからだな。

正直ハイスクールD×Dについては良く知らねえんだよなぁ…

取り敢えず主人公がドラゴンで悪魔でおっぱい星人なのは覚えているんだが…

そもそも作品の舞台が何処なのかもわからん。 よって俺が原作に巻き込まれることはなかろう。 つまりニュートンのリンゴを使う必要も… ないわけねえだろバーカ! 男のロマンだよバーカ!

ごめんなさい、取り乱した。

あと、嬉しいことにこの世界は創作の世界だからか美人が多いし、俺もハイジ君の外見、可愛い系でモテそうなハイジ君の外見だ。 それに頭も良い。

可愛い、と言われても全く嬉しくはないが。

 

「ねぇねぇハイジ君。 遊ぼーよ!」

 

「ん、何やりたい?」

 

あ、この子は姫島朱乃ちゃん。

俺の幼馴染の女の子だ。 黒髪を伸ばした子だ。 可愛い。

ちなみにこの子のお父さん、バラキエルさんというんだが。 フルネームでは当然『姫島バラキエル』ってなるわけだ。

この前そのことについて芸名みたいと言ったら凹んでた。 ごめんなさい。

 

「じゃあじゃあ、おままごとで!」

 

「ばっちこい。 俺が姑やるから朱乃ちゃん小姑な?」

 

「それ多分物語り始まらないよ…」

 

ツッコミをいただき、次は真面目に配役をしようか。

ちなみに朱乃ちゃんは神社生まれの子だ。 寺生まれのTさんみたいに『破ァ!』とかできるのかな? 神社生まれのHさんってか。

 

「朱乃ちゃん『破ァ!』とかできる?」

 

「ハァ、って何?」

 

小首を傾げる朱乃ちゃん。 可愛い。

あまりに可愛いのでグリグリと頭を撫でたら怒られた。 仕返しにとこちらの頭を乱暴に撫でられた。 んなことしても可愛いだけなんだよなぁ…

 

「OK、じゃあ俺が姑で朱乃が小姑、バラキエルさん呼んで来て新妻役してもらおう。」

 

「わかった! 呼んでくる!」

 

「あ…」

 

ネタのつもりだったのにトトト、と走って行ってしまった。

まあいいか、面白そう… いや、流石に迷惑か? いやでも面白そう。

 

「父様、こっちこっち!」

 

「あ、ども。 バラキエルさん。」

 

「おお、ハイジ君、いらっしゃい。 それで何のようかな?」

 

「おままごとするから父様お嫁さん役やって! 私が小姑でハイジ君が姑やるって!」

 

「…配役おかしくないか?」

 

バラキエルさんの背中をペチペチと叩きながらはしゃぐ朱乃ちゃんと、困るバラキエルさん。 うん、素晴らしい親子だな。

 

「じゃあ配役やり直しましょうか。 俺が夫で朱乃ちゃんが奥s「よし、始めようか!」

 

そして親バカだ。 いや、わかるぞ。 朱乃ちゃんスーパー可愛いですもん。

 

「おやつですよー。 って、あら? バラキエルさんも参加してるの?」

 

お盆におやつとお茶を乗せてやってきたのは朱乃ちゃんのお母さん、姫島朱璃さんだ。 ふつくしい。

 

「あ、母様! 母様お婿さん役やって!」

 

「お嫁さんじゃなくて?」

 

「お嫁さんは父様だから!」

 

「面白そうな配役ね。 朱乃とハイジ君は?」

 

「僕は姑で、朱乃ちゃんは小姑です。」

 

俺の返答に、朱璃さんが吹き出した。

 

「あはは、それは良い配役ね。 じゃあ、おかし食べたら初めましょうか?」

 

「わーい!」

 

「あ、いただきます。」

 

お菓子に飛びつく朱乃ちゃんが可愛い。

ポッキーを俺にあーんしてくるのも可愛い。 だがポッキーゲームはやめてくれ。 あーんですら我慢がギリギリのバラキエルさんが爆発するから。

 

「ハイジ君。」

 

「どうしました? バラキエルさん。」

 

「…いや、何でもない。 悪いな。」

 

「お気になさらず。」

 

何やら思いつめた表情のバラキエルさん。

引っ越しでもするのかな? 悲しいけど今生の別れでもないだろう。

引っ越し先の住所教えてくれれば手紙かけるし、それで電話番号でも教えて貰えば良いしね。

 

「ハイジ君、君は悪魔や天使や堕天使が存在すると思うか?」

 

「…どうなんでしょうね。 存在したとしても、きっと俺たちの生活に関係はないでしょうからねぇ… でも、きっといると思いますよ?」

 

「…ほう、何故だ?」

 

突拍子もない質問をしてくるバラキエルさん。

そして返答に興味深そうに理由を聞いてくるバラキエルさんに、サムズアップをしながら答える。

 

「だってその方がロマンがあるからですよ。 科学なんてのも嫌いじゃないけど、ファンタジーの方が面白いでしょう? それに…」

 

「それに?」

 

「もしそんな存在がいたとして、否定されたらその存在が悲しむでしょう? 生物皆友達、なんて変な理想を掲げる気は無いですが話ができるのなら仲良くなりたいじゃないですか。」

 

「…そうか。 君は、良い子だ。」

 

「よく言われますよ。 ありがとうございます。」

 

バラキエルさんって確か神話だとかを調べる学者さんだったかな?

子供の意見ってのも参考になるのかな? 俺転生者で精神年齢二十歳超えるけど。

 

「二人とも、何をお話ししてるの?」

 

「早く食べないと朱乃に全部食べられますよ?」

 

手招きをしながら言う二人。

俺とバラキエルさんは立ち上がって、二人の方に向かう。

 

「ちょっとね。」

 

「悪いな。」

 

願わくばこの日常が続くと良いが。

 

♢♢♦︎

 

「おーい、朱乃ちゃーん。」

 

朱乃ちゃんの住んでいる神社の石段を登り、鳥居をくぐって境内に入ったが朱乃ちゃんの姿は見えない。 室内にいるんだろう。

あたりを見回しながら歩いていると、神社の中から声が聞こえた。

 

-母様ッ!-

 

朱乃ちゃんの声だ。 いつもとは違う、慌てているような声。

その声が聞こえた方向に走り出す。 何かあったに違いない。

そして声が聞こえたあたりの部屋の障子を勢いよく開けると、中には土足の男が数人いて、その先には明野ちゃんを庇い、背から血を流す朱璃さんが居た。

 

「朱璃さん!?」

 

「…あぁ、ハイジ君、逃げなさい!」

 

倒れながらも力強く、俺に逃げるように言った。

…従うわけにはいかねえよなぁ!!

 

「何しやがった! このクソッタレのハゲどもが!!」

 

挑発に、男たちの一人が反応する。

 

「何者だ? このガキは。 まあ良い、見られたのならば排除するほかはあるまい。」

 

「俺一人で十分だろう。 お前たちはそっちをやれ。」

 

男たちの中から、一人が俺の方に向き、刀を構える。

畜生が!

 

「エウレカァァ!!」

 

俺は叫び、まるで三日月のような笑みの描かれた黒いリンゴを呼び出す。

俺の手に現れたそれを、一口嚙りとる。

その瞬間、辺りから重力が消失した。 嚙りとった後放り投げたリンゴは欠損した部分を修復し、宙に浮いている。

 

「なっ!? 神器(セイクリッド・ギア)か!?」

 

刀を構える目の前の男に、面の重力を掛ける。 その瞬間、男が畳の上に倒れ伏した。 立ち上がろうとしても、上から押さえつけて身動きを取らせない。

やがて、男の体からバキバキと音がして、男は動かなくなった。

 

「糞が! 聞いてねえぞこんな奴がいるなんて!」

 

槍を構える男を、握り潰すように重力を掛ける。

男は口、目、鼻、耳から血を噴き出して倒れ伏した。

 

「そ、そいつを止めろぉぉぉぉ!!」

 

男の内の一人から投げつけられたナイフが右腕に刺さった。

…関係ねえよ!

 

「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

ナイフを引き抜いて、相手の方向へ重力を掛けて投げつける。

ナイフは血の軌跡を描きながら男の額に、深々とつきたてられた。

 

「…ハァァ …ハァァ… ラストォォォ…」

 

「ひっ、くっ、来るなァァァァァァ!!」

 

恐慌状態になって刀を振るう最後の男に、上向きの重力を掛ける。

男は天井を突き破って吹き飛び、数秒後に庭に落っこちて絶命した。

 

「ハ、ハイジ君! 母様が!」

 

「…朱璃さん、大丈夫ですか?」

 

「…大丈夫、って言いたいけども… 駄目みたいね、もう。 …朱乃、これまでありがとう。 愛してるわ。 そしてハイジ君。 朱乃を守ってくれてありがとうね? …バラキエルさんにも、よろしくね…」

 

そして、朱璃さんは目を閉じた。

苦痛に歪んだ顔では無い。 安らかな、安らかな顔だ。

 

「…畜生が!」

 

俺は、どうにもむしゃくしゃして足元の堕天使の死体を踏みつけた。

グチャグチャになった死体の血肉が臓物が、足にへばりつくが関係無い。

 

「朱乃! 朱璃!」

 

「…バラキエルさん。」

 

俺が空けた障子から飛び込んできたのは、バラキエルさんだった。

背中から黒い翼を生やして、手には光でできた槍を持っている。

そして、辺りの状況を見て崩れ落ちた。

 

「…朱璃…」

 

「ごめんなさい。 俺が、もう少しだけ早ければ…!」

 

-朱璃さんが亡くなることは、そう続けようとした時にバラキエルさんに肩を掴まれて止められた。

 

「…止めてくれ! 俺の、俺のせいなんだ! 俺が堕天使のくせに人間と、姫島家の人間と結婚なぞするから…!」

 

堕天使、彼は今確かに、自分がその存在であると言った。

この前の問いは、そう言う意味だったか。

 

「朱乃、無事だったか…」

 

「…父様、なんで、なんで来てくれなかったの!? ハイジ君は来てくれたのに!」

 

心底安心したように言ったバラキエルさんを、問い詰める朱乃ちゃん。

バラキエルさんは涙を流しながら、謝った。

 

「…すまない、本当に、すまない… 俺がもっと早ければ…」

 

「父様が、もっと早く来てくれれば! 母様は…! 父様が、くろいからすだったから! あの人たちは!」

 

泣き崩れてしまう朱乃ちゃん。

堕天使、か。

 

「俺は、帰らせていただきます。」

 

くるりと後ろを向いて、歩き出す。

庭には高所から地面に叩きつけられて関節がおかしな方向に曲がった先ほどの男が倒れていた。

 

「ザマァねえや。」

 

その男の頭を踏みつけて、家へ向けて歩いた。

 

♢♦︎♦︎

 

「…あっはは、まじかよ…」

 

家に着いた俺を出迎えたのは、血の匂いと今世の両親の死体だった。

地面には黒い羽が、カラスの羽が落っこちている。

 

「…なるほど、黒いカラスだったから、か。」

 

堕天使、その存在を思い出す。

バラキエルさんの物ではなかろう。 あの人にはそれをする理由が無い。

 

「畜生が、舐めやがって…」

 

俺は静かに、その場に座り込んだ。


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