図書館にて、
「おい、目立ちすぎだろお前…………」
前回、仲間?になったイヅナを連れて図書館へやって来た大虎、あの巫女姿では何かと目立つのでこの時代の服に着替えてもらったが、それでも嫌と言うほど目立つ。
「勘弁してくれ…………」
周りからの視線にイライラしながら、大虎は多次元説やif世界などが書かれている本(ラノベでは決して無い)を読んでいる。
「のう、お主は何故そのような本ばかり見ておるのだ」
「お前には関係ねえだろ………漫画でも読んでろ」
「そんな固い事言わずに〜の〜」
無視だ無視、さて次のガシャットギアデュアルのテーマを考えるか。
「新しいゲームのテーマ、なんか無いか?」
「む、う〜む、コレなんてどうかの!!」
魔王が描かれている本と戦艦武装をした女の子が写っている本を見せて来た。
「魔王に戦艦か、面白いな」
パソコンを取り出すとタドルクエストとバンバンシューティングのガシャットのデータを移す。カタカタとリズムよくキーボードを叩く姿はまるで科学者のようにも見えた。画面には一般人や普通の科学者では理解できない内容なので別に見られても何ら支障はない。
「なー、君」
「黙れイヅナ、今話しかけんな、別の漫画でも読んでろ。飲みもんなら金やるからサッサと買ってこい」
カタカタカタカタ、と急にキーボードを叩く手が止まる。
「やっぱりデータが足りないか」
「なあデータってなんのことなん」
!!?ッ!!!????いつの間に!!こいつッ!!ガタッ!!!!
反射的に後ろに飛び退く、パソコンと共に、
「あ、ごめんな、驚かせちゃった?」
「お前、いつからそこに居た?」
そこには茶髪の車椅子に座っている女の子がいた。俺の悪い癖だ、パソコンに没頭しすぎて周りが見えなくなる。
「あ、私、八神はやてやよろしくな」
「初対面の人間と馴れ合うつもりは無い、サッサと向こうへ行け」
「え、えらくドライな返しやな」
こう言う輩は無視するに限る。しかもそれが第2期の準主人公ならばもってのほかだ、主人公やそれに該当するキャラと馴れ合えば必ず何かイレギュラーが起きる。
そんなものにいちいち振り回されていては計画に支障が起きてしまう。
「なーなー、何してたん?パソコン弄りながら」
「消えろって言ってんだろ。俺は今忙しいんだ、邪魔をするならその車椅子にジェットエンジンを搭載するぞ」
それが出来るのだから恐ろしい。神の特典と自信の努力で天才的な頭脳を手に入れている。
その気になれば彼女の車椅子に瞬間加速装置や自動迎撃システムをつけることだって可能だ。
踵を返し、借りたい本を何十冊か持ち受付に向かう。新しいガシャットの開発テーマも決まったことだし後はライダーのデータを取ってそれをバージョンアップさせればいい、
ブレイブとスナイプは余り使った事がないので、これから次元世界を渡りデータを収集するつもりだ。
「早く行くぞイヅナ、借りたい本があるなら借りればいいだろ」
「まっとくれ〜今、悟ルフィ・承太がピッコシーザ・ホーテとの決戦なんだぞ!!」
涙を流しながら漫画を読んでいるイヅナを引きずって、その漫画も借りて家に向かう。因みにイヅナが読んでいたのは『ドラゴン・ピースの奇妙な冒険』と言われる漫画だ。前世に似た名前の漫画があったような無かったような。
『明日、人形と白い娘が決闘するわ。そして私がジェエルシードを横取りする。作戦決行は明日の××時、貴方には『ヒュードラ改』の最終調整をお願いするわ』
いよいよ明日か、これで死のデータが手に入る。
「大君、その女、ナニ?」
出てけ、てか邪魔、
ようやくそに子の奴が帰った。あ?なんであいつの事名前で呼んでるかって?そうしねえと帰らないって言われたからだよ。
「あのクソ神が!!また世界をくっつけやがって!!」
世界の融合、それは滅びの始まり。神が管理する世界同士の融合、もしくは神がコピーした世界同士の融合なら2、3個、融合しただけではどうて事は無い、だが、それが幾多も連続で融合し出せばそれこそディケイドのような世界の滅びが起こり始める。
元に戻すには、融合した世界の主要人物、つまり主人公とヒロインを殺せばいいのだ。
主要人物が消えればその物語自体が機能しなくなり自然とその世界は消える。融合した世界は元に戻り元の物語を進んで行く。
「俺は生きてやる!!生き残って、必ずこの世界から、お前から逃げてやる!!」
勝つために戦うのでは無い、逃げる為に戦うんだ!!逃げて逃げて逃げ果せて、絶対にクソ神の手の届かない地へと逃げてやる。
これは誓いだ、復讐だ、