何度目の目覚めだろうか?このパターン、前にもあったような。隣を見るとやはりあの魔女っ子が横で涎を垂らして寝ていた。起き上がり起こさぬようユックリとベットを出ようとするが、なんと足が鎖で繋がれていて出ることができない。仕方なく、パソコンを取り出しキーボードを操作し始める。
「ラウズカードシステムの骨組みはもうできてるから、後はラウズカードにシステム自体が対応するかどうかだ……………クソッ、あの時みたく設計図があれば楽なんだが、いや、あの時もあの時で楽では無かったな…………千里の道も一歩からってか?」
あの時、とは大虎がカードデッキを開発していた時のこと、ライダーバトルが行われている世界に飛び、モンスターを捕獲しようと向かった。だが、大虎が契約したモンスターはボルキャンサーであり、仮面ライダーシザースとして全てのライダーを倒しなおかつモンスターを生け捕りにしなければならなくなった。
ああ、そういえばさっき夢を見た。自らを神と名乗りハイテンションを通り越したMAX大テンションなゾンビを崇め讃えながら新ガシャットの設計を教えてくれた神さま。ありがとう神、あんたの意思は俺が継ぐ。
「あっ!!駄目ですよ、ちゃんと寝てなきゃ!!」
起きた魔女っ子は俺からパソコンを奪い取ろうとする。ええい、俺のクリエイトな時間を邪魔するな!!!!鬼の形相でパソコンを打つ大虎、あの自称神なゾンビが乗り移りでもしたのだろうか?デンジャラスゾンビばかり使ってるからなのか?
「ぽよー!!」
ぼふっ!!、と顔面にカービィが張り付いてきた。足を引っ張り顔からはがす、足だけを掴まれプラーンとぶら下げられるカービィは笑顔で手を振る。
大虎はカービィを丁寧にベットの上に置くと、
「おい、早く俺のこの足の鎖を外せ」
外れた鎖に繋がれていた足を確認し、カービィを持って歩き出す。
「あの?どこへ行くんですか?」
「ここを出て行く、早くこの世界から抜け出さなきゃならないからな」
「ダメです!!まだ傷は塞がってないんですからッ!!」
「俺にはやることがある、いつまでもこんな所にいるわけにはいかないんだ!!
5
俺の…………俺自身の夢を叶えるために!!
5
立ち止まることなんてできないんだ!!
5
邪魔をするなら
『standingby』
変身!!
complete!!
排除する」
全身に赤いフォトンブラッドが伸び、レアメタルの鎧を構築する。夢を守りし紅き救世主、
『仮面ライダー
ファイズはクラウチングスタートのようなポーズを取るとカシャッ、と腕をスナップさせて走り出す。右腕からのストレート、マナは魔法壁を作り出しガードするが、すかさず左からのジャブ、とだんだんと勢いを増していくファイズの攻撃、右足から繰り出された蹴りがついにマナの魔法壁を破り更に追撃の回し蹴りがマナに迫る。だが、空間転移魔法によってファイズの後ろに回り込む、しかしファイズもそれを予期していたかのように振り返りざまにヤクザキックをマナのお腹にかました。突然のダメージに口から血を吐きながら後ろに吹き飛ぶマナ。
『そこを退け、そうすれば命だけは見逃してやる』
ガキィンッッ!!!!と肩に何かが当たる、振り向くと
「お婆さん」
「私の弟子に余り酷い事をしないでね」
「あんたも俺の邪魔をするか、なら容赦はしない」
「男がやってはいけない事が2つあります
1つは食べ物を粗末にすること、そしてもう1つは、
女の子を泣かせる事です」
明らかな殺気に周りの動物達は逃げ去り草木は死んだかのように静まる。パチュリーさんの周りには色鮮やかな光の玉が視界全てを覆い尽くすかの如く左右している。それらは全て彼女の命令次第で大虎に襲いかかる。
『俺の邪魔をする奴は子供以外なら女だろうが容赦はしない』
腕に巻かれている腕時計型オプションアイテム『ファイズアクセル』からアクセルメモリーを抜き取るそして、そのアクセルメモリーをファイズファンにセットした。
『最速の10秒間だ、俺について来られるか』
『complete!!』