仮面ライダー ザ エスケープ   作:あるアルミン

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新章突入、みたいな?


偽りの幻想編
Worldescape21


とある戦道家の日常、

 

 

「おい、カービィ見なかったか?」

 

 

朝シャンを浴び、頭をタオルで拭きながらカービィを探す。一緒に風呂に入ってその後どっかに行ってしまい、探していた。よく隠れんぼとかするしすぐに出てくるだろうと思い自室に向かった。新たなガシャットの作成をしようとドアを開けた時、

 

 

「ポヨ〜♪」

 

 

部屋に立てかけてあったG4ユニットにカービィが触れていた。そして、一瞬にして光輝いたさと思うとそれはカービィに酷似したロボットに変わっていた。

 

 

「か、カービィ………それは………………」

 

 

さらに変化は起きた、ブランク状態であった新型ガシャットにカービィのロボットが吸い込まれたかと思うと、封印から解かれた剣のように周りの銀色の部分が崩れながら新たな姿が見えてきた。

 

 

「………………こいつは」

 

 

俺はそれを手に取るとカービィを思いっきり抱きしめた、

 

 

「馬鹿野郎ッ!!無闇に触るなって言っただろ!!お前に何かあったらどうすんだッ!!」

 

 

思いっきり怒鳴りつけた、頬から何かが流れ落ちる。ギュッ、とカービィを抱きしめる、抱きしめる。

 

 

 

 

(まさか、カービィが新たなガシャットを作り出すなんて……………………)

 

 

カービィの力が新たなガシャットを生み出した。だが、それは俺には使えなかった。いくらゲーマドライバーに差し込んでも反応しない。故にそれを扱える新たな装備を開発するしか無い。

 

 

(だが、カービィのあの好奇心には困ったもんだ、今回は怪我もなかったから良かったが、これはちゃんと躾をした方がいいな)

 

 

カービィは好奇心旺盛だ、それ故に変なものにつられて誘拐されかねない。事実、前に攫われかけたことがあった。しかも転生者にだ、その時は絶望すら生温い殺し方で殺してやった。カービィは優しい、転生者だろうが犯罪者だろうが分け隔てなく助けようとする。

 

 

「………………まあいいか、その時は俺が助ける。それだけだ『コンコン、大虎いるか?』イズナ?なんか用か」

 

 

ガチャ、とドアを開けて入って来たのはイズナだった。枕を抱きかかえ不安そうな目でこちらを見てくる。

 

 

「あの、その、えと、………………今夜、我と一緒に寝てはくれぬだろうか?」

 

 

「………………は?」

 

 

「実は………………」

 

 

イズナが言うには悪い夢を見たらしい。家族を失う悪夢を、

 

 

「………………また目の前から家族が消えてしまう。お主が消えてしまうと思うと胸が張り裂けそうなんじゃ………………もう家族を失いたく無いんじゃ」

 

 

イズナが弱みを見せたのは初めてだった。仕方ない、今夜だけだ、と言って隣を開けた。因みに頭の上にはカービィ、左には小牟が寝ている。いつかこいつに寝首をかかれそうで怖い。

 

 

 

 

 

悪い夢を見た、あの日、旦那が別の女の元へ行き、息子も婿に行ってしまった。仲間も親友も皆、死んでしまった。ずっと1人で孤独に行きて来た。たった1人で死んでいくのだろうか?我はこのまま1人、忘れ去られていくのだろうか?

 

そんな時だった、我の前にあやつが現れた。見たこともない道具で変身しかなりの力を持った対魔師どもを蹴散らしていく。興味を持った、どうせこのまま消えていくならこやつに憑くのも悪くは無いと、

 

そして大虎の優しさを知った。もう手放したく無い、もう1人になりたく無い。じゃから一生、こやつに憑いて行く。絶対に離さない絶対に離れない。我は我は

 

 

 

 

我は、白面金剛九尾イズナは戦道 大虎が大好きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

八神はやての現在状況を確認するため、俺は九条 貴利矢となり、病室へ向かった。

 

 

「お〜い、はやてちゃん、ライトちゃん、お見舞いに来たよ〜♪」

 

 

高町なのはがいた、パタン、ドアを閉めまた開ける。

 

 

「お見舞いに来たよ………………」

 

 

まさかの高町達とエンカウントとは、一応、お見舞いの品をはやてに渡し、重い空気となりヴォルケンリッターの方に座る。気まずい………………あと、あのどうしよう………

 

 

「や、やあ、自分、九条 貴利矢、まあはやてちゃんの親戚?見たいなもんで、ハハハ、よろしくね」

 

 

笑っているが重い、空気が重い………………

 

 

「ポォヨ〜♪」

 

 

げぇッ!!?カービィ、なんでここに、付いて来ちゃったの!!?

 

 

「アレ?カービィちゃん………なんでここにッ!!?」

 

 

「ポヨ?ポヨポヨポヨ、ポヨ!!ポ〜ヨポヨポ〜ヨ」

 

 

カービィは俺を見つけると俺の方に飛んで来た。そして膝の上に座ってしまった。マズイ、下手に動けば俺の正体がバレてしまう。

 

 

「可愛いな、へー、カービィって言うんか?このちっこいの」

 

 

「うん、私の同級生が飼ってるんだけど、なんでここにいるの?」

 

 

そうしてる内にうとうととカービィは眠ってしまった。このままではマズイ、俺は席を立とうとするが、ヴォルケンリッター達が俺の裾を掴み、目で、

 

 

この気まずい空気の中、私達を置いてどこへ行こうと言うのかね?貴様も道連れだ。

 

と、言っている。

 

 

(いゃ〜、自分ちょっとお手洗いに行こうと思ったんですけど)

 

 

(させねえぞ!!てめえだけこの空気から逃げようとしてんじゃねえ!!)

 

 

 

 

このやり取りが最後まで続いた。

 

 

 

 

 

 

「………………ハヤテちゃんが、闇の書の所有者なんだね」

 

 

 

ヴォルケンリッターと高町達の話し合いは平行線のまま、両者は戦いで決めることになった。

 

 

「んじゃ〜自分、先に帰ってますわ」

 

 

帰ろうとするがクロノが止める。

 

 

「君には仮面ライダーの事や闇の書の事を色々と喋ってもらう」

 

 

「あー、わかったわかった、そんなに言うんなら力ずくでやってみな」

 

 

クルクルとガシャットを回す。ニヤ、と笑いながらゲーマドライバーを取り出し腰に巻くと、

 

 

「逃げるぞッ!!」

 

 

貴利矢とカービィは走り出した。それも全力で、脇目も振らず、そして、

 

 

 

 

「なんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ………………」

 

 

「ポヨォォォォォォォォォォォォォォォォ………………………」

 

 

 

 

穴の中に落ちて行った。

 

 

 

「「「へ?」」」


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