予想外の人物の出現に狼狽えるゲンム
「ふ、何人増えようと私が有利なのは変わらない」
ガシャコンバグヴァイザーから光弾を発射し、牽制する。だがキュアダークネスはそれを紙一重で避けて一気にゲンムとの距離を縮めてくる。
『ギュ・イーンッ!!』
ガシャコンバグヴァイザーをチェーンソーモードに切り替え応戦、だがキュアダークネスの拳に当たったチェーンソーからは火花が散る。
(ッ!!巫山戯んなッ!!!チェーンソーと打ち合って火花を散らすなんざどんな拳してやがんだよッ!!!)
勢いよく、お互いに弾かれる。ゲンムは空中で一回転し見事に着地する。
(データ収集のはずが、とんだイレギュラーと鉢合わせしちまったな………)
ゲンムの目的はあくまでもデータ収集、あの3人のデータさえ取れれば終わりだったのだが、
「貴方をぶっ潰せば私はもっと(大くんを)守れるかもしれないから」
だから、ゴウッ!!!と言う風切り音とともにキュアダークネスの拳がまるで千手観音のようにラッシュを繰り出してくる。
「ブッツブレロ!!キュアインファイト!!」
済んだのところで回避するが、後ろにあった木が穴だらけになって倒れた。
『ッ!!想定外の事態だ………………』
更に振り返りながら足にエネルギーを纏った蹴りを繰り出してくる。
「真っ二つになってよ!!キュアジェノサイド!!」
更にそこからカポエラのように体を逆さにして回転してくる。真上に飛び上がることでそれを回避し、バグヴァイザーで攻撃する。
「あははは!!当たらないよ〜♪」
素手で光弾を弾きながら左腕に赤いエネルギーを、右腕に漆黒のエネルギーを貯める。
「闇なる力を持って、邪悪なるものを打ち滅ぼさんッ!!プリキュア、ダークネスエクスプロージョンッッッ!!!!!!」
その2つのエネルギーを1つに合わせ、最大級のビームを放つ
キュピィィィィンッッッ!!!ズガガガガガガガガカガカッッッッッッッ!!!!!!!!!
『チッ!!!』
『ガッシュー、ガチャ、キメワザッ!!』
キメワザスロットホルダーにガシャットを差し込み、ボタンを押す、そして更にボタンを押した。
『マイティ・クリティカル・ストライク!!!』
ゲンムの足にたまったエネルギーを蹴りと共にぶつける。
この日最大の爆発が起こったのは言うまでも無い。
「ハアハア、危なかった………………」
なんとか逃走し家に逃げ帰れたゲンムは変身を解き、いつもの大虎に戻る。紙一重の差だった、ギリギリのところでクリティカルストライクが相手の必殺技を上回り隙を作ることができた。
「小山そに子、奴も警戒しなければ………………」
コポコポと大虎の隣にある試験官が音を立てる。
「こいつの開発も急がなければならないな」
そう言って、バグヴァイザーのデータをパソコンに移すのだった。
次の日、
「ねーねーッ!!!大くん!!」
「なんだ………………」
いつものように机に突っ伏していると小山が話しかけてくる。と言うか後ろからホールドしてくる。地味に鬱陶しい。
「えへへ、私ね〜昨日、原作妨害する転生者と戦ったんだよ〜」
「………………それで、どうした?」
「それでね〜逃げられちゃったけどそいつを撤退させたんだ〜♪次は絶対にぶっ殺してややるけどね〜♪」
ムギュー!!とホールドする力を強めてくる。正直、心臓に悪かった。感のいい小山の事だから、俺がゲンムであることを見抜いているかと思っていた。
「あ、ああそうか………頑張れ………………………(要注意人物が増えたな………)」
「ねえ、戦道くん………」
あ?なんだ、高町か何の用だ?
「戦道くんのこと、一輝くんから聞いたんだ…………戦道くんも一樹くんや平賀くんみたいな特殊な力を持ってるって」
「だからなんだ?俺はお前らに力は貸さんぞ」
「ッ!!その力を誰かのために使おうとは思わないのッ!!その力で救える人達だっているんだよッ!!」
「知るかそんなこと、正義の味方ごっこなら他所でやりな」
俺は席を立つといつもの屋上へ向かう。
正義感ぶってる奴は嫌いだ。そう言う奴は自分の身すら守れない。特に高町、あいつは水晶だ、いずれその重圧に耐えきれなくなり跡形もなく砕け散る。
「ち、奴の情が移ったか?」
全くイライラする、
ビルの屋上、そこから眺める景色は決して日常的なものではなかった。
「巨大な樹木が街を占領中か、怪獣映画にありそうな展開だな」
そこに見えた巨大な樹木、ジェイルシードが暴走し発現したそれは結界に包まれた街を破壊しながら巨大化していく。
それを見ながら俺は腰にベルトを巻く、そして白い携帯電話を取り出す。今には珍しい折り畳み式の携帯を開くとそこにコードを入力する。
『3・1・5』
そしてエンターキーを押すと
『standingby』
その音声と共に待機音がなった。俺は少し首を回すと一呼吸し、
「let the game begin(さあ、ゲームを始めよう)」
キャラを変えて、
「ヘンシン」
『complete』
コバルトブルーのフォトンストリームが体を駆け巡り、一瞬の光と共にその姿は白いスーツへと変わった。
白き天空の王 仮面ライダーサイガ
サイガは背中のフライングアタッカーを使い空を飛び、あの巨大な樹木の所へと向かった。
「平賀!!大丈夫かッ!!?」
高町と平賀と共に現れた暴走体を倒そうと奮起している神狩達、だが、強烈な蔦の攻撃に平賀が吹き飛ばされてしまう。
ドドドトドドドドトドドドドトドドドドトドドドドトド!!!!!!!!
背後からの攻撃が暴走体の蔦を全て破壊した。
「誰だ!!」
振り向くとそこには、白い仮面ライダーが背中のブースターで空を飛んでいた。
「ハロー、ボーイタチ」
片言の日本語で話してきた。
「お前、仮面ライダーなのか?」
「ワオ、トイウコトハ ゲンム サン ニハ モウ アイマシタカ」
ッ!!やっぱりこいつ、あの仮面ライダーの仲間なのかッ!!
「ジコ ショウカイガ オクレマシタ ワタシハ カメンライダー サイガ ッテイイマ〜ス!!」
「ソンナ ワケダカラコノジェルシードハボクガイタダキマス」
フォー、と叫びながらフライングアタッカーからフォトンブラッドを光弾として連射し樹木を攻撃し始める。
しかし、忘れてはいけない、中身がオリ主であると言うことを